診療放射線技師 スリム・ベーシック
核医学
改訂第2版
定価 5,170円(税込) (本体4,700円+税)
- B5判 312ページ 2色(一部カラー),イラスト203点,写真205点
- 2019年8月3日刊行
- ISBN978-4-7583-1919-5
電子版
序文
編集の序
2010年4月に講義用テキスト『診療放射線技師 スリム・ベーシック』シリーズの1冊として本書『核医学』の初版が刊行されてから,早いもので約9年が経過しました。その間に国家試験出題基準の改定もあり,また多くの養成校でご活用いただく中で,学生がより学びやすく,かつ教員が講義でより使いやすくなるようにとの観点から,改訂第2版を刊行する運びとなりました。
本シリーズの特徴は,初版に引き続き,先ずはとっつきやすく,楽しく学べることを基本に据え,学生の心を引きつけるための工夫として冒頭に「Introduction」を設け,それを一読することにより「これからどのようなことを学ぶのか」,また「本書の全体像を明確に把握できる」ように楽しく読み通せる内容を全巻にそれぞれ盛り込みました。
各論では,「基本・原理」をしっかりと理解できるようストーリー性を持たせた構成とし,ビジュアル感覚豊かな学生や若手教員に敬遠されないよう,スリムだけれど内容は充実した講義用テキストとするべく心掛けてあります。学生にとって重要な「どうすれば短時間に効率良く確実に理解できるか」を追求するため,図・表・イラストや例題,欄外の解説を駆使し,また学習のモチベーションを維持するために「ここで学んだことが実際の臨床現場にどうつながっていくのか」をイメージできる記述も適宜盛り込みました。巻頭には「学習到達目標」を,各章末には「おさらい」を配置し,学生側も教員側も学習状況を把握しやすくしています。
本書『核医学』の改訂に当たっては,全体の約80%が刷新され,最新の国家試験出題基準に基づいてアップデートされたことはもちろん,例題もさらに充実しました。 本書の不備な点については,読者の皆様のご教示をお願いできれば幸甚であります。 発刊に当たり,本書の編集にご協力いただいたメジカルビュー社のスタッフの方々に感謝致します。
2019年7月
首都大学東京 福士政広
2010年4月に講義用テキスト『診療放射線技師 スリム・ベーシック』シリーズの1冊として本書『核医学』の初版が刊行されてから,早いもので約9年が経過しました。その間に国家試験出題基準の改定もあり,また多くの養成校でご活用いただく中で,学生がより学びやすく,かつ教員が講義でより使いやすくなるようにとの観点から,改訂第2版を刊行する運びとなりました。
本シリーズの特徴は,初版に引き続き,先ずはとっつきやすく,楽しく学べることを基本に据え,学生の心を引きつけるための工夫として冒頭に「Introduction」を設け,それを一読することにより「これからどのようなことを学ぶのか」,また「本書の全体像を明確に把握できる」ように楽しく読み通せる内容を全巻にそれぞれ盛り込みました。
各論では,「基本・原理」をしっかりと理解できるようストーリー性を持たせた構成とし,ビジュアル感覚豊かな学生や若手教員に敬遠されないよう,スリムだけれど内容は充実した講義用テキストとするべく心掛けてあります。学生にとって重要な「どうすれば短時間に効率良く確実に理解できるか」を追求するため,図・表・イラストや例題,欄外の解説を駆使し,また学習のモチベーションを維持するために「ここで学んだことが実際の臨床現場にどうつながっていくのか」をイメージできる記述も適宜盛り込みました。巻頭には「学習到達目標」を,各章末には「おさらい」を配置し,学生側も教員側も学習状況を把握しやすくしています。
本書『核医学』の改訂に当たっては,全体の約80%が刷新され,最新の国家試験出題基準に基づいてアップデートされたことはもちろん,例題もさらに充実しました。 本書の不備な点については,読者の皆様のご教示をお願いできれば幸甚であります。 発刊に当たり,本書の編集にご協力いただいたメジカルビュー社のスタッフの方々に感謝致します。
2019年7月
首都大学東京 福士政広
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目次
0章 Introduction [津田啓介]
1. 核医学
1 核医学とは
2 核医学診療実態
3 核医学検査の安全性
4 放射性医薬品の投与量および患者の内部被ばく線量(全身吸収線量)
1章 放射性医薬品・放射性薬剤 [鹿野直人]
1. in vivo検査用放射性医薬品・放射性薬剤
1 特徴
2. シングルフォトン放射性医薬品
1 シングルフォトン放射性医薬品と核種
