がん患者のリハビリテーション
リスク管理とゴール設定
定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
- B5判 328ページ 2色(一部カラー),イラスト181点,写真45点
- 2013年3月27日刊行
- ISBN978-4-7583-1469-5
序文
近年,がん治療の進歩によってがんの生存率は大幅に向上し,長期生存症例が急速に増加している。がん患者では,がんの進行や治療経過中にADL の低下をきたすことが多く,それに伴う患者のQOL 低下,家族の介護負担が問題となってきている。
従来,積極的なリハビリテーション(以下,リハ)の対象となるがん症例は,開胸・開腹術後の呼吸リハ,四肢骨軟部腫瘍術後などの一部の症例であった。しかし,前述のようにがん患者の生命予後が改善し,ADL 低下への対応が求められるようになったため,化学療法や放射線治療が実施された症例などにもリハの適応は広がってきている。
2010 年からは診療報酬においてもがんのリハが算定できるようになり,社会的なバックアップ体制も整備されつつある。このような背景から,がん患者に積極的にリハを提供する施設が増えてきている。
がんは全身に生じうる疾患であり,その予後や生じる障害もさまざまである。さらに,緩和医療の普及に伴い,ADL だけではなくQOL の維持・向上も注目されるようになってきた。このように,がんのリハの対象やリハ目的も多様化しつつある。
その一方で,がんのリハは歴史も浅く,エビデンスの形成は不十分であり,治療指針の構築は発展途上にある。さらに,療法士の養成校でのがんに関する教育も十分とはいえない。このため実際のリハは,施設ごと,医療スタッフごとの判断の下に実施されていると予想される。
そこで,がんのリハに携わる医療従事者が,現場でがんの基礎知識について学習することのできるテキストが必要と考え,本書の出版を進めることとした。
リハのプログラムに当たってはゴール設定とリスク管理が必須項目となるが,がん患者においてそれは容易ではない。がんのリハのプログラムが困難である理由には,以下のものが挙げられる。まず,進行性疾患であるため時間の経過とともに全身状態が悪化するケースが少なくないこと,また,リハの目的が単なるADL 改善のみにとどまらずQOL 改善もリハの対象となること,そして,治療成果や合併症などで経過中にリハの目的が変化することも少なくないことなどである。
このため,がんのリハのゴール設定には,短期的・長期的な生命予後や疾患の治療の見通し,個人のニーズなどを含めた総合的な判断が必要となる。リスク管理も同様に,がんによる医学的問題だけではなく,がん治療によるさまざまな合併症も考慮する必要がある。がん患者にリハを実施するに当たっては,ある程度の医学的知識と多くの経験に基づいた臨床的センスが必要となる。
本書では,現場のセラピストがリスク管理やリハのゴール設定に当たって知っておくべき医学的知識を盛り込んだ。そのため,初学者には多少難解な記載もあると思われる。しかし,がんを診療している医師がどのように予後を判定し,治療計画を練っているかを知ることが,適切ながんのリハプログラムには必要であると考える。
本書から得た知識により,医師の診療録や看護記録などからがん治療の計画,生命予後,リスク管理に必要な情報を抽出して,医学的に適切なリハプログラムを作成できる能力を身につけていただきたい。こうした過程を通じて,がん患者の多様なニーズに応えることのできる高いレベルの臨床的センスも身に付けることができると編者は考えている。
最後に本書を作成するに当たり尽力いただいたメジカルビュー社の阿部氏,間宮氏にお礼を申し上げたい。
本書が,がんのリハビリテーションを提供する医療従事者の知識の整理に役立ち,全国のがん患者のADL やQOL 向上に貢献できれば望外の幸せである。
2013 年2 月
亀田総合病院リハビリテーション科
宮越浩一
従来,積極的なリハビリテーション(以下,リハ)の対象となるがん症例は,開胸・開腹術後の呼吸リハ,四肢骨軟部腫瘍術後などの一部の症例であった。しかし,前述のようにがん患者の生命予後が改善し,ADL 低下への対応が求められるようになったため,化学療法や放射線治療が実施された症例などにもリハの適応は広がってきている。
2010 年からは診療報酬においてもがんのリハが算定できるようになり,社会的なバックアップ体制も整備されつつある。このような背景から,がん患者に積極的にリハを提供する施設が増えてきている。
がんは全身に生じうる疾患であり,その予後や生じる障害もさまざまである。さらに,緩和医療の普及に伴い,ADL だけではなくQOL の維持・向上も注目されるようになってきた。このように,がんのリハの対象やリハ目的も多様化しつつある。
