新 広汎子宮全摘術
第3版
定価 20,900円(税込) (本体19,000円+税)
- A4判 292ページ オールカラー,上製,イラスト200点,写真200点
- 2019年3月25日刊行
- ISBN978-4-7583-1750-4
電子版
序文
序
1998年の国際解剖学会議(International federation of Associations of Anatomists;IFAA)の用語委員会(Federative committee on Anatomical Terminology;FCAT)が編纂したTerminologia Anatomicaのなかに,臨床用語が導入された。この裁量は,肉眼/系統解剖学あるいは解剖学者が,人工的操作が加えられた形態を解剖学の一分野として容認したことである。その決断は,Henry GrayのAnatomy:Descriptive and Surgical(1858)への回帰であり,我々臨床医が待ち望んできたことでもある。
筆者は,広汎子宮全摘術を模擬して行った解剖の論文(2005年のAmerican Journal of Obstetrics & Gynecologyに掲載され,同誌の表紙を飾った)の経験をもとに,『新広汎子宮全摘術』の改訂(2009)を行った。しかしその時点では,国際解剖学会議の意図を充分にくみ取ることができなかった,との思いが残った。
従来の臨床 or 手術用語は,外科的操作が加えられたartifactであるにも関わらず肉眼解剖学に準拠した解釈,定義がなされてきた。そうした臨床解剖学から生まれた20世紀の広汎子宮全摘術は,手技の至難性,大出血,膀胱直腸麻痺の難題を抱えていた。1943年にはGreenhillをして「もはや手術療法の時代は終わった」と言わしめ,アメリカでは放射線照射治療が主流となった。
こうした歴史を経て1998年以後の婦人科医は,人工的操作が加えられた形態を,肉眼/系統解剖学というフィルターを通すことなく直接観察,手術できることになった。その結果として,広汎子宮全摘術のもつ20世紀の課題の解決が可能にされた。例えば,基靱帯/頸横靱帯(Terminologia Anatomicaでは基靱帯と頸横靱帯を同義語とするが,著者は間違いと考える)の20世紀的解釈 or 定義は,腟と子宮頸部の前後筋膜が臓器の外側縁で一つになり,骨盤底(正確には仙骨面)を横切り,さらに,頭尾に伸びて上骨盤隔膜筋膜(深筋膜)を形成するものとされた。そのために婦人科医は,肛門挙筋を覆う筋膜を基靱帯/頸横靱帯の一部として切除することになった。こうした過大切除では,臓器の機能麻痺が必須であり,大出血の危険性も高かった。1980年代の筆者も,同様の合併症やリスクに苦しんだ。そうした経験のなかで,筆者は肉眼解剖学的知識と手術中の所見の間には大きな違い,乖離があることに気付き始めた。そして,伝統的な基靱帯/頸横靱帯が骨盤側壁と子宮頸部および直腸を結ぶ結合織索であり,なかには直腸側方靱帯を含み,臓器に垂直な形態をもつ neurovascular bundleと考えた(Am J Obstet Gynecol, 1991)。直腸側方靱帯の非切除は,術式の縮小とともに出血のリスクを減少させた(Am J Obstet Gynecol, 1991)。この新しい知見は,基靱帯/頸横靱帯の立体的観察を容易にし,念願であった神経温存手術に結びつけた(Gynecol Oncol, 1996, 2000)。幸いにもこれらの手術は,予後への影響はなかった。
しかし,当時の筆者の思考には,肉眼/系統解剖学と臨床解剖学の区別がつかない部分が多く,そうした混乱のなかで,拙手術書第2版の改訂を行ったことに後悔を残した。
今回の改訂は,肉眼/系統解剖学から完全に臨床解剖学を独立させた視点より拙手術書を完成したいとの思いから始めた。臨床解剖学の独立は,水と油のごとき二つの解剖学の共存を可能にさせる手段であるとの意図も筆者にあった。
第二に,膀胱子宮靱帯を前層と後層に分けて切除する岡林術式は,最も習得が困難で破綻性出血も多い箇所でもあった。この唯一無二と信じられてきた術式の変法(筆者は改良と評価されたい)を,神経温存手術を模索するなかで開発した。その方法を読者に知ってもらいたいのが改訂の目的でもあった。
第三の目的は,子宮頸傍組織paracervixと腟傍組織paracolpiumの解剖と手術である。Terminologia Anatomicaでは基靱帯,頸横靱帯そして子宮頸傍組織の同義語が採用された。それとは逆に腟傍組織は導入されなかった。子宮頸傍組織と腟傍組織の共通する弱点は,解剖学がofficial descriptionと認められる域に達していないことであろう。そのためIFAAの見識には矛盾が残る。この2つの靱帯について,筆者の新しい見解を紹介したい。
第四は,基靱帯/頸横靱帯の切除で直腸側方靱帯を温存した。それによって生ずるリンパ郭清の影響について考察することが筆者の任務であると感じた。
拙手術書の初版(2002年)の執筆は,1999年より同僚の干場,朝本とともにスタートさせた腹腔鏡下広汎子宮全摘術を,より系統的に行うために始めた。今回の小書では,我々の目標とした子宮頸癌の縮小手術や神経温存手術に腹腔鏡下術式が,非常に有用であることを多数の症例で示すことができた。
そして最後に,生涯での思い出である Am J Obstet Gynecolの表紙と編集者のコメント,および拙書の基にした筆者らの論文名を記載することを許していただきたい。
Commentary:The face of medical education has changed dramatically in the past decade. For medical students all the way to practicing physician,
3 information transfer has evolved from pedantic lectures to include on-line program with virtual patients, interactive seminars with hand-on models, and hired actors trained as “professional” patients. Students at all stages must still ultimately…study! The authors of this article report classical anatomical observation; reminding us that anatomy is the crux of surgery. This carful dissection of the female pelvis illustrates the relationships between the vital structures and major vessels. As more pelvic surgeons begin to use procedures such as blind needle insertion of tapes and support materials, a mental image of these relationships may help eschew injury. The authors thoughtfully point out that as our surgical armamentarium expands, it is always worthwhile to review the basic principles we learned at the cadaver.
