盲点チェック!
脳卒中リハ 装具活用実践レクチャー
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定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
- B5判 232ページ 2色,イラスト100点,写真100点
- 2018年8月3日刊行
- ISBN978-4-7583-1928-7
序文
監修の序
リハビリテーション医療にかかわる職種にとって『装具』は日常的なツールであり古くから使用されてきた。装具の種類やフィッティングなどはいくつかの成書があり,参考にすることは多い。さらに,近年は脳卒中リハビリテーションにおける下肢装具を中心に,「装具療法」をテーマとして雑誌などで特集が組まれることも多くなっており,装具の力学的作用や装着時の動作分析,臨床効果など,さまざまな視点から学術的な報告や議論がなされ,「装具療法」は一般的な治療法として『脳卒中治療ガイドライン』でも推奨されるようになっている。
しかしながら,これらの知見だけでは実臨床での装具の活用は難しく,装具の支給制度や費用面,患者本人にとって重要な外観や自己装着の問題など,知識や経験則などに左右される部分で装具の活用を阻害してしまうことも多い。さらに,具体的な装具のパーツ選択のポイントや訓練時間外の装具の活用,装具不適合への対処方法など,装具の活用を拡大するための方法論も重要となってくる。
本書では実臨床で装具を活用するにあたり,他の書籍では得ることの難しいこれらの盲点に着目し,リハビリテーション医療において装具にかかわる最前線で活躍する先生方に執筆していただいた。さらにこれらの盲点に加え,脳卒中リハビリテーションの質を高める上肢装具や体幹装具もテーマとして取り上げた。本書の対象は装具にかかわるすべての職種であり,経験の浅い専門職にとっては装具を活用するきっかけとなり,経験のある専門職種にとっては知識や経験の裏付けや補完となり臨床に直結する内容となっている。他の書籍とは一線を画す内容が多くの読者の目に触れ,臨床の一助となることで,装具の活用がさらに広がることを期待する。
2018年7月
勝谷将史
-----------------------------------------
編集の序
近年,脳卒中リハビリテーション(脳卒中リハ)における装具療法について,その治療効果をより高める訓練方法が,神経生理学やバイオメカニクスの観点から盛んに議論されている。一方,装具の外観や着脱といった治療的意義と異なる観点からの議論はさほどなされておらず,「盲点」になっているのではないかと感じることがある。脳卒中リハにおいて装具を活用する際は,その治療的意義に留まらず,より多角的な観点で装具をとらえて「工夫」をこらすべきである。本書はそのための「ポイント」をまとめたものである。
本書の1章には,装具の作製にかかわる制度についてまとめてある。装具の作製にかかわる費用や手順についての理解が不十分であるがゆえに,装具の作製を躊躇することがあるという方に,ぜひ読んでいただきたい。
2章には,装具の選定方法について,豊富な装具の種類や継手の設定の中から適切なものを選択する術についてまとめてある。装具の選定や継手の設定に迷うことが多い,あるいはそもそも装具や継手についての知識に自信がない方のためにフローチャートなども交えてわかりやすく解説している。
3章では「運動療法のための装具の工夫」と題し,装具療法の効果を高めるために,装具自体に施すことができるさまざまな工夫を提案している。目から鱗のアイディアが満載となっている。
4章では,訓練場面以外での装具活用の参考にしてほしい。病棟生活の中で装具を使用する意義やその際のポイントについて解説している。
5章では,ちょっとした工夫をして装具着脱を容易にすることができることを実感してほしい。装具の着脱動作への介入は,本来は作業療法士の専門領域である。「装具は理学療法士のものだからヘタにいじれない」と考えている作業療法士の方にもお勧めしたい。
6章では,我々が靴を選ぶ際に,その履き心地や歩きやすさだけでなく,デザインや衣服との相性も考えることを思い返してもらい,ぜひ装具の機能と外観を両立させるための工夫を考えるきっかけにしてほしい。
7章では,近年大きな問題として取り上げられている生活期の装具不適合の問題について,実例を交えながら,対応策を解説している。生活期に生じる問題は回復期での対応次第で防げるものも多く,生活期のみならず回復期リハにかかわる方にも入院中にできることがないか考えられる章になっている。
