OGS NOW basic 7
明日からできる悪性腫瘍の手術
円錐切除術から準広汎子宮全摘術まで
[Web動画付]
定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- A4判 152ページ オールカラー,イラスト30点,写真150点,Web動画64本/82分
- 2021年8月2日刊行
- ISBN978-4-7583-1987-4
序文
OGS NOW basicの刊行にあたって
この度,産婦人科手術書OGS Now の姉妹編としてOGS NOW basic を刊行することになりました。OGS Nowはわかりやすいイラストを用い,各手術のストラテジー,コツ,ピットフォールなどの項目を設け,従来の手術書の行間に書かれていた内容を解説してもらいました。これは,より安全な術式を効率よくマスターしてほしいとの思いからでた発想であり,2010年から2015年にかけて全24 巻発刊し,今も多くの先生方に愛読していただいております。
今も昔も,多くの産婦人科手術に対するストラテジーには大きな変化はありませんが,この10 年間に腹腔鏡手術やロボット手術が急速に発展し,パワーデバイスや周術期管理なども年々進歩してきています。このような現況を踏まえ,OGS NOW は継続して刊行していきながら,それをさらに補い,主に卒後10 年位までの若い先生を対象とした手術入門書として,up-to-dateな内容を盛り込み,基本的な術式をよりわかりやすく解説する書籍としてOGS NOW basicを発刊することにしました。
本シリーズでは,OGS NOWの編集方針は継承しつつ,次のような編集方針で企画していきます。
1)卒後10年位までの若い先生を主たる対象とする。
2) 難易度の高い手術は「OGS NOW」を参照してもらい,難しいテーマはできるだけ取り扱わない。
3)その手術に必要な解剖知識を記載する。
4)各操作の理解を助けるために必要な短い動画をつける。
4)麻酔や合併症対策も記載する。
多くのup-to-dateな内容を取り入れていくと同時に,鏡視下手術で得られる画像,解剖を掲載しますのでベテランの先生方にも役立てていただけるものと思っています。
手術はScienceを基盤にしたArt です。本シリーズではこのtechnical skillをわかりやすく解説します。また,よい外科医と呼ばれるのにはtechnical skill に加え,non-technical skillを備えておく必要があります。これについてもコラム等で可能な限り伝えていきたいと考えています。
OGS Now 全24 巻とともに,年4冊発刊予定であるOGS NOW basicも手元においていただき,手術前後に必ず該当項目を読んで修練し,手術の達人そしてbest Surgeonを目指してほしいと思います。
2020年3月吉日
編集委員 平松祐司 岡山市立総合医療センター顧問,岡山大学名誉教授
竹田 省 順天堂大学医学部産婦人科学講座特任教授,母子愛育会愛育研究所所長
万代昌紀 京都大学医学研究科婦人科学産科学分野教授
小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学教授
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序文
本巻では,子宮頸癌の初期病変に対するレーザー蒸散術や円錐切除術,微小浸潤頸癌や子宮体癌などに行う単純~準広汎子宮全摘術について腹腔鏡・ロボット手術も含めて解説しています。婦人科悪性腫瘍手術を行うためには,術前検査・診断,術前・術後治療,治療後の経過観察,再発の診断と治療に関する知識などが必須であるのは言うまでもありませんが,手術手技自体を習得するためには単純かつ習得しやすい術式の介助からスタートして執刀できるようになるのがよいと考えます。次いで複雑・高難度の術式の介助から執刀へと順次学んでいけば,各術式習得のラーニングカーブが短くなるだけでなく,患者さんにデメリットを与えることもないでしょう。婦人科腫瘍のサブスペシャリティを目指す方はもちろん,そうでなくても悪性腫瘍の手術にかかわる方は,ぜひ本巻の内容をマスターしたうえでそのスタートに立ってください。
本シリーズは,術者を育成する際に指導者が留意すべき点についても記載しています。指導者の皆さんには自分より短期間で自分を超える技量の術者を育てることに喜びを感じていただきたい。それが叶えば産婦人科術者全体の技量が底上げされ,患者さんに大きな恩恵をもたらすでしょう。そのためには,本シリーズを参考に術中の各場面で“point” と“pitfall”について解説し,特に開腹術では視覚のみならず触覚も使った指導をしてください。今後,腹腔鏡やロボット手術がますます増えてくるなかで,例数が減っていく開腹術を術者育成にいかに有効利用するかが肝要となります。開腹術を通して深い解剖を知ったうえで,それより浅い術野で腹腔鏡やロボットなどのminimally invasive surgery を行うことが執刀の安全につながるからです。
本書では “明日からでも”悪性腫瘍手術を執刀できるように,図や動画をふんだんに用いた構成とし,加えて理解が深まるようにQR コードで容易に視聴できるショートムービーを加えています。上手な助手は術者が執刀しやすいように介助してくれますが,優秀な助手になることは上手な術者になる近道です。そのためにも,本書の“ アシスタントの心構え・役割”も身に付けてください。初期癌の手術を中心に記載した本巻が理解できたら,ぜひ既刊のOGS Now で,対応する術式の章もお読みください。それこそが,あなたが上手な術者や良い指導者になる早道だと思います。本巻が婦人科癌手術に関わる皆様のお役に立てることを願ってやみません。
2021年7月
小林裕明
この度,産婦人科手術書OGS Now の姉妹編としてOGS NOW basic を刊行することになりました。OGS Nowはわかりやすいイラストを用い,各手術のストラテジー,コツ,ピットフォールなどの項目を設け,従来の手術書の行間に書かれていた内容を解説してもらいました。これは,より安全な術式を効率よくマスターしてほしいとの思いからでた発想であり,2010年から2015年にかけて全24 巻発刊し,今も多くの先生方に愛読していただいております。
