RT臨床実習ルートマップ
定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
- A5判 352ページ 2色(一部カラー),イラスト50点,写真330点
- 2016年9月5日刊行
- ISBN978-4-7583-1710-8
電子版
序文
診療放射線技師を目指す学生にとって,臨床実習は医療を知る絶好の機会であり避けて通れない関門である。
臨床実習では,臨床実習を行う基本的能力を有する学生が,臨床現場に赴き,実習指導者のもと,診療放射線技師およびチーム医療の一員としての責任と役割を担う実践力を身に付けることを大きな目標としている。
患者さんへの思いやりと学究的な情熱が渦巻くなかでの様々な経験は,自身を大きく成長させる原動力となる。活字を読むだけでは得られない独特のものを肌で感じ,さらにそれを思考過程に沿って整理し,省察を繰り返すことによって自身の能力に磨きがかかり,より確かな力を得ることになるであろう。
一方で,多様なモダリティについて限られた期間で学習する臨床実習に対し,その範囲の広さ・深さに戸惑う学生も少なくない。本書は診療放射線技師業務の一連の流れを提示することで,未知なる経験に期待と不安をもつ学生に,臨床実習の道標として活用してもらうことを意図して出版した。
本書は第1章の「臨床実習・基礎知識編」と第2〜4章の「臨床実習・実技編」で構成されている。
「基礎知識編」では,臨床実習を行う意義や実習の基本的な流れに加えて,実習中に注意すべき事項などについて解説した。また,近年撮影依頼が増えている死亡時画像診断(Ai)についてもここに掲載した。
「実技編」は,「第2章 画像検査」「第3章 核医学検査」「第4章 放射線治療」に分れる。画像検査を例にとれば,医師から検査依頼を受けた時点をスタートとして,検査前準備→撮影方法と手順→画像データの処理→画像の評価・考察といった業務の一覧の流れを,ステップごとに分けて解説した。各セクションの冒頭には,「臨床実習ルートマップ」というチャート図を設けており,この図も参照しながら,臨床経験がない学生が業務全体の流れについてイメージを膨らませ,理解を深めてもらえればと考える。このほかに,囲み記事として,学生が注意すべき点を記載した「チェック!」,知っておくと臨床で役立つ知識をまとめた「+α MEMO」を適宜載せている。
実習すべき検査法・治療法をほぼ網羅し思考過程を明確にした本書を,一人でも多くの学生や実習指導者に活用していただき,実習をより有意義なものにしていただければ幸いである。
最後に本企画から刊行まで,温かなご支援をいただいたメジカルビュー社の小松朋寛氏に深謝いたします。
2016年7月
国際医療福祉大学
橋本光康
臨床実習では,臨床実習を行う基本的能力を有する学生が,臨床現場に赴き,実習指導者のもと,診療放射線技師およびチーム医療の一員としての責任と役割を担う実践力を身に付けることを大きな目標としている。
患者さんへの思いやりと学究的な情熱が渦巻くなかでの様々な経験は,自身を大きく成長させる原動力となる。活字を読むだけでは得られない独特のものを肌で感じ,さらにそれを思考過程に沿って整理し,省察を繰り返すことによって自身の能力に磨きがかかり,より確かな力を得ることになるであろう。
一方で,多様なモダリティについて限られた期間で学習する臨床実習に対し,その範囲の広さ・深さに戸惑う学生も少なくない。本書は診療放射線技師業務の一連の流れを提示することで,未知なる経験に期待と不安をもつ学生に,臨床実習の道標として活用してもらうことを意図して出版した。
本書は第1章の「臨床実習・基礎知識編」と第2〜4章の「臨床実習・実技編」で構成されている。
