脳卒中片麻痺者に対する
歩行リハビリテーション
定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
- B5判 272ページ 2色,イラスト120点,写真180点
- 2016年12月5日刊行
- ISBN978-4-7583-1711-5
序文
2014年5月30日〜6月1日に開催された第49回日本理学療法学術大会にて『病期別にみた脳卒中片麻痺者の歩行改善に向けて-急性期・回復期・生活期から-』というタイトルのシンポジウムが行われた。そのシンポジストとして登壇していた一人が本書の共同著者の芝崎 淳氏であった。芝崎氏の講演内容を聴取したメジカルビュー社の小松氏から「このような素晴らしい活動は多くの理学療法士に知られているところなのか,もしそうでないならば,広く認知されるべきではないのか」という提案が,本書を制作することになる最初のきっかけであった。シンポジウム後に芝崎氏へ「書籍としてまとめてはどうか」という話があったそうである。
芝崎氏がシンポジウムで話した内容は,いわば教科書となるものがない,生活期の歩行リハビリテーションの臨床実践そのものであった。脳卒中と一概に言ってもそれぞれ対象者の身体状態は異なり,さらに,多種多様な生活環境の中で,個々の対象者の生活に即した歩行機能の再建に向け,日々創意工夫し,対象者に最良の結果をもたらすべく取り組んだ,生活期を扱うプロフェッションとしての芝崎氏の気概そのものを示すようなものであった。そして,我々が東日本大震災以前から足掛け6年にもわたる,地域で一貫して良質な治療を提供できるようにしようと取り組んできた連携を推し進めるための活動の報告でもあった。
我々が推し進めてきたのは,介入時期が異なるものの,同じ対象者の歩行機能の再建に関わる理学療法士が豊富な知識を共有し良質な技術で治療にあたり,それでも生じる新たな問題点を共有し,常に課題を見つけ,それを解決するためにどうすべきか議論する,その切磋琢磨を通じて,個々の成長を促し,かつ,その情報を広く発信する活動である。小松氏から本としてまとめてみてはどうかという話をいただいたときに,「まだまだ道半ばで提示できるものはない…」というのが正直な感想であった。一方で,我々と同じように,臨床でどうすればよいかわからずに困惑している者はたくさん存在していることに気がついた。次第に,「道半ばの活動である我々の活動をまとめることでも誰かの役に立てるのではないか,我々の提言を参考に新しい発見があるのではないか」と考えるようになった。いつしか,「この書を作成する過程を通じて我々自身が成長する機会を得て,この活動を広く伝えることがやがては同志を集わせることにつながっていきはしないか…」と考えるようになった。
しかし,「これまでの経験だけをベースとしても十分な根拠を提示できないままで,はたして一冊の書としてまとめていけようか,このままではとても広く貢献できる書とはなり得ないのではないか」と考えたときに,脳卒中片麻痺者の歩行のリハビリテーションを包括的に紹介する書を作成してはどうかと考えた。そこで,エビデンスや最新治療を中心とした章の編集を大畑光司氏に委ねることとした。大畑氏と本書の構成を話し合ったのが2015年の10月に岩手県盛岡市で開催された脳血管障害への下肢装具カンファレンスの直後である。それから1年が過ぎ,本書はついに発刊を迎えることができた。非常に限られた時間のなかで,ご執筆いただいた執筆者の皆さまには心より感謝したい。
本書は脳卒中片麻痺者の歩行のリハビリテーションについて広い視点から学べる実践的な書にふさわしく,まさに臨床および研究の領域にて最前線でご活躍される専門家に執筆いただくことができた。そのおかげで,歩行の基礎,運動学習理論,装具療法の概論,歩行の評価,急性期から回復期,生活期までを含めた歩行トレーニングの臨床実践,そして装具療法の連携とネットワークを図る取り組み,装具に関わる行政の役割,新しい各種トレーニング戦略までもが網羅された書となった。
