作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト
地域作業療法学(改訂第2版)
改訂第2版
定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
- B5判 364ページ オールカラー,イラスト160点,写真50点
- 2023年9月29日刊行
- ISBN978-4-7583-2049-8
電子版
序文
監修の序
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。
本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12巻となります。改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し観て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
----------------------------------------
改訂第2版 編集の序
本書第2版の編集にあたり,地域作業療法についてできる限り俯瞰できるように配慮した。2019年12月に中国武漢市で報告されたCOVID-19は数カ月で世界的に流行した。日本では2020年1月に最初の感染者が発見されると,感染に関する報道は多くなり,感染症や公衆衛生,医療に関連した言葉があふれるようになった。同年4月には緊急事態宣言が発出され,街の風景は一変した。この未曾有の事態は今までの生活を大きく変えた。在宅勤務が多くなり,会議はwebで参加することが一般的になった。2023年5月にCOVID-19が5類相当の対応へ移行すると,企業では在宅勤務から出社を求められることが増えていった。
地域作業療法を提供している事業所でも,この感染症による影響は大きく,感染症対策の見直し,集団感染時の対応などに加え,これまで他業界に比べ遅れていたICT技術の活用も一気に進み,最近はどの事業所でもweb会議が行われている。
一方で,在宅勤務の期間を経験したことによって,家族の暮らし方は少しずつ変化しているかもしれない。自宅での時間が増えたことは,家族との時間の価値について再考する機会になっていると思われる。このことは高齢者領域の通所系サービスや保育所等の利用率に影響を与えているかもしれない。サービスの利用者や家族にとってはその理由や価値を見直すきっかけとなり,利用する目的や提供してほしいサービス内容などがより具体化されている印象をもっている。
これまでも地域作業療法では質を求められてきたが,この波はさらに大きくなっているかもしれない。医療や介護,障害に関する知識はさらに普及し,家族などと過ごす時間の価値が見直されたことにより,生活に必要なサービスを提供するわれわれにとって,対象者が何を求め,どのような価値を置いているのかをしっかりと理解する必要性が増したと考えている。
また,感染症の影響により事業の継続性について,影響があった職場も少なくない。必要な感染症対策を行うにはコストがかかり,職員が感染した場合には休業を余儀なくされ,それでもサービスを途切れさせるわけにはいかない。このことは,地域作業療法を展開するうえで,われわれも運営や経営に関する知識が必要であることを認識するきっかけとなった。本書ではこのような社会の変化に対応できるよう,障害福祉サービス,介護保険,地域医療に関する最新の知見を盛り込んだうえで,今後さらに必要となるであろう感染症や公衆衛生,経営も含めた職場管理,就労支援に関する内容を加えた。
本書を手に取っていただいた皆さんの地域での活躍に少しでもお役に立てば幸いである。
末筆になりますが,本書制作にあたり,執筆を快くお引き受けいただいた皆様にはお忙しいなか,大変貴重な内容をご提示いただき,この場を借りて感謝申し上げます。
2023年8月
德永千尋,田村孝司
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。
本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12巻となります。改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し観て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
----------------------------------------
改訂第2版 編集の序
