PCIのための虚血評価
非侵襲的虚血評価
スタンダードマニュアル
定価 8,250円(税込) (本体7,500円+税)
- B5判 340ページ オールカラー,写真200点
- 2020年3月12日刊行
- ISBN978-4-7583-1965-2
電子版
序文
Appropriate Choice of Diagnostic Modalities
COURAGE研究によって,冠血行再建術と至適内科療法の間に治療後の心血管イベント(心筋梗塞を含む複合イベント)に差がないのではないかという問題提起がなされた。Hachamovitchらの研究により,虚血心筋量がおよそ左室の10%を越えると血行再建術が内科療法の効果を上回るとされ,さらにCOURAGE研究のNuclear sub-studyからも5% 以上の虚血心筋量の低減が患者予後改善に繋がると報告された。一方,ORBITA試験においては1枝有意狭窄冠動脈病変についてのPCI群と偽PCI群における術後運動耐容能には差がなかった。
虚血心筋量と治療法の選択に関しての最近の話題は,2019年のAHAにて発表されたISCHEMIA研究であろう。まだ論文化はなされていないが,その結果は,中等度以上である左室10%以上の虚血心筋量が証明されている群においても,最適な内科療法と血行再建術群(74%がPCI治療)の間で心血管イベント(心血管死,心筋梗塞,不安定狭心症での入院,心不全または蘇生された心停止)に差がなかったというものである。
また2019年,欧州心臓病学会が慢性冠症候群(CCS)診療ガイドラインを策定し,CCS診断の第一歩に運動負荷試験をとばして冠動脈造影CT検査を用いることも提案された。
これらの話題も含めて,PCI前に虚血の証明や定量化をいかに適切に,非侵襲的に行うかにターゲットをあてた本書では,心電図,心エコー図,CT,MRI,シンチグラムと多くのモダリティによる最新の虚血評価法をエキスパート医師の協力を得て編纂した。
本書は,田中信大先生編集による『PCIのための虚血評価 FFRスタンダードマニュアル』の姉妹本として企画されたが,ともすればPCI適応の判断に用いられ易い肉眼的冠動脈狭窄度ではなく,いかに「虚血心筋」を評価するかがターゲットになっている。そのため,これまで虚血証明に標準的に用いられてきた負荷心筋シンチグラム検査に加え,各種診断モダリティの長所,短所,ハードウェアの進化等について知識を整理・発展させ,検査を実践したい初学者を含む読者の期待に応えるものになっていると確信する。
本書の上梓により,少しでも虚血性心疾患患者さんのQOLと長期予後の改善に寄与できるとすればこの上ない喜びである。
2020年2月
日本大学病院循環器内科教授
松本直也
---------------------------------------
『FFRスタンダードマニュアル』を発刊して1年が経った今考えることがある。ʻFFRはスタンダードʼなのか? 虚血評価法としてはʻ何がスタンダードʼなのか? そもそもʻスタンダードʼとは何か?
欧州心臓病学会の慢性冠症候群(CCS)診療ガイドライン(2019年版)において,FFRを計測することは,さまざまな臨床シナリオにおいて必須の診療手技であり,いつでもFFRを計測できるような環境を整えておくことは施設としての重要な(最低限の)要件である,と記されている。日本はどうであろうか? 津々浦々,PCI施行施設において,FFR計測が行われているのだろうか? 正しく計測されているのだろうか? FFRに基づいた臨床判断に迷いはないのだろうか?
FFRガイドPCIにおいて,ときにdefer症例からイベントが発生する。患者リスクの最も大きな因子は,病変の機能的重症度,すなわちFFR が表していることは間違いない。Defer後の予後が良好であることは,多くのデータが示している。それでもdefer後にイベントが生じるのは,FFRが不十分なのか? 予測するために必要な追加情報はどのようにして得られるのか?
Ischemia trialを見て,ʻどうせ予後が変わらないならば,血行再建も意味ないし,虚血を評価すること自体意味がない?ʼと。本当にそうか? 虚血の有無だけではないことが証明された。虚血領域の広さだけでも足りない。今,非侵襲的虚血評価画像診断法に求められることは何か? 虚血の定量評価,とは虚血領域の広さと, あとどのような情報が必要なのか?
