コツさえわかればあなたも読める
リハに役立つ脳画像
改訂第2版
定価 4,180円(税込) (本体3,800円+税)
- B5判 200ページ 2色(一部カラー),イラスト100点,写真200点
- 2020年11月2日刊行
- ISBN978-4-7583-2013-9
電子版
序文
改訂第2版監修の序
2013年NHKでプロフェッショナル~仕事の流儀~第200回「希望のリハビリ,ともに闘い抜く リハビリ医 酒向正春」が放映されてから,「脳画像診断を教えてほしい」,「脳画像診断本を書いてほしい」との依頼が殺到した。2016年にリハビリテーション治療や臨床研究を一緒に進めている理学療法士の大村君から,脳画像の「強化」書を監修してほしいとの情熱に賛同して,本書を発行した。
その後5年を経て,本書が多くの皆さんの手元で,お役に立てている現状を大変うれしく感じる。一方,2020年現在は予想だにしなかったコロナ禍で,東京オリンピック・パラリンピック2020は延期され,超高齢者はCOVID-19感染に怯える事態となった。本書がコロナ禍の超高齢社会で役に立つために,超高齢者の脳萎縮画像と認知症の病態をわかりやすく追加し改訂版とし,さらに,全世界にテキストと動画で発信する準備を始めた。
脳が壊れた患者に人間力を回復する(人間回復)ためには,何が必要か。それは,洗練されたリハビリテーション治療である。安静臥床のみでは,すべての患者が廃用症候群を生じて寝たきりとなってしまう。今や,脳卒中後24時間以内に急性期リハビリテーション治療を開始して,廃用予防から人間回復をすすめるチーム医療が常識となり,広範な褥瘡発生はまれな時代に進展した。
では,脳損傷後の機能回復はどこまで可能なのか。私たちは,脳画像診断,年齢,病前の認知・身体機能,発病後の廃用症候群の評価から残存機能を回復させている。壊れた脳組織の画像診断を基盤に,残存脳機能を評価して,はじめて攻めのリハビリテーション治療によるゴール設定が可能となる。日常現場でたくさん遭遇する超高齢患者はさまざまな脳萎縮を認めるために,本改訂では脳萎縮による認知症の画像診断と病態についてわかりやすく加筆した。
本書は,初心者が寝ながらでも,脳画像・脳解剖・脳機能を頭にスーッと入れられるように,わかりやすい解説,わかりやすいシェーマ,鮮明な脳画像で溢れた一冊とした。理学療法士,作業療法士,言語聴覚士の皆さんだけでなく,脳画像診断が得意でない医師,看護師,介護福祉士,診療放射線技師,管理栄養士,ソーシャルワーカーなどの医療従事者の皆さん,医療福祉関連を学ぶ学生諸君,そして,ご家族が脳卒中などの病気を発症し,脳を勉強したいと考えている一般の皆さんにも気軽に勉強していただけるように執筆した。本書が皆さんのお役に立てるような一冊になることを願うばかりである。
2020年10月
ねりま健育会病院院長・ライフサポートねりま管理者
回復期リハビリテーションセンター長
酒向正春
-----------------------
改訂第2版序文
本書は「脳に疾患を抱えた方々において,脳画像から脳の損傷領域と残存領域を正確に同定することで,機能障害と残存機能を見いだし,適切なリハビリテーションにつなげる」というコンセプトでつくられた書籍である。
本書初版の刊行時には,前例のないコンセプトでつくられた本書が果たして世に受け入れられるのか不安もあった。幸いなことに,初版は多くの読者に支持され,脳に疾患を抱えた方々のリハビリテーションに多少なりとも貢献できたことを,心から嬉しく思う。
このたび,初版の刊行からこれまでに得られた読者からの意見や筆者の臨床経験を踏まえ,本書の改訂を行うこととした。改訂の要点は以下の3つである。
1.認知症と脳萎縮に焦点を当てた章の追加
2.リハビリテーションに直結するコラムの追加
3.解説の追加,イラストの描き直しなど
1.認知症と脳萎縮に焦点を当てた章の追加
