作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト
作業学(第3版)
[Web動画付]
第3版
定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
- B5判 392ページ オールカラー,イラスト150点,写真250点
- 2021年2月1日刊行
- ISBN978-4-7583-2042-9
電子版
序文
第3版 監修の序
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12巻となります。
改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポート課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し観て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
---------------------------------------
第3版 編集の序
第3版の改訂作業は,新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のさなかで行われた。当初は治療薬もワクチンもなく,感染予防のために外出の自粛や行動制限が求められ,3密(密閉・密集・密接)を避け,今までの生活とは異なった生活様式への変更も推奨された。医療や介護の現場で作業療法士は感染に気を配り,手洗い消毒などが徹底されるようになった。養成校では学内への立ち入り禁止や制限のために,授業はオンラインで行われ,臨床実習も多くが中止となった。座学はオンラインで何とかなっても,実技や実習については卒後の教育に委ねざるを得ない部分も生じると考えている。また,指定規則の改正により,学内ではOSCE(Objective Structure Clinical Examination),臨床実習ではCCS(Clinical Clerkship)の導入が実行に移されようとしているタイミングであった。たとえ実習が経験できなかったとしても,患者さんがどんな人かを想像力を働かせて考えるとともに,さまざまな知識を関連付けて使用できるようになっていれば,現場での対応力は格段に高くなると考えている。作業療法士教育も大きな変革期にさしかかっており,教員も想像力を働かせて新しい教育の形を構築していかなければならない。
さて,ある年の総合臨床実習で対象者への作業活動の適用で悩んでいた学生に,担当患者の状況などを聞いたうえでミサンガを作業として取り入れるようアドバイスした。作品ができるにしたがってその患者さんの身体だけでなく心も動くようになった。さらに家族,周囲のスタッフにも絆が広がっていったとのことだった。「作業って素晴らしい」と改めて学生から知らされることになった。
今までの改訂第2版を使った講義では,説明や内容を変更したほうがよいと思っていた部分が随所にあったが,それらの部分を修正することができた。第3版は,前版と同様に多くの教え子や同僚らの努力によって改訂にこぎつけることができた。本学の同僚である野本義則先生には編集協力者として多大なご協力をいただいた。また,メジカルビュー社編集部の榊原優子氏の校正は,学生目線で分かりやすさに配慮するとともに,本書の一貫性にも大変配慮して下さった。これら多くの方々にこの場を借りて心より御礼申し上げる。本書は治療手段としての,また目標としての「作業」について,基本的なことからその実践,種々の理論との関係など非常に幅広い領域をカバーしている。本書が,多くの作業療法を学ぶ学生や新人作業療法士に活用されることを願っている。
2020年12月
東京医療学院大学
浅沼辰志
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12巻となります。
改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポート課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し観て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
---------------------------------------
第3版 編集の序