ʻ本当に皆FFRを信じているのか?ʼ
ʻ非侵襲的虚血評価を信じているのか?ʼ
『スタンダートマニュアル』では,すべての物事の真理・スタンダードを語っているわけではない。ʻスタンダードʼとは何なのか,FFR・非侵襲的画像診断法が,実臨床例の診断プロセスにおいてスタンダートとなるためには何が必要なのか? それらを考えるための書である。
すべての疑問に答えたい。そして新たな疑問を生み出し,次世代に繋ぎたい。それが本書,『スタンダードマニュアル』シリーズである。
2020年2月
東京医科大学八王子医療センター循環器内科教授
田中信大
COURAGE研究によって,冠血行再建術と至適内科療法の間に治療後の心血管イベント(心筋梗塞を含む複合イベント)に差がないのではないかという問題提起がなされた。Hachamovitchらの研究により,虚血心筋量がおよそ左室の10%を越えると血行再建術が内科療法の効果を上回るとされ,さらにCOURAGE研究のNuclear sub-studyからも5% 以上の虚血心筋量の低減が患者予後改善に繋がると報告された。一方,ORBITA試験においては1枝有意狭窄冠動脈病変についてのPCI群と偽PCI群における術後運動耐容能には差がなかった。
虚血心筋量と治療法の選択に関しての最近の話題は,2019年のAHAにて発表されたISCHEMIA研究であろう。まだ論文化はなされていないが,その結果は,中等度以上である左室10%以上の虚血心筋量が証明されている群においても,最適な内科療法と血行再建術群(74%がPCI治療)の間で心血管イベント(心血管死,心筋梗塞,不安定狭心症での入院,心不全または蘇生された心停止)に差がなかったというものである。
また2019年,欧州心臓病学会が慢性冠症候群(CCS)診療ガイドラインを策定し,CCS診断の第一歩に運動負荷試験をとばして冠動脈造影CT検査を用いることも提案された。
これらの話題も含めて,PCI前に虚血の証明や定量化をいかに適切に,非侵襲的に行うかにターゲットをあてた本書では,心電図,心エコー図,CT,MRI,シンチグラムと多くのモダリティによる最新の虚血評価法をエキスパート医師の協力を得て編纂した。
本書は,田中信大先生編集による『PCIのための虚血評価 FFRスタンダードマニュアル』の姉妹本として企画されたが,ともすればPCI適応の判断に用いられ易い肉眼的冠動脈狭窄度ではなく,いかに「虚血心筋」を評価するかがターゲットになっている。そのため,これまで虚血証明に標準的に用いられてきた負荷心筋シンチグラム検査に加え,各種診断モダリティの長所,短所,ハードウェアの進化等について知識を整理・発展させ,検査を実践したい初学者を含む読者の期待に応えるものになっていると確信する。
本書の上梓により,少しでも虚血性心疾患患者さんのQOLと長期予後の改善に寄与できるとすればこの上ない喜びである。
2020年2月
日本大学病院循環器内科教授
松本直也
---------------------------------------
『FFRスタンダードマニュアル』を発刊して1年が経った今考えることがある。ʻFFRはスタンダードʼなのか? 虚血評価法としてはʻ何がスタンダードʼなのか? そもそもʻスタンダードʼとは何か?
欧州心臓病学会の慢性冠症候群(CCS)診療ガイドライン(2019年版)において,FFRを計測することは,さまざまな臨床シナリオにおいて必須の診療手技であり,いつでもFFRを計測できるような環境を整えておくことは施設としての重要な(最低限の)要件である,と記されている。日本はどうであろうか? 津々浦々,PCI施行施設において,FFR計測が行われているのだろうか? 正しく計測されているのだろうか? FFRに基づいた臨床判断に迷いはないのだろうか?
FFRガイドPCIにおいて,ときにdefer症例からイベントが発生する。患者リスクの最も大きな因子は,病変の機能的重症度,すなわちFFR が表していることは間違いない。Defer後の予後が良好であることは,多くのデータが示している。それでもdefer後にイベントが生じるのは,FFRが不十分なのか? 予測するために必要な追加情報はどのようにして得られるのか?
Ischemia trialを見て,ʻどうせ予後が変わらないならば,血行再建も意味ないし,虚血を評価すること自体意味がない?ʼと。本当にそうか? 虚血の有無だけではないことが証明された。虚血領域の広さだけでも足りない。今,非侵襲的虚血評価画像診断法に求められることは何か? 虚血の定量評価,とは虚血領域の広さと, あとどのような情報が必要なのか?
