目で見る臨床検査

目で見る臨床検査

■編集 芝 紀代子
川良 徳弘

定価 5,720円(税込) (本体5,200円+税)
  • B5変型判  288ページ  オールカラー,イラスト100点,写真500点
  • 2014年12月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-1683-5

オールカラー写真とイラストでよくわかる! 臨床検査の基礎/方法/結果を目で見て理解!

検査値の読み取りや色による検査結果の判別など「目で見て判断する」臨床検査について,基礎知識,各検査手順,正常像/異常像など各検査のポイントを,オールカラーで豊富な写真とイラストを中心に解説。国家試験科目に準じた全9章で構成しているので,学内試験や国試対策にも最適な内容になっている。また,掲載する内容は近年の国家試験に出題された画像問題を目安として,臨床現場で必要とされる知識もふんだんに盛り込んでいるので,臨地実習や臨床現場でも活用でき,幅広く使える1冊である。


序文

 臨床検査技師教育で学ぶ科目は膨大なもので,その全てを教科書から読み解き解釈するのは大変であるとの考えから,2007年から順次『臨床検査技師ブルー・ノート』『イエロー・ノート』『グリーン・ノート』『ポケットレビュー帳』『先手必勝!弱点克服完全ガイド』を編集してきました。おかげさまで多くの方に愛用していただくことができ『ブルー/ イエロー/ グリーン・ノート』『先手必勝〜』については改訂版を刊行することができました。これで完結と考えておりましたところ,本学大学院生の改田直樹君,山岸博実君から今までのシリーズに足してほしいのは,画像を中心の本であるとの意見をいただきました。確かに臨床検査技師が行う検査(心電図・筋電図の読み取り,微生物の判別,尿沈渣や血液検査,各種染色検査における色による鑑別など)の多くは「目で見る」ことで結果を判別する検査です。これまでに編集した書籍でもこのような検査について解説しておりますが,特別画像解説に重点は置いていませんでした。そこで,臨床検査技師が行う検査のなかから「目で見る」検査全般について,豊富な臨床写真を掲載し検査時のポイントを解説する,画像解説に特化した書籍を企画しました。上記に挙げた既刊の臨床検査技師向け参考書とあわせて活用することも踏まえ,過去6 年分の国家試験内容をベースとして,臨地実習対策に必要な内容を補う構成にまとめました。国試対策・臨地実習対策に必要となる内容について幅広くカバーできるサブテキストだと確信しております。また,就職後も手元に置いて,常に知識の確認に使ってほしいと願っております。
 刊行に当たり,本書の編集にご協力くださったメジカルビュー社スタッフの方々に深く感謝します。

2014年12月
文京学院大学名誉教授 芝 紀代子
文京学院大学教授   川良徳弘 
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目次