第3版の改訂作業は,新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のさなかで行われた。当初は治療薬もワクチンもなく,感染予防のために外出の自粛や行動制限が求められ,3密(密閉・密集・密接)を避け,今までの生活とは異なった生活様式への変更も推奨された。医療や介護の現場で作業療法士は感染に気を配り,手洗い消毒などが徹底されるようになった。養成校では学内への立ち入り禁止や制限のために,授業はオンラインで行われ,臨床実習も多くが中止となった。座学はオンラインで何とかなっても,実技や実習については卒後の教育に委ねざるを得ない部分も生じると考えている。また,指定規則の改正により,学内ではOSCE(Objective Structure Clinical Examination),臨床実習ではCCS(Clinical Clerkship)の導入が実行に移されようとしているタイミングであった。たとえ実習が経験できなかったとしても,患者さんがどんな人かを想像力を働かせて考えるとともに,さまざまな知識を関連付けて使用できるようになっていれば,現場での対応力は格段に高くなると考えている。作業療法士教育も大きな変革期にさしかかっており,教員も想像力を働かせて新しい教育の形を構築していかなければならない。
さて,ある年の総合臨床実習で対象者への作業活動の適用で悩んでいた学生に,担当患者の状況などを聞いたうえでミサンガを作業として取り入れるようアドバイスした。作品ができるにしたがってその患者さんの身体だけでなく心も動くようになった。さらに家族,周囲のスタッフにも絆が広がっていったとのことだった。「作業って素晴らしい」と改めて学生から知らされることになった。
今までの改訂第2版を使った講義では,説明や内容を変更したほうがよいと思っていた部分が随所にあったが,それらの部分を修正することができた。第3版は,前版と同様に多くの教え子や同僚らの努力によって改訂にこぎつけることができた。本学の同僚である野本義則先生には編集協力者として多大なご協力をいただいた。また,メジカルビュー社編集部の榊原優子氏の校正は,学生目線で分かりやすさに配慮するとともに,本書の一貫性にも大変配慮して下さった。これら多くの方々にこの場を借りて心より御礼申し上げる。本書は治療手段としての,また目標としての「作業」について,基本的なことからその実践,種々の理論との関係など非常に幅広い領域をカバーしている。本書が,多くの作業療法を学ぶ学生や新人作業療法士に活用されることを願っている。
2020年12月
東京医療学院大学
浅沼辰志
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目次
0 Introduction
1 作業学を学ぶ方へ 浅沼辰志
① 対象者と作業療法
1 作業学総論
1 作業療法における作業 浅沼辰志
① 作業の必要性と意義
2 作業学とは 浅沼辰志
① 作業学とは〜「作業学」の構成要素としての「基礎作業学」「臨床作業学」〜
② 作業学の構造と研究の枠組み
3 作業を用いた療法に関連する基本的事項 浅沼辰志
①「 作業」によってしか実現できないこと
② 作業のもつ多面性
③ 作業と発達・適応・回復
④ 作業療法における作業活用の歴史
⑤ 作業療法における一般的な治療の目的と
作業を治療に用いる条件
Case Study Answer
2 作業の治療への適用
1 作業はどう使えば効果的か?〜事例を通して〜 浅沼辰志
① 作業を効果的に用いるために
② 初回評価
③ 1カ月後の再評価
④ 2カ月後の再評価
⑤ 3カ月後の再評価
2 身体機能を向上させるための方法 浅沼辰志,大澤 彩
① 身体障害の回復期における作業療法の目的
② 各種の機能向上のための原理
3 作業分析 浅沼辰志
① 作業分析
② 作業分析の項目
③ 作業分析を基に作業を評価的に用いる
4 分析結果と治療目標 浅沼辰志
① 作業療法の思考・適用プロセス
② 分析結果と治療目標のマッチング検討例
5 治療実施における目標設定の順序性 浅沼辰志
① 治療実施における目標設定の順序性
② 練習の進め方と考え方
③ 動作と座位のバランス
④ 立ち上がり動作
⑤ まとめ
6 指導法 浅沼辰志
① 作業療法における指導法
② 指導のステップ
③ 臨床場面への対応
④ 教育方法についての知識
7 対象者への指導〜CCSの場面で〜 浅沼辰志,大澤 彩
① なぜ診療参加型臨床実習なのか
② クリニカル・クラークシップとは何か
③ CEに向けて
④ 指導を受ける学生に向けて
3 作業実習
1 陶芸 野本義則
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と姿勢
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
2 木工 上原栄一郎