その一方で,がんのリハは歴史も浅く,エビデンスの形成は不十分であり,治療指針の構築は発展途上にある。さらに,療法士の養成校でのがんに関する教育も十分とはいえない。このため実際のリハは,施設ごと,医療スタッフごとの判断の下に実施されていると予想される。
そこで,がんのリハに携わる医療従事者が,現場でがんの基礎知識について学習することのできるテキストが必要と考え,本書の出版を進めることとした。
リハのプログラムに当たってはゴール設定とリスク管理が必須項目となるが,がん患者においてそれは容易ではない。がんのリハのプログラムが困難である理由には,以下のものが挙げられる。まず,進行性疾患であるため時間の経過とともに全身状態が悪化するケースが少なくないこと,また,リハの目的が単なるADL 改善のみにとどまらずQOL 改善もリハの対象となること,そして,治療成果や合併症などで経過中にリハの目的が変化することも少なくないことなどである。
このため,がんのリハのゴール設定には,短期的・長期的な生命予後や疾患の治療の見通し,個人のニーズなどを含めた総合的な判断が必要となる。リスク管理も同様に,がんによる医学的問題だけではなく,がん治療によるさまざまな合併症も考慮する必要がある。がん患者にリハを実施するに当たっては,ある程度の医学的知識と多くの経験に基づいた臨床的センスが必要となる。
本書では,現場のセラピストがリスク管理やリハのゴール設定に当たって知っておくべき医学的知識を盛り込んだ。そのため,初学者には多少難解な記載もあると思われる。しかし,がんを診療している医師がどのように予後を判定し,治療計画を練っているかを知ることが,適切ながんのリハプログラムには必要であると考える。
本書から得た知識により,医師の診療録や看護記録などからがん治療の計画,生命予後,リスク管理に必要な情報を抽出して,医学的に適切なリハプログラムを作成できる能力を身につけていただきたい。こうした過程を通じて,がん患者の多様なニーズに応えることのできる高いレベルの臨床的センスも身に付けることができると編者は考えている。
最後に本書を作成するに当たり尽力いただいたメジカルビュー社の阿部氏,間宮氏にお礼を申し上げたい。
本書が,がんのリハビリテーションを提供する医療従事者の知識の整理に役立ち,全国のがん患者のADL やQOL 向上に貢献できれば望外の幸せである。
2013 年2 月
亀田総合病院リハビリテーション科
宮越浩一
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目次
Ⅰ章 基礎編 ─総論─
1 がんのリハビリテーションの必要性とエビデンス
1 はじめに
・がん患者数の増加
・がんの治療中のADLの低下
・廃用症候群予防のためのリハビリテーション
2 がんのリハビリテーションの特殊性
・亀田総合病院におけるがんのリハビリテーション実施状況
・がんのリハビリテーションの内容と目的
・がんのリハビリテーションにおける注意点
3 がんのリハビリテーションの効果とエビデンス
・ADL改善効果
・合併症抑制効果
・がんのリハビリテーションにおけるゴールと患者のニーズ
2 がん治療の原則とstage分類の意味
1 がん治療の原則
2 悪性腫瘍の正確な診断
・病理学的診断
・画像診断
・がんの病期
3 stage分類の概念
・予後予測
4 各疾患のstage分類の概要と5 年生存率
・頭頸部がん
・乳がん
・肺がん
・消化器がん
・婦人科がん
・泌尿器がん
5 stage分類の限界と全身状態の評価
・正確性と迅速な診断
・stage分類では表せない要因
・Performance Statusの評価
・年齢の評価
3 血液・尿検査の見方
1 はじめに
2 血算
・白血球数
・白血球分画
・赤血球数とヘモグロビン
・血小板数
3 生化学検査
・アルブミン
・総蛋白
・AST/ALT
・LDH
・ビリルビンと胆道系酵素
・腎機能検査:BUN,クレアチニン,e-GFR
・CK,トロポニン
・BNP
・電解質
4 血液ガス
5 炎症反応
・CRP
・ESR
6 腫瘍マーカー
7 ホルモン
・甲状腺ホルモン
・コルチゾール
8 血液凝固
・PT-INR
・APTT
・フィブリノーゲン
・Dダイマー
9 多発性骨髄腫の検査
10 膠原病の検査
11 尿検査
4 生命予後の予測
1 はじめに
・生命予後の予測が必要な理由
・がん症例のADL
・生命予後の予測に必要な情報
2 原発巣・stage分類
3 治療効果判定
4 血液検査値からの予測
5 ADLからの生命予後予測