「基礎知識編」では,臨床実習を行う意義や実習の基本的な流れに加えて,実習中に注意すべき事項などについて解説した。また,近年撮影依頼が増えている死亡時画像診断(Ai)についてもここに掲載した。
「実技編」は,「第2章 画像検査」「第3章 核医学検査」「第4章 放射線治療」に分れる。画像検査を例にとれば,医師から検査依頼を受けた時点をスタートとして,検査前準備→撮影方法と手順→画像データの処理→画像の評価・考察といった業務の一覧の流れを,ステップごとに分けて解説した。各セクションの冒頭には,「臨床実習ルートマップ」というチャート図を設けており,この図も参照しながら,臨床経験がない学生が業務全体の流れについてイメージを膨らませ,理解を深めてもらえればと考える。このほかに,囲み記事として,学生が注意すべき点を記載した「チェック!」,知っておくと臨床で役立つ知識をまとめた「+α MEMO」を適宜載せている。
実習すべき検査法・治療法をほぼ網羅し思考過程を明確にした本書を,一人でも多くの学生や実習指導者に活用していただき,実習をより有意義なものにしていただければ幸いである。
最後に本企画から刊行まで,温かなご支援をいただいたメジカルビュー社の小松朋寛氏に深謝いたします。
2016年7月
国際医療福祉大学
橋本光康
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目次
第1章 臨床実習・基礎知識編
Ⅰ 臨床実習の基本的事項
1 臨床実習の意義
2 臨床実習の基本的な流れ
Ⅱ 臨床実習で必要なマナー・常識
3 実習前の準備
4 臨床実習で注意すべき事項
Ⅲ 臨床実習前におさえておきたい基礎知識
5 医療安全と品質管理
6 感染症対策
7 情報管理
8 チーム医療
9 死亡時画像診断
第2章 臨床実習・実技編:画像検査
Ⅰ 単純X線検査
1 単純X線検査の基礎知識
2 頭部
3 頭頸部
4 胸部
5 腹部
6 骨盤部
7 四肢
8 脊椎
9 乳房
10 移動型X線撮影(病棟・手術室)
11 救急撮影(外傷)
12 その他(セファログラフィ)
Ⅱ X線透視検査
13 X線透視検査の基礎知識
14 上部消化管
15 下部消化管
16 肝・胆・膵
17 泌尿器・生殖器
18 整形外科領域
Ⅲ 血管造影(IVR含む)
19 血管造影の基礎知識
20 脳血管
21 心臓血管
22 大血管
23 腹部血管
Ⅳ X線CT検査
24 X線CT検査の基礎知識
25 頭部
26 頭頸部
27 胸部
28 腹部
29 骨盤部
30 四肢
31 脊椎
32 乳腺
Ⅴ MRI検査
33 MRI検査の基礎知識
34 頭部
35 頭頸部
36 胸部
37 心臓
38 腹部
39 骨盤部
40 四肢(肩関節・膝関節)
41 脊椎
42 乳腺
43 MRA
Ⅵ 超音波検査
44 超音波検査の基礎知識と腹部の検査
Ⅶ 眼底検査
45 眼底検査(無散瞳眼底撮影)
Ⅷ 骨塩定量
46 骨塩定量(DXA法)
第3章 臨床実習・実技編:核医学検査
1 核医学検査を行うための基礎知識
Ⅰ シンチグラフィ(SPECT)
2 骨の疾患
3 脳の疾患
4 循環器系の疾患
5 腫瘍・炎症性疾患
6 内分泌の疾患
7 泌尿器系の疾患
8 消化器系の疾患
9 呼吸器系の疾患
Ⅱ PET
10 腫瘍の検索,てんかん,心疾患の診断
Ⅲ RI内用療法
11 甲状腺,転移性骨腫瘍の疼痛緩和,放射線免疫療法
第4章 臨床実習・実技編:放射線治療
1 放射線治療を行うための基礎知識
Ⅰ 外部照射:通常照射
2 頭部
3 頭頸部
4 胸腹部
5 骨盤部
6 その他①(転移性骨腫瘍)