[筆者らの論文]
1) Yabuki Y, Asamoto A, Hoshiba T, Nishimoto H, Kitamura S:Dissection of the cardinal ligamentin radical hysterectomy for cervical cancer with emphasis on the lateral ligament. Am J Obstet Gynecol 1991; 164: 7-14.
2) Yabuki Y, Asamoto A, Hoshiba T, Nishimoto H, Sato N:A new proposal for radical hysterectomy.Gynecol Oncol 1996; 62: 370-8.
3) Yabuki Y:Cardinal ligament dissection based on a new theory. CEM J Gynecol Oncol 1997; 2:278-87.
4) Yabuki Y, Asamoto A, Hoshiba T, Nishimoto H, Nishikawa Y, Nakajima T: Radical hysterectomy:An anatomic evaluation of parametrial dissection. Gynecol Oncol 2000; 77: 155-63.
5) Yabuki Y, Sasaki H, Hatakeyama N, Murakami G:Discrepancies between classic anatomy andmodern gynecologic surgery on pelvic connective tissue structure: harmonization of those concepts by collaborative cadaver dissection. Am J Obstet Gynecol 2005; 193: 7-15.
6) Yabuki Y, Murakami G, Hoshiba T, Sasaki H, Hatakeyama,Asamoto A:Redefinition of the pelvic connective tissue: in-situ histologic examination. Female Pelvic Med & Reconstr Surg 2011;17: 60-6.
7) Yabuki Y:Clinical anatomy of the subserous layer: An amalgamation of gross and clinical anatomy. Clinical Anatomy 2016; 29: 508-15.
8) Yabuki Y:Anatomy of the pelvis for radical hysterectomy; Does extensive resection of the vagina result in severer bladder dysfunction? The 16th Annual Review Course on Gynecologic Oncology and Pathology. Kyoto, Japan, 2007.
9) Hoshiba T, Yabuki Y, Asamoto A, Nishimoto H, Yagihara A, Nishikawa Y: Our laporoscopic radical hysterectomy. Gynecologic and Obstetric Surgery 2000; 11: 93-100( in Japanese).
10) Yabuki Y:New Radical Hysterectomy for Uterine Cancer: New Theory and Technique for radical hysterectomy. Tokyo: Medical View, 2002( in Japanese).
11) Yabuki Y:New Radical Hysterectomy for Uterine Cancer, 2nd edition: Theory and Technique for Nerve-Sparing Operation. Tokyo: Medical View, 2009( in Japanese)
謝 辞
この小書の上梓に当たり筆者は,手術現場から離れたために,手術を見学する立場で新しい知識を得ることになった。特に富山県立中央病院の舟本寛博士,石川県立中央病院の干場勉博士には献身的な協力をいただいた。二人には,私が開腹手術で行ったことを,腹腔鏡下手術で応用してもらった。特に第四腔のラパロでの発掘には,果敢に挑戦してもらい感謝の言葉もない。
私が,身の程以上と思う仕事をなすことができたのは,石川県立中央病院の医師,朝本明弘,干場勉,佐々木博正,宮城徹三郎,清水博志(敬称略)を始めとする多くの元同僚,手術室,ICU,放射線科そして病棟のスタッフの協力の賜物と満腔の謝意を表したい。膀胱,直腸の手術にご協力いただいた泌尿器科,消化器外科の先生方にも,この場を借りて感謝の意を表する。そして,札幌医科大学解剖学教室村上弦元教授との出会いを,今は神に感謝する思いでいる。博士の人体解剖学に対する情熱は,傍からは想像できぬもので,今日の私があるのも,彼の献身的な環境の設定と指導があってのことと考えている。そこでは,村上教授の下に学びにきた加藤友康博士(現在,国立がんセンター婦人腫瘍科科長),絹笠祐介博士(現在,東京医科歯科大学外科教授)の人たちを知り,多くの知識を授かった。真に幸運であった。
私の論文の英訳は,元金沢大学医学部教授荻原新八郎先生と奥様のサンドラ様のお世話になった。私の論文が欧米で多少知られるようになったのは,お二人の真摯なお仕事があってのものと感謝に堪えない。
腹腔鏡下手術に関しては,倉敷成人病センター院長の安藤正明博士の協力を得ることができた。拙書が,今日の体裁を得られたのはまさに博士のお蔭である。