ʻ本当に皆FFRを信じているのか?ʼ
ʻ非侵襲的虚血評価を信じているのか?ʼ
『スタンダートマニュアル』では,すべての物事の真理・スタンダードを語っているわけではない。ʻスタンダードʼとは何なのか,FFR・非侵襲的画像診断法が,実臨床例の診断プロセスにおいてスタンダートとなるためには何が必要なのか? それらを考えるための書である。
すべての疑問に答えたい。そして新たな疑問を生み出し,次世代に繋ぎたい。それが本書,『スタンダードマニュアル』シリーズである。
2020年2月
東京医科大学八王子医療センター循環器内科教授
田中信大
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目次
Ⅰ 基礎編 非侵襲的虚血評価を知る
■心筋シンチグラムを知る
PCIのための心筋シンチグラムのポイント 松本直也
心筋シンチグラム検査とは
シンチグラム検査の定量性
冠動脈狭窄と心筋シンチグラム
治療法の選択と虚血心筋量
安定型狭心症における内科療法の意義
心筋シンチグラムの検査概要 笠井督雄
核種の特徴
負荷法の特徴
プロトコル
心筋シンチグラムの特徴 依田俊一
SPECT 血流画像の視覚的定量評価
SPECT 血流画像の自動的定量評価
SPECT血流画像の虚血定量指標を用いたCAD患者の予後予測とリスク層別化
心電図同期シンチグラム 奥田光一,中嶋憲一
心電図同期および非同期シンチグラムについて
心電図同期SPECTの原理
心電図同期SPECTから得られる心機能指標
心機能指標を活用するために
J-ACCESSからみた心筋SPECTのエビデンス 中嶋憲一
多施設予後評価研究J-ACCESS
重症心事故の発生
冠動脈狭窄が既知の場合のSPECT検査の価値
正常心筋SPECTの価値
重症心事故と糖尿病および慢性腎臓病
血行再建における虚血の重要性
J-ACCESS Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ研究
J-ACCESS予後予測モデル
心臓専用半導体SPECT装置 松本直也
心臓専用半導体シンチグラム検査の原理と方法
D-SPECT による臨床画像
D-SPECTによる冠動脈疾患診断能
半導体検出器ガンマカメラによる心事故予後評価
99mTcと123Iによる心筋血流・代謝2核種同時撮像法
99mTcと201Tlによる心筋血流2核種同時撮像法
心筋ダイナミックパーフュージョン検査
コラム▶ 心筋血流予備能の概念(PET) 百瀬 満
13N-アンモニアPETイメージング
MFRの正常値と臨床的意義
コラム▶ 核医学検査の被ばく低減法 竹花一哉
若年者ではタリウムによる検査を避ける
Stress-only protocolを利用する
技術的な手法を用いた線量低減
コラム▶ 左室のセグメンテーション(17セグメント法)と冠動脈支配 松本直也
17セグメントスコアリングシステム
冠動脈の支配領域とシンチグラム画像の関連
■負荷心電図を知る
PCIのための負荷心電図のポイント 上嶋健治,桒原佳宏
運動負荷心電図の意義と限界
運動負荷心電図の実際
運動負荷心電図の評価と偽陽性を呈する病態
運動負荷試験中の不整脈
運動負荷心電図の評価不能例と判定不能例
運動負荷心電図の症候・徴候の評価
運動負荷心電図の結果の報告
運動負荷心電図の課題
運動負荷心電図の応用
負荷心電図の検査概要 川村一太
プロトコル
安全性
感度と特異度
適応,禁忌,負荷中止基準
負荷心電図の判読 川村一太
判定基準
ST 変化を検出する誘導
偽陽性
偽陰性
心拍数とST 変化(HR-STループ,HR-STスロープ)
重症度の評価
不整脈
運動誘発性冠攣縮
コラム▶ 虚血のカスケード(虚血の滝) 松本直也
■負荷心エコーを知る
PCIのための負荷心エコー法のポイント 平野 豊
負荷心エコーとは
運動負荷と薬物負荷心エコー
負荷心エコーの目的
負荷心エコーの実際
壁運動の評価
負荷心エコーで何がわかるのか
冠動脈狭窄診断のエビデンス
冠動脈血流の評価