今も昔も,多くの産婦人科手術に対するストラテジーには大きな変化はありませんが,この10 年間に腹腔鏡手術やロボット手術が急速に発展し,パワーデバイスや周術期管理なども年々進歩してきています。このような現況を踏まえ,OGS NOW は継続して刊行していきながら,それをさらに補い,主に卒後10 年位までの若い先生を対象とした手術入門書として,up-to-dateな内容を盛り込み,基本的な術式をよりわかりやすく解説する書籍としてOGS NOW basicを発刊することにしました。
本シリーズでは,OGS NOWの編集方針は継承しつつ,次のような編集方針で企画していきます。
1)卒後10年位までの若い先生を主たる対象とする。
2) 難易度の高い手術は「OGS NOW」を参照してもらい,難しいテーマはできるだけ取り扱わない。
3)その手術に必要な解剖知識を記載する。
4)各操作の理解を助けるために必要な短い動画をつける。
4)麻酔や合併症対策も記載する。
多くのup-to-dateな内容を取り入れていくと同時に,鏡視下手術で得られる画像,解剖を掲載しますのでベテランの先生方にも役立てていただけるものと思っています。
手術はScienceを基盤にしたArt です。本シリーズではこのtechnical skillをわかりやすく解説します。また,よい外科医と呼ばれるのにはtechnical skill に加え,non-technical skillを備えておく必要があります。これについてもコラム等で可能な限り伝えていきたいと考えています。
OGS Now 全24 巻とともに,年4冊発刊予定であるOGS NOW basicも手元においていただき,手術前後に必ず該当項目を読んで修練し,手術の達人そしてbest Surgeonを目指してほしいと思います。
2020年3月吉日
編集委員 平松祐司 岡山市立総合医療センター顧問,岡山大学名誉教授
竹田 省 順天堂大学医学部産婦人科学講座特任教授,母子愛育会愛育研究所所長
万代昌紀 京都大学医学研究科婦人科学産科学分野教授
小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学教授
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序文
本巻では,子宮頸癌の初期病変に対するレーザー蒸散術や円錐切除術,微小浸潤頸癌や子宮体癌などに行う単純~準広汎子宮全摘術について腹腔鏡・ロボット手術も含めて解説しています。婦人科悪性腫瘍手術を行うためには,術前検査・診断,術前・術後治療,治療後の経過観察,再発の診断と治療に関する知識などが必須であるのは言うまでもありませんが,手術手技自体を習得するためには単純かつ習得しやすい術式の介助からスタートして執刀できるようになるのがよいと考えます。次いで複雑・高難度の術式の介助から執刀へと順次学んでいけば,各術式習得のラーニングカーブが短くなるだけでなく,患者さんにデメリットを与えることもないでしょう。婦人科腫瘍のサブスペシャリティを目指す方はもちろん,そうでなくても悪性腫瘍の手術にかかわる方は,ぜひ本巻の内容をマスターしたうえでそのスタートに立ってください。
本シリーズは,術者を育成する際に指導者が留意すべき点についても記載しています。指導者の皆さんには自分より短期間で自分を超える技量の術者を育てることに喜びを感じていただきたい。それが叶えば産婦人科術者全体の技量が底上げされ,患者さんに大きな恩恵をもたらすでしょう。そのためには,本シリーズを参考に術中の各場面で“point” と“pitfall”について解説し,特に開腹術では視覚のみならず触覚も使った指導をしてください。今後,腹腔鏡やロボット手術がますます増えてくるなかで,例数が減っていく開腹術を術者育成にいかに有効利用するかが肝要となります。開腹術を通して深い解剖を知ったうえで,それより浅い術野で腹腔鏡やロボットなどのminimally invasive surgery を行うことが執刀の安全につながるからです。
本書では “明日からでも”悪性腫瘍手術を執刀できるように,図や動画をふんだんに用いた構成とし,加えて理解が深まるようにQR コードで容易に視聴できるショートムービーを加えています。上手な助手は術者が執刀しやすいように介助してくれますが,優秀な助手になることは上手な術者になる近道です。そのためにも,本書の“ アシスタントの心構え・役割”も身に付けてください。初期癌の手術を中心に記載した本巻が理解できたら,ぜひ既刊のOGS Now で,対応する術式の章もお読みください。それこそが,あなたが上手な術者や良い指導者になる早道だと思います。本巻が婦人科癌手術に関わる皆様のお役に立てることを願ってやみません。
2021年7月
小林裕明
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目次
手術に向けた心構えと進行期別術式の理解
周術期管理
(1)術前準備
(2)合併症対策
子宮頸部レーザー蒸散術
子宮頸部円錐切除術
単純子宮全摘術 simple total hysterectomy ; STH
準広汎子宮全摘術
(1)開腹
(2)腹腔鏡
(3)ロボット手術
ノンテクニカルスキルを学ぶ ー手術におけるコミュニケーション
周術期管理
(1)術前準備
(2)合併症対策
子宮頸部レーザー蒸散術
子宮頸部円錐切除術
単純子宮全摘術 simple total hysterectomy ; STH
準広汎子宮全摘術
(1)開腹
(2)腹腔鏡
(3)ロボット手術
ノンテクニカルスキルを学ぶ ー手術におけるコミュニケーション
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骨盤解剖,麻酔の選択,執刀する際の留意点や手術手技のコツを術式別に解説
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第7巻では,悪性腫瘍の手術を行うために必要な骨盤解剖,麻酔の選択に加え,初心者が執刀する際の留意点や手術手技のコツを開腹/腹腔鏡/ロボット等の術式別に解説。