なお,第3版で使用した腹腔鏡下手術の写真は,舟本寛博士(富山県立中央病院)と干場勉博士(石川県立中央病院)の提供によった。干場勉博士とは長い間一緒に仕事をしたが,今日の彼の素晴らしい技術の習得と進歩には驚嘆し,改めて敬意を表したい。拙書に掲載した腹腔鏡下手術の写真は,図58を除き,後のすべては干場博士の手術による。さらに,元金沢大学医学部第二病理学助教授の小田恵夫博士にも組織標本の観察に関するアドバイスをいただいたお礼を申したい。
最後に,本書の出版に協力と理解をいただいたメジカルビュー社編集部の浅見直博氏をはじめとする皆様に深く感謝いたす次第です。
2019(平成31)年3月吉日
矢吹 朗彦
1998年の国際解剖学会議(International federation of Associations of Anatomists;IFAA)の用語委員会(Federative committee on Anatomical Terminology;FCAT)が編纂したTerminologia Anatomicaのなかに,臨床用語が導入された。この裁量は,肉眼/系統解剖学あるいは解剖学者が,人工的操作が加えられた形態を解剖学の一分野として容認したことである。その決断は,Henry GrayのAnatomy:Descriptive and Surgical(1858)への回帰であり,我々臨床医が待ち望んできたことでもある。
筆者は,広汎子宮全摘術を模擬して行った解剖の論文(2005年のAmerican Journal of Obstetrics & Gynecologyに掲載され,同誌の表紙を飾った)の経験をもとに,『新広汎子宮全摘術』の改訂(2009)を行った。しかしその時点では,国際解剖学会議の意図を充分にくみ取ることができなかった,との思いが残った。
従来の臨床 or 手術用語は,外科的操作が加えられたartifactであるにも関わらず肉眼解剖学に準拠した解釈,定義がなされてきた。そうした臨床解剖学から生まれた20世紀の広汎子宮全摘術は,手技の至難性,大出血,膀胱直腸麻痺の難題を抱えていた。1943年にはGreenhillをして「もはや手術療法の時代は終わった」と言わしめ,アメリカでは放射線照射治療が主流となった。
こうした歴史を経て1998年以後の婦人科医は,人工的操作が加えられた形態を,肉眼/系統解剖学というフィルターを通すことなく直接観察,手術できることになった。その結果として,広汎子宮全摘術のもつ20世紀の課題の解決が可能にされた。例えば,基靱帯/頸横靱帯(Terminologia Anatomicaでは基靱帯と頸横靱帯を同義語とするが,著者は間違いと考える)の20世紀的解釈 or 定義は,腟と子宮頸部の前後筋膜が臓器の外側縁で一つになり,骨盤底(正確には仙骨面)を横切り,さらに,頭尾に伸びて上骨盤隔膜筋膜(深筋膜)を形成するものとされた。そのために婦人科医は,肛門挙筋を覆う筋膜を基靱帯/頸横靱帯の一部として切除することになった。こうした過大切除では,臓器の機能麻痺が必須であり,大出血の危険性も高かった。1980年代の筆者も,同様の合併症やリスクに苦しんだ。そうした経験のなかで,筆者は肉眼解剖学的知識と手術中の所見の間には大きな違い,乖離があることに気付き始めた。そして,伝統的な基靱帯/頸横靱帯が骨盤側壁と子宮頸部および直腸を結ぶ結合織索であり,なかには直腸側方靱帯を含み,臓器に垂直な形態をもつ neurovascular bundleと考えた(Am J Obstet Gynecol, 1991)。直腸側方靱帯の非切除は,術式の縮小とともに出血のリスクを減少させた(Am J Obstet Gynecol, 1991)。この新しい知見は,基靱帯/頸横靱帯の立体的観察を容易にし,念願であった神経温存手術に結びつけた(Gynecol Oncol, 1996, 2000)。幸いにもこれらの手術は,予後への影響はなかった。
しかし,当時の筆者の思考には,肉眼/系統解剖学と臨床解剖学の区別がつかない部分が多く,そうした混乱のなかで,拙手術書第2版の改訂を行ったことに後悔を残した。
今回の改訂は,肉眼/系統解剖学から完全に臨床解剖学を独立させた視点より拙手術書を完成したいとの思いから始めた。臨床解剖学の独立は,水と油のごとき二つの解剖学の共存を可能にさせる手段であるとの意図も筆者にあった。
第二に,膀胱子宮靱帯を前層と後層に分けて切除する岡林術式は,最も習得が困難で破綻性出血も多い箇所でもあった。この唯一無二と信じられてきた術式の変法(筆者は改良と評価されたい)を,神経温存手術を模索するなかで開発した。その方法を読者に知ってもらいたいのが改訂の目的でもあった。
第三の目的は,子宮頸傍組織paracervixと腟傍組織paracolpiumの解剖と手術である。Terminologia Anatomicaでは基靱帯,頸横靱帯そして子宮頸傍組織の同義語が採用された。それとは逆に腟傍組織は導入されなかった。子宮頸傍組織と腟傍組織の共通する弱点は,解剖学がofficial descriptionと認められる域に達していないことであろう。そのためIFAAの見識には矛盾が残る。この2つの靱帯について,筆者の新しい見解を紹介したい。
第四は,基靱帯/頸横靱帯の切除で直腸側方靱帯を温存した。それによって生ずるリンパ郭清の影響について考察することが筆者の任務であると感じた。
拙手術書の初版(2002年)の執筆は,1999年より同僚の干場,朝本とともにスタートさせた腹腔鏡下広汎子宮全摘術を,より系統的に行うために始めた。今回の小書では,我々の目標とした子宮頸癌の縮小手術や神経温存手術に腹腔鏡下術式が,非常に有用であることを多数の症例で示すことができた。
そして最後に,生涯での思い出である Am J Obstet Gynecolの表紙と編集者のコメント,および拙書の基にした筆者らの論文名を記載することを許していただきたい。
Commentary:The face of medical education has changed dramatically in the past decade. For medical students all the way to practicing physician,