本書第2版の編集にあたり,地域作業療法についてできる限り俯瞰できるように配慮した。2019年12月に中国武漢市で報告されたCOVID-19は数カ月で世界的に流行した。日本では2020年1月に最初の感染者が発見されると,感染に関する報道は多くなり,感染症や公衆衛生,医療に関連した言葉があふれるようになった。同年4月には緊急事態宣言が発出され,街の風景は一変した。この未曾有の事態は今までの生活を大きく変えた。在宅勤務が多くなり,会議はwebで参加することが一般的になった。2023年5月にCOVID-19が5類相当の対応へ移行すると,企業では在宅勤務から出社を求められることが増えていった。
地域作業療法を提供している事業所でも,この感染症による影響は大きく,感染症対策の見直し,集団感染時の対応などに加え,これまで他業界に比べ遅れていたICT技術の活用も一気に進み,最近はどの事業所でもweb会議が行われている。
一方で,在宅勤務の期間を経験したことによって,家族の暮らし方は少しずつ変化しているかもしれない。自宅での時間が増えたことは,家族との時間の価値について再考する機会になっていると思われる。このことは高齢者領域の通所系サービスや保育所等の利用率に影響を与えているかもしれない。サービスの利用者や家族にとってはその理由や価値を見直すきっかけとなり,利用する目的や提供してほしいサービス内容などがより具体化されている印象をもっている。
これまでも地域作業療法では質を求められてきたが,この波はさらに大きくなっているかもしれない。医療や介護,障害に関する知識はさらに普及し,家族などと過ごす時間の価値が見直されたことにより,生活に必要なサービスを提供するわれわれにとって,対象者が何を求め,どのような価値を置いているのかをしっかりと理解する必要性が増したと考えている。
また,感染症の影響により事業の継続性について,影響があった職場も少なくない。必要な感染症対策を行うにはコストがかかり,職員が感染した場合には休業を余儀なくされ,それでもサービスを途切れさせるわけにはいかない。このことは,地域作業療法を展開するうえで,われわれも運営や経営に関する知識が必要であることを認識するきっかけとなった。本書ではこのような社会の変化に対応できるよう,障害福祉サービス,介護保険,地域医療に関する最新の知見を盛り込んだうえで,今後さらに必要となるであろう感染症や公衆衛生,経営も含めた職場管理,就労支援に関する内容を加えた。
本書を手に取っていただいた皆さんの地域での活躍に少しでもお役に立てば幸いである。
末筆になりますが,本書制作にあたり,執筆を快くお引き受けいただいた皆様にはお忙しいなか,大変貴重な内容をご提示いただき,この場を借りて感謝申し上げます。
2023年8月
德永千尋,田村孝司
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目次
1 地域の生活と地域作業療法
1 地域の生活 [田村孝司]
①はじめに
②生活とはどういう作業か
③地域作業療法の評価の視点
④生活の実態
2 地域リハビリテーションの経緯と理念 [田村孝司]
①地域リハビリテーションの歴史
②地域リハビリテーションの概念
③日本における地域リハビリテーションの導入
④地域作業療法の展開
3 地域における障害児の環境 [田村孝司]
①障害児の施策の変遷と概観
②障害児に対するサービスの種類と概要
③作業療法士に求められる役割
4 就労を取り巻く環境の変化 [服部律子]
①障害福祉における就労支援の概要
②一般企業における障害者雇用の現状
2 作業療法士がかかわる関連法規・制度
1 社会保障制度 [田村孝司]
①作業療法士の仕事と社会保障
②社会保障の概要
③社会保険
④国家扶助
⑤社会福祉
⑥公衆衛生
2 医療と診療報酬 [梶原幸信]
①はじめに
②社会保障制度
③診療報酬
3 診療報酬の算定と業務 [梶原幸信]
①はじめに
②施設基準
4 介護保険制度の概要 [田村孝司]
①介護保険導入までの軌跡
②介護保険の概要
③介護保険導入までの流れ
④各種サービスの概要
⑤医療保険と介護保険
5 介護報酬の算定と業務 [田村孝司]
①介護報酬の算定と事業所の経営
②算定に必要な書類
③申請手続
④介護報酬と算定構造
⑤対象者の利用と介護報酬の請求
6 障害者施策 [田村孝司,德永千尋]
①はじめに
②障害者自立支援法から障害者総合支援法へ
③障害者差別解消法
④障害福祉制度の今後と作業療法士の役割
7 特別支援教育 [林 義巳]
①特別支援教育の現状
②特別支援教育の制度概要
3 各事業所の実践
1 訪問作業療法 [上野喜世]
①訪問作業療法の目的と対象
②訪問作業療法の内容
2 通所リハビリテーション [大内義隆]
①通所リハビリテーションとは
②主な業務の概要
3 介護老人保健施設 [大内義隆]
①基準と概要
②主な業務の概要
4 介護老人福祉施設 [西留桂子]
①基準と概要
②業務の概要
5 特定施設入居者生活介護 [田村孝司]
①基準と概要
②業務の概要
6 介護予防事業 [田村孝司,德永千尋]
①はじめに
