OGS NOW basic 5

産科手術を極める

産科手術を極める

■担当編集 平松 祐司

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • i_movie.jpg
  • A4判  202ページ  オールカラー,イラスト70点,写真70点
  • 2021年3月1日刊行
  • ISBN978-4-7583-1985-0

産科領域で必要な解剖から基本的に身につけなければならない手術手技までを具体的に解説

若手産婦人科医を対象に「基本的に身につけなければならない手技」を解説し,“十分な理解に基づく手術”をマスターできる実践的シリーズ。緻密で美しいイラストにより読むだけで手術をシミュレートできるビジュアル重視の紙面に加え,スマートフォン等でアクセスできる本文とリンクした動画をストリーミング配信。解説は簡潔かつ初心者フレンドリーで,今さら聞けないような事柄についても丁寧に記載し,助手などの補助的な立場の手術参加者にもより役立つ作りとしている。
第5巻では,産科で必須の小手術を特集。外陰部・腟・子宮頸部の手術,妊娠中の手術やその他の産科小手術につき,解剖から具体的な手術手技までを解説している。

■シリーズ編集委員
平松祐司/竹田 省/万代昌紀/小林裕明


序文

OGS NOW basicの刊行にあたって

 この度,産婦人科手術書OGS Now の姉妹編としてOGS NOW basic を刊行することになりました。OGS Nowはわかりやすいイラストを用い,各手術のストラテジー,コツ,ピットフォールなどの項目を設け,従来の手術書の行間に書かれていた内容を解説してもらいました。これは,より安全な術式を効率よくマスターしてほしいとの思いからでた発想であり,2010年から2015年にかけて全24 巻発刊し,今も多くの先生方に愛読していただいております。
 今も昔も,多くの産婦人科手術に対するストラテジーには大きな変化はありませんが,この10 年間に腹腔鏡手術やロボット手術が急速に発展し,パワーデバイスや周術期管理なども年々進歩してきています。このような現況を踏まえ,OGS NOW は継続して刊行していきながら,それをさらに補い,主に卒後10 年位までの若い先生を対象とした手術入門書として,up-to-dateな内容を盛り込み,基本的な術式をよりわかりやすく解説する書籍としてOGS NOW basicを発刊することにしました。
 本シリーズでは,OGS NOWの編集方針は継承しつつ,次のような編集方針で企画していきます。
1)卒後10年位までの若い先生を主たる対象とする。
2) 難易度の高い手術は「OGS NOW」を参照してもらい,難しいテーマはできるだけ取り扱わない。
3)その手術に必要な解剖知識を記載する。
4)各操作の理解を助けるために必要な短い動画をつける。
4)麻酔や合併症対策も記載する。
 多くのup-to-dateな内容を取り入れていくと同時に,鏡視下手術で得られる画像,解剖を掲載しますのでベテランの先生方にも役立てていただけるものと思っています。
 手術はScienceを基盤にしたArt です。本シリーズではこのtechnical skillをわかりやすく解説します。また,よい外科医と呼ばれるのにはtechnical skill に加え,non-technicalskillを備えておく必要があります。これについてもコラム等で可能な限り伝えていきたいと考えています。
 OGS Now 全24 巻とともに,年4冊発刊予定であるOGS NOW basicも手元においていただき,手術前後に必ず該当項目を読んで修練し,手術の達人そしてbest Surgeonを目指してほしいと思います。

2020年3月吉日
編集委員 平松祐司 岡山市立総合医療センター顧問,岡山大学名誉教授
竹田 省 順天堂大学医学部産婦人科学講座特任教授,母子愛育会愛育研究所所長
万代昌紀 京都大学医学研究科婦人科学産科学分野教授
小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学教授