6 臨床応用を容易にする予測モデル
・Katagiriらの方法
・Tokuhashi Score
7 終末期症例の生命予後予測
・Palliative Prognostic Index
・Palliative Prognostic Score
8 ウェブサイトからの情報収集
5 疼痛管理
1 はじめに
2 疼痛の定義
3 がん疼痛の分類
・“原因”による分類
・痛みのメカニズム=神経学的分類
・痛みのパターンによる分類
4 がん疼痛の評価
・痛みの原因の評価
・痛みの評価
5 がん疼痛の治療
・薬物療法
・薬物療法以外の疼痛治療法
6 オピオイドの副作用
・嘔気・嘔吐
・便秘
・眠気/傾眠
・せん妄
・呼吸抑制
7 終わりに
Ⅱ章 リスク管理編
1 リスク管理総論
1 はじめに
・がん患者の合併症
・がんに伴うリスク
2 リハビリテーションの中止基準
・がん患者におけるリハビリテーション中止基準
3 がん患者のリハビリテーション中に生じる症状変化
・悪心・嘔吐
・意識障害
・浮腫
・発熱
・呼吸困難
2 骨転移
1 はじめに
・がんの骨転移
・骨転移症例におけるリハビリテーションの効果
・骨転移症例のリハビリテーションにおけるリスク
・骨転移症例のリハビリテーションプログラム
2 骨転移による病的骨折のリスク評価と対応方法
・骨転移を生じやすいがん
・骨転移の好発部位
・溶骨性変化,造骨性変化
3 長管骨転移
・長管骨の病的骨折の評価
・手術適応の検討
・免荷,外固定
4 脊椎転移
・脊椎転移による麻痺:リスク評価
・脊椎の安定性
・体幹装具,手術の適応の検討
5 骨盤転移
6 その他の対応
3 脳転移
1 脳転移の発生頻度,頻度の高い原発巣
・脳転移とは
・わが国の転移性脳腫瘍発生頻度
・転移性脳腫瘍の病態の種類
2 転移性脳腫瘍の画像診断
3 転移性脳腫瘍の予後規定因子・グレーディング
4 転移性脳腫瘍の一般的な治療法
・外科的治療
・放射線治療
・化学療法
5 転移性脳腫瘍に合併しやすい症状に対するリハビリテーションアプローチ
・転移性脳腫瘍の特徴的症状
・脳腫瘍患者のリハビリテーションにおける注意点
4 深部静脈血栓症・肺塞栓
1 はじめに
・深部静脈血栓症
・肺塞栓
2 DVTの危険因子
3 DVTの診断
・浮腫
・疼痛・色調変化・皮下静脈の怒張
・DVTのスクリーニング
4 DVTの予防
5 DVT診断後の対応
・急性期DVTにおけるリハビリテーション
6 肺塞栓
7 PEの診断
8 PEを生じた場合の対応
5 悪液質
1 悪液質とは
2 悪液質の定義と分類
3 悪液質の機序
4 悪液質の症状
5 悪液質の評価
・栄養の貯蓄量
・栄養摂取量
・活動度
・予後
6 悪液質への対応
・栄養リスクのない患者
・栄養リスクのある患者
・患者のPS,予後の検討
・予後がよく,寝たきりでない患者
6 がんに伴う合併症
1 はじめに
2 感染症
・がんに伴う感染症
3 神経・筋骨格系
・脊髄圧迫
・腫瘍随伴症候群による神経筋障害
4 呼吸器系
・気道狭窄・閉塞
・胸水
・がん性リンパ管症
5 消化器系
・腸閉塞・イレウス
・腹水
6 心血管系
・がん性心膜炎・心タンポナーデ
・上大静脈症候群
7 泌尿器系
・尿路閉塞
8 代謝・内分泌系
・高カルシウム血症
・低ナトリウム血症
・腫瘍崩壊症候群
9 血液系
・貧血
・播種性血管内凝固症候群
10 精神系
・不安障害
・うつ病・適応障害
・せん妄
7 抗がん剤や放射線による副作用
1 抗がん剤による副作用
・はじめに
・抗がん剤の分類
・抗がん剤の投与スケジュール
・CTCAE
・副作用の発症タイミング
・主な副作用の各論
2 放射線治療による副作用
・はじめに
・放射線治療のスケジュール
・主な副作用
Ⅲ章 原発巣別各論
1 頭頸部がん
1 はじめに
2 頭頸部がんの症状
3 頭頸部がんの診断
4 頭頸部がんの治療
・stage別の治療法
・遠隔転移・再発症例の治療
5 放射線療法に伴う合併症
・粘膜炎
・唾液分泌障害
・放射線皮膚炎
・味覚障害
・歯科的問題
・栄養不良
6 頭頸部がんに対するチーム医療
2 乳がん
1 乳がんの特徴
・乳がんと女性ホルモンの関係
2 乳がんの症状
3 乳がんの診断
4 乳がんの治療
・乳がんの病態別カテゴリー
・早期乳がんとstageⅢAの切除可能なもの
・局所進行性乳がん
・炎症性乳がん
・転移性乳がん
5 各治療法の概説
・根治的手術と乳房温存
・術後放射線療法
・術後薬物療法
・遠隔転移のある乳がん治療
3 肺がん
1 肺がんの特徴
・肺がんの死亡数
・肺がんのリスク
2 肺がんの症状
・病期別の症状
・肺がんの転移
3 肺がんの診断
・肺がんの組織診断
・肺がんの分類
・肺がんの腫瘍マーカー
