診療放射線技師 スリム・ベーシック

医療安全管理学

医療安全管理学

■編集 福士 政広
五十嵐 博

定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
  • B5判  188ページ  2色,イラスト100点,写真30点
  • 2023年12月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-2252-2

新ラインナップ登場! 診療放射線技師としておさえておくべき医療安全の知識を網羅

診療放射線技師養成校の学生を対象に,平易な文章,多彩なイラスト,臨床を意識した解説で,とっつきやすく,面白く,楽しく学ぶことができるテキスト・シリーズ。学生の目線で高度な内容についてもレベルを落とさず平易に解説。巻頭には「学習到達目標」,項目末には「おさらい」を設け,容易に講義や自己学習の状況把握ができる。
本巻では,ヒューマンエラーや感染対策,一次救命処置といった他職種と共通の内容に加えて,造影剤の取り扱いと副作用対応,被ばく管理,画像検査機器の保守点検,タスクシェアで新たな業務となった静脈路確保とカテーテルの扱いを解説。診療放射線技師としておさえておくべき医療安全の知識を網羅する新しい教科書!


序文

編集の序

 2009年3月に講義用テキスト『診療放射線技師 スリム・ベーシック』シリーズの初版が刊行されてから14年が経過し,これまで10巻のテキストを刊行することができました。この間,多くの養成校でご活用いただく中で,学生がより学びやすく,かつ教員が講義で使いやすいようにという観点から,皆様の意見に真摯に対応してまいりました。この度,「医療安全管理学」のテキストを新たに刊行することとなり,本シリーズのラインナップに追加となりました。
 本書シリーズは,先ずは取っつきやすい,楽しく学習することを基本に据え,学生の心を引きつけるための工夫として,全体像を容易に掴むことを目的に冒頭に「Introduction」を設け,「これからどのようなことを学ぶのか」,「本書の全体像を明確にかつ簡潔に把握できる」ようにをモットーに楽しく読み通せることに注心しました。さらに,学生にとって重要な「どうすれば短時間に効率よく確実に理解できるか」を追求するため,図・表・イラストや例題,欄外の解説を駆使しました。
 本書は,いままでのシリーズの放射線科学のベーシックな内容と異なり,医療人として必要な医療安全の知識と診療放射線技師としておさえておくべき基本的な医療安全の知識を網羅しました。また,高度な内容についてもレベルを落とさず平易に解説することを心掛けました。巻頭には「学習到達目標」,項目末には「おさらい」を設け,容易に講義や自己学習の状況を把握できるように配慮しました。
 さらに,なるべく臨床現場の第一線で活躍している方および臨床経験が豊富な方に執筆を依頼し,正に現場で実践している医療安全の内容を網羅するようにしました。ヒューマンエラーや感染対策,一次救命処置といった他職種と共通の内容に加え,造影剤の取り扱いと副作用対応,被ばく管理,画像検査機器の保守管理,タスクシフトシェアで新たに加わった業務である静脈路確保,カテーテルの扱いおよび核医学検査における放射性医薬品の投与などについて解説し,診療放射線技師とておさえておくべき,医療安全の知識を網羅した新しいテキストであります。
 最後に,本書の不備な点については,読者の皆様のご教示をお願いできれば幸甚であります。発刊に当たり,本書の編集にご協力いただいたメジカルビュー社のスタッフの方々に感謝いたします。

2023年11月
福士政広 
五十嵐 博
全文表示する
閉じる

目次

0章 Introduction  [福士政広]
 1 Introduction
  1 医療安全管理学
  2 医療安全の基礎知識
  3 放射線検査特有の知識
  4 救急医療

1章 医療安全の基礎知識  [五十嵐 博]
 1 ヒューマンエラーの発生要因
  1 医療安全の歴史
  2 診療放射線技師による事故事例
  3 医療事故と医療過誤
  4 医療安全の目的
  5 ヒューマンエラー
  6 ヒューマンエラーの発生要因
 2 医療事故のメカニズムとその防止対策
  1 事故発生のメカニズム
  2 医療の特殊性
  3 事故が発生しやすい環境
  4 特殊性を緩和した防止対策
  5 インシデント・アクシデントを活かした対策
  6 医療事故後の対応
  7 医療安全と危険予知トレーニング(KYT)
  8 今後の医療安全にかかわる取り組み
  9 医師の働き方改革によるタスクシフト/シェア
 ➡ おさらい

2章 放射線診療における安全管理
 1 感染対策  [樋口清孝]
  1 感染対策の目的と取り組み
  2 ゾーニング
  3 空調設備と管理
  4 スタンダード・プリコーション(標準予防策)
  5 感染経路別対策
 2 体内インプラント・カテーテル  [小林正周,堀 正明,嶋田守男]
  1 体内インプラント・カテーテルの安全管理
  2 体内インプラント
  3 カテーテル
 3 造影剤   [富田哲也]
  1 造影剤の種類
  2 X線検査用造影剤
  3 MRI検査用造影剤
  4 超音波検査用造影剤
  5 副作用発生時の対応
 4 一次救命処置  [吉井 章,佐々木 健,井田 篤]
  1 救命の連鎖
  2 一次救命処置(BLS)の手順
  3 SBAR
 5 被ばく管理   [藤淵俊王]
  1 医療放射線防護における2つの原則
  2 診療用放射線にかかわる安全管理体制
 ➡ おさらい

3章 検査・治療別の安全
 1 一般撮影・造影検査   [山田智子]
  1 放射線業務の安全の質管理マニュアル
  2 検査における基本的な安全管理
  3 一般撮影検査
  4 ポータブル撮影検査
  5 乳房X線撮影検査
  6 歯科撮影検査
  7 造影検査
  8 PDCAサイクル
 2 超音波検査   [丹羽政美]
  1 超音波診断装置の安全性
  2 保守点検
  3 超音波造影剤を用いた検査の安全性
 3 CT検査  [梁川範幸]
  1 CT検査の医療安全管理
  2 CT装置の安全管理
  3 CT検査前の安全管理
  4 CT検査時の安全対策
 4 MRI検査  [茂木俊一]
  1 MRIの特殊性
  2 MRI検査における危険因子
  3 安全に検査を行うために
 5 血管造影検査  [笠原哲治,富田哲也]
  1 血管造影検査の概要
  2 血管造影検査における医療安全の特徴
  3 患者に関する医療安全
  4 メディカルスタッフに関する医療安全
  5 血管造影検査・IVRで起こりうるインシデント事例
 6 核医学検査  [北村秀秋]
  1 核医学検査における医療安全の基本事項
  2 核医学検査前の準備
  3 放射性医薬品等の投与
  4 スキャン
  5 検査終業時の安全確認
 7 放射線治療  [津野隼人]
  1 集学的治療
  2 がん治療
  3 放射線治療のプロセスと医療安全
  4 手順の標準化
 ➡ おさらい

4章 放射線機器の安全管理  [武井宏行]
 1 医療機器の安全管理体制,医療機器安全管理責任者,保守点検
  1 安全管理のための法的な枠組み
  2 医療機器の管理
  3 医療機関における放射線関連機器等の研修および保守点検の指針 
 ➡ おさらい
全文表示する
閉じる

関連する
オススメ書籍

会員登録されている方

メールアドレスとパスワードを入力してログインしてください。

注)共有パソコンの方はチェックを外してください。

会員登録されていない方

会員登録されると次回からお客様情報をご入力いただく必要がありません。
また,購入履歴の確認ができる便利な機能がご利用いただけます。

個人情報の取り扱いについてはこちら