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序 文

 OGS NOW basic No.5として「産科手術を極める」をお届けします。本巻では,既刊No.3「いきなり帝王切開術」で掲載した手術以外の産科手術につき,非常に基本的な手技から,妊娠中の筋腫核出,子宮破裂,外陰・腟壁・後腹膜血腫,分娩後の膀胱腟瘻・直腸腟瘻など非常に難易度の高い手術まで特集しています。いずれの手術も,分娩を多く取り扱っていれば必ず遭遇する疾患,状況ですので,自信をもって実施できるよう日々修練していただきたいと思います。
 産科はbloody business といわれるように,出血との戦いです。そのなかで,迅速に判断し,的確な処置・手術を行い,母児の安全を確保しなければならないため,非妊娠時の手術以上に種々の準備,配慮,工夫,そしてチーム形成が求められます。従って,いずれの手術も妊娠に伴う生理学的変化に加え,外陰部,骨盤底の解剖を十分理解しておくことが必要です。特に,外陰部の筋肉の走行,子宮周囲の血管,尿管の走行を理解し,子宮周囲の6つの腔(左右の膀胱側腔および直腸側腔,ダグラス窩,レチウス窩)の展開法と子宮動脈,内腸骨動脈,尿管の露出法の習得,そしてどの血管は遮断しても障害を起こさないかなどの理解が必要となります。
 大病院では,産科チームと婦人科チームが分かれていることもあると思いますが,難易度の高い産科手術を行うためには,広汎子宮全摘術や卵巣癌手術に用いる手技が必要になります。このため,日頃から婦人科手術にも積極的に参加して熟達しておく必要があり,それが難しい場合は腫瘍チームの協力を得て手術する必要があります。その際も,産科手術では,癌手術時のような癒着はないが,大きな子宮があり視野がとりにくい,非妊娠時より子宮周囲の血管怒張があり血管損傷させると大量出血を起こすなどのリスクがあるため,特別の配慮が必要になります。また外科と一緒に瘻孔手術する場合には,積極的に参加し,他科の手技を盗み自分のものにする努力が必要です。
 手術のエキスパートになるには本シリーズNo.1にも記載しましたが,1例1例の症例を大切にし,1例につき3回手術(術前のブリーフィング,本番,術後のデブリーフィング)を繰り返すことが必要です。日頃から,本巻に目を通し,術式のマスター,改良に役立てていただきたいと思います。また,姉妹編の既刊OGS NOWシリーズには,関連記事が多く掲載されていますので併せて参考にしていただきたく思います。

2021年2月
平松祐司
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目次

妊娠中の手術の種類(概説,適応)  平松祐司
産科小手術に必要な外陰部・腟・子宮頸部周囲の解剖と局所麻酔  竹田 省
子宮内容除去術  根津優子 ほか
頸管妊娠の管理法  竹田 純
妊娠中の卵巣腫瘍に対する手術   川﨑 薫
妊娠中の筋腫核出術  平松祐司
妊娠中の円錐切除術  市川亮子 ほか
子宮頸管縫縮術
 (1)McDonald 法  中島義之 ほか
 (2)Shirodkar 法  早田 桂 ほか
 (3)開腹による方法  折田有史 ほか
 (4)胎胞形成例に対する子宮頸管縫縮術  竹田 純
 (5)頸管短縮例に対する子宮頸管縫縮術  村越 毅
経腟分娩時の大量出血に対する対処法  近藤英治
胎盤用手剥離術  森田聡美 ほか
子宮内反症整復術  永井立平 ほか
会陰切開と縫合  玉田祥子
第1度,第2度会陰裂傷の修復法  牧 尉太
第3度,第4度会陰裂傷の修復法  林  優
頸管裂傷の修復法  竹田 省
子宮破裂に対する手術  松永茂剛 ほか
外陰・腟壁・後腹膜血腫に対する手術  橋口幹夫
外陰・腟壁・後腹膜血腫に対するIVR  田嶋 敦 ほか
分娩後の直腸腟瘻の修復法  牧野真太郎 ほか
分娩後の膀胱腟瘻の修復法  小林裕明
ノンテクニカルスキルを学ぶ手術における状況モニター  平松祐司
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