・肺がんの病期分類
・肺がんの遺伝子検査
4 肺がんの治療
・非小細胞肺がんの治療
・小細胞肺がんの治療
5 肺がんの観察ポイント
・非小細胞肺がんの観察ポイント
・小細胞がんの観察ポイント
4 消化器がん
1 食道がん
・食道がんの特徴
・食道がんの症状
・食道がんの治療
2 胃がん
・胃がんの特徴
・胃がんの症状
・胃がんの治療
3 大腸がん
・大腸がんの特徴
・大腸がんの症状
・大腸がんの治療
4 原発性肝がん
・原発性肝がんの特徴
・原発性肝がんの症状
・原発性肝がんの治療
5 胆道がん
・胆道がんの特徴
・胆道がんの症状
・胆道がんの治療
6 膵がん
・膵がんの特徴
・膵がんの症状
・膵がんの治療
5 婦人科がん
1 子宮頸がん
・子宮頸がんの特徴
・子宮頸がんの症状
・子宮頸がんの診断
・子宮頸がんの治療
2 子宮内膜がん
・子宮内膜がんの特徴
・子宮内膜がんの症状
・子宮内膜がんの診断
・子宮内膜がんの治療
3 卵巣がん
・卵巣がんの特徴
・卵巣がんの症状
・卵巣がんの診断
・卵巣がんの治療
6 泌尿器がん
1 腎細胞がん
・腎細胞がんの特徴
・腎細胞がんの症状
・腎細胞がんの診断
・腎細胞がんの治療
・腎細胞がん治療中の日々の観察ポイント
2 前立腺がん
・前立腺がんの特徴
・前立腺がんの症状
・前立腺がんの診断
・前立腺がんの治療
・前立腺がん治療中の日々の観察ポイント
3 尿路上皮がん
・尿路上皮がんの特徴
・尿路上皮がんの症状
・尿路上皮がんの診断
・尿路上皮がんの治療
・尿路上皮がん治療中の日々の観察ポイント
4 胚細胞腫瘍
・胚細胞腫瘍の特徴
・胚細胞腫瘍の疫学
・胚細胞腫瘍の症状
・胚細胞腫瘍の診断
・胚細胞腫瘍の治療
・胚細胞腫瘍治療中の日々の観察ポイント
7 造血器悪性腫瘍
1 造血幹細胞の分化
2 白血病
・白血病の特徴
・急性白血病
・慢性骨髄性白血病
3 悪性リンパ腫
・悪性リンパ腫の特徴
・悪性リンパ腫の症状
・悪性リンパ腫の診断
・悪性リンパ腫の分類
・悪性リンパ腫の予後因子
・悪性リンパ腫の治療
・悪性リンパ腫の治療効果の判定
4 多発性骨髄腫
・多発性骨髄腫の特徴
・多発性骨髄腫の症状
・多発性骨髄腫の診断
・多発性骨髄腫の病期
・多発性骨髄腫の治療
・多発性骨髄腫の治療効果の判定
5 造血幹細胞移植
・造血幹細胞移植とは
・造血幹細胞移植の適応
・造血幹細胞移植の合併症
8 終末期
1 終末期とは
・終末期の定義
・終末期の患者の状態
・予後予測ツール
・患者の悪化状況からの予測
2 終末期の状態における留意点
・身体症状の出現
・日常生活動作の悪化
・リハビリテーション実施時に留意すべき状況
3 終末期のリハビリテーション
4 リハビリテーションスタッフが現場で困ることとその対応
・身体のリスクが高い状況でのリハビリテーション
・患者の理解・希望と現実のギャップ
・チームとしての連携
・ほかのリハビリテーションスタッフへの理解
・リハビリテーションスタッフ側のつらさ
5 まとめ
Ⅳ章 実践編 ─リハビリテーションの実際─
1 評価方法
1 評価の目的
2 実際の評価内容
・生命予後の予測
・リスク管理のための情報収集
・診療録,問診による情報収集
・ゴール設定のための情報収集
3 機能障害
・筋力
・Stroke Impairment Assessment Set
・American Spinal Injury Association
4 能力障害
・Barthel Index
・Functional Independence Measure
・ECOG Performance Status
・Karnofsky Performance Scale
・Edmonton Functional Assessment Tool
・Palliative Performance Scale
5 疼痛
6 Quality of Life(QOL)
・The MOS 36-item Short-form Health Survey
・European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life
Questionnaire-Core 30
・The Functional Assessment of Cancer Therapy Scale
2 開胸開腹術における周術期の呼吸リハビリテーション
1 周術期リハビリテーションの目的
2 開胸開腹術後の機能低下と合併症,およびその対応
・呼吸機能の低下
・血栓形成および塞栓症
・術後腸閉塞
・筋力低下,ADL障害
・術後の体液移動
3 リハビリテーションの実践
・術前リハビリテーションの目的,リスク管理と実施内容