②これまでの介護予防の考え方
③これからの介護予防の考え方
④最後に
7 精神障害領域における地域作業療法 [杉長 彬]
①地域生活支援にかかわる作業療法士数
②精神障害領域における地域生活支援
③精神科訪問看護について
8 精神障害領域における就労支援 [杉長 彬]
①リワークとは
②リワークの実施場所
③リワークの対象者
④リワークでの評価
⑤リワークでのプログラム:治療
⑥復職後のフォローアップについて
9 特別支援 [林 義巳]
①特別支援と障害児施設
②特別支援の相談内容
③特別支援における作業療法士のかかわり
10 児童発達支援・放課後等デイサービス [田村孝司]
①児童発達支援と放課後等デイサービスの概要
②作業療法士の役割
11 認知症対応型共同生活介護,看護小規模多機能型居宅介護 [村島久美子]
①認知症の人が暮らす場所
②安心して過ごせる環境づくり
③作業療法士の強みを活かす
④まとめ
12 障害者グループホーム [水野高昌]
①障害者グループホームについて
②障害者グループホームの利用について
③臨床での実践について
13 民間企業 [田村孝司]
①法人格と会社
②作業療法士が働く会社の特徴
③管理,企画などで作業療法士に期待されること
Case Study Answer
4 発展する作業療法の地域支援
1 予防 [浅井憲義,中村美緒]
①はじめに
②地域生活者のための制度
③地域社会での作業療法士がかかわる時期と働く場所
④地域での作業療法アプローチ
⑤地域での予防事業
2 災害/被災地支援 [中山奈保子]
①はじめに ~災害を乗り越える人々の暮らし~
②被災地支援に期待される専門職の姿
③被災住民の生活を取り巻く諸問題①災害発生~避難生活のはじまり
④被災住民の生活を取り巻く諸問題②避難所における生活不活発病の予防
⑤被災住民の生活を取り巻く諸問題③避難所以降の暮らし
⑥被災住民の生活を取り巻く諸問題④仮のわが家から「終の住処」へ
⑦子どもの成長と家庭環境①被災した子ども達をとりまく環境
⑧子どもの成長と家庭環境②家庭環境の変化
⑨おわりに ~被災地域で求められる作業療法士像~
3 ICTとロボット技術 [田村孝司]
①作業療法に関連するICT・ロボット技術の概要
②ロボット技術と作業療法
③介護保険領域におけるICTの活用
Case Study Answer
5 地域作業療法で必要な知識
1 感染症と公衆衛生・疫学 [田村孝司]
①感染症の基礎知識
②作業療法と公衆衛生・疫学
2 評価方法 [田村孝司]
①地域作業療法における評価内容
②目標設定とモニタリング
③領域別評価項目
3 呼吸器疾患 [髙島千敬]
①はじめに
②地域で呼吸器疾患患者を支えるためには?
③地域で呼吸器疾患にかかわるメリット,デメリット
④呼吸器疾患の病態に関する基礎知識
⑤活動レベルの分類
⑥代表的な呼吸器疾患
⑦検査データ
⑧投薬への注意
⑨在宅酸素療法(HOT)
⑩作業療法評価
⑪身体機能評価
⑫認知・心理機能の評価
⑬ADL・IADL評価
⑭廃用症候群へのアプローチ
⑮ADL・IADL訓練
4 喀痰吸引 [髙島千敬]
①はじめに
②吸引を実施する前の基礎知識
③作業療法士が行う吸引
④吸引の実際
5 がん [髙島千敬]
①はじめに
②がん患者の治療
③がんによる障害の理解
④がん患者の心理
⑤がん患者へのリハビリテーションの分類
⑥がん患者への対応時のリスク管理
⑦主ながんの局在別の対応
⑧活動と参加の拡大への支援
6 家族の理解と介護 [長倉寿子]
①家族の理解・家族支援の目的
②家族・介護者の状況および対象者を支える力を知る
③家族ニーズ
④家族支援の実際
7 地域作業療法における職場運営と職場管理 [田村孝司]
①職場の管理と運営,経営
②職場の運営
8 リスク管理 [長倉寿子]
①リスク管理の方法
②イベント発生の予防
③急変対応
9 連携 [長倉寿子]
①地域における連携
②チームアプローチ
③地域における連携の課題
④地域づくりへの参画
10 MTDLP [三橋力也]
①生活行為向上マネジメントとは何か
②MTDLPのプロセスとシート
③MTDLPのポイント
11 地域包括支援 [阿部三知代]
①地域包括ケアシステムについて
②地域包括支援センターの役割について
③地域共生社会について
④地域支援の実践
⑤まとめ
12 就労移行支援,就労定着支援 [佐々木千恵美]
①障害者雇用を取り巻く制度やサービス
②地域における作業療法士の役割
事例集
①脳梗塞 [大村隼人]
②脳梗塞 [大村隼人]
③脳出血,脳梗塞 [岩波貴也]
④脳梗塞 [佐藤栄俊]
⑤第3腰痛圧迫骨折,右変形性膝関節症(右膝人工関節置換術)骨粗鬆症,両側関節捻挫 [宮本香織]
⑥身体障害,介護困難 [長井陽海,田村孝司]
⑦脳梗塞 [土居義典]
⑧高次脳機能障害 [佐々木千恵美]
⑨うつ病 [杉長 彬]