3 information transfer has evolved from pedantic lectures to include on-line program with virtual patients, interactive seminars with hand-on models, and hired actors trained as “professional” patients. Students at all stages must still ultimately…study! The authors of this article report classical anatomical observation; reminding us that anatomy is the crux of surgery. This carful dissection of the female pelvis illustrates the relationships between the vital structures and major vessels. As more pelvic surgeons begin to use procedures such as blind needle insertion of tapes and support materials, a mental image of these relationships may help eschew injury. The authors thoughtfully point out that as our surgical armamentarium expands, it is always worthwhile to review the basic principles we learned at the cadaver.
[筆者らの論文]
1) Yabuki Y, Asamoto A, Hoshiba T, Nishimoto H, Kitamura S:Dissection of the cardinal ligamentin radical hysterectomy for cervical cancer with emphasis on the lateral ligament. Am J Obstet Gynecol 1991; 164: 7-14.
2) Yabuki Y, Asamoto A, Hoshiba T, Nishimoto H, Sato N:A new proposal for radical hysterectomy.Gynecol Oncol 1996; 62: 370-8.
3) Yabuki Y:Cardinal ligament dissection based on a new theory. CEM J Gynecol Oncol 1997; 2:278-87.
4) Yabuki Y, Asamoto A, Hoshiba T, Nishimoto H, Nishikawa Y, Nakajima T: Radical hysterectomy:An anatomic evaluation of parametrial dissection. Gynecol Oncol 2000; 77: 155-63.
5) Yabuki Y, Sasaki H, Hatakeyama N, Murakami G:Discrepancies between classic anatomy andmodern gynecologic surgery on pelvic connective tissue structure: harmonization of those concepts by collaborative cadaver dissection. Am J Obstet Gynecol 2005; 193: 7-15.
6) Yabuki Y, Murakami G, Hoshiba T, Sasaki H, Hatakeyama,Asamoto A:Redefinition of the pelvic connective tissue: in-situ histologic examination. Female Pelvic Med & Reconstr Surg 2011;17: 60-6.
7) Yabuki Y:Clinical anatomy of the subserous layer: An amalgamation of gross and clinical anatomy. Clinical Anatomy 2016; 29: 508-15.
8) Yabuki Y:Anatomy of the pelvis for radical hysterectomy; Does extensive resection of the vagina result in severer bladder dysfunction? The 16th Annual Review Course on Gynecologic Oncology and Pathology. Kyoto, Japan, 2007.
9) Hoshiba T, Yabuki Y, Asamoto A, Nishimoto H, Yagihara A, Nishikawa Y: Our laporoscopic radical hysterectomy. Gynecologic and Obstetric Surgery 2000; 11: 93-100( in Japanese).
10) Yabuki Y:New Radical Hysterectomy for Uterine Cancer: New Theory and Technique for radical hysterectomy. Tokyo: Medical View, 2002( in Japanese).