2 in vitro検査用放射性医薬品と核種
3 内用療法と核種
4 ジェネレータ
5 標識法と合成法
3. PET用放射性薬剤
1 ポジトロン放出核種
2 自動合成装置
4. 放射性医薬品の品質管理
1 定量法
2 品質の確認
5. 放射性医薬品の集積機序
1 体内動態
2 集積機序(原理・作用)
6. 放射性医薬品の副作用
7. 分子イメージング
2章 核医学装置
1. ガンマカメラ・SPECT(SPECT/CT)装置 [清水秀雄]
1 ガンマカメラ・SPECT(SPECT/CT)装置
2 装置構成
3 検出器
4 コリメータ
5 コリメータ効率と幾何学的分解能の関係
6 その他の付属機器
7 ガンマカメラ・SPECTの収集方法
8 データ処理装置
9 半導体SPECT装置
10 SPECTの計測原理
11 断層画像の投影理論
12 さまざまな画像再構成法
13 さまざまな補正法
14 ガンマカメラ・SPECTの保守点検・性能評価
2. PET装置 [小山和也]
1 PETの概要
2 PET装置の構成
3 PETの計測原理
4 PET画像再構成法
5 各種補正法
6 CCFとSUV
7 PET装置の性能評価・保守点検
3. 試料測定装置 [小山和也]
1 ウェル型シンチレーションカウンタ
2 オートウェルカウンタ(自動ウェルカウンタ)
3 ドーズキャリブレータ
4 液体シンチレーションカウンタ
4. その他の測定装置 [小山和也]
1 半導体カメラ
2 ガンマプローブ
3 医療用小型サイクロトロン
3章 核医学検査法の原理 [鹿野直人]
1. 核医学検査法の原理
2. 体外計測検査法の原理
1 血流動態測定法
2 摂取率測定法
3 排泄能測定法
4 全身測定法
3. 試料計測検査法
1 希釈法による測定
2 血液クリアランスによる測定
3 代謝の測定
4. in vitro検査法
1 直接飽和分析法(DSA)
2 競合反応を利用した測定法(競合法)
3 非競合反応を利用した測定法(非競合法)
4 検査の管理
5. 画像処理
1 デジタル画像の基本
2 画像処理
6. 薬物動態解析
1 コンパートメント解析
2 平均通過時間(MTT)
3 デコンボリューション解析
4章 臨床核医学検査 [山本智朗]
1. 脳神経
1 脳血流シンチグラフィ
2 中枢神経受容体シンチグラフィ
3 中枢性神経伝達シンチグラフィ
4 脳槽シンチグラフィ
5 脳腫瘍シンチグラフィ
2. 内分泌
1 甲状腺シンチグラフィ
2 副甲状腺シンチグラフィ
3 副腎皮質シンチグラフィ
4 副腎髄質シンチグラフィ
3. 呼吸器
1 肺血流シンチグラフィ
2 肺換気シンチグラフィ
3 肺吸入シンチグラフィ
4. 循環器
1 心筋血流シンチグラフィ
2 心筋脂肪酸シンチグラフィ
3 心筋交感神経シンチグラフィ
4 心筋梗塞シンチグラフィ
5 心プールシンチグラフィ
6 下肢静脈シンチグラフィ
5. 消化器
1 肝シンチグラフィ
2 肝受容体シンチグラフィ
3 肝胆道シンチグラフィ
4 唾液腺シンチグラフィ
5 異所性胃粘膜(メッケル憩室)シンチグラフィ
6 消化管出血シンチグラフィ
6. 泌尿器
1 腎静態シンチグラフィ
2 腎動態シンチグラフィ
7. 造血器・リンパ節
1 骨髄シンチグラフィ
2 センチネルリンパ節シンチグラフィ(ガンマカメラ法)
8. 骨
1 骨シンチグラフィ
9. 腫瘍・炎症
1 ガリウムシンチグラフィ
2 塩化タリウムシンチグラフィ
3 その他の腫瘍シンチグラフィ
4 ソマトスタチン受容体シンチグラフィ
10. PET
1 腫瘍
2 脳循環
3 循環器
11 内用療法
1 概要
2 131I-Na(I ヨウ化ナトリウム)内用療法
3 131I-MIBG内用療法
4 89SrC(l 塩化ストロンチウム)内用療法
5 223RaC(l 塩化ラジウム)内用療法
6 90Y(イットリウム)抗CD20抗体内用療法
7 177Lu-DOTA-TATE治療
1. 核医学
1 核医学とは
2 核医学診療実態
3 核医学検査の安全性
4 放射性医薬品の投与量および患者の内部被ばく線量(全身吸収線量)
1章 放射性医薬品・放射性薬剤 [鹿野直人]
1. in vivo検査用放射性医薬品・放射性薬剤
1 特徴
2. シングルフォトン放射性医薬品
1 シングルフォトン放射性医薬品と核種
2 in vitro検査用放射性医薬品と核種
3 内用療法と核種
4 ジェネレータ
5 標識法と合成法
3. PET用放射性薬剤
1 ポジトロン放出核種
2 自動合成装置
4. 放射性医薬品の品質管理
1 定量法
2 品質の確認
5. 放射性医薬品の集積機序
1 体内動態
2 集積機序(原理・作用)
6. 放射性医薬品の副作用