・術後リハビリテーションの目的,リスク管理と実施内容
4 呼吸器合併症と長期人工呼吸器装着例
・リハビリテーションの目的
・リスク管理
・リハビリテーションの実施内容とポイント
3 肩関節可動域制限への対応
1 はじめに
2 乳がん術後の肩関節の障害
・肩関節障害の原因
・乳房切除術の術式
・神経の損傷
・リンパ浮腫,心理的な不安
3 放射線治療後の障害
4 乳がん術後の肩関節拘縮に対するリハビリテーションの効果
5 乳がん術後のリハビリテーションの実際
・術前
・術直後
・術後1週間以降
6 頸部郭清後の障害
・頸部郭清術の術式
・副神経の切除
7 頸部郭清後のリハビリテーションの実際
・術前
・術直後
・術後1週間以降
4 リンパ浮腫への対応
1 はじめに
2 浮腫とは
3 リンパ浮腫の定義
4 リンパ浮腫ケアの観察項目:リスク評価と対応
・リンパ浮腫のstage分類と重症度
・血管系,痛みの評価
・観察項目
・リンパ浮腫ケアのゴール設定
5 具体的な浮腫ケアの方法
6 患者によるリンパ浮腫のセルフケア
・日常生活面の指導
・圧迫療法についての指導
7 リンパ浮腫ケアにおける複合的理学療法
・リンパドレナージとは
8 リンパ浮腫ケアの診療報酬について
9 終末期の浮腫ケアについて
10 リンパ浮腫研修委員会における合意事項
5 嚥下障害と構音障害・発声障害への対応
1 がんによる嚥下障害・構音障害
2 嚥下のメカニズム
・摂食・嚥下に関する解剖
・摂食・嚥下の過程
3 嚥下評価
・診療録からの情報収集
・ベッドサイドでの評価
・反復唾液飲みテスト
・改訂水飲み検査
・頸部聴診
・嚥下造影検査
・嚥下内視鏡検査
4 摂食・嚥下障害への対応
・嚥下訓練,食事形態
・口腔ケア
5 経管栄養方法
・経鼻経管栄養
・経皮内視鏡的胃瘻造設術
・間欠的口腔食道栄養法
6 構音障害と発声障害
7 構音評価と構音練習
・構音評価
・構音練習
8 喉頭がんによる発声障害
9 原発巣ごとの障害の特徴
・口腔がん
・咽頭がん
・喉頭がん
・食道がん
6 骨転移患者に対する生活指導
1 はじめに
2 骨転移患者に対する評価と対応
・カルテ,画像所見からの情報収集
・問診による情報収集
・福祉用具導入の検討
3 脊椎転移
・脊椎の構造
・装具の着用,運動療法の工夫
・動作指導
4 骨盤・大腿骨転移
・骨盤転移:股関節の評価と対策
・歩行・脱臼予防の指導
・骨転移の放射線療法における注意点
・歩行補助具
7 在宅患者への対応
1 訪問リハビリテーションの視点
2 訪問リハビリテーションにおけるケアチームの特徴
3 がんの訪問リハビリテーションの役割
・終末期がん患者のスピリチュアルペイン
4 訪問リハビリテーションにおける患者・家族との関係作り
5 がんの時期別の介入
・活動期
・介護期
・終焉期
8 終末期症例への対応
1 終末期の定義
2 終末期のリハビリテーションとは
3 終末期リハビリテーションを実施する環境
4 終末期リハビリテーションの実際
・苦痛の緩和と安楽の提供
・ADL・IADLの拡大可能性の追求
・孤独感や喪失感を抱える患者の精神的な支持
・「生き抜く」ことを支援する
5 グリーフワークとグリーフケア
6 職員のケア
1 がんのリハビリテーションの必要性とエビデンス
1 はじめに
・がん患者数の増加
・がんの治療中のADLの低下
・廃用症候群予防のためのリハビリテーション
2 がんのリハビリテーションの特殊性
・亀田総合病院におけるがんのリハビリテーション実施状況
・がんのリハビリテーションの内容と目的
・がんのリハビリテーションにおける注意点
3 がんのリハビリテーションの効果とエビデンス
・ADL改善効果
・合併症抑制効果
・がんのリハビリテーションにおけるゴールと患者のニーズ
2 がん治療の原則とstage分類の意味
1 がん治療の原則
2 悪性腫瘍の正確な診断
・病理学的診断
・画像診断
・がんの病期
3 stage分類の概念
・予後予測
4 各疾患のstage分類の概要と5 年生存率
・頭頸部がん
・乳がん
・肺がん
・消化器がん
・婦人科がん
・泌尿器がん
5 stage分類の限界と全身状態の評価
・正確性と迅速な診断
・stage分類では表せない要因
・Performance Statusの評価
・年齢の評価
3 血液・尿検査の見方
1 はじめに
2 血算
・白血球数
・白血球分画
・赤血球数とヘモグロビン
・血小板数
3 生化学検査
・アルブミン
・総蛋白
・AST/ALT
・LDH
・ビリルビンと胆道系酵素
・腎機能検査:BUN,クレアチニン,e-GFR
・CK,トロポニン
・BNP
・電解質
4 血液ガス
5 炎症反応
・CRP
・ESR