本書の編集を終えて感じるのは“臨床で実践されている治療は,まだまだ根拠を追求すべきであり,発展させなければならないことが山積している”ということである。基礎的研究と臨床の融合という課題は,簡単には解決し難い,まさに永遠のテーマなのかもしれない。しかし,これは実現せねばならないことである。臨床において,目の前にいる対象者に何をすればよいのか? それを明確に答えるだけのエビデンスは残念ながら,まだ不足している。その答えにたどり着くことは容易ではないだろう。しかし,それでも臨床は続いていく。荒削りで,根拠に乏しく,経験をベースにした書でも,「臨床家にとって少しでも何かの役に立つことがあるのではないか」と考えている。
執筆いただいた多くの専門家と,最後まで根気強く本書の完成に尽力くださった小松氏に感謝し,本書が臨床で脳卒中片麻痺者に対する歩行リハビリテーションを実践をする者にとっての専門書として何らかの役に立つことを願い,この書の序とさせていただく。
2016年11月
編者を代表して
阿部浩明
芝崎氏がシンポジウムで話した内容は,いわば教科書となるものがない,生活期の歩行リハビリテーションの臨床実践そのものであった。脳卒中と一概に言ってもそれぞれ対象者の身体状態は異なり,さらに,多種多様な生活環境の中で,個々の対象者の生活に即した歩行機能の再建に向け,日々創意工夫し,対象者に最良の結果をもたらすべく取り組んだ,生活期を扱うプロフェッションとしての芝崎氏の気概そのものを示すようなものであった。そして,我々が東日本大震災以前から足掛け6年にもわたる,地域で一貫して良質な治療を提供できるようにしようと取り組んできた連携を推し進めるための活動の報告でもあった。
我々が推し進めてきたのは,介入時期が異なるものの,同じ対象者の歩行機能の再建に関わる理学療法士が豊富な知識を共有し良質な技術で治療にあたり,それでも生じる新たな問題点を共有し,常に課題を見つけ,それを解決するためにどうすべきか議論する,その切磋琢磨を通じて,個々の成長を促し,かつ,その情報を広く発信する活動である。小松氏から本としてまとめてみてはどうかという話をいただいたときに,「まだまだ道半ばで提示できるものはない…」というのが正直な感想であった。一方で,我々と同じように,臨床でどうすればよいかわからずに困惑している者はたくさん存在していることに気がついた。次第に,「道半ばの活動である我々の活動をまとめることでも誰かの役に立てるのではないか,我々の提言を参考に新しい発見があるのではないか」と考えるようになった。いつしか,「この書を作成する過程を通じて我々自身が成長する機会を得て,この活動を広く伝えることがやがては同志を集わせることにつながっていきはしないか…」と考えるようになった。
しかし,「これまでの経験だけをベースとしても十分な根拠を提示できないままで,はたして一冊の書としてまとめていけようか,このままではとても広く貢献できる書とはなり得ないのではないか」と考えたときに,脳卒中片麻痺者の歩行のリハビリテーションを包括的に紹介する書を作成してはどうかと考えた。そこで,エビデンスや最新治療を中心とした章の編集を大畑光司氏に委ねることとした。大畑氏と本書の構成を話し合ったのが2015年の10月に岩手県盛岡市で開催された脳血管障害への下肢装具カンファレンスの直後である。それから1年が過ぎ,本書はついに発刊を迎えることができた。非常に限られた時間のなかで,ご執筆いただいた執筆者の皆さまには心より感謝したい。
本書は脳卒中片麻痺者の歩行のリハビリテーションについて広い視点から学べる実践的な書にふさわしく,まさに臨床および研究の領域にて最前線でご活躍される専門家に執筆いただくことができた。そのおかげで,歩行の基礎,運動学習理論,装具療法の概論,歩行の評価,急性期から回復期,生活期までを含めた歩行トレーニングの臨床実践,そして装具療法の連携とネットワークを図る取り組み,装具に関わる行政の役割,新しい各種トレーニング戦略までもが網羅された書となった。
本書の編集を終えて感じるのは“臨床で実践されている治療は,まだまだ根拠を追求すべきであり,発展させなければならないことが山積している”ということである。基礎的研究と臨床の融合という課題は,簡単には解決し難い,まさに永遠のテーマなのかもしれない。しかし,これは実現せねばならないことである。臨床において,目の前にいる対象者に何をすればよいのか? それを明確に答えるだけのエビデンスは残念ながら,まだ不足している。その答えにたどり着くことは容易ではないだろう。しかし,それでも臨床は続いていく。荒削りで,根拠に乏しく,経験をベースにした書でも,「臨床家にとって少しでも何かの役に立つことがあるのではないか」と考えている。
