膝の鏡視下手術
テクニカルガイド
[Web動画付]
定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
- B5変型判 304ページ オールカラー,イラスト150点,写真400点
- 2022年12月30日刊行
- ISBN978-4-7583-2174-7
電子版
序文
2017年に大学を去り,3年間管理職に身を置いてきた私でしたが,2021年度よりこれまで通り膝スポーツ整形外科医として手術を行う機会を得ました。ところが,いざ手術を行おうとすると,その5年間に関節鏡視下手術の常識や技術がずいぶんと変化していることに気づかされました。
“Save-the-Meniscus”のキャッチフレーズの下,この10年余り世界中の膝スポーツ医が損傷半月板の機能を回復する努力を積み重ねてきました。また関節温存手術であるaround-the-knee osteotomyの進歩も目覚ましく,いろいろな工夫がなされ,体系づけられ,複雑な半月板修復術と組み合わされて実践されています。
手術をするなら最新の技術を身に付け患者さんに実践すべきです。しかし,このコロナ禍では気軽にエキスパートを訪れ,直に教えをいただくことが困難になっています。そんな折,膝の鏡視下手術のテクニックにこだわり,細かい技術をできる限り,文章,図,そして動画を用いて伝える書物が企画されました。その本を理解し研鑽すれば,執筆者と同じレベルの手術が何とかできるようになる書物です。
現在,膝関節鏡視下手術の第一線を走る先生方の技術を細かく披露していただくことを目指して本書の編集,校正に当たりました。同じ修復でも複数の先生に担当していただくことにしました。私は糸結びや細かい道具の仕組みを理解することがあまり得意でなく,通常の手術書では技術を実感できないことも少なくありません。デバイスの具体的な仕組み,器械の出し入れ,糸結びの実際など,基本的な部分も多忙な先生方に何度も繰り返し手直しをしていただくことになりました。先生方は私の希望に本当によく応えてくださいました。この場をお借りして深謝いたします。
種々の半月板損傷治療法のほか,前十字靱帯再建術,後十字靱帯再建術,軟骨損傷治療についても改めてテクニックを詳しく示していただくことにしました。
これ以上の細かい具体的な説明はできないのではないか,という本が完成しました。ぜひ本書を手に取って関節鏡視下手術操作のイメージを順序立てて膨らませてみてください。きっと何とかうまくできると思います。正しくできれば,あとは経験の積み重ねによりスムーズな手術になっていきます。本書を先生方の臨床にぜひ役立ててください。
2022年12月
東京医科歯科大学名誉教授
八王子ひがし整形外科院長
宗田 大
“Save-the-Meniscus”のキャッチフレーズの下,この10年余り世界中の膝スポーツ医が損傷半月板の機能を回復する努力を積み重ねてきました。また関節温存手術であるaround-the-knee osteotomyの進歩も目覚ましく,いろいろな工夫がなされ,体系づけられ,複雑な半月板修復術と組み合わされて実践されています。
手術をするなら最新の技術を身に付け患者さんに実践すべきです。しかし,このコロナ禍では気軽にエキスパートを訪れ,直に教えをいただくことが困難になっています。そんな折,膝の鏡視下手術のテクニックにこだわり,細かい技術をできる限り,文章,図,そして動画を用いて伝える書物が企画されました。その本を理解し研鑽すれば,執筆者と同じレベルの手術が何とかできるようになる書物です。
現在,膝関節鏡視下手術の第一線を走る先生方の技術を細かく披露していただくことを目指して本書の編集,校正に当たりました。同じ修復でも複数の先生に担当していただくことにしました。私は糸結びや細かい道具の仕組みを理解することがあまり得意でなく,通常の手術書では技術を実感できないことも少なくありません。デバイスの具体的な仕組み,器械の出し入れ,糸結びの実際など,基本的な部分も多忙な先生方に何度も繰り返し手直しをしていただくことになりました。先生方は私の希望に本当によく応えてくださいました。この場をお借りして深謝いたします。
種々の半月板損傷治療法のほか,前十字靱帯再建術,後十字靱帯再建術,軟骨損傷治療についても改めてテクニックを詳しく示していただくことにしました。
これ以上の細かい具体的な説明はできないのではないか,という本が完成しました。ぜひ本書を手に取って関節鏡視下手術操作のイメージを順序立てて膨らませてみてください。きっと何とかうまくできると思います。正しくできれば,あとは経験の積み重ねによりスムーズな手術になっていきます。本書を先生方の臨床にぜひ役立ててください。
