診療放射線技師 スリム・ベーシック

放射線安全管理学

放射線安全管理学

■編集 福士 政広

定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
  • B5判  220ページ  2色,イラスト130点
  • 2022年9月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-2059-7

診療放射線技師が知っておくべき“放射線安全管理学”を学ぶ,はじめの一歩!

専門科目「放射線安全管理学」を初めて学ぶ診療放射線技師養成校の学生を対象としたテキスト。
囲み記事を充実させ,難解な内容も理解しやすいよう工夫した構成。
基礎・原理をしっかり理解できるようストーリー性をもたせた構成で,自力で読み進め予習・復習でき,巻頭の「学習到達目標」と項目の最後にある「おさらい」で講義や自己学習の状況を把握できる“教えやすく,学びやすい”1冊。


序文

編集の序

 2009年3月に講義用テキスト『診療放射線技師 スリム・ベーシック』シリーズの初版が刊行されてから,早いもので13年が経過しました。その間,多くの養成校でご活用いただく中で,学生がより学びやすく,かつ教員が講義でより使いやすくとの観点から,改訂を重ねてまいりました。この度は,新たに『放射線安全管理学』のテキストを刊行することとなり,本シリーズのラインナップに追加となりました。
 本シリーズは,先ずはとっつきやすく,楽しく学べることを基本に据え,学生の心を引きつけるための工夫として冒頭に「Introduction」を設け,それを一読することにより「これからどのようなことを学ぶのか」,また「本書の全体像を明確に把握できる」ようにをモットーに楽しく読み通せる内容を全巻にそれぞれ盛り込みました。
 各論では,「基本・原理」をしっかりと理解できるようストーリー性を持たせた構成とし,ビジュアル感覚豊かな学生や若手教員に敬遠されないよう,スリムだけれど内容は充実した講義用テキストとするべく心掛けました。学生にとって重要な「どうすれば短時間に効率良く確実に理解できるか」を追求するため,図・表・イラストや例題,欄外の解説を駆使し,また学習のモチベーションを維持するために「ここで学んだことが実際の臨床現場にどうつながっていくのか」をイメージできる記述も適宜盛り込みました。法令は難解な印象にならないように囲み記事などを用いて補足いたしました。また,被ばく管理や放射線管理をイメージしやすいよう,測定器などの写真を多く掲載いたしました。これらによって,放射線安全管理学の理解がより深まるものと考えております。巻頭には「学習到達目標」を,各項目末には「おさらい」を配置し,学生側も教員側も学習状況を把握しやすくしています。
 本書の不備な点については,読者の皆様のご教示をお願いできれば幸甚であります。
 発刊に当たり,本書の編集にご協力いただいたメジカルビュー社のスタッフの方々に感謝致します。

2022年8月
福士政広
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目次

学習到達目標
用語解説・MEMO一覧

0章 Introduction   [福士政広]
 1. 放射線安全管理学序論
  1 X線の発見と障害の歴史
  2 放射線防護体系確立の歴史
  3 放射線障害の分類
  4 放射線管理の目的と意義

1章 関係法規   [井上一雅]
 1. 放射線の利用と法規制
  1 放射線の利用と法規制
  2 放射線に関係する主要法規
 2. 診療放射線技師法
  1 法律の目的
  2 定義
  3 免許
  4 登録
  5 診療放射線技師籍
  6 欠格事由
  7 意見の聴取
  8 免許の取消し及び業務の停止
  9 免許証
  10 試験
  11 受験資格
  12 禁止行為〔法(24)〕
  13 画像診断装置を用いた検査等の業務
  14 禁止行為〔法(25)〕
  15 業務上の制限
  16 他の医療関係者との連携
  17 照射録
  18 秘密を守る義務
 3. 医療法(施行規則第4章)
  1 診療用放射線装置等の区分
  2 届出
  3 X線装置等の防護
  4 X線診療室等の構造設備
  5 管理者の義務
 4. 放射性同位元素等の規制に関する法律
  1 目的
  2 定義
  3 許可および届出
  4 許可証
  5 使用施設の基準
  6 貯蔵施設の基準
  7 廃棄施設の基準
  8 使用の基準
  9 保管の基準
  10 廃棄の基準
  11 施設検査
  12 定期検査および定期確認
  13 場所の測定
  14 人の測定
  15 放射線障害予防規程
  16 放射線障害防止に関する教育訓練
  17 健康診断
  18 記帳の義務
  19 放射線取扱主任者
 5. 電離放射線障害防止規則
  1 放射線障害防止の基本原則
  2 定義
  3 特別の教育
  4 エックス線作業主任者
  5 ガンマ線透過写真撮影作業主任者
  6 健康診断

2章 放射線防護
 1. 放射線防護体系
  1 行為と介入
  2 行為の正当化・防護の最適化・線量限度
  3 患者の医療被ばくにおける放射線防護
  4 線量拘束値
 2. 放射線防護に関する線量
  1 防護量と実用量
  2 吸収線量
  3 防護量
  4 実用量
  5 防護量と実用量の関係
 3. 放射線被ばくの種類と防護
  1 放射線被ばくの原因となる放射線源
  2 自然放射線被ばく
  3 職業被ばく
  4 医療被ばく
  5 公衆被ばく
 4. 被ばく線量と障害
  1 放射線障害の分類
  2 器官(組織)の障害
 5. 被ばくの区分
  1 外部被ばく
  2 内部被ばく
  3 全身被ばくと局所被ばく

3章 環境と個人の被ばく管理
 1. 個人の管理
  1 物理的管理
  2 医学的管理
 2. 外部被ばく測定
  1 個人線量計
  2 線量計の選択
  3 線量計の装着場所
  4 実効線量,等価線量の評価
 3. 内部被ばく測定
  1 測定に使用する機器とその特徴
  2 内部被ばく測定法とその評価法
  3 内部被ばくの実効線量の計算
  4 内部被ばくの測定結果
  5 内部被ばくの測定頻度
 4. 施設・環境測定
  1 施設の線量測定
  2 排水中の放射能測定
  3 空気の放射能測定

4章 放射線取扱施設の管理   [米内俊祐]
 1. 遮へいの考え方
  1 はじめに
  2 遮へいの考え方
 2. 放射線の遮へい
  1 α線
  2 β線
  3 X線・γ線
  4 中性子
 3. 医療機器の安全取扱
  1 RI規制法の放射線発生装置の定義
  2 医療法のX線装置等の定義
  3 医療法におけるX線装置等の放射線防護
  4 医療法における使用施設

5章 放射線管理の方法と事故対応   [清水秀雄,福士政広]
 1. 線源管理
  1 線源の安全取扱
 2. 表面汚染管理
  1 目的と方法
  2 表面密度測定
  3 測定結果の評価
  4 洗浄設備
  5 除染方法
 3. 放射性廃棄物
  1 分類
  2 放射化物の安全取扱
  3 廃棄方法
 4. 放射線事故
  1 放射線事故とは何か
  2 放射線事故分類
  3 放射線事故事例
  4 発生時の対応
  5 緊急作業
  6 緊急被ばく医療
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