作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト
高次脳機能障害作業療法学(第3版)
[Web動画付]
第3版
定価 4,840円(税込) (本体4,400円+税)
- B5判 328ページ オールカラー,イラスト227点,写真70点
- 2022年3月3日刊行
- ISBN978-4-7583-2045-0
電子版
序文
第3版 監修の序
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。
本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12 巻となります。
改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し視て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
------------------------
第3版 編集の序
この書の初版が2012年10 月に刊行され,10年の時が流れようとしている。
医学・生理学分野では,この書の第2版が刊行された2016年に東京大学の大隅良典特別栄誉教授がオートファジーの仕組みの解明でノーベル賞を受賞され,2018年には京都大学の本庶 佑特別教授ががん免疫療法でノーベル賞を受賞され,医学の進歩に拍車がかかった。また,21世紀は脳科学の時代と言われて20年が過ぎ,その脳科学研究の成果も着実に積み重なってきた。
2019年末より全世界に広まってしまったCOVID-19は,本書改訂第3版の刊行時点では,未だパンデミック状態である。感染による重症者,お亡くなりになった方々が莫大な数となり,全世界で計り知れない犠牲を被っている。教育の分野では,この状況を打破するために約2年の間にICTの活用が格段に進んだ。我々,作業療法の教育でも,臨床実習の代替としての学内演習に供するためのDVDなどのコンテンツ作成やWeb上での教育支援システムの開発を進めているところである。
その一方,本書改訂第2版刊行の2016年からの6年間の作業療法士の養成状況はどうであろう。作業療法学校養成施設は着実に増加し続けているが,国家試験合格者は毎年5,000名前後で,量的にも質的にも臨床現場からの要求に対し,十分には応えられていない。その原因の1つは,各学校養成施設の定員割れと,4年制大学であっても養成率が75~85%強というレベルにとどまっていることであろう。4年制専門学校,3年制専門学校,短期大学に至っては,近年では50%以下の養成率となっている。このような現状には,高校生にとって魅力ある職業と映らないことが根底にあるのだろうと推察する。この大問題を打破するためには,「作業療法は脳科学の一分野で,障害を有する人に対して脳科学の知見を基に支援する専門職である」というメッセージをわかりやすく提供することが大事だと考える。そのためにも,本書のような書籍を基礎に,まずは学生自身が学修し,後輩に作業療法についてアピールしていくことが求められるであろう。
さて,2回目の改訂となる第3版における,変更ポイントを以下にお示しする。
1 全体のページ数を約2割増加させた。
2 紙面のカラー化を促進させ,視覚的な充実を図った。
3 これまでの「Case Study」に加え,巻末に10症例からなる事例集を追加し,一部ではあるが症状や介入方法をイメージしやすい動画を供覧できるようにした。
4 自主的な学習の一助となるよう,アクティブラーニングという囲み記事を新設した。
5 改正された指定規則に則り,作業療法参加型臨床実習に役立つ解説を追加した。
また,初版から一貫して重視している,①用語の定義,②評価・介入のポイントの明示はそのまま踏襲し,できるだけ内容的に一貫性のあるものとするべく,巻末の事例集を除く本文の執筆者も改訂第2版のままの少人数体制で臨んだ。
今回も単独での編集となったが,まだまだ書籍の編集としては初心者であり,今後,読者のみなさまから,貴重なご意見を賜り,改善を重ねてゆきたいと切に願っております。
最後に,第3版の構成の見直しから刊行に至るまで,助言と励ましの言葉をいただきましたメジカルビュー社の伊藤 彩氏に深く感謝致します。
2022年2月
藍野大学
鈴木孝治
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。
本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12 巻となります。