11) Yabuki Y:New Radical Hysterectomy for Uterine Cancer, 2nd edition: Theory and Technique for Nerve-Sparing Operation. Tokyo: Medical View, 2009( in Japanese)
謝 辞
この小書の上梓に当たり筆者は,手術現場から離れたために,手術を見学する立場で新しい知識を得ることになった。特に富山県立中央病院の舟本寛博士,石川県立中央病院の干場勉博士には献身的な協力をいただいた。二人には,私が開腹手術で行ったことを,腹腔鏡下手術で応用してもらった。特に第四腔のラパロでの発掘には,果敢に挑戦してもらい感謝の言葉もない。
私が,身の程以上と思う仕事をなすことができたのは,石川県立中央病院の医師,朝本明弘,干場勉,佐々木博正,宮城徹三郎,清水博志(敬称略)を始めとする多くの元同僚,手術室,ICU,放射線科そして病棟のスタッフの協力の賜物と満腔の謝意を表したい。膀胱,直腸の手術にご協力いただいた泌尿器科,消化器外科の先生方にも,この場を借りて感謝の意を表する。そして,札幌医科大学解剖学教室村上弦元教授との出会いを,今は神に感謝する思いでいる。博士の人体解剖学に対する情熱は,傍からは想像できぬもので,今日の私があるのも,彼の献身的な環境の設定と指導があってのことと考えている。そこでは,村上教授の下に学びにきた加藤友康博士(現在,国立がんセンター婦人腫瘍科科長),絹笠祐介博士(現在,東京医科歯科大学外科教授)の人たちを知り,多くの知識を授かった。真に幸運であった。
私の論文の英訳は,元金沢大学医学部教授荻原新八郎先生と奥様のサンドラ様のお世話になった。私の論文が欧米で多少知られるようになったのは,お二人の真摯なお仕事があってのものと感謝に堪えない。
腹腔鏡下手術に関しては,倉敷成人病センター院長の安藤正明博士の協力を得ることができた。拙書が,今日の体裁を得られたのはまさに博士のお蔭である。
なお,第3版で使用した腹腔鏡下手術の写真は,舟本寛博士(富山県立中央病院)と干場勉博士(石川県立中央病院)の提供によった。干場勉博士とは長い間一緒に仕事をしたが,今日の彼の素晴らしい技術の習得と進歩には驚嘆し,改めて敬意を表したい。拙書に掲載した腹腔鏡下手術の写真は,図58を除き,後のすべては干場博士の手術による。さらに,元金沢大学医学部第二病理学助教授の小田恵夫博士にも組織標本の観察に関するアドバイスをいただいたお礼を申したい。
最後に,本書の出版に協力と理解をいただいたメジカルビュー社編集部の浅見直博氏をはじめとする皆様に深く感謝いたす次第です。
2019(平成31)年3月吉日
矢吹 朗彦
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目次
■基礎編
第1部 広汎子宮全摘術の解剖学
第1章 広汎子宮全摘術に必要な解剖と用語
Ⅰ 解剖学の定義
Ⅱ 広汎子宮全摘術に使用される用語
A 骨盤臓器の位置および方向を表現する用語
B 解剖学命名法
C 骨盤結合組織に関する臨床的慣用名
D 拙書で使用する臨床用語と慣用語に関する筆者の解釈と造語
E 拙書で用いる記号
第2部 伝統的臨床解剖学とその術式
第1章 伝統的基靱帯/頸横靱帯に関する臨床解剖と術式
Ⅰ 第一世代の臨床解剖学
A Virchowのparametrium
B Savage (1875) の The condensation in the base of the broad ligament
Ⅱ 第一世代の子宮頸癌手術:Savage理論に基づく術式
A Clark手術
B Wertheim手術
Ⅲ 第二世代の臨床解剖学
A Mackenrodtの頸横靱帯
B Peham-Amreichの骨盤結合組織基束
Ⅳ 第二世代の子宮頸癌手術
A Latzko手術
B 岡林手術
C Latzko手術と岡林手術の相違,比較
D Meigs手術
V 第三世代の臨床解剖学と小林手術
A 小林手術
Ⅵ 子宮頸癌Ⅲ期の伝統的超広汎手術
A 三林の超広汎子宮全摘術
B 小林の超広汎子宮全摘術
第2章 腟傍組織の伝統的臨床解剖学と手術
Ⅰ 腟傍組織の伝統的臨床解剖学
Ⅱ 腟傍組織の伝統的切除法
A Latzko手術の腟傍組織切除
B 岡林手術にみる腟側方靱帯
C Latzkoと岡林の腟傍組織切除の比較
第3章 膀胱子宮靱帯と仙骨子宮靱帯の伝統的解剖学と切除法
Ⅰ 膀胱子宮靱帯と仙骨子宮靱帯の伝統的解剖学と切除法
A 膀胱子宮靱帯
B 仙骨子宮靱帯
第4章 骨盤内筋膜と腹膜の臨床解剖学
Ⅰ 漿膜下組織(骨盤内結合組織)
A 結合組織:蜜性結合組織と疎性結合組織
B 筋膜:壁側筋膜と臓側筋膜
C 靱帯:骨盤靱帯
D 骨盤靱帯の支持機能は?
Ⅱ 骨盤腹膜
第3部 筆者の臨床解剖学
第1章 伝統的臨床解剖学と関連術式の矛盾
Ⅰ 伝統的臨床解剖学の矛盾
A 直腸側腔の矛盾
B 膀胱側腔の矛盾
C 頸横靱帯底
D Latzko隔壁(小林の隔膜)とは何か?