ドブタミン負荷心エコーの目的
ドブタミン負荷心エコーの実際
心筋バイアビリティの評価
ドブタミン負荷の壁運動評価
予後の予測
問題点と今後への課題
その他の評価法
負荷心エコーによる冠血流予備能評価 大門雅夫
心エコーによる冠動脈描出
冠血流速度計測の実際
負荷心エコーによる最大冠血流速度計測
虚血の評価
コラム▶ 負荷心エコー法のエビデンス 大西俊成
心筋虚血診断における負荷心エコー法のエビデンス
壁運動評価による冠動脈疾患の診断
Post systolic shorteningの検出による冠動脈疾患の診断
今後のエビデンス
コラム▶ 負荷心エコーによる壁運動・心機能の定量評価 菊池祥平,瀬尾由広
慢性冠動脈疾患における負荷心エコーの役割
負荷心エコーの方法と評価法
■心臓CTを知る
PCIのための冠動脈CTのポイント 川口裕子,藤本進一郎
慢性冠動脈疾患診断における冠動脈CTの有用性
冠動脈CTにおける狭窄度評価
PCIの適応決定に対する機能的評価の重要性
PCIにおける冠動脈CTの役割
冠動脈CTの検査概要 桐山智成
心電図同期撮像の基礎的原理
撮像モードと機器の新しい展開
ヨード造影剤の投与法,撮像タイミングと前投薬
負荷パーフュージョン 吉田和樹,城戸輝仁
負荷心筋CTPとは
撮影方法と評価方法
心筋CTPの適応,冠動脈CTと心筋CTPの撮影順序
エビデンス
被ばく
当院での包括的心臓プロトコル
CTを用いた心筋血流評価の将来性
FFR-CTによる虚血診断とPCI 大竹寛雅
CTを用いたFFR測定法
FFR-CTの診断性能に関する臨床試験
診断,治療方針,費用,QOLに対するFFRCT の影響
CAG,血行再建術に対する信頼性の高いゲートキーパーとしてのFFRCT
侵襲的FFR を省いたPCIに関する適切な意思決定
びまん性狭窄に対するFFR–CTの有用性
心臓CTのエビデンスを知る 福嶋善光
冠動脈CT
FFR-CT
CTパーフュージョン
■心臓MRIを知る
PCIのためのMRA 三浦弘之,野口暉夫
MRAによる冠動脈の形態評価
MRIによる冠動脈プラークイメージング法
コラム▶ PCIのための負荷パーフュージョンMRI 鈴木康之
Ⅱ 実践編 非侵襲的虚血評価をどう使い分けるか
■総論
各虚血評価法の使い分けを知る:負荷心電図,エコー,CT,シンチ,MRIの選択法 松本直也
検査前確率の概念
ベイズの定理
慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)による各種検査使い分け
CT 冠動脈造影と負荷心筋血流イメージング検査
ESC慢性冠動脈診断マネジメントガイドラインとの比較
■心筋シンチグラム
心筋シンチグラム:冠動脈枝別の虚血心筋のパターン 鈴木康之
左前下行枝(LAD)領域
対角枝(diagonal)領域
右冠動脈(RCA)/後下行枝(4PD)領域
鈍縁枝(OM)/高位側壁枝領域(Ramus artery/HL)
後側壁枝(PL)/4PL
心筋シンチグラムのピットフォール 井口信雄
重症虚血症例にみられる注目すべき副次所見
重症虚血の際に留意すべきこと
負荷前後に注意すべき点など
血行再建術後にみられる注目すべき所見
陳旧性心筋梗塞症における心筋バイアビリティ評価 桐山智成
再灌流療法の適応決定における心筋バイアビリティ評価
安静時心筋血流イメージングを用いた心筋バイアビリティ評価
心筋バイアビリティにおける冬眠心筋と気絶心筋
123I-BMIPP心筋脂肪酸代謝イメージングを用いたバイアビリティ評価
18F-FDG PETを用いた心筋バイアビリティ評価
心筋シンチグラム:アーチファクトの見分け方 岡野奈々美,松成一朗
アーチファクトの種類
体動アーチファクト
減衰アーチファクト
心外高集積によるアーチファクト
カウント不足によるアーチファクト
左脚ブロック・人工ペースメーカによるアーチファクト
開胸術後の中隔奇異性運動様所見
コラム▶ 冠動脈カルシウムスコアと心筋シンチグラムとPCI 鈴木康之
コラム▶ シンチグラムにおける報告書の書き方 依田俊一