1 地域の生活 [田村孝司]
①はじめに
②生活とはどういう作業か
③地域作業療法の評価の視点
④生活の実態
2 地域リハビリテーションの経緯と理念 [田村孝司]
①地域リハビリテーションの歴史
②地域リハビリテーションの概念
③日本における地域リハビリテーションの導入
④地域作業療法の展開
3 地域における障害児の環境 [田村孝司]
①障害児の施策の変遷と概観
②障害児に対するサービスの種類と概要
③作業療法士に求められる役割
4 就労を取り巻く環境の変化 [服部律子]
①障害福祉における就労支援の概要
②一般企業における障害者雇用の現状
2 作業療法士がかかわる関連法規・制度
1 社会保障制度 [田村孝司]
①作業療法士の仕事と社会保障
②社会保障の概要
③社会保険
④国家扶助
⑤社会福祉
⑥公衆衛生
2 医療と診療報酬 [梶原幸信]
①はじめに
②社会保障制度
③診療報酬
3 診療報酬の算定と業務 [梶原幸信]
①はじめに
②施設基準
4 介護保険制度の概要 [田村孝司]
①介護保険導入までの軌跡
②介護保険の概要
③介護保険導入までの流れ
④各種サービスの概要
⑤医療保険と介護保険
5 介護報酬の算定と業務 [田村孝司]
①介護報酬の算定と事業所の経営
②算定に必要な書類
③申請手続
④介護報酬と算定構造
⑤対象者の利用と介護報酬の請求
6 障害者施策 [田村孝司,德永千尋]
①はじめに
②障害者自立支援法から障害者総合支援法へ
③障害者差別解消法
④障害福祉制度の今後と作業療法士の役割
7 特別支援教育 [林 義巳]
①特別支援教育の現状
②特別支援教育の制度概要
3 各事業所の実践
1 訪問作業療法 [上野喜世]
①訪問作業療法の目的と対象
②訪問作業療法の内容
2 通所リハビリテーション [大内義隆]
①通所リハビリテーションとは
②主な業務の概要
3 介護老人保健施設 [大内義隆]
①基準と概要
②主な業務の概要
4 介護老人福祉施設 [西留桂子]
①基準と概要
②業務の概要
5 特定施設入居者生活介護 [田村孝司]
①基準と概要
②業務の概要
6 介護予防事業 [田村孝司,德永千尋]
①はじめに
②これまでの介護予防の考え方
③これからの介護予防の考え方
④最後に
7 精神障害領域における地域作業療法 [杉長 彬]
①地域生活支援にかかわる作業療法士数
②精神障害領域における地域生活支援
③精神科訪問看護について
8 精神障害領域における就労支援 [杉長 彬]
①リワークとは
②リワークの実施場所
③リワークの対象者
④リワークでの評価
⑤リワークでのプログラム:治療
⑥復職後のフォローアップについて
9 特別支援 [林 義巳]
①特別支援と障害児施設
②特別支援の相談内容
③特別支援における作業療法士のかかわり
10 児童発達支援・放課後等デイサービス [田村孝司]
①児童発達支援と放課後等デイサービスの概要
②作業療法士の役割
11 認知症対応型共同生活介護,看護小規模多機能型居宅介護 [村島久美子]
①認知症の人が暮らす場所
②安心して過ごせる環境づくり
③作業療法士の強みを活かす
④まとめ
12 障害者グループホーム [水野高昌]
①障害者グループホームについて
②障害者グループホームの利用について
③臨床での実践について
13 民間企業 [田村孝司]
①法人格と会社
②作業療法士が働く会社の特徴
③管理,企画などで作業療法士に期待されること
Case Study Answer
4 発展する作業療法の地域支援
1 予防 [浅井憲義,中村美緒]
①はじめに
②地域生活者のための制度
③地域社会での作業療法士がかかわる時期と働く場所
④地域での作業療法アプローチ
⑤地域での予防事業
2 災害/被災地支援 [中山奈保子]
①はじめに ~災害を乗り越える人々の暮らし~
②被災地支援に期待される専門職の姿
③被災住民の生活を取り巻く諸問題①災害発生~避難生活のはじまり
④被災住民の生活を取り巻く諸問題②避難所における生活不活発病の予防
⑤被災住民の生活を取り巻く諸問題③避難所以降の暮らし
⑥被災住民の生活を取り巻く諸問題④仮のわが家から「終の住処」へ
⑦子どもの成長と家庭環境①被災した子ども達をとりまく環境
⑧子どもの成長と家庭環境②家庭環境の変化
⑨おわりに ~被災地域で求められる作業療法士像~
3 ICTとロボット技術 [田村孝司]
①作業療法に関連するICT・ロボット技術の概要
②ロボット技術と作業療法
③介護保険領域におけるICTの活用
Case Study Answer
5 地域作業療法で必要な知識
1 感染症と公衆衛生・疫学 [田村孝司]
①感染症の基礎知識
②作業療法と公衆衛生・疫学
2 評価方法 [田村孝司]
①地域作業療法における評価内容
②目標設定とモニタリング
③領域別評価項目
3 呼吸器疾患 [髙島千敬]
①はじめに
②地域で呼吸器疾患患者を支えるためには?