E 骨盤底の矛盾
F 頸横靱帯内血管の疑問
G 血管損傷のリスク
H 直腸側方靱帯の否認
I 左右直腸側腔の交通
J 膀胱直腸麻痺
K 過剰切除
L 三次元性の欠如
Ⅱ Terminologia Anatomicaの矛盾
Ⅲ Peham-Amreichの直腸側腔への作為
第2章 子宮傍組織の臨床解剖学と組織学
A 臨床解剖学とは?(解剖学を定義する)
B Subserous layerの肉眼解剖学と組織学
1. 子宮頸腟上部切断面
2. 子宮頸腟部切断面
3. 腟円蓋での切断面
4. 基靱帯と頸横靱帯
5. Mesorectum,mesocystiumとmesometrium
第3章 骨盤漿膜下組織の臨床解剖学 “腔と靱帯”
骨盤 “腔” の臨床解剖学
A 膀胱側腔
B 新膀胱側腔
C 直腸側腔
1.Latzko式直腸側腔
2.岡林式直腸側腔
3.Latzko式直腸側腔と岡林式直腸側腔の意義
D 第四腔
E 膀胱腟中隔と膀胱腟隙
F 直腸腟中隔と直腸腟隙
骨盤靱帯の臨床解剖学
Ⅰ 臓側筋膜と骨盤靱帯
Ⅱ 筋膜の臨床的存在
Ⅲ 臓側筋膜の臨床解剖学
第4章 骨盤漿膜下組織の臨床解剖学 “靱帯の分類”
筆者の骨盤靱帯の分類
Ⅰ Supporting system骨盤横系靱帯
A 膀胱側腔からみる骨盤横系靱帯
B 直腸側腔からみる骨盤横系靱帯
C 子宮頸傍組織の構成
1. 子宮頸腟部の側方組織
2. 子宮頸腟上部の側方靱帯
D 基靱帯と頸横靱帯
E Supporting system翻転部(膀胱子宮靱帯深層)
F 側臍靱帯と膀胱下腹筋膜
G 直腸側方靱帯
Ⅱ suspensory system骨盤縦系靱帯
A 膀胱子宮靱帯浅層
B 仙骨子宮靱帯
C 古典的臨床解剖学の矛盾への回答
第5章 腟傍組織の解剖学
Ⅰ 腟傍組織の臨床解剖学
A 腟傍組織の臨床解剖学
B 腟傍組織の神経走行
C 腟傍組織と伝統的切除法
Ⅱ 腟傍組織と子宮頸傍組織
A 腟傍組織と子宮頸傍組織の関連性
B 腟傍組織と子宮頸傍組織の機能性
第6章 骨盤内の血管系
Ⅰ 骨盤内の血管系
A 子宮動脈
B 子宮静脈
C 膀胱動静脈
1.膀胱動脈
2.膀胱ドレナージシステム
D 中直腸動静脈
E 下臀内陰部血管
F 尿管動脈
第7章 骨盤内の神経系
A 臓性神経(自律神経)
1.下腹神経
2.骨盤内臓神経
3.下下腹神経叢(骨盤神経叢)
B 体性神経
第8章 尿管
第9章 骨盤内のリンパ系
■手術編
第1部 筆者の子宮頸癌手術
第1章 手術の関連事項
Ⅰ 術式の種類
1. 単純子宮全摘術
2. 準広汎子宮全摘術
3. 広汎子宮全摘術
4. 超広汎子宮全摘術
Ⅱ 広汎子宮全摘術に関する準備事項
A 手術前処置
B 使用器具
Ⅲ 筆者の神経温存広汎子宮全摘術の目標
Ⅳ 術式の順序
第2章 神経温存広汎子宮全摘術(開腹術)
Ⅰ 開腹と子宮の把持
Ⅱ 子宮円靱帯の離断
Ⅲ 腸骨窩腹膜の切開と剝離
Ⅳ 膀胱側腔の開放
Ⅴ 直腸側腔の試掘(卵巣前窩腹膜の切除)
Ⅵ 骨盤リンパ節郭清
A リンパ節郭清の解剖学と切除領域
B リンパ節郭清の基本的な考え
C リンパ節郭清手技
1.外腸骨動静脈の腸腰筋からの分離
2.外腸骨動脈血管鞘の剝離:浅部外腸骨リンパ節の切除
3.外鼠径上リンパ節の切除
4.外腸骨静脈血管鞘の剝離:深部外腸骨リンパ節の切除
5.内鼠径上リンパ節の切除
6.閉鎖リンパ節の切除
7.内腸骨リンパ節の切除
8.血管損傷と止血
