消化器外科専門医への
minimal requirements

第3版 序

　「書籍は読者に育てられる」－本書は，まさに読者の皆さんに育てていただいています。消化器外科を志す若き外科医に役立つことを夢見ながら『消化器外科専門医へのminimal requirements』を刊行して，早いもので10年以上が経過しました。この間，多くの方々にご利用いただき，数多くの温かい激励やご叱咤をいただきました。心からお礼申し上げたいと思います。
　思いおこせば，本書作成にあたり，「消化器外科医に必要な知識とは？」という問いかけから始まりました。開示されていた消化器外科学会の専門医試験の過去問題を探ることから始めた日々を思い出します。疾患別に問われているテーマを整理し，著者の方々に短文で必要事項をまとめていただきました。このような過程を順調に進められたのも，篤い教育愛をもつ執筆者の方々がいればこそだと感謝しています。
　消化器外科学の発展はめざましく，数々の新しいエビデンスが報告されています。このようななか，「消化器外科医に必要な知識」も大きく変化しています。そこで，今回の第3版は，消化器外科学会の公式テキストである『消化器外科専門医の心得』を参考にして，『消化器外科専門医へのminimal requirements（第2版）』に不足しているテーマを抽出し加筆・修正しました。このような大幅な改定を成就できたのも執筆者たちのご尽力のおかげです。この書物は，手に取っていただいた読者の皆さんの知識欲を十分に満たしてくれることと確信しています。楽しみながら勉強を進め，消化器外科専門医の認定を取得されることを執筆者一同，期待しています。
　最後に，我々執筆陣のわがままを聞いて大幅な改定にご理解いただいたメジカルビュー社編集部の宮澤進氏と小澤祥子氏に心からお礼申し上げます。

2024年6月
編者代表　白石 憲男