8章は,近年活用されはじめたT-Support®とTrunk Solution®について,それぞれの開発者にその意義と活用法について解説いただいた。これらと従来の下肢装具を併用することで,装具療法の効果を飛躍的に高める効果が期待される。
9章には,上肢懸垂用肩関節装具と上肢エアスプリントの活用についてまとめてある。下肢装具だけでなく,上肢装具の運動療法への活用についても目を向けるきっかけになればと考えている。
本書は脳卒中リハにおいて有益な,さまざまな視点やアイディアを読者に届けられるものと確信している。ぜひ,脳卒中リハにかかわるすべての医師,理学療法士,義肢装具士,そして作業療法士の方々に手に取って,日々の臨床や学生教育に役立てていただければ幸いである。
2018年7月
大村優慈
リハビリテーション医療にかかわる職種にとって『装具』は日常的なツールであり古くから使用されてきた。装具の種類やフィッティングなどはいくつかの成書があり,参考にすることは多い。さらに,近年は脳卒中リハビリテーションにおける下肢装具を中心に,「装具療法」をテーマとして雑誌などで特集が組まれることも多くなっており,装具の力学的作用や装着時の動作分析,臨床効果など,さまざまな視点から学術的な報告や議論がなされ,「装具療法」は一般的な治療法として『脳卒中治療ガイドライン』でも推奨されるようになっている。
しかしながら,これらの知見だけでは実臨床での装具の活用は難しく,装具の支給制度や費用面,患者本人にとって重要な外観や自己装着の問題など,知識や経験則などに左右される部分で装具の活用を阻害してしまうことも多い。さらに,具体的な装具のパーツ選択のポイントや訓練時間外の装具の活用,装具不適合への対処方法など,装具の活用を拡大するための方法論も重要となってくる。
本書では実臨床で装具を活用するにあたり,他の書籍では得ることの難しいこれらの盲点に着目し,リハビリテーション医療において装具にかかわる最前線で活躍する先生方に執筆していただいた。さらにこれらの盲点に加え,脳卒中リハビリテーションの質を高める上肢装具や体幹装具もテーマとして取り上げた。本書の対象は装具にかかわるすべての職種であり,経験の浅い専門職にとっては装具を活用するきっかけとなり,経験のある専門職種にとっては知識や経験の裏付けや補完となり臨床に直結する内容となっている。他の書籍とは一線を画す内容が多くの読者の目に触れ,臨床の一助となることで,装具の活用がさらに広がることを期待する。
2018年7月
勝谷将史
-----------------------------------------
編集の序
近年,脳卒中リハビリテーション(脳卒中リハ)における装具療法について,その治療効果をより高める訓練方法が,神経生理学やバイオメカニクスの観点から盛んに議論されている。一方,装具の外観や着脱といった治療的意義と異なる観点からの議論はさほどなされておらず,「盲点」になっているのではないかと感じることがある。脳卒中リハにおいて装具を活用する際は,その治療的意義に留まらず,より多角的な観点で装具をとらえて「工夫」をこらすべきである。本書はそのための「ポイント」をまとめたものである。
本書の1章には,装具の作製にかかわる制度についてまとめてある。装具の作製にかかわる費用や手順についての理解が不十分であるがゆえに,装具の作製を躊躇することがあるという方に,ぜひ読んでいただきたい。
2章には,装具の選定方法について,豊富な装具の種類や継手の設定の中から適切なものを選択する術についてまとめてある。装具の選定や継手の設定に迷うことが多い,あるいはそもそも装具や継手についての知識に自信がない方のためにフローチャートなども交えてわかりやすく解説している。
3章では「運動療法のための装具の工夫」と題し,装具療法の効果を高めるために,装具自体に施すことができるさまざまな工夫を提案している。目から鱗のアイディアが満載となっている。
4章では,訓練場面以外での装具活用の参考にしてほしい。病棟生活の中で装具を使用する意義やその際のポイントについて解説している。
5章では,ちょっとした工夫をして装具着脱を容易にすることができることを実感してほしい。装具の着脱動作への介入は,本来は作業療法士の専門領域である。「装具は理学療法士のものだからヘタにいじれない」と考えている作業療法士の方にもお勧めしたい。
6章では,我々が靴を選ぶ際に,その履き心地や歩きやすさだけでなく,デザインや衣服との相性も考えることを思い返してもらい,ぜひ装具の機能と外観を両立させるための工夫を考えるきっかけにしてほしい。