愛される報告書に求められる条件
レポーティングに記載すべき内容:患者情報
血流情報
心機能情報
心筋SPECT診断
コラム▶ 虚血のメモリーイメージング 谷口泰代
心筋のエネルギー代謝
虚血心での臨床応用
BMIPP活用症例
コラム▶ Functional SYNTAXスコアとは 川瀬世史明
SYNergy between PCI with TAXus and Cardiac Surgery(SYNTAX)スコア
Functional SYNTAXスコア
症例
コラム▶ 心筋シンチグラム画像を理解するためのソフトウェア 鈴木馨子,福島賢慈
■負荷心電図
負荷心電図が特に有用な患者群と症例(ガイドラインを含めて) 佐藤 明
PCIの治療適応と負荷心電図
負荷心電図を行うことが適切な患者群
負荷心電図のピットフォール 竹花一哉
運動負荷検査の適応と禁忌
Dukeトレッドミルスコアの利用
10METsの意義
何のための負荷検査なのか?:症候限界性運動負荷検査の意味するもの
■負荷心エコー
負荷心エコー法が特に有用な患者群と症例 町野智子,石津智子
運動負荷心エコーが特に有用な患者群
薬剤負荷心エコーが特に有用な患者群
コラム▶ 負荷心エコー法のピットフォールと成功のコツ:PCIに至るまでに
どのように負荷心エコーを利用するか(DSE) 坂田好美
冠動脈疾患における負荷心エコーの有用性
ドブタミン負荷心エコー(DSE)の有用性
準備
プロトコル
画像
評価法
禁忌
コラム▶ 負荷心エコー法のピットフォールと成功のコツ:PCIに至るまでにどのように負荷心エコーを利用するか(運動負荷) 長谷川宏子,渡辺弘之
検査前の準備
実際の検査の様子
検査結果の判定
陳旧性心筋梗塞症における心筋バイアビリティ評価 岩倉克臣
心筋バイアビリティ評価の意義
心エコーによる心筋バイアビリティの評価法
ドブタミン負荷エコーの準備
ドブタミン負荷エコーの実際
心筋バイアビリティの評価
低用量ドブタミン負荷エコーの診断精度
コラム▶ 負荷心エコー法の弁膜症症例に対する応用 出雲昌樹
大動脈弁狭窄症(AS)
僧帽弁閉鎖不全症(MR)
■心臓CT
冠動脈CTが特に有用な患者群と症例:中等度検査前確率群におけるCTの有用性(ACSの予測を含めて) 元山貞子
安定胸痛における冠動脈CTの適応
安定胸痛患者の冠動脈病変の評価
胸痛患者での冠動脈石灰化
急性胸痛患者における冠動脈CTの適応
冠動脈CTのピットフォールと成功のコツ:PCIに至るまでにどのように冠動脈CTを利用するか 近藤 武,今井俊輔,梶浦 涼,松尾仁司
モーションアーチファクト
前処置
冠動脈石灰化
FFR-CTの原理とエビデンス
FFR-CTの問題点
FFR-CTの適正使用指針
冠動脈CTをどう利用するか
冠動脈CTと心筋シンチグラムのフュージョンイメージング 川﨑友裕
冠動脈CTと負荷心筋シンチグラムのフュージョンイメージングへの期待
フュージョンイメージングによる診断のコンセプトとその有用性
Ⅲ 症例解説 知っておきたい まれな症例
症例解説 PCIせず至適内科療法が奏功した例 笠間 周
症例解説 心筋バイアビリティなしと評価された症例に対するPCI 七里 守
症例解説 心筋バイアビリティ評価にPET検査が有用だった例 百瀬 満
症例解説 D-SPECTとMFR 木曽啓祐
症例解説 Invasive FFRとシンチグラムの不一致例の解釈 石黒まや,井口信雄
症例解説 冠動脈バイパスグラフトが開存しているにもかかわらず負荷シンチグラムで心筋虚血が認められた症例 塩野泰紹,赤阪隆史
症例解説 CT-FFRでは診断が困難な有意狭窄病変 管家鉄平,華岡慶一
症例解説 COPD,気管支喘息合併例での心筋虚血の評価 山田 聡
症例解説 ドブタミン負荷心筋シンチグラムが有用だった症例 笠井督雄
Ⅳ ガイドライン概説
慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)概説 玉木長良
■心筋シンチグラムを知る