7 その他②(ケロイド)
Ⅱ 外部照射:高精度照射
8 頭部
9 頭頸部
10 胸腹部
11 骨盤部
Ⅲ 外部照射:特殊照射
12 全脳全脊髄照射(髄芽種)
13 全身照射(白血病)
14 複雑な照射(悪性リンパ腫)
15 その他(粒子線治療)
Ⅳ 小線源治療
16 小線源治療の基礎知識
17 腔内照射(子宮頸がん)
18 組織内照射(前立腺がん)
Ⅰ 臨床実習の基本的事項
1 臨床実習の意義
2 臨床実習の基本的な流れ
Ⅱ 臨床実習で必要なマナー・常識
3 実習前の準備
4 臨床実習で注意すべき事項
Ⅲ 臨床実習前におさえておきたい基礎知識
5 医療安全と品質管理
6 感染症対策
7 情報管理
8 チーム医療
9 死亡時画像診断
第2章 臨床実習・実技編:画像検査
Ⅰ 単純X線検査
1 単純X線検査の基礎知識
2 頭部
3 頭頸部
4 胸部
5 腹部
6 骨盤部
7 四肢
8 脊椎
9 乳房
10 移動型X線撮影(病棟・手術室)
11 救急撮影(外傷)
12 その他(セファログラフィ)
Ⅱ X線透視検査
13 X線透視検査の基礎知識
14 上部消化管
15 下部消化管
16 肝・胆・膵
17 泌尿器・生殖器
18 整形外科領域
Ⅲ 血管造影(IVR含む)
19 血管造影の基礎知識
20 脳血管
21 心臓血管
22 大血管
23 腹部血管
Ⅳ X線CT検査
24 X線CT検査の基礎知識
25 頭部
26 頭頸部
27 胸部
28 腹部
29 骨盤部
30 四肢
31 脊椎
32 乳腺
Ⅴ MRI検査
33 MRI検査の基礎知識
34 頭部
35 頭頸部
36 胸部
37 心臓
38 腹部
39 骨盤部
40 四肢(肩関節・膝関節)
41 脊椎
42 乳腺
43 MRA
Ⅵ 超音波検査
44 超音波検査の基礎知識と腹部の検査
Ⅶ 眼底検査
45 眼底検査(無散瞳眼底撮影)
Ⅷ 骨塩定量
46 骨塩定量(DXA法)
第3章 臨床実習・実技編:核医学検査
1 核医学検査を行うための基礎知識
Ⅰ シンチグラフィ(SPECT)
2 骨の疾患
3 脳の疾患
4 循環器系の疾患
5 腫瘍・炎症性疾患
6 内分泌の疾患
7 泌尿器系の疾患
8 消化器系の疾患
9 呼吸器系の疾患
Ⅱ PET
10 腫瘍の検索,てんかん,心疾患の診断
Ⅲ RI内用療法
11 甲状腺,転移性骨腫瘍の疼痛緩和,放射線免疫療法
第4章 臨床実習・実技編:放射線治療
1 放射線治療を行うための基礎知識
Ⅰ 外部照射:通常照射
2 頭部
3 頭頸部
4 胸腹部
5 骨盤部
6 その他①(転移性骨腫瘍)
7 その他②(ケロイド)
Ⅱ 外部照射:高精度照射
8 頭部
9 頭頸部
10 胸腹部
11 骨盤部
Ⅲ 外部照射:特殊照射
12 全脳全脊髄照射(髄芽種)
13 全身照射(白血病)
14 複雑な照射(悪性リンパ腫)
15 その他(粒子線治療)
Ⅳ 小線源治療
16 小線源治療の基礎知識
17 腔内照射(子宮頸がん)
18 組織内照射(前立腺がん)
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診療放射線技師・臨床実習に臨む学生さん必携の一冊!
診療放射線技師(RT)の養成校学生に向けた臨床実習の解説書である。
第1章では,学生が実習に臨むにあたり,知っておくべき実習中のマナー・接遇などを掲載。第2〜4章では,画像検査(単純X線,CT,MRIなど),核医学検査,放射線治療について,実際の業務の流れに沿った解説を掲載している。
検査依頼から撮像の手技,画像データの処理,画像の評価まで,一連の内容を掲載しており,学生が診療放射線技師の業務全体の流れを把握できる内容となっている。