③地域で呼吸器疾患にかかわるメリット,デメリット
④呼吸器疾患の病態に関する基礎知識
⑤活動レベルの分類
⑥代表的な呼吸器疾患
⑦検査データ
⑧投薬への注意
⑨在宅酸素療法(HOT)
⑩作業療法評価
⑪身体機能評価
⑫認知・心理機能の評価
⑬ADL・IADL評価
⑭廃用症候群へのアプローチ
⑮ADL・IADL訓練
4 喀痰吸引 [髙島千敬]
①はじめに
②吸引を実施する前の基礎知識
③作業療法士が行う吸引
④吸引の実際
5 がん [髙島千敬]
①はじめに
②がん患者の治療
③がんによる障害の理解
④がん患者の心理
⑤がん患者へのリハビリテーションの分類
⑥がん患者への対応時のリスク管理
⑦主ながんの局在別の対応
⑧活動と参加の拡大への支援
6 家族の理解と介護 [長倉寿子]
①家族の理解・家族支援の目的
②家族・介護者の状況および対象者を支える力を知る
③家族ニーズ
④家族支援の実際
7 地域作業療法における職場運営と職場管理 [田村孝司]
①職場の管理と運営,経営
②職場の運営
8 リスク管理 [長倉寿子]
①リスク管理の方法
②イベント発生の予防
③急変対応
9 連携 [長倉寿子]
①地域における連携
②チームアプローチ
③地域における連携の課題
④地域づくりへの参画
10 MTDLP [三橋力也]
①生活行為向上マネジメントとは何か
②MTDLPのプロセスとシート
③MTDLPのポイント
11 地域包括支援 [阿部三知代]
①地域包括ケアシステムについて
②地域包括支援センターの役割について
③地域共生社会について
④地域支援の実践
⑤まとめ
12 就労移行支援,就労定着支援 [佐々木千恵美]
①障害者雇用を取り巻く制度やサービス
②地域における作業療法士の役割
事例集
①脳梗塞 [大村隼人]
②脳梗塞 [大村隼人]
③脳出血,脳梗塞 [岩波貴也]
④脳梗塞 [佐藤栄俊]
⑤第3腰痛圧迫骨折,右変形性膝関節症(右膝人工関節置換術)骨粗鬆症,両側関節捻挫 [宮本香織]
⑥身体障害,介護困難 [長井陽海,田村孝司]
⑦脳梗塞 [土居義典]
⑧高次脳機能障害 [佐々木千恵美]
⑨うつ病 [杉長 彬]
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能動学習や新しい実習形式への対応,試験対策を充実させたフルカラー紙面の改訂版!
作業療法学専門分野の講義用テキスト・シリーズ。これからの学生に役立つ内容を意識し,能動学習の手助けとなる課題の提示,新しい実習形式である「作業療法参加型臨床実習」への対策となるような解説を追加し,また国家試験対策を充実させ,さらに巻末付録として事例集も追加。
本巻では,改訂にあたって全体を精査して掲載情報をアップデートした上で,地域での小児ケアの内容を充実させ,また昨今注目を集める就労支援について追加を行った。