PCIのための心筋シンチグラムのポイント 松本直也
心筋シンチグラム検査とは
シンチグラム検査の定量性
冠動脈狭窄と心筋シンチグラム
治療法の選択と虚血心筋量
安定型狭心症における内科療法の意義
心筋シンチグラムの検査概要 笠井督雄
核種の特徴
負荷法の特徴
プロトコル
心筋シンチグラムの特徴 依田俊一
SPECT 血流画像の視覚的定量評価
SPECT 血流画像の自動的定量評価
SPECT血流画像の虚血定量指標を用いたCAD患者の予後予測とリスク層別化
心電図同期シンチグラム 奥田光一,中嶋憲一
心電図同期および非同期シンチグラムについて
心電図同期SPECTの原理
心電図同期SPECTから得られる心機能指標
心機能指標を活用するために
J-ACCESSからみた心筋SPECTのエビデンス 中嶋憲一
多施設予後評価研究J-ACCESS
重症心事故の発生
冠動脈狭窄が既知の場合のSPECT検査の価値
正常心筋SPECTの価値
重症心事故と糖尿病および慢性腎臓病
血行再建における虚血の重要性
J-ACCESS Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ研究
J-ACCESS予後予測モデル
心臓専用半導体SPECT装置 松本直也
心臓専用半導体シンチグラム検査の原理と方法
D-SPECT による臨床画像
D-SPECTによる冠動脈疾患診断能
半導体検出器ガンマカメラによる心事故予後評価
99mTcと123Iによる心筋血流・代謝2核種同時撮像法
99mTcと201Tlによる心筋血流2核種同時撮像法
心筋ダイナミックパーフュージョン検査
コラム▶ 心筋血流予備能の概念(PET) 百瀬 満
13N-アンモニアPETイメージング
MFRの正常値と臨床的意義
コラム▶ 核医学検査の被ばく低減法 竹花一哉
若年者ではタリウムによる検査を避ける
Stress-only protocolを利用する
技術的な手法を用いた線量低減
コラム▶ 左室のセグメンテーション(17セグメント法)と冠動脈支配 松本直也
17セグメントスコアリングシステム
冠動脈の支配領域とシンチグラム画像の関連
■負荷心電図を知る
PCIのための負荷心電図のポイント 上嶋健治,桒原佳宏
運動負荷心電図の意義と限界
運動負荷心電図の実際
運動負荷心電図の評価と偽陽性を呈する病態
運動負荷試験中の不整脈
運動負荷心電図の評価不能例と判定不能例
運動負荷心電図の症候・徴候の評価
運動負荷心電図の結果の報告
運動負荷心電図の課題
運動負荷心電図の応用
負荷心電図の検査概要 川村一太
プロトコル
安全性
感度と特異度
適応,禁忌,負荷中止基準
負荷心電図の判読 川村一太
判定基準
ST 変化を検出する誘導
偽陽性
偽陰性
心拍数とST 変化(HR-STループ,HR-STスロープ)
重症度の評価
不整脈
運動誘発性冠攣縮
コラム▶ 虚血のカスケード(虚血の滝) 松本直也
■負荷心エコーを知る
PCIのための負荷心エコー法のポイント 平野 豊
負荷心エコーとは
運動負荷と薬物負荷心エコー
負荷心エコーの目的
負荷心エコーの実際
壁運動の評価
負荷心エコーで何がわかるのか
冠動脈狭窄診断のエビデンス
冠動脈血流の評価
ドブタミン負荷心エコーの目的
ドブタミン負荷心エコーの実際
心筋バイアビリティの評価
ドブタミン負荷の壁運動評価
予後の予測
問題点と今後への課題
その他の評価法
負荷心エコーによる冠血流予備能評価 大門雅夫
心エコーによる冠動脈描出
冠血流速度計測の実際
負荷心エコーによる最大冠血流速度計測
虚血の評価
コラム▶ 負荷心エコー法のエビデンス 大西俊成
心筋虚血診断における負荷心エコー法のエビデンス
壁運動評価による冠動脈疾患の診断
Post systolic shorteningの検出による冠動脈疾患の診断
今後のエビデンス
コラム▶ 負荷心エコーによる壁運動・心機能の定量評価 菊池祥平,瀬尾由広
慢性冠動脈疾患における負荷心エコーの役割
負荷心エコーの方法と評価法
■心臓CTを知る
PCIのための冠動脈CTのポイント 川口裕子,藤本進一郎