改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し視て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
------------------------
第3版 編集の序
この書の初版が2012年10 月に刊行され,10年の時が流れようとしている。
医学・生理学分野では,この書の第2版が刊行された2016年に東京大学の大隅良典特別栄誉教授がオートファジーの仕組みの解明でノーベル賞を受賞され,2018年には京都大学の本庶 佑特別教授ががん免疫療法でノーベル賞を受賞され,医学の進歩に拍車がかかった。また,21世紀は脳科学の時代と言われて20年が過ぎ,その脳科学研究の成果も着実に積み重なってきた。
2019年末より全世界に広まってしまったCOVID-19は,本書改訂第3版の刊行時点では,未だパンデミック状態である。感染による重症者,お亡くなりになった方々が莫大な数となり,全世界で計り知れない犠牲を被っている。教育の分野では,この状況を打破するために約2年の間にICTの活用が格段に進んだ。我々,作業療法の教育でも,臨床実習の代替としての学内演習に供するためのDVDなどのコンテンツ作成やWeb上での教育支援システムの開発を進めているところである。
その一方,本書改訂第2版刊行の2016年からの6年間の作業療法士の養成状況はどうであろう。作業療法学校養成施設は着実に増加し続けているが,国家試験合格者は毎年5,000名前後で,量的にも質的にも臨床現場からの要求に対し,十分には応えられていない。その原因の1つは,各学校養成施設の定員割れと,4年制大学であっても養成率が75~85%強というレベルにとどまっていることであろう。4年制専門学校,3年制専門学校,短期大学に至っては,近年では50%以下の養成率となっている。このような現状には,高校生にとって魅力ある職業と映らないことが根底にあるのだろうと推察する。この大問題を打破するためには,「作業療法は脳科学の一分野で,障害を有する人に対して脳科学の知見を基に支援する専門職である」というメッセージをわかりやすく提供することが大事だと考える。そのためにも,本書のような書籍を基礎に,まずは学生自身が学修し,後輩に作業療法についてアピールしていくことが求められるであろう。
さて,2回目の改訂となる第3版における,変更ポイントを以下にお示しする。
1 全体のページ数を約2割増加させた。
2 紙面のカラー化を促進させ,視覚的な充実を図った。
3 これまでの「Case Study」に加え,巻末に10症例からなる事例集を追加し,一部ではあるが症状や介入方法をイメージしやすい動画を供覧できるようにした。
4 自主的な学習の一助となるよう,アクティブラーニングという囲み記事を新設した。
5 改正された指定規則に則り,作業療法参加型臨床実習に役立つ解説を追加した。
また,初版から一貫して重視している,①用語の定義,②評価・介入のポイントの明示はそのまま踏襲し,できるだけ内容的に一貫性のあるものとするべく,巻末の事例集を除く本文の執筆者も改訂第2版のままの少人数体制で臨んだ。
今回も単独での編集となったが,まだまだ書籍の編集としては初心者であり,今後,読者のみなさまから,貴重なご意見を賜り,改善を重ねてゆきたいと切に願っております。
最後に,第3版の構成の見直しから刊行に至るまで,助言と励ましの言葉をいただきましたメジカルビュー社の伊藤 彩氏に深く感謝致します。
2022年2月
藍野大学
鈴木孝治
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目次
0 Introduction
1 Introduction [鈴木孝治]
① 高次脳機能障害作業療法学のおもしろさ
② 高次脳機能障害作業療法学で何を学ぶのか
③ 評価と介入原則
④ 症例を通して学ぶ大切さ
⑤ 最後に一言
1 高次脳機能障害とは何か
1 高次脳機能障害とは [鈴木孝治]
① 高次脳機能のとらえかた
② 高次脳機能とは
③ 高次脳機能障害の特徴と原因疾患
2 高次脳機能障害の背景となる学問(神経心理学と認知心理学) [鈴木孝治]
① 脳と心の関係
② 神経心理学
③ 認知心理学
④ 神経心理学と認知心理学の関係
3 作業療法と高次脳機能障害 [鈴木孝治]
① 作業療法の構造と生活障害について
② 作業療法士の視点
③ 作業療法のプロセス
④ 脳機能と介入についての考えかた
2 高次脳機能障害の評価の概要
1 評価の流れ [鈴木孝治]
① はじめに
② リハビリテーション理念の確認
③ 国際生活機能分類の活用
④ どうすれば,評価ができるようになるのか?