執筆いただいた多くの専門家と,最後まで根気強く本書の完成に尽力くださった小松氏に感謝し,本書が臨床で脳卒中片麻痺者に対する歩行リハビリテーションを実践をする者にとっての専門書として何らかの役に立つことを願い,この書の序とさせていただく。
2016年11月
編者を代表して
阿部浩明
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目次
Ⅰ 歩行の基礎
1 正常歩行の神経制御
はじめに
歩行運動出力の発現にかかわる神経機構
円滑な歩行運動を実現するための神経調節機序
歩行運動の適応性と学習性
脳卒中後の歩行運動の特性
脳卒中者の歩行機能改善に向けて
まとめ
2 正常歩行と片麻痺歩行のバイオメカニクス
はじめに
正常歩行のロッカー機能
片麻痺者のロッカー機能と歩行パフォーマンスの関係
症例検討によるロッカー機能の評価
終わりに
3 運動学習理論と歩行トレーニング
はじめに
運動学習理論の基礎
歩行トレーニングにおけるフィードバックの基本
片麻痺歩行トレーニングへの運動学習理論の展開
終わりに
4 装具療法概論
はじめに
下肢装具の目的
装具療法における各職種の役割
装具診のあり方
装具療法における患者教育
装具療法の実際
Ⅱ 歩行の評価
1 歩行の基本的評価(ローテク)
片麻痺者に対する歩行評価
心理測定法(psychometric method)
観察による歩行評価
機器を使用した歩行評価
2 歩行の先端的評価(ハイテク)
歩行分析の目的および解析手法の変遷
3次元動作解析装置を用いた歩行分析手法
表面筋電図を用いた歩行分析手法
コヒーレンス
加速度計を用いた歩行分析
歩行周期時間の変動性
3 歩行の力学的評価
はじめに
脳卒中片麻痺者の歩行の特徴と歩行パターン分類
健常歩行のメカニズム
膝伸展パターンの運動力学的特徴
短下肢装具装着時の歩行の運動力学的変化
片麻痺者の歩行の運動力学的評価の実際
終わりに
4 装具のチェックアウト
装具の力学的原理
下肢装具の基本的構造と構成要素
装具の静的評価
装具の動的評価
歩行時の評価
装具のチェックアウトのまとめ
Ⅲ 臨床での歩行トレーニング
1 急性期重度片麻痺例の歩行トレーニング
脳卒中急性期における歩行トレーニングの開始時期と中止基準
歩行の神経機構と片麻痺のメカニズムを考慮した急性期から行う歩行トレーニングのコンセプト
装具療法のエビデンス
歩行トレーニングの実際
筋緊張の亢進を伴う重度片麻痺例に対する歩行トレーニング-筋活動からみた歩行トレーニングの効果-
短下肢装具への移行
積極的前型歩行トレーニングの効果
長下肢装具を早期から作製することで期待できる効果
終わりに
2 回復期の歩行トレーニング
回復期における情報収集のポイント
回復期における歩行に関するゴール設定
歩行トレーニングの方法
装具の作製
移動手段としての歩行の確立
生活期への移行に向けた準備
3 生活期(歩行可能例)の歩行トレーニング
生活期における脳卒中リハビリテーション
生活期に「身体機能」の改善は可能か?
歩行機能改善を目的とした生活期の理学療法
生活期の片麻痺者歩行トレーニング(症例)
生活期における片麻痺者の歩行を支援するために
Ⅳ 装具療法の理学療法連携
1 装具療法の連携(急性期から回復期へ)
はじめに
早期の長下肢装具作製を重要視する経緯
筆者所属施設の周辺の装具作製状況
急性期で装具を作製するうえでの留意点
急性期に作製する長下肢装具
急性期から回復期への連携
終わりに
2 装具療法の連携(回復期から生活期へ)
回復期の装具療法の役割
入院生活から在宅復帰を見据えた対応
地域連携のあり方
終わりに
3 装具療法の連携(生活期と行政)
下肢装具とは
用途と制度で異なる装具の種類
更生用装具〜申請から作製まで〜
補装具(下肢装具)判定と情報提供書
更生用装具を作製するタイミングは?