6 腫瘍マーカー
7 ホルモン
・甲状腺ホルモン
・コルチゾール
8 血液凝固
・PT-INR
・APTT
・フィブリノーゲン
・Dダイマー
9 多発性骨髄腫の検査
10 膠原病の検査
11 尿検査
4 生命予後の予測
1 はじめに
・生命予後の予測が必要な理由
・がん症例のADL
・生命予後の予測に必要な情報
2 原発巣・stage分類
3 治療効果判定
4 血液検査値からの予測
5 ADLからの生命予後予測
6 臨床応用を容易にする予測モデル
・Katagiriらの方法
・Tokuhashi Score
7 終末期症例の生命予後予測
・Palliative Prognostic Index
・Palliative Prognostic Score
8 ウェブサイトからの情報収集
5 疼痛管理
1 はじめに
2 疼痛の定義
3 がん疼痛の分類
・“原因”による分類
・痛みのメカニズム=神経学的分類
・痛みのパターンによる分類
4 がん疼痛の評価
・痛みの原因の評価
・痛みの評価
5 がん疼痛の治療
・薬物療法
・薬物療法以外の疼痛治療法
6 オピオイドの副作用
・嘔気・嘔吐
・便秘
・眠気/傾眠
・せん妄
・呼吸抑制
7 終わりに
Ⅱ章 リスク管理編
1 リスク管理総論
1 はじめに
・がん患者の合併症
・がんに伴うリスク
2 リハビリテーションの中止基準
・がん患者におけるリハビリテーション中止基準
3 がん患者のリハビリテーション中に生じる症状変化
・悪心・嘔吐
・意識障害
・浮腫
・発熱
・呼吸困難
2 骨転移
1 はじめに
・がんの骨転移
・骨転移症例におけるリハビリテーションの効果
・骨転移症例のリハビリテーションにおけるリスク
・骨転移症例のリハビリテーションプログラム
2 骨転移による病的骨折のリスク評価と対応方法
・骨転移を生じやすいがん
・骨転移の好発部位
・溶骨性変化,造骨性変化
3 長管骨転移
・長管骨の病的骨折の評価
・手術適応の検討
・免荷,外固定
4 脊椎転移
・脊椎転移による麻痺:リスク評価
・脊椎の安定性
・体幹装具,手術の適応の検討
5 骨盤転移
6 その他の対応
3 脳転移
1 脳転移の発生頻度,頻度の高い原発巣
・脳転移とは
・わが国の転移性脳腫瘍発生頻度
・転移性脳腫瘍の病態の種類
2 転移性脳腫瘍の画像診断
3 転移性脳腫瘍の予後規定因子・グレーディング
4 転移性脳腫瘍の一般的な治療法
・外科的治療
・放射線治療
・化学療法
5 転移性脳腫瘍に合併しやすい症状に対するリハビリテーションアプローチ
・転移性脳腫瘍の特徴的症状
・脳腫瘍患者のリハビリテーションにおける注意点
4 深部静脈血栓症・肺塞栓
1 はじめに
・深部静脈血栓症
・肺塞栓
2 DVTの危険因子
3 DVTの診断
・浮腫
・疼痛・色調変化・皮下静脈の怒張
・DVTのスクリーニング
4 DVTの予防
5 DVT診断後の対応
・急性期DVTにおけるリハビリテーション
6 肺塞栓
7 PEの診断
8 PEを生じた場合の対応
5 悪液質
1 悪液質とは
2 悪液質の定義と分類
3 悪液質の機序
4 悪液質の症状
5 悪液質の評価
・栄養の貯蓄量
・栄養摂取量
・活動度
・予後
6 悪液質への対応
・栄養リスクのない患者
・栄養リスクのある患者
・患者のPS,予後の検討
・予後がよく,寝たきりでない患者
6 がんに伴う合併症
1 はじめに
2 感染症
・がんに伴う感染症
3 神経・筋骨格系
・脊髄圧迫
・腫瘍随伴症候群による神経筋障害
4 呼吸器系
・気道狭窄・閉塞
・胸水
・がん性リンパ管症
5 消化器系
・腸閉塞・イレウス
・腹水
6 心血管系
・がん性心膜炎・心タンポナーデ
・上大静脈症候群
7 泌尿器系
・尿路閉塞
8 代謝・内分泌系
・高カルシウム血症
・低ナトリウム血症
・腫瘍崩壊症候群
9 血液系
・貧血
・播種性血管内凝固症候群
10 精神系
・不安障害
・うつ病・適応障害
・せん妄
7 抗がん剤や放射線による副作用
1 抗がん剤による副作用
・はじめに
・抗がん剤の分類
・抗がん剤の投与スケジュール
・CTCAE
・副作用の発症タイミング
・主な副作用の各論
2 放射線治療による副作用
・はじめに
・放射線治療のスケジュール
・主な副作用
Ⅲ章 原発巣別各論
1 頭頸部がん
1 はじめに
2 頭頸部がんの症状
3 頭頸部がんの診断
4 頭頸部がんの治療
・stage別の治療法
・遠隔転移・再発症例の治療
5 放射線療法に伴う合併症
・粘膜炎
・唾液分泌障害
・放射線皮膚炎
・味覚障害
・歯科的問題
・栄養不良
6 頭頸部がんに対するチーム医療
2 乳がん
1 乳がんの特徴
・乳がんと女性ホルモンの関係
2 乳がんの症状
3 乳がんの診断
4 乳がんの治療