7章では,近年大きな問題として取り上げられている生活期の装具不適合の問題について,実例を交えながら,対応策を解説している。生活期に生じる問題は回復期での対応次第で防げるものも多く,生活期のみならず回復期リハにかかわる方にも入院中にできることがないか考えられる章になっている。
8章は,近年活用されはじめたT-Support®とTrunk Solution®について,それぞれの開発者にその意義と活用法について解説いただいた。これらと従来の下肢装具を併用することで,装具療法の効果を飛躍的に高める効果が期待される。
9章には,上肢懸垂用肩関節装具と上肢エアスプリントの活用についてまとめてある。下肢装具だけでなく,上肢装具の運動療法への活用についても目を向けるきっかけになればと考えている。
本書は脳卒中リハにおいて有益な,さまざまな視点やアイディアを読者に届けられるものと確信している。ぜひ,脳卒中リハにかかわるすべての医師,理学療法士,義肢装具士,そして作業療法士の方々に手に取って,日々の臨床や学生教育に役立てていただければ幸いである。
2018年7月
大村優慈
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目次
第1章 装具作製の制度と段取り 野口陽介
1 治療用装具と更生用装具の違いを知ろう
2 治療用装具① 医療保険を活用した作製の流れ
3 治療用装具② 労働者災害補償保険を活用した作製の流れ
4 治療用装具③ 自動車損害賠償保険などを活用した作製の流れ
5 治療用装具④ 生活保護(医療扶助)を活用した作製の流れ
6 更生用装具の作製費① 労働者災害補償保険を活用した作製の流れ
7 更生用装具の作製費② 障害者総合支援法を活用した作製の流れ
第2章 治療用装具の選定
1 装具療法の前に① 装具は単なる機能代償の道具か 加辺憲人,村山稔
2 装具療法の前に② 一人ひとりに合わせた装具を選択しているか
3 装具療法の前に③ 共通用語はあるか
4 下肢装具の種類と各ポイントをおさえよう
5 装具の選定① 装具選定の評価用装具 村山稔,加辺憲人
6 装具の選定② ブレースクリニック
7 装具の選定③ 長下肢装具を処方する判断材料
8 装具の選定④ 調整機能付き短下肢装具の適応
9 装具製作① 採型
10 装具製作② チェックアウト
第3章 運動療法のための装具の活用 村山稔
1 運動療法に有効な装具の活用方法① スペックス膝継手®
2 運動療法に有効な装具の活用方法② アメリカ式ダブルクレンザック足継手
3 運動療法に有効な装具の活用方法③ 長下肢装具の膝継手と足継手の設定
4 訓練室備品の整備の重要性① あると便利な補高
5 訓練室備品の整備の重要性② あると便利なツイスター
6 訓練室備品の整備の重要性③ あると便利なウェッジシート
7 訓練室備品の整備の重要性④ 重症例の歩行練習のために
8 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫① 大腿カフの介助支持部
9 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫② 足底が厚くならない外側フレア
10 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫③ 下腿支柱の連結ネジ
11 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫④ 捨て寸調整可能な足部覆い
第4章 訓練時間外での装具の使い方 岩澤尚人
1 訓練時間外で下肢装具を使用する意義は何か① 病棟での起立,移乗動作時の装具の役割
2 訓練時間外で下肢装具を使用する意義は何か② 装具の定着化と退院後を見据えた介入
3 訓練時間外で下肢装具を使用するための装具の工夫 楽に切り替えるコツと連携
4 訓練時間外で影響する,起立・移乗動作時の「装具」の足関節角度設定と調整法
5 訓練時間外だからこそ効果的。可動域の改善にも装具を有効活用しよう
6 訓練時間外の装具における最大効力を引き出すのは,「脱着」である 〜ケアスタッフに伝えたい脱着指導〜
7 入院初日から家族に伝えたい,装具脱着時に行うべき装具トラブルのチェックポイント
第5章 装具の着脱を容易にするための工夫
1 装具の着脱に着目することの意義は何か 右田正澄,大村優慈
2 短下肢装具の着脱を容易にするための工夫例① 大村優慈
3 短下肢装具の着脱を容易にするための工夫例② 右田正澄