7. 分子イメージング
2章 核医学装置
1. ガンマカメラ・SPECT(SPECT/CT)装置 [清水秀雄]
1 ガンマカメラ・SPECT(SPECT/CT)装置
2 装置構成
3 検出器
4 コリメータ
5 コリメータ効率と幾何学的分解能の関係
6 その他の付属機器
7 ガンマカメラ・SPECTの収集方法
8 データ処理装置
9 半導体SPECT装置
10 SPECTの計測原理
11 断層画像の投影理論
12 さまざまな画像再構成法
13 さまざまな補正法
14 ガンマカメラ・SPECTの保守点検・性能評価
2. PET装置 [小山和也]
1 PETの概要
2 PET装置の構成
3 PETの計測原理
4 PET画像再構成法
5 各種補正法
6 CCFとSUV
7 PET装置の性能評価・保守点検
3. 試料測定装置 [小山和也]
1 ウェル型シンチレーションカウンタ
2 オートウェルカウンタ(自動ウェルカウンタ)
3 ドーズキャリブレータ
4 液体シンチレーションカウンタ
4. その他の測定装置 [小山和也]
1 半導体カメラ
2 ガンマプローブ
3 医療用小型サイクロトロン
3章 核医学検査法の原理 [鹿野直人]
1. 核医学検査法の原理
2. 体外計測検査法の原理
1 血流動態測定法
2 摂取率測定法
3 排泄能測定法
4 全身測定法
3. 試料計測検査法
1 希釈法による測定
2 血液クリアランスによる測定
3 代謝の測定
4. in vitro検査法
1 直接飽和分析法(DSA)
2 競合反応を利用した測定法(競合法)
3 非競合反応を利用した測定法(非競合法)
4 検査の管理
5. 画像処理
1 デジタル画像の基本
2 画像処理
6. 薬物動態解析
1 コンパートメント解析
2 平均通過時間(MTT)
3 デコンボリューション解析
4章 臨床核医学検査 [山本智朗]
1. 脳神経
1 脳血流シンチグラフィ
2 中枢神経受容体シンチグラフィ
3 中枢性神経伝達シンチグラフィ
4 脳槽シンチグラフィ
5 脳腫瘍シンチグラフィ
2. 内分泌
1 甲状腺シンチグラフィ
2 副甲状腺シンチグラフィ
3 副腎皮質シンチグラフィ
4 副腎髄質シンチグラフィ
3. 呼吸器
1 肺血流シンチグラフィ
2 肺換気シンチグラフィ
3 肺吸入シンチグラフィ
4. 循環器
1 心筋血流シンチグラフィ
2 心筋脂肪酸シンチグラフィ
3 心筋交感神経シンチグラフィ
4 心筋梗塞シンチグラフィ
5 心プールシンチグラフィ
6 下肢静脈シンチグラフィ
5. 消化器
1 肝シンチグラフィ
2 肝受容体シンチグラフィ
3 肝胆道シンチグラフィ
4 唾液腺シンチグラフィ
5 異所性胃粘膜(メッケル憩室)シンチグラフィ
6 消化管出血シンチグラフィ
6. 泌尿器
1 腎静態シンチグラフィ
2 腎動態シンチグラフィ
7. 造血器・リンパ節
1 骨髄シンチグラフィ
2 センチネルリンパ節シンチグラフィ(ガンマカメラ法)
8. 骨
1 骨シンチグラフィ
9. 腫瘍・炎症
1 ガリウムシンチグラフィ
2 塩化タリウムシンチグラフィ
3 その他の腫瘍シンチグラフィ
4 ソマトスタチン受容体シンチグラフィ
10. PET
1 腫瘍
2 脳循環
3 循環器
11 内用療法
1 概要
2 131I-Na(I ヨウ化ナトリウム)内用療法
3 131I-MIBG内用療法
4 89SrC(l 塩化ストロンチウム)内用療法
5 223RaC(l 塩化ラジウム)内用療法
6 90Y(イットリウム)抗CD20抗体内用療法
7 177Lu-DOTA-TATE治療
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診療放射線技師が知っておくべき核医学を学ぶ,はじめの一歩!
本書は,「核医学」を初めて学ぶ診療放射線技師養成校の学生を対象としたテキストである。
今回の改訂では,初版よりも理解しやすい書籍とするため,全体の約80%を書き換えた。そのほか,最新の国家試験出題基準に基づいてアップデートを行うとともに,授業でより使いやすい1冊となるように解説や例題を充実させた。
シリーズの特徴である,(1)基礎・原理をしっかり理解できるようストーリー性をもたせた構成で,自力で読み進め予習・復習できる,(2)図・表・写真を多用し,重要部分は「Slim・Check・Point」として囲みにて強調,(3)難解な専門用語は「用語アラカルト」として欄外で解説。プラスアルファの知識などは「MEMO」にて補足,(4)巻頭の「学習到達目標」と項目の最後にある「おさらい」で講義や自己学習の状況を把握できる,という点を初版から引き継ぎ,“教えやすく,学びやすい”1冊となっている。