⑤ 評価とは何か
⑥ 作業療法評価の目的
⑦ 評価のプロセス
⑧ 高次脳機能障害と作業療法評価・介入
⑨ 評価をするにあたって
2 評価の組み立てかた [鈴木孝治]
①「 あたり」を付ける
② 生活障害を評価する視点を忘れずに
3 画像の見かた [鈴木孝治]
① 脳の部位
② 脳画像の種類
③ MRIの撮像方法
④ CTとMRIの比較
⑤ 症例の画像におけるCT ,MRIの特徴
4 観察の方法 [岩崎也生子,鈴木孝治]
① 観察とは
② 観察すべき項目
③ 観察のポイント
5 面接の方法 [鈴木孝治,岩崎也生子]
① 面接とは
② 面接の基本技能の確認
③ 面接のポイント
6 神経心理学的検査の使いかた [鈴木孝治]
① 検査(test)とは
② 神経心理学的検査の役割
③ 神経心理学的検査実施の際のポイント
7 各種神経心理学的検査の紹介 [鈴木孝治,岩崎也生子]
① 意識
② 注意
③ 認知
④ 言語
⑤ 記憶
⑥ 行為
⑦ 遂行機能
⑧ 知能
⑨ 人格・情動
8 介入につなげる解釈 [鈴木孝治]
① 評価のおさらい
② 評価結果の解釈
③ 介入計画
④ 最後に ─再び,何のために評価をするのか─
3 各論:意識・注意・感情の障害への介入
1 意識と注意 [鈴木孝治]
① 意識とは
② 意識の階層モデル
③ 注意とは
④ ワーキングメモリとは
2 意識障害,注意機能障害の特徴 [鈴木孝治]
① 意識障害の特徴
② 軽度意識障害
③ 病巣
④ 注意機能障害の特徴
3 意識障害,注意機能障害の評価 [鈴木孝治]
① 意識障害の評価
② 軽い意識障害の評価
③ 注意機能障害の評価
4 意識障害,注意機能障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 意識障害への介入ストラテジー
② 注意機能障害への介入ストラテジー
5 半側空間無視および関連する障害の特徴 [鈴木孝治]
① 半側空間無視とは
② 半側空間無視の病巣
③ 半側空間無視の症状
④ 半側空間無視の関連症状
6 半側空間無視および関連する障害の評価 [鈴木孝治]
① 半側空間無視の評価法
② ADL場面における半側空間無視の評価
③ 標準化された半側空間無視の評価
④ 半側空間無視に関連する障害の評価
7 半側空間無視および関連する障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 介入の目標と原則
② 半側空間無視に対するリハビリテーションの実際
③ 半側空間無視に対するリハビリテーションの効果
8 感情とは [鈴木孝治]
① 感情と情動
② 情動性感情と感覚性感情
③ 意欲とは
④ 半発動性(Antriebsmangel)とは
⑤ 自発性(spontaneity)とは
⑥ 意欲・発動性・自発性の関係
9 感情障害の特徴 [鈴木孝治]
① 感情の量的な変化
② 感情の質的な変化
10 感情障害の評価 [鈴木孝治]
① 感情の評価法
11 感情障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 薬物療法
② 行動療法
③ 環境のリセット
④ 認知行動療法(cognitive behavioral therapy)とは
Case Study Answer
4 各論:認知の障害への介入
1 認知とは [能登真一]
① 認知とは何か
2 認知の障害の特徴 [能登真一]
① 視覚失認
② 聴覚失認
③ 触覚失認
④ 街並失認,道順障害
⑤ 構成障害
⑥ 着衣障害
3 認知の障害の評価 [能登真一]
① 予備的な評価
② 視覚機能の評価
③ 症状特異的な評価
④ ADLの評価
4 認知の障害への介入の実際 [能登真一]
① 発症からの時期
② 機能か行為か
Case Study Answer
5 各論:言語・記憶・思考の障害への介入
1 言語とは [鈴木孝治]
① 言語機能
2 言語障害の特徴 [鈴木孝治]
① 言語障害
3 言語障害の評価 [鈴木孝治]
① 失語症のスクリーニング検査
② 失語症の定量的検査
③ 作業療法士が行うべき失語症の評価
4 言語障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 非言語的介入とコミュニケーション・ノート