高齢化の進行に伴って認知症高齢者が増加しているが,「認知症」といってもタイプによって症状はさまざまであり,適切な対応を行うためには脳画像を用いてそのタイプを見抜くことが重要となる。そのため,認知症と脳萎縮に焦点を当てた新たな章を設けて内容を充実させた。
2.リハビリテーションに直結するコラムの追加
“画像がつないだエピソード”など,リハビリテーションに直結するコラムとして,
・言葉を話せない症例をすぐに失語症と決めつけずに脳画像を読むことの重要性
・歩行時に進路が横に逸れてしまう左半側空間無視症例が直進できるようになるには
・脳MRIのみの読影で済ませて頭部CTを無視することの危険性
などを新たに追加した。初版の読者や臨床家の方々には,まずコラムから目を通していただきたい。
3.解説の追加,イラストの描き直しなど
内容の理解が深まるよう,本文の加筆・修正,イラストの描き直し,脳画像の差し替え,用語解説の追加,他ページの内容との関連性についての記載を行った。特に「Ⅲ脳領域の機能解剖と脳画像上の同定法」では脳回・脳溝の構造とBrodmann areaの関係性をとらえやすくなるようイラストを描き直し,本文も修正した。
このたびの改訂によって,脳血管障害,認知症,多系統萎縮症といった,脳に疾患を抱えた方々のリハビリテーションに,これまで以上の貢献ができれば幸いである。
2020年10月
大泉学園複合施設・ライフサポートねりま
大村優慈
2013年NHKでプロフェッショナル~仕事の流儀~第200回「希望のリハビリ,ともに闘い抜く リハビリ医 酒向正春」が放映されてから,「脳画像診断を教えてほしい」,「脳画像診断本を書いてほしい」との依頼が殺到した。2016年にリハビリテーション治療や臨床研究を一緒に進めている理学療法士の大村君から,脳画像の「強化」書を監修してほしいとの情熱に賛同して,本書を発行した。
その後5年を経て,本書が多くの皆さんの手元で,お役に立てている現状を大変うれしく感じる。一方,2020年現在は予想だにしなかったコロナ禍で,東京オリンピック・パラリンピック2020は延期され,超高齢者はCOVID-19感染に怯える事態となった。本書がコロナ禍の超高齢社会で役に立つために,超高齢者の脳萎縮画像と認知症の病態をわかりやすく追加し改訂版とし,さらに,全世界にテキストと動画で発信する準備を始めた。
脳が壊れた患者に人間力を回復する(人間回復)ためには,何が必要か。それは,洗練されたリハビリテーション治療である。安静臥床のみでは,すべての患者が廃用症候群を生じて寝たきりとなってしまう。今や,脳卒中後24時間以内に急性期リハビリテーション治療を開始して,廃用予防から人間回復をすすめるチーム医療が常識となり,広範な褥瘡発生はまれな時代に進展した。
では,脳損傷後の機能回復はどこまで可能なのか。私たちは,脳画像診断,年齢,病前の認知・身体機能,発病後の廃用症候群の評価から残存機能を回復させている。壊れた脳組織の画像診断を基盤に,残存脳機能を評価して,はじめて攻めのリハビリテーション治療によるゴール設定が可能となる。日常現場でたくさん遭遇する超高齢患者はさまざまな脳萎縮を認めるために,本改訂では脳萎縮による認知症の画像診断と病態についてわかりやすく加筆した。
本書は,初心者が寝ながらでも,脳画像・脳解剖・脳機能を頭にスーッと入れられるように,わかりやすい解説,わかりやすいシェーマ,鮮明な脳画像で溢れた一冊とした。理学療法士,作業療法士,言語聴覚士の皆さんだけでなく,脳画像診断が得意でない医師,看護師,介護福祉士,診療放射線技師,管理栄養士,ソーシャルワーカーなどの医療従事者の皆さん,医療福祉関連を学ぶ学生諸君,そして,ご家族が脳卒中などの病気を発症し,脳を勉強したいと考えている一般の皆さんにも気軽に勉強していただけるように執筆した。本書が皆さんのお役に立てるような一冊になることを願うばかりである。
2020年10月
ねりま健育会病院院長・ライフサポートねりま管理者