適合判定の連携例
真に必要な使える更生用装具を作製するために
4 装具にかかわる行政の役割
公的制度が支える装具調達
装具の給付制度
医療と福祉の違い
障害者総合支援法による補装具支給の流れ
担当リハ職としての意見書作成
障害者総合支援法での短下肢装具支給の実際
5 装具にかかわるネットワークの形成
はじめに
ネットワーク形成の背景
ネットワーク形成のきっかけ
ネットワークで何ができるかを考える
ネットワークでできたこと その1
ネットワークでできたこと その2
ネットワークの存在価値
Ⅴ 新しいトレーニング戦略
1 トレッドミルを用いたトレーニング
トレッドミル歩行トレーニング
平地歩行への転移性
運動学習理論に基づいたトレッドミル歩行トレーニングの考え方
トレッドミル歩行トレーニングにおける3動作歩行練習の考え方
脳卒中片麻痺者のトレーニングに適したトレッドミルの仕様
トレッドミル歩行トレーニング実践の注意点
終わりに
2 ニューロモデュレーションを併用した歩行トレーニング
はじめに
ニューロモデュレーションの定義
歩行機能の回復を目的としたニューロモデュレーション手法
FESを併用した歩行トレーニング
rTMSやtDCSを併用した歩行トレーニング
臨床応用に向けて
3 ボツリヌス療法後の歩行トレーニング
はじめに
痙縮に対するボツリヌス療法
脳卒中生活期における運動療法
ボツリヌス療法後の歩行トレーニング
まとめ
4 ロボットアシスト歩行トレーニング
中枢神経障害の運動障害を改善するトレーニング特性
脳卒中リハとトレーニング特性
トレーニング特性のトリレンマ
先進的リハの要諦
先進的リハ
virtual realityとrehabilitation robotの脳内作用機序仮説
rehabilitation robotが運動計画に与える影響
歩行RRにおけるactive-assistiveの実例
歩行リハの発展のために
1 正常歩行の神経制御
はじめに
歩行運動出力の発現にかかわる神経機構
円滑な歩行運動を実現するための神経調節機序
歩行運動の適応性と学習性
脳卒中後の歩行運動の特性
脳卒中者の歩行機能改善に向けて
まとめ
2 正常歩行と片麻痺歩行のバイオメカニクス
はじめに
正常歩行のロッカー機能
片麻痺者のロッカー機能と歩行パフォーマンスの関係
症例検討によるロッカー機能の評価
終わりに
3 運動学習理論と歩行トレーニング
はじめに
運動学習理論の基礎
歩行トレーニングにおけるフィードバックの基本
片麻痺歩行トレーニングへの運動学習理論の展開
終わりに
4 装具療法概論
はじめに
下肢装具の目的
装具療法における各職種の役割
装具診のあり方
装具療法における患者教育
装具療法の実際
Ⅱ 歩行の評価
1 歩行の基本的評価(ローテク)
片麻痺者に対する歩行評価
心理測定法(psychometric method)
観察による歩行評価
機器を使用した歩行評価
2 歩行の先端的評価(ハイテク)
歩行分析の目的および解析手法の変遷
3次元動作解析装置を用いた歩行分析手法
表面筋電図を用いた歩行分析手法
コヒーレンス
加速度計を用いた歩行分析
歩行周期時間の変動性
3 歩行の力学的評価
はじめに
脳卒中片麻痺者の歩行の特徴と歩行パターン分類
健常歩行のメカニズム
膝伸展パターンの運動力学的特徴
短下肢装具装着時の歩行の運動力学的変化
片麻痺者の歩行の運動力学的評価の実際
終わりに
4 装具のチェックアウト
装具の力学的原理
下肢装具の基本的構造と構成要素
装具の静的評価
装具の動的評価
歩行時の評価
装具のチェックアウトのまとめ
Ⅲ 臨床での歩行トレーニング
1 急性期重度片麻痺例の歩行トレーニング
脳卒中急性期における歩行トレーニングの開始時期と中止基準
歩行の神経機構と片麻痺のメカニズムを考慮した急性期から行う歩行トレーニングのコンセプト
装具療法のエビデンス
歩行トレーニングの実際
筋緊張の亢進を伴う重度片麻痺例に対する歩行トレーニング-筋活動からみた歩行トレーニングの効果-
短下肢装具への移行
積極的前型歩行トレーニングの効果
長下肢装具を早期から作製することで期待できる効果
終わりに
2 回復期の歩行トレーニング
回復期における情報収集のポイント
回復期における歩行に関するゴール設定
歩行トレーニングの方法
装具の作製
移動手段としての歩行の確立
生活期への移行に向けた準備
3 生活期(歩行可能例)の歩行トレーニング
生活期における脳卒中リハビリテーション
生活期に「身体機能」の改善は可能か?