1 章 臨床生理学  
 1 循環系の検査:心電図 
  ①ST上昇
  ②ST低下
  ③基線の平坦部分の消失
  ④QRS電気軸
  ⑤ポーズ
  ⑥頻拍
  ⑦幅広いQRS群
  ⑧QT時間
  ⑨異常Q波
  ⑩正常パタン
 2 呼吸系の検査 
  ①スパイログラムと肺気量分画
  ②フローボリューム曲線
  ③換気機能障害の分類
  ④機能的残気量測定
  ⑤肺拡散能力測定
  ⑥ヘモグロビン酸素解離曲線
  ⑦パルスオキシメータ
  ⑧動脈血ガス分析
  ⑨終夜睡眠ポリグラフィ
 3 神経系の検査:脳波 
  ①周波数
  ②導出法・モンタージュと読み方
  ③アーチファクト
  ④基礎波と睡眠時脳波
  ⑤その他の賦活脳波
  ⑥異常波(てんかん)
  ⑦誘発電位
 4 運動系の検査:筋電図 
  ①筋電図の基礎
  ②異常筋電図
  ③末梢神経伝導検査
  ④その他の誘発筋電図
  ⑤末梢神経伝導検査・誘発筋電図の異常所見
 5 感覚系の検査:眼底 
  ①眼底検査に必要な基礎知識
  ②眼底検査の実際
 6 超音波 
  ①心臓疾患(狭窄性弁膜症)
  ②心臓疾患(逆流性弁膜症)
  ③心臓疾患(短絡疾患)
  ④頸動脈
  ⑤超音波検査:肝臓
  ⑥胆嚢
 7 MRI 
  ①MRI検査の原理
  ②MRI検査法
  ③さまざまなMRI撮像方法
  ④検査施行時の注意点
2 章 臨床検査総論  
 1検査総合管理学 
  ①安全管理(医療ガス,薬品)
  ②安全管理(感染性医療廃棄物)
  ③精度管理学
  ④検査情報の活用
 2 生物化学分析検査学(1)尿沈渣検査 
  ①尿沈渣検査
  ②標本作製法と鏡検法
  ③非上皮細胞類
  ④上皮細胞類,異型細胞類
  ⑤円柱類
  ⑥塩類・結晶類
 3 生物化学分析検査学(2)脳脊髄液検査 
  ①脳脊髄液とは
  ②疾患による特徴
 4 生物化学分析検査学(3)喀痰検査 
 5 形態検査学(医動物)(1)蠕虫類 
 6 形態検査学(医動物)(2)原虫類 
 7 形態検査学(医動物)(3)衛生動物 
 8 形態検査学(医動物)(4)寄生虫検査法と検査結果の評価 
3 章 臨床化学  
 1 生物化学 
  ①細胞の構造と働き
  ②生命現象の維持
  ③生物化学分析法:分光光度法
  ④検査法の測定体系・標準化
 2 脂質 
  ①消化吸収と代謝
  ②WHOの脂質異常症分類
  ③脂質異常症スクリーニングのための診断基準(空腹時採血)
  ④ケトン体の生成
 3 蛋白質 
  ①蛋白質の構造
  ②蛋白質の消化吸収と代謝
  ③アンモニアの生成と尿素回路(オルニチン回路)
  ④血清(血漿)蛋白質の検査
  ⑤蛋白分画の検査
 4 酵素の検査 
  ①酵素の反応速度論
  ②酵素活性の測定
  ③臨床検査での酵素測定法(JSCC勧告法)
  ④アイソザイム(1)LDアイソザイム
  ⑤アイソザイム(2)ALPアイソザイム
  ⑥アイソザイム(3)CKアイソザイム
  ⑦アイソザイム(4)アミラーゼ(Amy)アイソザイム
 5 疾患マーカー 
  ①心不全マーカー
  ②心筋マーカー
  ③肺疾患マーカー
  ④腎疾患マーカー
  ⑤感染症マーカー
4章 医用工学概論  
 1 医用電子回路 
  ①電気回路(直列回路,並列回路,直並列回路)
  ②電気回路(CR回路,RC回路)
  ③信号波の変調
  ④論理演算
  ⑤JISで定義されている医用機器や医療情報処理で用いられる記号
 2 測光装置 
  ①光の性質
  ②分光光度計
5章 臨床検査医学総論  
 1 血液・造血器疾患と検査 
 2 神経・運動器疾患と検査 
  ①神経疾患の種類
  ②各検査と神経疾患の関連
6章 病理組織細胞学  
 1 病理学(1)細胞と組織 
 2 病理学(2)退行性病変・進行性病変・循環障害 
 3 病理学(3)腫瘍 
 4 形態検査学(1)病理組織標本作製法①固定,脱灰法,包埋 
 5 形態検査学(2)病理組織標本作製法②薄切,凍結切片標本作製法 
 6 形態検査学(3)病理組織染色法①染色理論・一般染色法 
 7 形態検査学(4)病理組織染色法②特殊染色法 
  ①結合組織染色
  ②多糖類の染色法,病原体の染色法
  ③神経組織の染色法
  ④病原体の染色法,その他の染色法
 8 形態検査学(5)病理組織染色法③組織化学染色法 
 9 形態検査学(6)電子顕微鏡標本作製法 
 10 形態検査学(7)細胞学的検査法 
  ①検体採取法
  ②標本作製法
  ③染色法
7章 臨床血液学  
 1 血液の基礎 
 2 血球(1)赤血球 
 3 血球(2)白血球 
 4 染色体検査 
  ①染色体の構造と機能
  ②染色体の検査法
  ③染色体異常
8章 臨床微生物学  
 1 微生物学(1)微生物の分類 
  ①微生物の分類
  ②主なグラム陽性・陰性菌
 2 微生物学(2)発育と培養 
 3 微生物学(3)滅菌と消毒 
 4 微生物学(4)化学療法 
  ①化学療法
  ②各種抗菌剤
 5 臨床微生物学(1)真菌 
 6 臨床微生物学(2)検査法,検査結果の評価 
9章 臨床免疫学  
 1 抗原抗体反応による分析法 
  ①抗原と抗体
  ②補体系
  ③抗原抗体反応による分析法(1)二重免疫拡散法(オクタロニー法)
  ④抗原抗体反応による分析法(2)ウェスタンブロット法(HIV確認試験)
 2 免疫機能検査(免疫電気泳動法) 
  ①抗核抗体検査(間接蛍光抗体法)
  ②免疫電気泳動法
 3 輸血と血液型検査 
  ①ABO血液型検査
  ②カラム凝集法
  ③Rh血液型検査
  ④不規則抗体検査
  ⑤交差適合試験
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