回復期リハビリテーションセンター長
酒向正春
-----------------------
改訂第2版序文
本書は「脳に疾患を抱えた方々において,脳画像から脳の損傷領域と残存領域を正確に同定することで,機能障害と残存機能を見いだし,適切なリハビリテーションにつなげる」というコンセプトでつくられた書籍である。
本書初版の刊行時には,前例のないコンセプトでつくられた本書が果たして世に受け入れられるのか不安もあった。幸いなことに,初版は多くの読者に支持され,脳に疾患を抱えた方々のリハビリテーションに多少なりとも貢献できたことを,心から嬉しく思う。
このたび,初版の刊行からこれまでに得られた読者からの意見や筆者の臨床経験を踏まえ,本書の改訂を行うこととした。改訂の要点は以下の3つである。
1.認知症と脳萎縮に焦点を当てた章の追加
2.リハビリテーションに直結するコラムの追加
3.解説の追加,イラストの描き直しなど
1.認知症と脳萎縮に焦点を当てた章の追加
高齢化の進行に伴って認知症高齢者が増加しているが,「認知症」といってもタイプによって症状はさまざまであり,適切な対応を行うためには脳画像を用いてそのタイプを見抜くことが重要となる。そのため,認知症と脳萎縮に焦点を当てた新たな章を設けて内容を充実させた。
2.リハビリテーションに直結するコラムの追加
“画像がつないだエピソード”など,リハビリテーションに直結するコラムとして,
・言葉を話せない症例をすぐに失語症と決めつけずに脳画像を読むことの重要性
・歩行時に進路が横に逸れてしまう左半側空間無視症例が直進できるようになるには
・脳MRIのみの読影で済ませて頭部CTを無視することの危険性
などを新たに追加した。初版の読者や臨床家の方々には,まずコラムから目を通していただきたい。
3.解説の追加,イラストの描き直しなど
内容の理解が深まるよう,本文の加筆・修正,イラストの描き直し,脳画像の差し替え,用語解説の追加,他ページの内容との関連性についての記載を行った。特に「Ⅲ脳領域の機能解剖と脳画像上の同定法」では脳回・脳溝の構造とBrodmann areaの関係性をとらえやすくなるようイラストを描き直し,本文も修正した。
このたびの改訂によって,脳血管障害,認知症,多系統萎縮症といった,脳に疾患を抱えた方々のリハビリテーションに,これまで以上の貢献ができれば幸いである。
2020年10月
大泉学園複合施設・ライフサポートねりま
大村優慈
全文表示する
閉じる
目次
Ⅰ はじめに(脳画像所見と機能障害の関係など)
1 脳画像のリハへの役立て方
Ⅱ 脳画像の基礎
1 脳梗塞画像の基礎:CT と各種MRI を使い分けよう
2 梗塞巣の経時的変化:ペナンブラとfogging effect に注意しよう
3 脳出血画像の基礎:経時的変化をおさえよう
4 横断像の基準線:OM line とAC-PC line を理解しよう
5 圧迫所見の評価
Ⅲ 脳領域の機能解剖と脳画像上の同定法
1 脳領域の同定方法と手関節屈筋腱の同定方法は同じ
2 側脳室は重要なランドマークである
3 脳葉を区分する指標をおさえよう
4 外側溝の同定:島との位置関係を理解しよう
5 中心溝はprecentral knobと帯状溝辺縁枝から同定しよう
6 頭頂後頭溝は側脳室体部のレベルで同定しよう
7 頭頂葉と側頭葉の境界は,島を指標に判断しよう
8 大脳皮質の構造は「のし3丁」と覚えよう
9 脳をさまざまな方向から見てみよう
10 大脳皮質の構造と機能局在の関係を理解しよう
11 前頭葉の脳回は内側から外側に向けて同定しよう
12 麻痺はどこに生じる? 錐体路と体性感覚伝導路の体部位局在をおさえよう
13 Broca野の同定:外側溝前上行枝との位置関係を理解しよう
14 Wernicke野の同定:外側溝後枝との位置関係を理解しよう
15 頭頂葉の区分は丁の字型の溝を指標にしよう
16 縁上回と角回は外側溝後枝と上側頭溝から同定しよう