・乳がんの病態別カテゴリー
・早期乳がんとstageⅢAの切除可能なもの
・局所進行性乳がん
・炎症性乳がん
・転移性乳がん
5 各治療法の概説
・根治的手術と乳房温存
・術後放射線療法
・術後薬物療法
・遠隔転移のある乳がん治療
3 肺がん
1 肺がんの特徴
・肺がんの死亡数
・肺がんのリスク
2 肺がんの症状
・病期別の症状
・肺がんの転移
3 肺がんの診断
・肺がんの組織診断
・肺がんの分類
・肺がんの腫瘍マーカー
・肺がんの病期分類
・肺がんの遺伝子検査
4 肺がんの治療
・非小細胞肺がんの治療
・小細胞肺がんの治療
5 肺がんの観察ポイント
・非小細胞肺がんの観察ポイント
・小細胞がんの観察ポイント
4 消化器がん
1 食道がん
・食道がんの特徴
・食道がんの症状
・食道がんの治療
2 胃がん
・胃がんの特徴
・胃がんの症状
・胃がんの治療
3 大腸がん
・大腸がんの特徴
・大腸がんの症状
・大腸がんの治療
4 原発性肝がん
・原発性肝がんの特徴
・原発性肝がんの症状
・原発性肝がんの治療
5 胆道がん
・胆道がんの特徴
・胆道がんの症状
・胆道がんの治療
6 膵がん
・膵がんの特徴
・膵がんの症状
・膵がんの治療
5 婦人科がん
1 子宮頸がん
・子宮頸がんの特徴
・子宮頸がんの症状
・子宮頸がんの診断
・子宮頸がんの治療
2 子宮内膜がん
・子宮内膜がんの特徴
・子宮内膜がんの症状
・子宮内膜がんの診断
・子宮内膜がんの治療
3 卵巣がん
・卵巣がんの特徴
・卵巣がんの症状
・卵巣がんの診断
・卵巣がんの治療
6 泌尿器がん
1 腎細胞がん
・腎細胞がんの特徴
・腎細胞がんの症状
・腎細胞がんの診断
・腎細胞がんの治療
・腎細胞がん治療中の日々の観察ポイント
2 前立腺がん
・前立腺がんの特徴
・前立腺がんの症状
・前立腺がんの診断
・前立腺がんの治療
・前立腺がん治療中の日々の観察ポイント
3 尿路上皮がん
・尿路上皮がんの特徴
・尿路上皮がんの症状
・尿路上皮がんの診断
・尿路上皮がんの治療
・尿路上皮がん治療中の日々の観察ポイント
4 胚細胞腫瘍
・胚細胞腫瘍の特徴
・胚細胞腫瘍の疫学
・胚細胞腫瘍の症状
・胚細胞腫瘍の診断
・胚細胞腫瘍の治療
・胚細胞腫瘍治療中の日々の観察ポイント
7 造血器悪性腫瘍
1 造血幹細胞の分化
2 白血病
・白血病の特徴
・急性白血病
・慢性骨髄性白血病
3 悪性リンパ腫
・悪性リンパ腫の特徴
・悪性リンパ腫の症状
・悪性リンパ腫の診断
・悪性リンパ腫の分類
・悪性リンパ腫の予後因子
・悪性リンパ腫の治療
・悪性リンパ腫の治療効果の判定
4 多発性骨髄腫
・多発性骨髄腫の特徴
・多発性骨髄腫の症状
・多発性骨髄腫の診断
・多発性骨髄腫の病期
・多発性骨髄腫の治療
・多発性骨髄腫の治療効果の判定
5 造血幹細胞移植
・造血幹細胞移植とは
・造血幹細胞移植の適応
・造血幹細胞移植の合併症
8 終末期
1 終末期とは
・終末期の定義
・終末期の患者の状態
・予後予測ツール
・患者の悪化状況からの予測
2 終末期の状態における留意点
・身体症状の出現
・日常生活動作の悪化
・リハビリテーション実施時に留意すべき状況
3 終末期のリハビリテーション
4 リハビリテーションスタッフが現場で困ることとその対応
・身体のリスクが高い状況でのリハビリテーション
・患者の理解・希望と現実のギャップ
・チームとしての連携
・ほかのリハビリテーションスタッフへの理解
・リハビリテーションスタッフ側のつらさ
5 まとめ
Ⅳ章 実践編 ─リハビリテーションの実際─
1 評価方法
1 評価の目的
2 実際の評価内容
・生命予後の予測
・リスク管理のための情報収集
・診療録,問診による情報収集
・ゴール設定のための情報収集
3 機能障害
・筋力
・Stroke Impairment Assessment Set
・American Spinal Injury Association
4 能力障害
・Barthel Index
・Functional Independence Measure
・ECOG Performance Status
・Karnofsky Performance Scale
・Edmonton Functional Assessment Tool
・Palliative Performance Scale
5 疼痛
6 Quality of Life(QOL)
・The MOS 36-item Short-form Health Survey
・European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life
Questionnaire-Core 30