2022年12月
東京医科歯科大学名誉教授
八王子ひがし整形外科院長
宗田 大
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目次
I ポータルの作製,関節内の評価法
膝関節鏡視下手術のポータルの選択と適応 [中山 寛]
ポータルの選択と鏡視下滑膜切除術 [田代泰隆]
膝関節鏡視-関節内の観察法・評価法 [中村智祐]
糸と結び方,アンカーの使用法 [中川裕介ほか]
II 半月板の手術
ロッキングした半月板の修復法 [石橋恭之]
内側半月板
①All-inside法での内側半月板の修復法 [阿部信寛]
②変性半月板の修復法 [古賀英之]
③高位脛骨骨切り術と併用する内側半月板hoopの再建法(1) [古賀英之]
④高位脛骨骨切り術と併用する内側半月板hoopの再建法(2) [中村立一ほか]
⑤内側半月板後根断裂の修復法 [古松毅之]
⑥Ramp病変の修復法 [畑山和久]
外側半月板
①機能低下した半月板機能の再建法 [古賀英之]
②円板状半月板の修復,形成修復 [橋本祐介]
③Radial tearの修復法 [荒木大輔]
④膝窩筋腱裂孔を温存した解剖学的all-inside法での外側半月板修復法 [土屋明弘]
スポーツ選手の復帰を目指した内側半月板,外側半月板修復術 [松下雄彦ほか]
III 靱帯の手術
前十字靱帯
①ハムストリング法-Inside-out (portal)法 [長井寛斗ほか]
②ハムストリング法-Outside-in法 [古賀英之]
③骨付き膝蓋腱(BTB)を用いた矩形骨孔ACL再建術(経ポータル法) [石橋恭之]
④骨付き膝蓋腱(BTB)法 [前 達雄ほか]
⑤ACL再再建術のテクニック [星野祐一ほか]
後十字靱帯
解剖学的3重束PCL再建術 [石川大樹]
IV 軟骨欠損に対する修復術
骨髄刺激法・自家骨軟骨柱移植術・自家培養軟骨移植術 [仲田恭平ほか]
膝軟骨損傷に対する治療戦略とスポーツ復帰 [小林雅彦]
膝関節鏡視下手術のポータルの選択と適応 [中山 寛]
ポータルの選択と鏡視下滑膜切除術 [田代泰隆]
膝関節鏡視-関節内の観察法・評価法 [中村智祐]
糸と結び方,アンカーの使用法 [中川裕介ほか]
II 半月板の手術
ロッキングした半月板の修復法 [石橋恭之]
内側半月板
①All-inside法での内側半月板の修復法 [阿部信寛]
②変性半月板の修復法 [古賀英之]
③高位脛骨骨切り術と併用する内側半月板hoopの再建法(1) [古賀英之]
④高位脛骨骨切り術と併用する内側半月板hoopの再建法(2) [中村立一ほか]
⑤内側半月板後根断裂の修復法 [古松毅之]
⑥Ramp病変の修復法 [畑山和久]
外側半月板
①機能低下した半月板機能の再建法 [古賀英之]
②円板状半月板の修復,形成修復 [橋本祐介]
③Radial tearの修復法 [荒木大輔]
④膝窩筋腱裂孔を温存した解剖学的all-inside法での外側半月板修復法 [土屋明弘]
スポーツ選手の復帰を目指した内側半月板,外側半月板修復術 [松下雄彦ほか]
III 靱帯の手術
前十字靱帯
①ハムストリング法-Inside-out (portal)法 [長井寛斗ほか]
②ハムストリング法-Outside-in法 [古賀英之]
③骨付き膝蓋腱(BTB)を用いた矩形骨孔ACL再建術(経ポータル法) [石橋恭之]
④骨付き膝蓋腱(BTB)法 [前 達雄ほか]
⑤ACL再再建術のテクニック [星野祐一ほか]
後十字靱帯
解剖学的3重束PCL再建術 [石川大樹]
IV 軟骨欠損に対する修復術
骨髄刺激法・自家骨軟骨柱移植術・自家培養軟骨移植術 [仲田恭平ほか]
膝軟骨損傷に対する治療戦略とスポーツ復帰 [小林雅彦]
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確実に手術を再現できるよう,テクニックの細部まで詳述した“こだわり”の一冊!
代表的な膝関節手術に的を絞り,“テクニック”にこだわった手術書。
各種デバイスの使い方から手術手順の細部まで細かく解説。特にポイントとなる点は「テクニカルポイント(TP)」として詳述し,また助手の動きが重要な局面についても記載。さらに,取り上げられることの少ない靭帯の再再建手術についても解説。
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