17 視覚野の同定:脳梁膨大との位置関係をおさえよう
18 どの視野が欠損する?:視野と伝導路の関係をおさえよう
19 海馬・扁桃体の同定:側脳室下角との位置関係を理解しよう
20 側頭葉前部の4つの脳回は指を使って覚えよう
21 尾状核の同定:側脳室との位置関係を理解しよう
22 レンズ核の同定:CT とMRI の淡蒼球の写り方の違いを理解しよう
23 内包の同定:CT とMRI での写り方の特徴を理解しよう
24 視床の機能局在:視床亜核の機能を理解しよう
25 脳梁の同定:側脳室との位置関係を理解しよう
26 帯状回の同定:脳梁との位置関係を理解しよう
27 上縦束の同定:被殻との位置関係をおさえよう
28 小脳の機能解剖:小脳皮質と小脳核の機能区分を理解しよう
29 中脳の機能解剖:前部と後部の違いをおさえよう
30 橋の機能解剖:上部と下部の違いをおさえよう
31 延髄の機能解剖:内側部と外側部の違いをおさえよう
32 MRAの見かた:正面像と軸位像を見極めよう
33 「前大脳動脈=前頭葉」ではない!:大脳皮質の動脈支配を正しく理解しよう
34 主幹動脈と穿通枝動脈の関係をおさえよう
35 横断像上の脳動脈支配領域をおさえよう
36 脳動脈の支配領域の個人差を理解しよう
Ⅳ 脳萎縮と認知症の画像の見かた
1 アルツハイマー型認知症:海馬の萎縮に着目しよう
2 前頭側頭型認知症:海馬が保たれるのが特徴
3 レビー小体型認知症:MRI では特徴的所見に乏しい
4 脳血管性認知症:大脳白質病変に着目しよう
5 正常圧水頭症:脳萎縮と水頭症を鑑別しよう
6 多系統萎縮症:脳幹・小脳萎縮,十字サイン,スリットサイン
Ⅴ 虚血性脳血管障害の画像の見かた
1 脳梗塞の発生機序と病巣範囲の関係をおさえよう
2 前大脳動脈領域梗塞:運動野と感覚野の損傷に着目しよう
3 中大脳動脈領域梗塞:放線冠の損傷に着目しよう
4 後大脳動脈領域梗塞:視床と中脳の損傷に着目しよう
5 内頸動脈領域梗塞:分水嶺領域の損傷に着目しよう
6 穿通枝動脈領域の梗塞:ラクナ梗塞とBAD の違いを知ろう
7 前脈絡叢動脈領域梗塞:高次脳機能障害を見逃さないようにしよう
8 テント下の脳梗塞:椎骨・脳底動脈系の解剖を理解しよう
9 血管の状態を確認しよう
Ⅵ 出血性脳血管障害の画像の見かた
1 血腫,CT分類,機能予後をまずおさえよう
2 被殻出血:周囲の神経線維の損傷に着目しよう
3 視床出血:視床亜核と周辺構造の損傷に着目しよう
4 脳幹出血:錐体路・横橋線維・脳神経核に着目しよう
5 小脳出血:出血源による症状の違いを理解しよう
6 皮質下出血:機能局在と神経線維をおさえよう
7 くも膜下出血:出血と合併症のそれぞれの症状を知ろう
Ⅶ 頭部外傷の画像の見かた
1 頭部外傷
1 脳画像のリハへの役立て方
Ⅱ 脳画像の基礎
1 脳梗塞画像の基礎:CT と各種MRI を使い分けよう
2 梗塞巣の経時的変化:ペナンブラとfogging effect に注意しよう
3 脳出血画像の基礎:経時的変化をおさえよう
4 横断像の基準線:OM line とAC-PC line を理解しよう
5 圧迫所見の評価
Ⅲ 脳領域の機能解剖と脳画像上の同定法
1 脳領域の同定方法と手関節屈筋腱の同定方法は同じ
2 側脳室は重要なランドマークである
3 脳葉を区分する指標をおさえよう
4 外側溝の同定:島との位置関係を理解しよう
5 中心溝はprecentral knobと帯状溝辺縁枝から同定しよう
6 頭頂後頭溝は側脳室体部のレベルで同定しよう
7 頭頂葉と側頭葉の境界は,島を指標に判断しよう
8 大脳皮質の構造は「のし3丁」と覚えよう
9 脳をさまざまな方向から見てみよう
10 大脳皮質の構造と機能局在の関係を理解しよう
11 前頭葉の脳回は内側から外側に向けて同定しよう
12 麻痺はどこに生じる? 錐体路と体性感覚伝導路の体部位局在をおさえよう