慢性冠動脈疾患診断における冠動脈CTの有用性
冠動脈CTにおける狭窄度評価
PCIの適応決定に対する機能的評価の重要性
PCIにおける冠動脈CTの役割
冠動脈CTの検査概要 桐山智成
心電図同期撮像の基礎的原理
撮像モードと機器の新しい展開
ヨード造影剤の投与法,撮像タイミングと前投薬
負荷パーフュージョン 吉田和樹,城戸輝仁
負荷心筋CTPとは
撮影方法と評価方法
心筋CTPの適応,冠動脈CTと心筋CTPの撮影順序
エビデンス
被ばく
当院での包括的心臓プロトコル
CTを用いた心筋血流評価の将来性
FFR-CTによる虚血診断とPCI 大竹寛雅
CTを用いたFFR測定法
FFR-CTの診断性能に関する臨床試験
診断,治療方針,費用,QOLに対するFFRCT の影響
CAG,血行再建術に対する信頼性の高いゲートキーパーとしてのFFRCT
侵襲的FFR を省いたPCIに関する適切な意思決定
びまん性狭窄に対するFFR–CTの有用性
心臓CTのエビデンスを知る 福嶋善光
冠動脈CT
FFR-CT
CTパーフュージョン
■心臓MRIを知る
PCIのためのMRA 三浦弘之,野口暉夫
MRAによる冠動脈の形態評価
MRIによる冠動脈プラークイメージング法
コラム▶ PCIのための負荷パーフュージョンMRI 鈴木康之
Ⅱ 実践編 非侵襲的虚血評価をどう使い分けるか
■総論
各虚血評価法の使い分けを知る:負荷心電図,エコー,CT,シンチ,MRIの選択法 松本直也
検査前確率の概念
ベイズの定理
慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)による各種検査使い分け
CT 冠動脈造影と負荷心筋血流イメージング検査
ESC慢性冠動脈診断マネジメントガイドラインとの比較
■心筋シンチグラム
心筋シンチグラム:冠動脈枝別の虚血心筋のパターン 鈴木康之
左前下行枝(LAD)領域
対角枝(diagonal)領域
右冠動脈(RCA)/後下行枝(4PD)領域
鈍縁枝(OM)/高位側壁枝領域(Ramus artery/HL)
後側壁枝(PL)/4PL
心筋シンチグラムのピットフォール 井口信雄
重症虚血症例にみられる注目すべき副次所見
重症虚血の際に留意すべきこと
負荷前後に注意すべき点など
血行再建術後にみられる注目すべき所見
陳旧性心筋梗塞症における心筋バイアビリティ評価 桐山智成
再灌流療法の適応決定における心筋バイアビリティ評価
安静時心筋血流イメージングを用いた心筋バイアビリティ評価
心筋バイアビリティにおける冬眠心筋と気絶心筋
123I-BMIPP心筋脂肪酸代謝イメージングを用いたバイアビリティ評価
18F-FDG PETを用いた心筋バイアビリティ評価
心筋シンチグラム:アーチファクトの見分け方 岡野奈々美,松成一朗
アーチファクトの種類
体動アーチファクト
減衰アーチファクト
心外高集積によるアーチファクト
カウント不足によるアーチファクト
左脚ブロック・人工ペースメーカによるアーチファクト
開胸術後の中隔奇異性運動様所見
コラム▶ 冠動脈カルシウムスコアと心筋シンチグラムとPCI 鈴木康之
コラム▶ シンチグラムにおける報告書の書き方 依田俊一
愛される報告書に求められる条件
レポーティングに記載すべき内容:患者情報
血流情報
心機能情報
心筋SPECT診断
コラム▶ 虚血のメモリーイメージング 谷口泰代
心筋のエネルギー代謝
虚血心での臨床応用
BMIPP活用症例
コラム▶ Functional SYNTAXスコアとは 川瀬世史明
SYNergy between PCI with TAXus and Cardiac Surgery(SYNTAX)スコア
Functional SYNTAXスコア
症例
コラム▶ 心筋シンチグラム画像を理解するためのソフトウェア 鈴木馨子,福島賢慈
■負荷心電図
負荷心電図が特に有用な患者群と症例(ガイドラインを含めて) 佐藤 明
PCIの治療適応と負荷心電図
負荷心電図を行うことが適切な患者群
負荷心電図のピットフォール 竹花一哉