② 失語症患者とのコミュニケーションにおける注意事項
5 記憶とは [鈴木孝治]
① 記憶の定義
② 記憶のプロセス
③ 記憶の分類
6 記憶障害の特徴 [鈴木孝治]
① 記憶障害の種類
② 障害されやすい記憶
③ 記憶障害の原因となる疾患
7 記憶障害の評価 [鈴木孝治]
① 記憶障害の評価
8 記憶障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 記憶障害に対する介入ストラテジー
9 思考とは [鈴木孝治]
① 概念・推論・判断について
② 思考とは何か
10 思考障害の特徴 [鈴木孝治]
① 思考障害
11 思考障害の評価 [鈴木孝治]
① 概念の障害の評価
② 推論の障害の評価
③ 判断の障害の評価
④ 作業遂行場面における問題解決の障害の評価
12 問題解決の障害に対する介入の実際 [鈴木孝治]
① 問題解決の障害
Case Study Answer
6 各論:行為・行動の障害への介入
1 行為・行動とは [佐野恭子]
①「 行為」「行動」とは何か
2 行為・行動の障害の特徴 [佐野恭子]
① 動作の抑制障害
② 失行(apraxia)
3 行為・行動の障害の評価 [佐野恭子]
① 評価のポイント
② 行為・行動障害の評価
4 行為・行動の障害への介入の実際 [佐野恭子]
① 介入時の原則
② 訓練のポイント
Case Study Answer
7 各論:遂行機能障害への介入
1 遂行機能とは [佐野恭子]
① 遂行機能
2 遂行機能の特徴 [佐野恭子]
① 遂行機能の特徴
3 遂行機能障害の評価 [佐野恭子]
① 評価をする前に
② 遂行機能障害の評価
4 遂行機能障害への介入の実際 [佐野恭子]
① 目標設定
② 介入の方法
Case Study Answer
8 各論:社会的行動障害への介入
1 社会的行動とは [鈴木めぐみ]
① 社会的行動とは
② 社会的行動を支える認知機能
③ 社会的行動に関係する脳部位
2 社会的行動障害の特徴 [鈴木めぐみ]
① 社会的行動障害とは
② 社会的行動障害の主要な症状
3 社会的行動障害の評価 [ 鈴木めぐみ]
① 何を評価するか
② 評価法の実際
③ 評価時に重要な視点
4 社会的行動障害への介入の実際 [鈴木めぐみ]
① 最初に考慮すること
② 具体的なリハビリテーション介入方法
③ 気付きを促進するには
Case Study Answer
9 今後の展望
1 作業療法が高次脳機能障害の分野で必要と認められるためには [鈴木孝治]
① 患者が来たらまず検査の実施という時代があった
② 注意機能障害への対応原則はバスの運転手の安全確認に学べ
③ 作業療法士は黒子であれ
④ 精神医学,精神障害作業療法学との関連を忘れずに
⑤ 作業療法士は身体・精神両面をバランスよくみられる専門職
⑥ 大切なことは臨床実践に基づいた教育
事例集
事例1 意識障害
事例2 注意機能障害
事例3 記憶障害
事例4 視覚失認
事例5 半側空間無視
事例6 着衣障害
事例7 病態失認
事例8 失行症(観念失行)
事例9 遂行機能障害
事例10 社会的行動障害
1 Introduction [鈴木孝治]
① 高次脳機能障害作業療法学のおもしろさ
② 高次脳機能障害作業療法学で何を学ぶのか
③ 評価と介入原則
④ 症例を通して学ぶ大切さ
⑤ 最後に一言
1 高次脳機能障害とは何か
1 高次脳機能障害とは [鈴木孝治]
① 高次脳機能のとらえかた
② 高次脳機能とは
③ 高次脳機能障害の特徴と原因疾患
2 高次脳機能障害の背景となる学問(神経心理学と認知心理学) [鈴木孝治]
① 脳と心の関係
② 神経心理学
③ 認知心理学
④ 神経心理学と認知心理学の関係
3 作業療法と高次脳機能障害 [鈴木孝治]
① 作業療法の構造と生活障害について
② 作業療法士の視点
③ 作業療法のプロセス
④ 脳機能と介入についての考えかた
2 高次脳機能障害の評価の概要
1 評価の流れ [鈴木孝治]
① はじめに
② リハビリテーション理念の確認
③ 国際生活機能分類の活用
④ どうすれば,評価ができるようになるのか?