・The Functional Assessment of Cancer Therapy Scale
2 開胸開腹術における周術期の呼吸リハビリテーション
1 周術期リハビリテーションの目的
2 開胸開腹術後の機能低下と合併症,およびその対応
・呼吸機能の低下
・血栓形成および塞栓症
・術後腸閉塞
・筋力低下,ADL障害
・術後の体液移動
3 リハビリテーションの実践
・術前リハビリテーションの目的,リスク管理と実施内容
・術後リハビリテーションの目的,リスク管理と実施内容
4 呼吸器合併症と長期人工呼吸器装着例
・リハビリテーションの目的
・リスク管理
・リハビリテーションの実施内容とポイント
3 肩関節可動域制限への対応
1 はじめに
2 乳がん術後の肩関節の障害
・肩関節障害の原因
・乳房切除術の術式
・神経の損傷
・リンパ浮腫,心理的な不安
3 放射線治療後の障害
4 乳がん術後の肩関節拘縮に対するリハビリテーションの効果
5 乳がん術後のリハビリテーションの実際
・術前
・術直後
・術後1週間以降
6 頸部郭清後の障害
・頸部郭清術の術式
・副神経の切除
7 頸部郭清後のリハビリテーションの実際
・術前
・術直後
・術後1週間以降
4 リンパ浮腫への対応
1 はじめに
2 浮腫とは
3 リンパ浮腫の定義
4 リンパ浮腫ケアの観察項目:リスク評価と対応
・リンパ浮腫のstage分類と重症度
・血管系,痛みの評価
・観察項目
・リンパ浮腫ケアのゴール設定
5 具体的な浮腫ケアの方法
6 患者によるリンパ浮腫のセルフケア
・日常生活面の指導
・圧迫療法についての指導
7 リンパ浮腫ケアにおける複合的理学療法
・リンパドレナージとは
8 リンパ浮腫ケアの診療報酬について
9 終末期の浮腫ケアについて
10 リンパ浮腫研修委員会における合意事項
5 嚥下障害と構音障害・発声障害への対応
1 がんによる嚥下障害・構音障害
2 嚥下のメカニズム
・摂食・嚥下に関する解剖
・摂食・嚥下の過程
3 嚥下評価
・診療録からの情報収集
・ベッドサイドでの評価
・反復唾液飲みテスト
・改訂水飲み検査
・頸部聴診
・嚥下造影検査
・嚥下内視鏡検査
4 摂食・嚥下障害への対応
・嚥下訓練,食事形態
・口腔ケア
5 経管栄養方法
・経鼻経管栄養
・経皮内視鏡的胃瘻造設術
・間欠的口腔食道栄養法
6 構音障害と発声障害
7 構音評価と構音練習
・構音評価
・構音練習
8 喉頭がんによる発声障害
9 原発巣ごとの障害の特徴
・口腔がん
・咽頭がん
・喉頭がん
・食道がん
6 骨転移患者に対する生活指導
1 はじめに
2 骨転移患者に対する評価と対応
・カルテ,画像所見からの情報収集
・問診による情報収集
・福祉用具導入の検討
3 脊椎転移
・脊椎の構造
・装具の着用,運動療法の工夫
・動作指導
4 骨盤・大腿骨転移
・骨盤転移:股関節の評価と対策
・歩行・脱臼予防の指導
・骨転移の放射線療法における注意点
・歩行補助具
7 在宅患者への対応
1 訪問リハビリテーションの視点
2 訪問リハビリテーションにおけるケアチームの特徴
3 がんの訪問リハビリテーションの役割
・終末期がん患者のスピリチュアルペイン
4 訪問リハビリテーションにおける患者・家族との関係作り
5 がんの時期別の介入
・活動期
・介護期
・終焉期
8 終末期症例への対応
1 終末期の定義
2 終末期のリハビリテーションとは
3 終末期リハビリテーションを実施する環境
4 終末期リハビリテーションの実際
・苦痛の緩和と安楽の提供
・ADL・IADLの拡大可能性の追求
・孤独感や喪失感を抱える患者の精神的な支持
・「生き抜く」ことを支援する
5 グリーフワークとグリーフケア
6 職員のケア
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「がん患者のリハビリを担当? がんについてあまり知らないんですが…」という方に!
平成22年度の診療報酬改定で「がん患者リハビリテーション料」が新設された。それを受けて,がんのリハを実施する施設が増加しつつあるが,わが国におけるがんのリハの歴史は浅く,教育体制は十分とはいえない。臨床のセラピストは,養成校でがんについてあまり教わらなかったにもかかわらず,がん患者のリハを担当しなければならないという状況である。
本書はそのようなセラピスト向けに,がん患者のリハに役立つ必要十分な知識をわかりやすく解説している。必要なときに,その場で開いてすぐに現場で活用できる,実践向けのハンドブックである。また,亀田総合病院におけるがんのリハの実践例を豊富に紹介しており,これからがんのリハを始めようと考えている施設にも参考にしていただける内容である。