① はじめに
② 安全対策・工具・材料
③ 作業実施上のコツ
④ 作業の特性
⑤ 介入例
⑥ 応用・展開
⑦ 禁忌事項・留意点
3 革細工 角田明子
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 実際の流れと実施上のコツ
⑤ 作業の特性
⑥ 介入例
⑦ 応用・展開
⑧ 禁忌事項・留意点
⑨ まとめ
4 ぬり絵 蟹沢優子,野本義則
① はじめに
② 画材
③ ぬり絵と脳の働き
④ 作業療法におけるぬり絵
⑤ 作業の特性
⑥ 介入例
⑦ 完成した作品の保存および活用方法
⑧ おわりに
5 籐細工 山下圭一
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と姿勢
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
6 ネット手芸 蟹沢優子,野本義則
① 作業の一般的特徴
② 材料
③ 作業工程
④ 作業の特性
⑤ 介入例
⑥ おわりに
7 貼り絵 泉 良太
① 貼り絵の特徴
② 材料
③ 道具
④ 場所・管理
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
8 音楽 宮 訓子
① はじめに
② 音楽の選択と対象
③ 場所
④ 時間
⑤ 道具
⑥ 歌唱のセッション例
⑦ 楽器演奏のセッション例
⑧ 作業の特性
⑨ 介入例(歌唱のセッション例)
⑩応用・展開
⑪他部門との連携
⑫おわりに
9 電子機器 大澤 彩
① はじめに
② 媒体の種類
③ 作業の特性
④ 環境設定
⑤ 治療練習ツールや就労復職支援として
⑥ 介入例(パソコンの場合)
⑦ 応用・展開
⑧ 禁忌事項・留意点
10 ビーズ手芸 藤野貴子
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と姿勢
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
11 調理 木村奈緒子
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と肢位
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
12 感覚運動遊び 伊藤祐子
① はじめに
② 視覚系の遊び
③ 聴覚系の遊び
④ 触覚系の遊び
⑤ 前庭覚系の遊び
⑥ 固有受容覚系の遊び
13 ウォーキング・ジョギング 泉 良太
① はじめに
② ウォーキング・ジョギング・ランニングの違い
③ 作業工程
④ 作業の特性
⑤ 介入例
⑥ 応用・展開
⑦ 禁忌事項・留意点
Case Study Answer
4 諸理論と作業
1 健康促進に向けた作業の活用〜作業科学の観点から〜 港 美雪
① 作業療法にとっての作業科学
② 作業科学の構築
③ 実践へつなぎ,研究へつなぐ
④ 体調管理ができるようになってから働くことを支援するのか
⑤ 作業を活用する意義と目的
⑥ 作業を行う場所と範囲
⑦ どのように働くことが健康を促進するか−作業科学の応用
⑧ 対象者の健康促進に向けた注目ポイント−評価・介入を検討する事柄
⑨ 健康的に働くための介入方法の概要
⑩作業療法の独自性:意味ある作業は手段でもあり目標でもある
2 人間作業モデルと作業 鈴木憲雄
① 人間作業モデルとは
② 行為者である「人」
③ 環境
④ 行為の3つの次元
⑤ 作業適応
⑥ MOHOの視点による評価・プログラム立案過程における作業
3 精神分析と作業 水野高昌
① はじめに
② 精神分析について
③ 精神分析的視点から観察される臨床での現象
④ 精神分析的視点と作業分析
⑤ 臨床での応用
⑥ おわりに
4 認知行動療法と作業 奥原孝幸
① 認知行動療法との出会い
② 認知行動療法とは
③ 認知行動療法の作業への応用
④ 認知行動療法と他の治療法とのつながり
⑤ 認知行動療法を作業療法実践に活かすための自己効力感
⑥ おわりに
5 感覚統合と作業 石井孝弘
① はじめに
② 感覚統合理論とは
③ 感覚統合機能
④ 感覚統合理論で扱う感覚刺激
⑤ 感覚刺激と発達
⑥ 各感覚刺激,感覚機能と発達
⑦ 感覚統合障害とは
⑧ 感覚統合療法と作業としての遊び
6 カナダモデルと作業 木村奈緒子
① はじめに
② カナダモデルとは
③ クライエント中心
④ COPM
7 MTDLP(生活行為向上マネジメント)と作業 泉 良太
① はじめに
② 3つの包括的視点
③ 必要なマネジメント力
④ MTDLPの対象
⑤ MTDLPのプロセス
⑥ MTDLPのエビデンス