4 短下肢装具の着脱を容易にする装具部品① バネカン
5 短下肢装具の着脱を容易にする装具部品② クイックリング
6 短下肢装具の装着方法と工夫① 装着するベルトの順番
7 短下肢装具の装着方法と工夫② 一般的な装着方法
8 短下肢装具の装着方法と工夫③ 装着の工夫
9 装具の構造による問題点と心身機能と装着にかかる時間の関係
10 感覚障害への配慮 大村優慈
11 高次脳機能障害への配慮
第6章 装具の外観をよくするための工夫 岩波君代
1 装具の外観に着目する意義とは
2 装具の外観をよくするための工夫
3 プラスチックAFO装着時の靴の選び方とシューフィッティング例
4 金属支柱付きAFO装着者の外観に対する考え方の変化の事例
第7章 装具不適合の要因と対処方法 川場康智
1 治療用装具と更生用装具について
2 生活期における不適合の現状
3 装具不適合とその要因は何か
4 ケース① 徐々に変形が進行した重度の反張膝
5 ケース② 痙縮による内反から起こる装具不適合
6 リハのための装具不適合に対する対応策と工夫
第8章 股関節・体幹の装具を用いた歩行アプローチ
1 脳卒中片麻痺者における体幹と股関節に対するアプローチの意義 勝平純司,中谷知生
2 体幹や股関節のアプローチに用いられる装具 勝平純司
3 T-Support®の活用と工夫 中谷知生
4 適用となるケース① 重度片麻痺者のKAFOを用いた歩行トレーニングにおける使用
5 適用となるケース② KAFOによる膝関節の固定介助を検討する時期の患者
6 適用となるケース③ 自力歩行が可能だが立脚終期の股関節伸展が不十分な患者
7 Trunk Solution® の活用と工夫 〜装着方法を含めた使い方〜 勝平純司,中谷知生
8 装着後のチェック
9 適用となるケース④ 麻痺側立脚相の体幹伸展位保持が不十分な患者
10 適用となるケース⑤ Gait Solution®を使用しているが,フリーハンドによる歩行において継手の機能を上手に使えていない患者
第9章 上肢懸垂用肩関節装具・上肢エアスプリントを用いた肩関節亜脱臼に対するアプローチ 髙木治雄
1 上肢懸垂用肩関節装具を適切に装着するためのポイント ①肩関節亜脱臼における上部体幹を整える意義
2 上肢懸垂用肩関節装具を適切に装着するためのポイント ②エアスプリントを用いた肩関節亜脱臼に対する上肢からのアプローチ
3 上肢懸垂用肩装具オモニューレクサ装着の実際
4 肩装具を用いた脳卒中肩関節・肩甲帯・体幹に対するアプローチ
1 治療用装具と更生用装具の違いを知ろう
2 治療用装具① 医療保険を活用した作製の流れ
3 治療用装具② 労働者災害補償保険を活用した作製の流れ
4 治療用装具③ 自動車損害賠償保険などを活用した作製の流れ
5 治療用装具④ 生活保護(医療扶助)を活用した作製の流れ
6 更生用装具の作製費① 労働者災害補償保険を活用した作製の流れ
7 更生用装具の作製費② 障害者総合支援法を活用した作製の流れ
第2章 治療用装具の選定
1 装具療法の前に① 装具は単なる機能代償の道具か 加辺憲人,村山稔
2 装具療法の前に② 一人ひとりに合わせた装具を選択しているか
3 装具療法の前に③ 共通用語はあるか
4 下肢装具の種類と各ポイントをおさえよう
5 装具の選定① 装具選定の評価用装具 村山稔,加辺憲人
6 装具の選定② ブレースクリニック
7 装具の選定③ 長下肢装具を処方する判断材料
8 装具の選定④ 調整機能付き短下肢装具の適応
9 装具製作① 採型
10 装具製作② チェックアウト
第3章 運動療法のための装具の活用 村山稔
1 運動療法に有効な装具の活用方法① スペックス膝継手®
2 運動療法に有効な装具の活用方法② アメリカ式ダブルクレンザック足継手
3 運動療法に有効な装具の活用方法③ 長下肢装具の膝継手と足継手の設定
4 訓練室備品の整備の重要性① あると便利な補高
5 訓練室備品の整備の重要性② あると便利なツイスター
6 訓練室備品の整備の重要性③ あると便利なウェッジシート
7 訓練室備品の整備の重要性④ 重症例の歩行練習のために
8 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫① 大腿カフの介助支持部
9 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫② 足底が厚くならない外側フレア
10 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫③ 下腿支柱の連結ネジ