⑤ 評価とは何か
⑥ 作業療法評価の目的
⑦ 評価のプロセス
⑧ 高次脳機能障害と作業療法評価・介入
⑨ 評価をするにあたって
2 評価の組み立てかた [鈴木孝治]
①「 あたり」を付ける
② 生活障害を評価する視点を忘れずに
3 画像の見かた [鈴木孝治]
① 脳の部位
② 脳画像の種類
③ MRIの撮像方法
④ CTとMRIの比較
⑤ 症例の画像におけるCT ,MRIの特徴
4 観察の方法 [岩崎也生子,鈴木孝治]
① 観察とは
② 観察すべき項目
③ 観察のポイント
5 面接の方法 [鈴木孝治,岩崎也生子]
① 面接とは
② 面接の基本技能の確認
③ 面接のポイント
6 神経心理学的検査の使いかた [鈴木孝治]
① 検査(test)とは
② 神経心理学的検査の役割
③ 神経心理学的検査実施の際のポイント
7 各種神経心理学的検査の紹介 [鈴木孝治,岩崎也生子]
① 意識
② 注意
③ 認知
④ 言語
⑤ 記憶
⑥ 行為
⑦ 遂行機能
⑧ 知能
⑨ 人格・情動
8 介入につなげる解釈 [鈴木孝治]
① 評価のおさらい
② 評価結果の解釈
③ 介入計画
④ 最後に ─再び,何のために評価をするのか─
3 各論:意識・注意・感情の障害への介入
1 意識と注意 [鈴木孝治]
① 意識とは
② 意識の階層モデル
③ 注意とは
④ ワーキングメモリとは
2 意識障害,注意機能障害の特徴 [鈴木孝治]
① 意識障害の特徴
② 軽度意識障害
③ 病巣
④ 注意機能障害の特徴
3 意識障害,注意機能障害の評価 [鈴木孝治]
① 意識障害の評価
② 軽い意識障害の評価
③ 注意機能障害の評価
4 意識障害,注意機能障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 意識障害への介入ストラテジー
② 注意機能障害への介入ストラテジー
5 半側空間無視および関連する障害の特徴 [鈴木孝治]
① 半側空間無視とは
② 半側空間無視の病巣
③ 半側空間無視の症状
④ 半側空間無視の関連症状
6 半側空間無視および関連する障害の評価 [鈴木孝治]
① 半側空間無視の評価法
② ADL場面における半側空間無視の評価
③ 標準化された半側空間無視の評価
④ 半側空間無視に関連する障害の評価
7 半側空間無視および関連する障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 介入の目標と原則
② 半側空間無視に対するリハビリテーションの実際
③ 半側空間無視に対するリハビリテーションの効果
8 感情とは [鈴木孝治]
① 感情と情動
② 情動性感情と感覚性感情
③ 意欲とは
④ 半発動性(Antriebsmangel)とは
⑤ 自発性(spontaneity)とは
⑥ 意欲・発動性・自発性の関係
9 感情障害の特徴 [鈴木孝治]
① 感情の量的な変化
② 感情の質的な変化
10 感情障害の評価 [鈴木孝治]
① 感情の評価法
11 感情障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 薬物療法
② 行動療法
③ 環境のリセット
④ 認知行動療法(cognitive behavioral therapy)とは
Case Study Answer
4 各論:認知の障害への介入
1 認知とは [能登真一]
① 認知とは何か
2 認知の障害の特徴 [能登真一]
① 視覚失認
② 聴覚失認
③ 触覚失認
④ 街並失認,道順障害
⑤ 構成障害
⑥ 着衣障害
3 認知の障害の評価 [能登真一]
① 予備的な評価
② 視覚機能の評価
③ 症状特異的な評価
④ ADLの評価
4 認知の障害への介入の実際 [能登真一]
① 発症からの時期
② 機能か行為か
Case Study Answer
5 各論:言語・記憶・思考の障害への介入
1 言語とは [鈴木孝治]
① 言語機能
2 言語障害の特徴 [鈴木孝治]
① 言語障害
3 言語障害の評価 [鈴木孝治]
① 失語症のスクリーニング検査
② 失語症の定量的検査
③ 作業療法士が行うべき失語症の評価