D 傍大動静脈リンパ節と総腸骨リンパ節の切除
1.アプローチ法
2.後腹膜腔の解剖
3.後腹膜鏡下手術
E 超音波破砕機によるリンパ郭清の補助
F 癒着転移リンパ節の切除
Ⅶ 子宮傍組織の切除
A 子宮傍組織の切除(1):側方操作
1.頸横靱帯起始部の露出と郭清
2.頸横靱帯の結紮
B 子宮傍組織の切除(2):後方操作
C 子宮傍組織の切除(3):前方操作
1.膀胱子宮靱帯の解剖と切離
2.子宮頸部側方靱帯の構成
3.第四腔
4.膀胱子宮靱帯浅層と深層の切除
D 頸横靱帯の切除(深子宮静脈の最終処理)
Ⅷ 腟傍組織の切除
A 腟傍組織の臨床解剖と手術
B 腟管切断と腟断端閉鎖
C 神経温存手術を目標にした腟傍組織切除
D 腹腔および骨盤腹膜の処置
第3章 広汎子宮全摘術変法
Ⅰ 筆者の縮小広汎子宮全摘術
Ⅱ Wertheim手術変法
第2部 超広汎子宮全摘術
第1章 拡大/超広汎子宮全摘術
A リンパ節の切除
B 頸横靱帯起始部郭清術
C 内腸骨動脈前枝の切除
D 内腸骨動静脈前枝の切除術
第2章 臓器合併切除
A 前方浸潤への操作
B 後方浸潤への操作
第3章 拡大/超広汎子宮全摘術の予後
第4章 妥当的神経温存拡大広汎子宮全摘術
第5章 肉眼解剖学と臨床解剖学の共存
終わりに
第1部 広汎子宮全摘術の解剖学
第1章 広汎子宮全摘術に必要な解剖と用語
Ⅰ 解剖学の定義
Ⅱ 広汎子宮全摘術に使用される用語
A 骨盤臓器の位置および方向を表現する用語
B 解剖学命名法
C 骨盤結合組織に関する臨床的慣用名
D 拙書で使用する臨床用語と慣用語に関する筆者の解釈と造語
E 拙書で用いる記号
第2部 伝統的臨床解剖学とその術式
第1章 伝統的基靱帯/頸横靱帯に関する臨床解剖と術式
Ⅰ 第一世代の臨床解剖学
A Virchowのparametrium
B Savage (1875) の The condensation in the base of the broad ligament
Ⅱ 第一世代の子宮頸癌手術:Savage理論に基づく術式
A Clark手術
B Wertheim手術
Ⅲ 第二世代の臨床解剖学
A Mackenrodtの頸横靱帯
B Peham-Amreichの骨盤結合組織基束
Ⅳ 第二世代の子宮頸癌手術
A Latzko手術
B 岡林手術
C Latzko手術と岡林手術の相違,比較
D Meigs手術
V 第三世代の臨床解剖学と小林手術
A 小林手術
Ⅵ 子宮頸癌Ⅲ期の伝統的超広汎手術
A 三林の超広汎子宮全摘術
B 小林の超広汎子宮全摘術
第2章 腟傍組織の伝統的臨床解剖学と手術
Ⅰ 腟傍組織の伝統的臨床解剖学
Ⅱ 腟傍組織の伝統的切除法
A Latzko手術の腟傍組織切除
B 岡林手術にみる腟側方靱帯
C Latzkoと岡林の腟傍組織切除の比較
第3章 膀胱子宮靱帯と仙骨子宮靱帯の伝統的解剖学と切除法
Ⅰ 膀胱子宮靱帯と仙骨子宮靱帯の伝統的解剖学と切除法
A 膀胱子宮靱帯
B 仙骨子宮靱帯
第4章 骨盤内筋膜と腹膜の臨床解剖学
Ⅰ 漿膜下組織(骨盤内結合組織)
A 結合組織:蜜性結合組織と疎性結合組織
B 筋膜:壁側筋膜と臓側筋膜
C 靱帯:骨盤靱帯
D 骨盤靱帯の支持機能は?
Ⅱ 骨盤腹膜
第3部 筆者の臨床解剖学
第1章 伝統的臨床解剖学と関連術式の矛盾
Ⅰ 伝統的臨床解剖学の矛盾
A 直腸側腔の矛盾
B 膀胱側腔の矛盾
C 頸横靱帯底
D Latzko隔壁(小林の隔膜)とは何か?