11 効率のよい運動療法のための長下肢装具の工夫④ 捨て寸調整可能な足部覆い
第4章 訓練時間外での装具の使い方 岩澤尚人
1 訓練時間外で下肢装具を使用する意義は何か① 病棟での起立,移乗動作時の装具の役割
2 訓練時間外で下肢装具を使用する意義は何か② 装具の定着化と退院後を見据えた介入
3 訓練時間外で下肢装具を使用するための装具の工夫 楽に切り替えるコツと連携
4 訓練時間外で影響する,起立・移乗動作時の「装具」の足関節角度設定と調整法
5 訓練時間外だからこそ効果的。可動域の改善にも装具を有効活用しよう
6 訓練時間外の装具における最大効力を引き出すのは,「脱着」である 〜ケアスタッフに伝えたい脱着指導〜
7 入院初日から家族に伝えたい,装具脱着時に行うべき装具トラブルのチェックポイント
第5章 装具の着脱を容易にするための工夫
1 装具の着脱に着目することの意義は何か 右田正澄,大村優慈
2 短下肢装具の着脱を容易にするための工夫例① 大村優慈
3 短下肢装具の着脱を容易にするための工夫例② 右田正澄
4 短下肢装具の着脱を容易にする装具部品① バネカン
5 短下肢装具の着脱を容易にする装具部品② クイックリング
6 短下肢装具の装着方法と工夫① 装着するベルトの順番
7 短下肢装具の装着方法と工夫② 一般的な装着方法
8 短下肢装具の装着方法と工夫③ 装着の工夫
9 装具の構造による問題点と心身機能と装着にかかる時間の関係
10 感覚障害への配慮 大村優慈
11 高次脳機能障害への配慮
第6章 装具の外観をよくするための工夫 岩波君代
1 装具の外観に着目する意義とは
2 装具の外観をよくするための工夫
3 プラスチックAFO装着時の靴の選び方とシューフィッティング例
4 金属支柱付きAFO装着者の外観に対する考え方の変化の事例
第7章 装具不適合の要因と対処方法 川場康智
1 治療用装具と更生用装具について
2 生活期における不適合の現状
3 装具不適合とその要因は何か
4 ケース① 徐々に変形が進行した重度の反張膝
5 ケース② 痙縮による内反から起こる装具不適合
6 リハのための装具不適合に対する対応策と工夫
第8章 股関節・体幹の装具を用いた歩行アプローチ
1 脳卒中片麻痺者における体幹と股関節に対するアプローチの意義 勝平純司,中谷知生
2 体幹や股関節のアプローチに用いられる装具 勝平純司
3 T-Support®の活用と工夫 中谷知生
4 適用となるケース① 重度片麻痺者のKAFOを用いた歩行トレーニングにおける使用
5 適用となるケース② KAFOによる膝関節の固定介助を検討する時期の患者
6 適用となるケース③ 自力歩行が可能だが立脚終期の股関節伸展が不十分な患者
7 Trunk Solution® の活用と工夫 〜装着方法を含めた使い方〜 勝平純司,中谷知生
8 装着後のチェック
9 適用となるケース④ 麻痺側立脚相の体幹伸展位保持が不十分な患者
10 適用となるケース⑤ Gait Solution®を使用しているが,フリーハンドによる歩行において継手の機能を上手に使えていない患者
第9章 上肢懸垂用肩関節装具・上肢エアスプリントを用いた肩関節亜脱臼に対するアプローチ 髙木治雄
1 上肢懸垂用肩関節装具を適切に装着するためのポイント ①肩関節亜脱臼における上部体幹を整える意義
2 上肢懸垂用肩関節装具を適切に装着するためのポイント ②エアスプリントを用いた肩関節亜脱臼に対する上肢からのアプローチ
3 上肢懸垂用肩装具オモニューレクサ装着の実際
4 肩装具を用いた脳卒中肩関節・肩甲帯・体幹に対するアプローチ
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脳卒中リハでの装具活用における盲点と対処法に気づかせてくれる1冊!
脳卒中片麻痺者への装具療法は歩行の改善に効果がある。しかし,たとえリハ室での訓練はうまくいったとしても,装具との付き合いはそれだけでは終わらない。訓練時間外や生活期でも装具に関係するさまざまな問題が生じうる。そのような事態に遭遇したとき,どのように対応したらよいだろうか。
本書は臨床勤務の理学療法士,作業療法士,義肢装具士,リハビリテーション医向けに,装具作製の支給制度や装具の選定基準,装具のオプション部品の活用,訓練時間外での使用方法,生活期での装具不適合,着脱や外観など,さまざまな「盲点」に着目して,どのような「工夫」ができるかを解説。加えて,最新の股関節装具,体幹装具,上肢装具にも言及し,装具療法の幅を広げ,リハビリテーションに新たな視点をもたらしてくれる1冊である。