運動療法のための

機能解剖学的触診技術 動画プラス 
下肢・体幹
[Web動画付]

改訂第2版

機能解剖学的触診技術 動画プラス 下肢・体幹[Web動画付]

■監修 青木 隆明

■著者 林 典雄

定価 6,600円(税込) (本体6,000円+税)
  • i_movie.jpg
  • B5判  356ページ  オールカラー,Web動画付き,イラスト360点,写真640点
  • 2022年12月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-2094-8

運動器リハビリテーションの必携定番書に,動画120分超を追加! スマホをかざして手技がわかる・できる!

頼れるロングセラーが動画を加えてさらにパワーアップ!
書籍の内容はそのままに,アプリ版『動画でマスター! 機能解剖学的触診技術』収載の動画127本/122分を追加。紙面のQRコードから関連する動画をストリーミング配信で視聴可能。
複数カメラで撮影したエキスパートの手技によって写真だけではイメージが難しい立体的な動きがよくわかり,ちょっとした移動時間にも観られるので知識・技術の学習に役立つ内容となっている。


序文

改訂第2版 動画プラス監修の言葉

 医学の進歩は目覚ましいものがありますが,人間の解剖はリハビリテーションにとっては変わらない基本です。
 日々臨床の場で,リハビリテーションを進めるにあたり,運動機能を考える際に大切なツールとして,解剖があり,そのための触診技術が大切です。触診においても十分な解剖の知識の基に成り立つものです。触診といっても,そこにあるはずだと思って触ることが必要です。正常な組織の走行を感じ,滑走させ,機能をできるだけ早く回復させるためにも,知識と技術が必要です。様々な疾患にアプローチする基本的な入り口として,まず触診して,状態を観察し,そこからどう動かすかを考えてみてください。
 この本は触診に必要な解剖の知識,超音波画像による視覚での確認も含め,日常の診療や教育の場で,これから診療に将来あたる学生達にとっても大切な情報をもたらしてくれることと思います。また動画から,よりわかりやすく皆様に伝わると思います。何度も読み返し,動画も参考に実際に触診を繰り返すことで,より感覚も研ぎ澄まされ,運動機能を感じることができると思います。
 日頃の臨床で,触診を通じて新たな発見もあります。
 今後ますます高齢者社会を迎え,健康寿命を延ばしていくためにも,リハビリテーションの基本としての解剖と触診技術を習得し,臨床や研究にも役立てていただけると幸いです。
 本書を刊行するにあたり,執筆に関わられた関係者の皆様に深く感謝いたします。

2022年10月
岐阜大学大学院医学系研究科医科学専攻感覚運動医学講座リハビリテーション科
青木隆明

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改訂第2版 動画プラス 序文

 本書『運動療法のための機能解剖学的触診技術』は,2005年12月に産声を上げました。機能解剖学を基礎とした触診技術の解説と多くの写真を配した構成は,それまでにない斬新な書籍として多くの理学療法士・作業療法士養成校の教科書として定着してきました。
 2011年12月には,ほぼ全面改訂の形で第2版が出版されました。写真はオールカラーとなり,所々にエコー画像が配されることで,奥行きのある解剖学的知識の整理に役立つ内容へと進化しました。その後,2016年3月には動画アプリが発売され,知識の整理には書籍を,実際の具体的な方法論は動画で確認するスタイルが定着し現在に至っています。
 日本のスマートフォン普及率の推移をひも解くと,第2版が出版された2011年で21%,動画アプリが発売された2016年で59%だったのが,2022年では実に,国民の94%が所有するに至っています。つまりこのようなデジタル環境の変化は,学習スタイルそのものも変化させてきています。この社会背景を踏まえ,書籍と動画アプリを合体させる企画が立ち上がりました。書籍内にQRコードを配することで触診技術の裏付けとなる知識と,実際の技術をリアルタイムに動画で確認できるスタイルは,今まで以上に読者の理解を助けることでしょう。そして,本書を用いて「今」まさに学んでいる学生諸氏! 「読んで」「見て」そして「反復練習」を続けてください。その努力が将来の自分の「格」を決める基礎になるはずです。

