産婦人科手術

産婦人科手術 No.34

産婦人科手術 No.34

■編集 日本産婦人科手術学会

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  176ページ  一部カラー,イラスト60点,写真120点
  • 2023年6月12日刊行
  • ISBN978-4-7583-1769-6

日本産婦人科手術学会機関誌。第45回日本産婦人科手術学会の主題より選出した論文12編ほかを掲載

2022年11月に「改めて考える手術の役割」をテーマとしてハイブリッド形式にて開催された第45回日本産婦人科手術学会の主題より選出した論文12編に,編集委員会担当記事2編を追加。テーマは「改めて考える手術におけるFasciaの役割」「改めて考える周産期医療における手術の役割」「機能再建手術」「名誉理事長講演」「特別講演」,企画記事「帝王切開瘢痕症候群−予防的観点から」「帝王切開瘢痕症候群−腹腔鏡下修復術」。


序文

巻頭言

 2022年11月11日(金)から12日(土)の2日間の日程で,第45回日本産婦人科手術学会を金沢で現地開催とライブ配信,およびオンデマンド配信形式で主催させていただきました。新型コロナ感染で現地開催が困難な状態が継続しましたが,久々の対面形式での学会開催が実現でき,発表会場では現地開催ならではの活発なご討論をいただくことができました。また懇親会も開催でき,自由な議論を通して会員皆様の間の親睦を深めていただいたことを嬉しく感じております。

 学術講演会のテーマは「改めて考える手術の役割」といたしました。そこで産婦人科の全領域にまたがる手術療法の発展に寄与する本学会が果たす役割について,これまでの学会の歴史も含めて俯瞰的な視点から平松祐司名誉理事長にご講演いただきました。また産婦人科領域においても,将来さらに進化するさまざまな手法に適確に対応できる若い世代の指導者を育成することが喫緊の課題であります。そのためには先人が工夫されてきた開腹術や経腟手術手法の重要性を再確認して次世代を担う指導者に伝えることが必要と考えます。そこで鏡視下手術が発展していくなかでの手術の基本や開腹手術・腟式手術の役割について,永田一郎先生にご講演をお願いいたしました。平松祐司先生と永田一郎先生には,それぞれ名誉理事長講演と特別講演の内容を本誌にご執筆いただいております。

 一方で「改めて考える手術の役割」のテーマに沿って,それぞれ高齢癌患者,生殖医療,周産期医療,悪性腫瘍における手術の役割と,手術におけるFasciaの役割についてシンポジウムを設け,各座長の先生の企画に基づいて素晴らしいご発表をいただきました。本誌ではそのなかから「改めて考える手術におけるFasciaの役割」と「改めて考える周産期医療における手術の役割」のシンポジウムについて各演者の先生から執筆いただきました。Fasciaの新しい概念や周産期領域の新しい手術療法を紹介する興味深い内容となっています。さらに主題のなかから「機能再建手術」についてご発表いただいた演題からご執筆いただきました。

 本誌が特に若手の会員の皆様に対して「産婦人科診療における手術の役割をあらためて考える」機会を提供できることを願っております。

第45回 日本産婦人科手術学会
会長 藤原 浩
(金沢大学医薬保健研究域医学系医学類生殖・発達医学領域産科婦人科学)
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目次

日本産婦人科手術学会のホームページで閲覧できる学術集会講演の動画一覧
改めて考える手術におけるFasciaの役割
 創部減張のための浅筋膜(superficial fascia)の構造と見つけ方  [草開 妙ほか]
 Fasciaとリンパ管を意識した尿管同定・側方アプローチの4つのTips  [竹中 慎]
 ロボットによる2cm SurgeryとFasciaの展開   [三木通保ほか]
 膜と腔を意識した鏡視下子宮全摘術における前方アプローチ   [本橋 卓ほか]
改めて考える周産期医療における手術の役割
 子宮創部菲薄化低減を目指す糸の役割 ~無結紮縫合による子宮再建術の時代へ~   [牧 尉太ほか]
 腹腔鏡下子宮頸管縫縮術  [原田亜由美]
 難治性弛緩出血に対する双手圧迫を併用した子宮内バルーンタンポナーデの有用性  [小寺千聡ほか]
機能再建手術
 性成熟期に人工真皮を用いた腟再建術を施行した総排泄腔遺残症 (persistent cloaca) の1例  [鎌田泰彦ほか]
 MRKH症候群における造腟術およびその管理について ~ 30例の自験例を踏まえて~  [木須伊織]
 Thiel法固定献体における子宮移植トレーニング  [玉手雅人ほか]
名誉理事長講演
 日本産婦人科手術学会の歴史と今後の課題  [平松祐司]
特別講演
 改めて考える産婦人科手術の基本・開腹手術・腟式手術 ~ 鏡視下手術世代での役割~   [永田一郎 ]
企画記事
  帝王切開瘢痕症候群 予防的観点から  [牧 尉太ほか]
  帝王切開瘢痕症候群 腹腔鏡下修復術  [谷村 悟]
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