⑦ MTDLPの視点による評価・プログラム
立案における作業
Case Study Answer
5 治療への応用〜事例を通して〜
1 身体障害 新泉一美
① 身体障害とは
② 事例紹介
③ おわりに
2 精神障害 野本義則
① 精神障害に対する作業療法の要素
② 疾患の特徴に合わせた作業の選択
③ 臨床事例
3 発達障害 西方浩一
① 発達期の子どもたちの作業とは
② 発達期における子どもの作業が障害されること
③ 実践のなかでの「作業」の用い方
④ 遊びを理解すること
⑤ 作業療法実践での作業の用い方
⑥ まとめ
4 高齢(障害)者 菊池和美
① 高齢者が行っている「作業」
② 障害が重く,介護を要する対象者への作業の応用
③ 障害が軽微な対象者への作業の応用
④ 健康な高齢者への作業の応用
5 認知症高齢者 西脇聡実,内田達二
① 認知症とは
② 作業導入上のポイント
③ 事例紹介
④ まとめ
Case Study Answer
1 作業学を学ぶ方へ 浅沼辰志
① 対象者と作業療法
1 作業学総論
1 作業療法における作業 浅沼辰志
① 作業の必要性と意義
2 作業学とは 浅沼辰志
① 作業学とは〜「作業学」の構成要素としての「基礎作業学」「臨床作業学」〜
② 作業学の構造と研究の枠組み
3 作業を用いた療法に関連する基本的事項 浅沼辰志
①「 作業」によってしか実現できないこと
② 作業のもつ多面性
③ 作業と発達・適応・回復
④ 作業療法における作業活用の歴史
⑤ 作業療法における一般的な治療の目的と
作業を治療に用いる条件
Case Study Answer
2 作業の治療への適用
1 作業はどう使えば効果的か?〜事例を通して〜 浅沼辰志
① 作業を効果的に用いるために
② 初回評価
③ 1カ月後の再評価
④ 2カ月後の再評価
⑤ 3カ月後の再評価
2 身体機能を向上させるための方法 浅沼辰志,大澤 彩
① 身体障害の回復期における作業療法の目的
② 各種の機能向上のための原理
3 作業分析 浅沼辰志
① 作業分析
② 作業分析の項目
③ 作業分析を基に作業を評価的に用いる
4 分析結果と治療目標 浅沼辰志
① 作業療法の思考・適用プロセス
② 分析結果と治療目標のマッチング検討例
5 治療実施における目標設定の順序性 浅沼辰志
① 治療実施における目標設定の順序性
② 練習の進め方と考え方
③ 動作と座位のバランス
④ 立ち上がり動作
⑤ まとめ
6 指導法 浅沼辰志
① 作業療法における指導法
② 指導のステップ
③ 臨床場面への対応
④ 教育方法についての知識
7 対象者への指導〜CCSの場面で〜 浅沼辰志,大澤 彩
① なぜ診療参加型臨床実習なのか
② クリニカル・クラークシップとは何か
③ CEに向けて
④ 指導を受ける学生に向けて
3 作業実習
1 陶芸 野本義則
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と姿勢
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
2 木工 上原栄一郎
① はじめに
② 安全対策・工具・材料
③ 作業実施上のコツ
④ 作業の特性
⑤ 介入例
⑥ 応用・展開
⑦ 禁忌事項・留意点
3 革細工 角田明子
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 実際の流れと実施上のコツ
⑤ 作業の特性
⑥ 介入例
⑦ 応用・展開
⑧ 禁忌事項・留意点
⑨ まとめ
4 ぬり絵 蟹沢優子,野本義則
① はじめに
② 画材
③ ぬり絵と脳の働き
④ 作業療法におけるぬり絵
⑤ 作業の特性
⑥ 介入例
⑦ 完成した作品の保存および活用方法
⑧ おわりに
5 籐細工 山下圭一
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と姿勢
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
6 ネット手芸 蟹沢優子,野本義則
① 作業の一般的特徴
② 材料
③ 作業工程
④ 作業の特性
⑤ 介入例
⑥ おわりに
7 貼り絵 泉 良太
① 貼り絵の特徴
② 材料
③ 道具
④ 場所・管理
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
8 音楽 宮 訓子
① はじめに
② 音楽の選択と対象
③ 場所
④ 時間
⑤ 道具
⑥ 歌唱のセッション例
⑦ 楽器演奏のセッション例
⑧ 作業の特性
⑨ 介入例(歌唱のセッション例)
⑩応用・展開
⑪他部門との連携
⑫おわりに
9 電子機器 大澤 彩
① はじめに