 ここで「圧痛」について考えてみたいと思います。「圧痛」という所見は,ある組織に指を介して圧を加え,加わった先の組織に痛みが生じる現象です。この意味するところは,「圧を加えることで痛い病態がそこにある」と考えてもいいですし,一方で,「大した圧でもないのに痛みが生じる受容器の状態になっている」とも言えます。神経が分布しない場所は痛くありませんから,圧痛所見の存在は,そこに分布している受容器が「敏感」になっている状態と解釈することもできます。
 では,どのようなことが起こると受容器が敏感になるのでしょうか。一つは組織損傷に伴う発痛物質(ブラジキニン,ヒスタミン,sub-P,プロスタグランジン等)が受容器に感作することで敏感さが増加します。つまり局所的な炎症環境がある組織には圧痛所見が明確となります。その一方で,炎症環境は既に沈静化しているにもかかわらず圧痛所見を認める症例も多く存在しています。そのような場合には,対象組織に分布する受容器の低酸素状態が敏感さを高めることが指摘されています。組織の低酸素化はさまざまな要因で生じますが,われわれ理学療法士は,理学療法士による徒手操作を通して,また,適切な運動指導を通して対象組織の低酸素化が改善できると,疼痛の軽減とともに適切な身体機能の改善へと導くことができます。
 このように圧痛所見を確認する行為には,圧を加えた組織は何か(解剖学),圧を加えた組織はどのような役割を持っているのか(機能解剖学)を理解し,そして適切に運動させる(理学療法技術)の三位一体の能力が必要となります。その能力を構築する基礎が触診技術になります。現役の理学療法士も,今の技術に満足することなく,「もっと正確に!」「もっとうまく!」を目指し,自身の技術を洗練していかれることを切に希望します。その技術の進歩はすべて「患者の笑顔」につながっています。

2022年10月
運動器機能解剖学研究所
理学療法士 林 典雄
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目次

I 下肢の骨
 1.骨盤
 ・腸骨稜
 ・上前腸骨棘,下前腸骨棘
 ・上後腸骨棘,仙腸関節
 ・坐骨結節
 2.大腿骨
 ・大転子
 ・大腿骨頭
 3.膝関節周辺
 ・膝蓋骨,大腿骨膝蓋面
 ・大腿骨内側顆,大腿骨外側顆,脛骨内側顆,脛骨外側顆
 ・大腿骨内側上顆,大腿骨外側上顆,内転筋結節
 ・脛骨粗面,Gerdy結節
 ・腓骨頭
 4.足関節および足部周辺
 ・内果,外果,距腿関節
 ・距骨(体,頸,頭,滑車),足根洞
 ・踵骨,踵骨隆起,載距突起,長母趾屈筋腱溝,長腓骨筋腱溝,距骨下関節,踵立方関節
 ・舟状骨,内側楔状骨,母趾中足骨
 ・足根中足関節(リスフラン関節),中間楔状骨,外側楔状骨,第2〜5趾中足骨,第5中足骨粗面,立方骨

II 下肢の靱帯
 1.スカルパ三角関連
 ・鼠径靱帯,大腿動脈,大腿神経,大腿外側皮神経
 2.膝関節関連
 ・内側側副靱帯
 ・外側側副靱帯
 ・ファベラ腓骨靱帯
 ・膝蓋靱帯,内側膝蓋支帯,外側膝蓋支帯
 ・内側膝蓋大腿靱帯,内側膝蓋脛骨靱帯,外側膝蓋大腿靱帯,外側膝蓋脛骨靱帯
 ・腸脛靱帯
 3.足関節関連
 ・三角靱帯(内側靱帯)
 ・外側側副靱帯
 ・二分靱帯(踵舟靱帯,踵立方靱帯)
 ・後距踵靱帯
 ・足底腱膜,スプリング靱帯(底側踵舟靱帯)

III 下肢の筋
 1.股関節に関わる筋
 ・腸腰筋,腸骨筋,大腰筋
 ・縫工筋
 ・大腿筋膜張筋
 ・中殿筋,小殿筋
 ・大殿筋
 ・梨状筋,大腿方形筋,上双子筋,下双子筋,内閉鎖筋
 ・長内転筋,恥骨筋
 ・大内転筋
 2.膝関節に関わる筋
 ・大腿直筋
 ・内側広筋
 ・外側広筋
 ・中間広筋,膝蓋上包(膝蓋上嚢)
 ・半腱様筋,半膜様筋
 ・大腿二頭筋長頭,大腿二頭筋短頭
 ・薄筋
 ・膝窩筋
 3.足関節および足部に関わる筋
 ・前脛骨筋
 ・長趾伸筋,長母趾伸筋
 ・腓腹筋,ヒラメ筋
 ・後脛骨筋
 ・長趾屈筋,長母趾屈筋
 ・長腓骨筋,短腓骨筋
 ・母趾外転筋,短母趾屈筋,母趾内転筋
 ・短趾屈筋

Ⅳ 体幹−胸郭・脊柱関連組織
 1.胸郭に関連する諸組織
 ・胸骨柄,頸切痕,胸骨角,鎖骨間靱帯,第1・2胸肋関節
 ・胸骨体,剣状突起,第3〜7胸肋関節
 ・第11肋骨,第12肋骨,腰方形筋
 ・乳様突起,胸鎖乳突筋
 ・前斜角筋,中斜角筋,腕神経叢
 2.脊柱に関連する諸組織
 ・外後頭隆起,上項線,下項線
 ・環椎横突起
 ・頸椎棘突起
 ・腰椎棘突起,仙骨正中仙骨稜,椎間関節
 ・胸椎棘突起
 ・腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋
 ・腰部多裂筋

下肢筋の支配神経・髄節レベル一覧
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