歩行機能改善を目的とした生活期の理学療法
生活期の片麻痺者歩行トレーニング(症例)
生活期における片麻痺者の歩行を支援するために
Ⅳ 装具療法の理学療法連携
1 装具療法の連携(急性期から回復期へ)
はじめに
早期の長下肢装具作製を重要視する経緯
筆者所属施設の周辺の装具作製状況
急性期で装具を作製するうえでの留意点
急性期に作製する長下肢装具
急性期から回復期への連携
終わりに
2 装具療法の連携(回復期から生活期へ)
回復期の装具療法の役割
入院生活から在宅復帰を見据えた対応
地域連携のあり方
終わりに
3 装具療法の連携(生活期と行政)
下肢装具とは
用途と制度で異なる装具の種類
更生用装具〜申請から作製まで〜
補装具(下肢装具)判定と情報提供書
更生用装具を作製するタイミングは?
適合判定の連携例
真に必要な使える更生用装具を作製するために
4 装具にかかわる行政の役割
公的制度が支える装具調達
装具の給付制度
医療と福祉の違い
障害者総合支援法による補装具支給の流れ
担当リハ職としての意見書作成
障害者総合支援法での短下肢装具支給の実際
5 装具にかかわるネットワークの形成
はじめに
ネットワーク形成の背景
ネットワーク形成のきっかけ
ネットワークで何ができるかを考える
ネットワークでできたこと その1
ネットワークでできたこと その2
ネットワークの存在価値
Ⅴ 新しいトレーニング戦略
1 トレッドミルを用いたトレーニング
トレッドミル歩行トレーニング
平地歩行への転移性
運動学習理論に基づいたトレッドミル歩行トレーニングの考え方
トレッドミル歩行トレーニングにおける3動作歩行練習の考え方
脳卒中片麻痺者のトレーニングに適したトレッドミルの仕様
トレッドミル歩行トレーニング実践の注意点
終わりに
2 ニューロモデュレーションを併用した歩行トレーニング
はじめに
ニューロモデュレーションの定義
歩行機能の回復を目的としたニューロモデュレーション手法
FESを併用した歩行トレーニング
rTMSやtDCSを併用した歩行トレーニング
臨床応用に向けて
3 ボツリヌス療法後の歩行トレーニング
はじめに
痙縮に対するボツリヌス療法
脳卒中生活期における運動療法
ボツリヌス療法後の歩行トレーニング
まとめ
4 ロボットアシスト歩行トレーニング
中枢神経障害の運動障害を改善するトレーニング特性
脳卒中リハとトレーニング特性
トレーニング特性のトリレンマ
先進的リハの要諦
先進的リハ
virtual realityとrehabilitation robotの脳内作用機序仮説
rehabilitation robotが運動計画に与える影響
歩行RRにおけるactive-assistiveの実例
歩行リハの発展のために
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脳卒中片麻痺者の歩行リハについて詳細に解説! 臨床の場で役立つ実践書
理学療法士が臨床の場で携わる機会の多い「脳卒中片麻痺者の歩行リハ」について詳述した書籍。歩行の神経制御やバイオメカニクスといった基礎的な内容から評価法,トレーニング法といった実践的な内容まで解説している。
トレーニング法では急性期,回復期,生活期それぞれの病期別アプローチ法を記載するとともに,装具療法など多様なトレーニング戦略を紹介している。エビデンスも多数交えており,明日からの臨床に役立てられる1冊である。