E 骨盤底の矛盾
F 頸横靱帯内血管の疑問
G 血管損傷のリスク
H 直腸側方靱帯の否認
I 左右直腸側腔の交通
J 膀胱直腸麻痺
K 過剰切除
L 三次元性の欠如
Ⅱ Terminologia Anatomicaの矛盾
Ⅲ Peham-Amreichの直腸側腔への作為
第2章 子宮傍組織の臨床解剖学と組織学
A 臨床解剖学とは?(解剖学を定義する)
B Subserous layerの肉眼解剖学と組織学
1. 子宮頸腟上部切断面
2. 子宮頸腟部切断面
3. 腟円蓋での切断面
4. 基靱帯と頸横靱帯
5. Mesorectum,mesocystiumとmesometrium
第3章 骨盤漿膜下組織の臨床解剖学 “腔と靱帯”
骨盤 “腔” の臨床解剖学
A 膀胱側腔
B 新膀胱側腔
C 直腸側腔
1.Latzko式直腸側腔
2.岡林式直腸側腔
3.Latzko式直腸側腔と岡林式直腸側腔の意義
D 第四腔
E 膀胱腟中隔と膀胱腟隙
F 直腸腟中隔と直腸腟隙
骨盤靱帯の臨床解剖学
Ⅰ 臓側筋膜と骨盤靱帯
Ⅱ 筋膜の臨床的存在
Ⅲ 臓側筋膜の臨床解剖学
第4章 骨盤漿膜下組織の臨床解剖学 “靱帯の分類”
筆者の骨盤靱帯の分類
Ⅰ Supporting system骨盤横系靱帯
A 膀胱側腔からみる骨盤横系靱帯
B 直腸側腔からみる骨盤横系靱帯
C 子宮頸傍組織の構成
1. 子宮頸腟部の側方組織
2. 子宮頸腟上部の側方靱帯
D 基靱帯と頸横靱帯
E Supporting system翻転部(膀胱子宮靱帯深層)
F 側臍靱帯と膀胱下腹筋膜
G 直腸側方靱帯
Ⅱ suspensory system骨盤縦系靱帯
A 膀胱子宮靱帯浅層
B 仙骨子宮靱帯
C 古典的臨床解剖学の矛盾への回答
第5章 腟傍組織の解剖学
Ⅰ 腟傍組織の臨床解剖学
A 腟傍組織の臨床解剖学
B 腟傍組織の神経走行
C 腟傍組織と伝統的切除法
Ⅱ 腟傍組織と子宮頸傍組織
A 腟傍組織と子宮頸傍組織の関連性
B 腟傍組織と子宮頸傍組織の機能性
第6章 骨盤内の血管系
Ⅰ 骨盤内の血管系
A 子宮動脈
B 子宮静脈
C 膀胱動静脈
1.膀胱動脈
2.膀胱ドレナージシステム
D 中直腸動静脈
E 下臀内陰部血管
F 尿管動脈
第7章 骨盤内の神経系
A 臓性神経(自律神経)
1.下腹神経
2.骨盤内臓神経
3.下下腹神経叢(骨盤神経叢)
B 体性神経
第8章 尿管
第9章 骨盤内のリンパ系
■手術編
第1部 筆者の子宮頸癌手術
第1章 手術の関連事項
Ⅰ 術式の種類
1. 単純子宮全摘術
2. 準広汎子宮全摘術
3. 広汎子宮全摘術
4. 超広汎子宮全摘術
Ⅱ 広汎子宮全摘術に関する準備事項
A 手術前処置
B 使用器具
Ⅲ 筆者の神経温存広汎子宮全摘術の目標
Ⅳ 術式の順序
第2章 神経温存広汎子宮全摘術(開腹術)
Ⅰ 開腹と子宮の把持
Ⅱ 子宮円靱帯の離断
Ⅲ 腸骨窩腹膜の切開と剝離
Ⅳ 膀胱側腔の開放
Ⅴ 直腸側腔の試掘(卵巣前窩腹膜の切除)
Ⅵ 骨盤リンパ節郭清
A リンパ節郭清の解剖学と切除領域
B リンパ節郭清の基本的な考え
C リンパ節郭清手技
1.外腸骨動静脈の腸腰筋からの分離
2.外腸骨動脈血管鞘の剝離:浅部外腸骨リンパ節の切除
3.外鼠径上リンパ節の切除
4.外腸骨静脈血管鞘の剝離:深部外腸骨リンパ節の切除
5.内鼠径上リンパ節の切除
6.閉鎖リンパ節の切除
7.内腸骨リンパ節の切除
8.血管損傷と止血
D 傍大動静脈リンパ節と総腸骨リンパ節の切除
1.アプローチ法
2.後腹膜腔の解剖
3.後腹膜鏡下手術
E 超音波破砕機によるリンパ郭清の補助
F 癒着転移リンパ節の切除
Ⅶ 子宮傍組織の切除
A 子宮傍組織の切除(1):側方操作
1.頸横靱帯起始部の露出と郭清
2.頸横靱帯の結紮
B 子宮傍組織の切除(2):後方操作
C 子宮傍組織の切除(3):前方操作
1.膀胱子宮靱帯の解剖と切離
2.子宮頸部側方靱帯の構成
3.第四腔
4.膀胱子宮靱帯浅層と深層の切除
D 頸横靱帯の切除(深子宮静脈の最終処理)
Ⅷ 腟傍組織の切除
A 腟傍組織の臨床解剖と手術
B 腟管切断と腟断端閉鎖
C 神経温存手術を目標にした腟傍組織切除
D 腹腔および骨盤腹膜の処置
第3章 広汎子宮全摘術変法
Ⅰ 筆者の縮小広汎子宮全摘術
Ⅱ Wertheim手術変法
第2部 超広汎子宮全摘術
第1章 拡大/超広汎子宮全摘術
A リンパ節の切除
B 頸横靱帯起始部郭清術
C 内腸骨動脈前枝の切除
D 内腸骨動静脈前枝の切除術
第2章 臓器合併切除
A 前方浸潤への操作
B 後方浸潤への操作
第3章 拡大/超広汎子宮全摘術の予後
第4章 妥当的神経温存拡大広汎子宮全摘術
第5章 肉眼解剖学と臨床解剖学の共存
終わりに
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