4 言語障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 非言語的介入とコミュニケーション・ノート
② 失語症患者とのコミュニケーションにおける注意事項
5 記憶とは [鈴木孝治]
① 記憶の定義
② 記憶のプロセス
③ 記憶の分類
6 記憶障害の特徴 [鈴木孝治]
① 記憶障害の種類
② 障害されやすい記憶
③ 記憶障害の原因となる疾患
7 記憶障害の評価 [鈴木孝治]
① 記憶障害の評価
8 記憶障害への介入の実際 [鈴木孝治]
① 記憶障害に対する介入ストラテジー
9 思考とは [鈴木孝治]
① 概念・推論・判断について
② 思考とは何か
10 思考障害の特徴 [鈴木孝治]
① 思考障害
11 思考障害の評価 [鈴木孝治]
① 概念の障害の評価
② 推論の障害の評価
③ 判断の障害の評価
④ 作業遂行場面における問題解決の障害の評価
12 問題解決の障害に対する介入の実際 [鈴木孝治]
① 問題解決の障害
Case Study Answer
6 各論:行為・行動の障害への介入
1 行為・行動とは [佐野恭子]
①「 行為」「行動」とは何か
2 行為・行動の障害の特徴 [佐野恭子]
① 動作の抑制障害
② 失行(apraxia)
3 行為・行動の障害の評価 [佐野恭子]
① 評価のポイント
② 行為・行動障害の評価
4 行為・行動の障害への介入の実際 [佐野恭子]
① 介入時の原則
② 訓練のポイント
Case Study Answer
7 各論:遂行機能障害への介入
1 遂行機能とは [佐野恭子]
① 遂行機能
2 遂行機能の特徴 [佐野恭子]
① 遂行機能の特徴
3 遂行機能障害の評価 [佐野恭子]
① 評価をする前に
② 遂行機能障害の評価
4 遂行機能障害への介入の実際 [佐野恭子]
① 目標設定
② 介入の方法
Case Study Answer
8 各論:社会的行動障害への介入
1 社会的行動とは [鈴木めぐみ]
① 社会的行動とは
② 社会的行動を支える認知機能
③ 社会的行動に関係する脳部位
2 社会的行動障害の特徴 [鈴木めぐみ]
① 社会的行動障害とは
② 社会的行動障害の主要な症状
3 社会的行動障害の評価 [ 鈴木めぐみ]
① 何を評価するか
② 評価法の実際
③ 評価時に重要な視点
4 社会的行動障害への介入の実際 [鈴木めぐみ]
① 最初に考慮すること
② 具体的なリハビリテーション介入方法
③ 気付きを促進するには
Case Study Answer
9 今後の展望
1 作業療法が高次脳機能障害の分野で必要と認められるためには [鈴木孝治]
① 患者が来たらまず検査の実施という時代があった
② 注意機能障害への対応原則はバスの運転手の安全確認に学べ
③ 作業療法士は黒子であれ
④ 精神医学,精神障害作業療法学との関連を忘れずに
⑤ 作業療法士は身体・精神両面をバランスよくみられる専門職
⑥ 大切なことは臨床実践に基づいた教育
事例集
事例1 意識障害
事例2 注意機能障害
事例3 記憶障害
事例4 視覚失認
事例5 半側空間無視
事例6 着衣障害
事例7 病態失認
事例8 失行症(観念失行)
事例9 遂行機能障害
事例10 社会的行動障害
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能動学習や新しい実習形式への対応,試験対策を充実させたフルカラー紙面の第3版!
作業療法学専門分野の講義用テキスト・シリーズが5年ぶりの改訂。第3版では,これからの学生に役立つ内容を意識し,能動学習の手助けとなる課題の提示,新しい実習形式である「作業療法参加型臨床実習」への対策となるような解説を追加し,また国家試験対策を充実させ,さらに巻末付録として症例集も追加した。
本巻では,患者の外見からは判断しにくい高次脳機能障害の症状・行動を,なるべくわかりやすく,豊富なイラストで表現。また各章を脳機能の基礎知識→障害の特徴→評価→実際の介入という流れで構成し,基礎知識だけ/実践だけを学ぶのではなく,覚えた基礎知識が臨床でどう生きるのかがわかり,内容をより理解しやすくなっている。