② 媒体の種類
③ 作業の特性
④ 環境設定
⑤ 治療練習ツールや就労復職支援として
⑥ 介入例(パソコンの場合)
⑦ 応用・展開
⑧ 禁忌事項・留意点
10 ビーズ手芸 藤野貴子
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と姿勢
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
11 調理 木村奈緒子
① はじめに
② 材料
③ 道具
④ 作業環境と肢位
⑤ 作業工程
⑥ 作業の特性
⑦ 介入例
⑧ 応用・展開
⑨ 禁忌事項・留意点
12 感覚運動遊び 伊藤祐子
① はじめに
② 視覚系の遊び
③ 聴覚系の遊び
④ 触覚系の遊び
⑤ 前庭覚系の遊び
⑥ 固有受容覚系の遊び
13 ウォーキング・ジョギング 泉 良太
① はじめに
② ウォーキング・ジョギング・ランニングの違い
③ 作業工程
④ 作業の特性
⑤ 介入例
⑥ 応用・展開
⑦ 禁忌事項・留意点
Case Study Answer
4 諸理論と作業
1 健康促進に向けた作業の活用〜作業科学の観点から〜 港 美雪
① 作業療法にとっての作業科学
② 作業科学の構築
③ 実践へつなぎ,研究へつなぐ
④ 体調管理ができるようになってから働くことを支援するのか
⑤ 作業を活用する意義と目的
⑥ 作業を行う場所と範囲
⑦ どのように働くことが健康を促進するか−作業科学の応用
⑧ 対象者の健康促進に向けた注目ポイント−評価・介入を検討する事柄
⑨ 健康的に働くための介入方法の概要
⑩作業療法の独自性:意味ある作業は手段でもあり目標でもある
2 人間作業モデルと作業 鈴木憲雄
① 人間作業モデルとは
② 行為者である「人」
③ 環境
④ 行為の3つの次元
⑤ 作業適応
⑥ MOHOの視点による評価・プログラム立案過程における作業
3 精神分析と作業 水野高昌
① はじめに
② 精神分析について
③ 精神分析的視点から観察される臨床での現象
④ 精神分析的視点と作業分析
⑤ 臨床での応用
⑥ おわりに
4 認知行動療法と作業 奥原孝幸
① 認知行動療法との出会い
② 認知行動療法とは
③ 認知行動療法の作業への応用
④ 認知行動療法と他の治療法とのつながり
⑤ 認知行動療法を作業療法実践に活かすための自己効力感
⑥ おわりに
5 感覚統合と作業 石井孝弘
① はじめに
② 感覚統合理論とは
③ 感覚統合機能
④ 感覚統合理論で扱う感覚刺激
⑤ 感覚刺激と発達
⑥ 各感覚刺激,感覚機能と発達
⑦ 感覚統合障害とは
⑧ 感覚統合療法と作業としての遊び
6 カナダモデルと作業 木村奈緒子
① はじめに
② カナダモデルとは
③ クライエント中心
④ COPM
7 MTDLP(生活行為向上マネジメント)と作業 泉 良太
① はじめに
② 3つの包括的視点
③ 必要なマネジメント力
④ MTDLPの対象
⑤ MTDLPのプロセス
⑥ MTDLPのエビデンス
⑦ MTDLPの視点による評価・プログラム
立案における作業
Case Study Answer
5 治療への応用〜事例を通して〜
1 身体障害 新泉一美
① 身体障害とは
② 事例紹介
③ おわりに
2 精神障害 野本義則
① 精神障害に対する作業療法の要素
② 疾患の特徴に合わせた作業の選択
③ 臨床事例
3 発達障害 西方浩一
① 発達期の子どもたちの作業とは
② 発達期における子どもの作業が障害されること
③ 実践のなかでの「作業」の用い方
④ 遊びを理解すること
⑤ 作業療法実践での作業の用い方
⑥ まとめ
4 高齢(障害)者 菊池和美
① 高齢者が行っている「作業」
② 障害が重く,介護を要する対象者への作業の応用
③ 障害が軽微な対象者への作業の応用
④ 健康な高齢者への作業の応用
5 認知症高齢者 西脇聡実,内田達二
① 認知症とは
② 作業導入上のポイント
③ 事例紹介
④ まとめ
Case Study Answer
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能動学習や新しい実習形式への対応,国家試験対策を充実させたフルカラー紙面の第3版!
作業療法学専門分野の講義用テキスト・シリーズが5年ぶりの改訂。第3版では,これからの学生に役立つ内容を意識し,能動学習の手助けとなる課題の提示,新しい実習形式である「作業療法参加型臨床実習」への対策となるような解説を追加し,国家試験対策を充実させ,作業実習の動画も追加した。
本巻では,患者に行ってもらう“作業”にどのような種類があり,またどのような効果が得られるかを数多く収載。またその基となる諸理論,事例を通じての具体的な応用例も記載した。