運動負荷検査の適応と禁忌
Dukeトレッドミルスコアの利用
10METsの意義
何のための負荷検査なのか?:症候限界性運動負荷検査の意味するもの
■負荷心エコー
負荷心エコー法が特に有用な患者群と症例 町野智子,石津智子
運動負荷心エコーが特に有用な患者群
薬剤負荷心エコーが特に有用な患者群
コラム▶ 負荷心エコー法のピットフォールと成功のコツ:PCIに至るまでに
どのように負荷心エコーを利用するか(DSE) 坂田好美
冠動脈疾患における負荷心エコーの有用性
ドブタミン負荷心エコー(DSE)の有用性
準備
プロトコル
画像
評価法
禁忌
コラム▶ 負荷心エコー法のピットフォールと成功のコツ:PCIに至るまでにどのように負荷心エコーを利用するか(運動負荷) 長谷川宏子,渡辺弘之
検査前の準備
実際の検査の様子
検査結果の判定
陳旧性心筋梗塞症における心筋バイアビリティ評価 岩倉克臣
心筋バイアビリティ評価の意義
心エコーによる心筋バイアビリティの評価法
ドブタミン負荷エコーの準備
ドブタミン負荷エコーの実際
心筋バイアビリティの評価
低用量ドブタミン負荷エコーの診断精度
コラム▶ 負荷心エコー法の弁膜症症例に対する応用 出雲昌樹
大動脈弁狭窄症(AS)
僧帽弁閉鎖不全症(MR)
■心臓CT
冠動脈CTが特に有用な患者群と症例:中等度検査前確率群におけるCTの有用性(ACSの予測を含めて) 元山貞子
安定胸痛における冠動脈CTの適応
安定胸痛患者の冠動脈病変の評価
胸痛患者での冠動脈石灰化
急性胸痛患者における冠動脈CTの適応
冠動脈CTのピットフォールと成功のコツ:PCIに至るまでにどのように冠動脈CTを利用するか 近藤 武,今井俊輔,梶浦 涼,松尾仁司
モーションアーチファクト
前処置
冠動脈石灰化
FFR-CTの原理とエビデンス
FFR-CTの問題点
FFR-CTの適正使用指針
冠動脈CTをどう利用するか
冠動脈CTと心筋シンチグラムのフュージョンイメージング 川﨑友裕
冠動脈CTと負荷心筋シンチグラムのフュージョンイメージングへの期待
フュージョンイメージングによる診断のコンセプトとその有用性
Ⅲ 症例解説 知っておきたい まれな症例
症例解説 PCIせず至適内科療法が奏功した例 笠間 周
症例解説 心筋バイアビリティなしと評価された症例に対するPCI 七里 守
症例解説 心筋バイアビリティ評価にPET検査が有用だった例 百瀬 満
症例解説 D-SPECTとMFR 木曽啓祐
症例解説 Invasive FFRとシンチグラムの不一致例の解釈 石黒まや,井口信雄
症例解説 冠動脈バイパスグラフトが開存しているにもかかわらず負荷シンチグラムで心筋虚血が認められた症例 塩野泰紹,赤阪隆史
症例解説 CT-FFRでは診断が困難な有意狭窄病変 管家鉄平,華岡慶一
症例解説 COPD,気管支喘息合併例での心筋虚血の評価 山田 聡
症例解説 ドブタミン負荷心筋シンチグラムが有用だった症例 笠井督雄
Ⅳ ガイドライン概説
慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)概説 玉木長良
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非侵襲的虚血評価のすべてがわかる,慢性冠動脈疾患の治療のためのPCI術者必携の一冊!
PCIの適応が考えられる病変(慢性冠動脈疾患)に対する非侵襲的虚血評価法を1冊にまとめた書籍。各々の検査法を解説するだけでなく,モダリティごとのさまざまな違いをPCIによる治療にどう活かし使い分けをするか(虚血評価をマルチモダリティでどう行うか)を実践的に解説。また,2019年3月に改訂された慢性冠動脈疾患診断ガイドラインの概説も掲載。
「基礎編」では,各モダリティの概要と特徴,ポイント,エビデンスを解説。「実践編」では各モダリティの実践的な使い分けを主要な症例を挙げて解説。さらに「症例解説」では,臨床の場で遭遇する知っておきたい稀な症例を取り上げ,より実践で役立つ内容としている。