13 Broca野の同定:外側溝前上行枝との位置関係を理解しよう
14 Wernicke野の同定:外側溝後枝との位置関係を理解しよう
15 頭頂葉の区分は丁の字型の溝を指標にしよう
16 縁上回と角回は外側溝後枝と上側頭溝から同定しよう
17 視覚野の同定:脳梁膨大との位置関係をおさえよう
18 どの視野が欠損する?:視野と伝導路の関係をおさえよう
19 海馬・扁桃体の同定:側脳室下角との位置関係を理解しよう
20 側頭葉前部の4つの脳回は指を使って覚えよう
21 尾状核の同定:側脳室との位置関係を理解しよう
22 レンズ核の同定:CT とMRI の淡蒼球の写り方の違いを理解しよう
23 内包の同定:CT とMRI での写り方の特徴を理解しよう
24 視床の機能局在:視床亜核の機能を理解しよう
25 脳梁の同定:側脳室との位置関係を理解しよう
26 帯状回の同定:脳梁との位置関係を理解しよう
27 上縦束の同定:被殻との位置関係をおさえよう
28 小脳の機能解剖:小脳皮質と小脳核の機能区分を理解しよう
29 中脳の機能解剖:前部と後部の違いをおさえよう
30 橋の機能解剖:上部と下部の違いをおさえよう
31 延髄の機能解剖:内側部と外側部の違いをおさえよう
32 MRAの見かた:正面像と軸位像を見極めよう
33 「前大脳動脈=前頭葉」ではない!:大脳皮質の動脈支配を正しく理解しよう
34 主幹動脈と穿通枝動脈の関係をおさえよう
35 横断像上の脳動脈支配領域をおさえよう
36 脳動脈の支配領域の個人差を理解しよう
Ⅳ 脳萎縮と認知症の画像の見かた
1 アルツハイマー型認知症:海馬の萎縮に着目しよう
2 前頭側頭型認知症:海馬が保たれるのが特徴
3 レビー小体型認知症:MRI では特徴的所見に乏しい
4 脳血管性認知症:大脳白質病変に着目しよう
5 正常圧水頭症:脳萎縮と水頭症を鑑別しよう
6 多系統萎縮症:脳幹・小脳萎縮,十字サイン,スリットサイン
Ⅴ 虚血性脳血管障害の画像の見かた
1 脳梗塞の発生機序と病巣範囲の関係をおさえよう
2 前大脳動脈領域梗塞:運動野と感覚野の損傷に着目しよう
3 中大脳動脈領域梗塞:放線冠の損傷に着目しよう
4 後大脳動脈領域梗塞:視床と中脳の損傷に着目しよう
5 内頸動脈領域梗塞:分水嶺領域の損傷に着目しよう
6 穿通枝動脈領域の梗塞:ラクナ梗塞とBAD の違いを知ろう
7 前脈絡叢動脈領域梗塞:高次脳機能障害を見逃さないようにしよう
8 テント下の脳梗塞:椎骨・脳底動脈系の解剖を理解しよう
9 血管の状態を確認しよう
Ⅵ 出血性脳血管障害の画像の見かた
1 血腫,CT分類,機能予後をまずおさえよう
2 被殻出血:周囲の神経線維の損傷に着目しよう
3 視床出血:視床亜核と周辺構造の損傷に着目しよう
4 脳幹出血:錐体路・横橋線維・脳神経核に着目しよう
5 小脳出血:出血源による症状の違いを理解しよう
6 皮質下出血:機能局在と神経線維をおさえよう
7 くも膜下出血:出血と合併症のそれぞれの症状を知ろう
Ⅶ 頭部外傷の画像の見かた
1 頭部外傷
全文表示する
閉じる
画像の読み解き方や用語の解説を追加して,さらに理解しやすくなった待望の改訂第2版!
脳画像を最大限に活かすためには,脳回の一つひとつ,神経経路,血管の1本まで丁寧に読み解くことが大切である。脳は狭い領域にさまざまな機能の中枢が集まっていて理解が難しいと思われているが,目印となるランドマークを起点に隣接する脳回や脳溝を順を追ってたどっていけば,全体像が明瞭に整理でき,また,損傷された領域を把握し,障害を受けた機能と残存する機能を見出すことができる。漠然と脳画像を見て曖昧な結論を出すのではなく,障害による症状や残存機能を予測するために有効なヒントを与えてくれる脳画像を最大限活用できるようになる1冊。
改訂にあたって認知症に関連する6項目を追加。また全体に画像の読み解き方や用語の解説を追加し,初学者にもさらに理解しやすくなった待望の改訂第2版!