臨床検査技師イエロー・ノート
臨床血液学,臨床微生物学,臨床免疫学,公衆衛生学,医用工学概論
3rd edition
定価 7,480円(税込) (本体6,800円+税)
- B5判 456ページ 2色(一部カラー),イラスト163点,写真93点
- 2021年1月11日刊行
- ISBN978-4-7583-2028-3
序文
3rd edition 編集の序
『臨床検査技師 ブルー・ノート 基礎編』『臨床検査技師 イエロー・ノート 臨床編』が誕生したのは2007年9月である。2013年3月に改訂(2nd edition)を行いつつ,13年もの永きにわたって臨床検査技師養成校の学生にご愛用いただけたことは望外の喜びであり,国試対策本として広く認知していただいたと感じている。一方,近年の医学分野の発展に伴って,臨床検査分野を教える内容もかなり高度となり,診断・治療に役立つ臨床検査がますます重要視されるようになってきた。
このたび,新たに厚生労働省通達で「令和3年版臨床検査技師国家試験出題基準」が公表された。新しい出題基準に準拠した3rd editionを刊行するにあたり,どのような内容にするべきかと改めて考えた。2nd editionの刊行から8年近くが経過しているため,今までの内容に,新しい出題基準に沿って新たに加わった内容を盛り込むことはもちろんであるが,さらに勉強しやすい工夫ができないかと考えたのである。
2nd editionまでは,『ブルー・ノート』は基礎編,『イエロー・ノート』は臨床編という構成であった。しかしながら,国家試験の問題を改めて精査したところ,基礎編,臨床編と分冊するのは必ずしも現在の教育に成果を上げているとは思えず,むしろ1冊の本の中で科目ごとに基礎編・臨床編としたほうが,わかりやすいと判断した。
そこで3rd editionでは,章立てを完全にリニューアルして臨床検査技師国家試験の試験科目ごとにまとめ直した。全10科目のうち,本書『イエロー・ノート』には「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床免疫学」「公衆衛生学」「医用工学概論」の5科目,他方『ブルー・ノート』には,「臨床検査総論」「臨床検査医学総論」「臨床生理学」「臨床化学」「病理組織細胞学」の5科目が掲載されている。
また,これまでの『ブルー/イエロー・ノート』の紙面デザインにおける基本コンセプトや長所は踏襲されている。読者がページを開いた途端,この章で何を学べるのかがわかるように項目ごとに,“Essentials” を付け加えた。誌面は2色刷(一部カラー)とし,本文は短く平易な文章で書かれており,かつ大切な箇所は目立つように太字にしてあり,また写真やイラストを取り入れ,視覚的にも理解できるように工夫している。
本書は,臨床検査技師養成校の講義の予習・復習に使いやすく,役に立つサブノートである。ページによっては空白があるが,読者はそこに関連事項を書き込んでほしい。臨床検査技師国家試験を受験するときに,『ブルー・ノート』『イエロー・ノート』の2冊があれば準備万全となるようなサブノートに仕上げてほしいと願っている。また,就職した後も手元に置いて,常に知識の補給に使ってほしいと願っている。
刊行に当たり,本書の編集にご協力くださったメジカルビュー社の伊藤 彩氏に深く感謝いたします。
2020年12月
文京学院大学
芝 紀代子
『臨床検査技師 ブルー・ノート 基礎編』『臨床検査技師 イエロー・ノート 臨床編』が誕生したのは2007年9月である。2013年3月に改訂(2nd edition)を行いつつ,13年もの永きにわたって臨床検査技師養成校の学生にご愛用いただけたことは望外の喜びであり,国試対策本として広く認知していただいたと感じている。一方,近年の医学分野の発展に伴って,臨床検査分野を教える内容もかなり高度となり,診断・治療に役立つ臨床検査がますます重要視されるようになってきた。
このたび,新たに厚生労働省通達で「令和3年版臨床検査技師国家試験出題基準」が公表された。新しい出題基準に準拠した3rd editionを刊行するにあたり,どのような内容にするべきかと改めて考えた。2nd editionの刊行から8年近くが経過しているため,今までの内容に,新しい出題基準に沿って新たに加わった内容を盛り込むことはもちろんであるが,さらに勉強しやすい工夫ができないかと考えたのである。
2nd editionまでは,『ブルー・ノート』は基礎編,『イエロー・ノート』は臨床編という構成であった。しかしながら,国家試験の問題を改めて精査したところ,基礎編,臨床編と分冊するのは必ずしも現在の教育に成果を上げているとは思えず,むしろ1冊の本の中で科目ごとに基礎編・臨床編としたほうが,わかりやすいと判断した。
そこで3rd editionでは,章立てを完全にリニューアルして臨床検査技師国家試験の試験科目ごとにまとめ直した。全10科目のうち,本書『イエロー・ノート』には「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床免疫学」「公衆衛生学」「医用工学概論」の5科目,他方『ブルー・ノート』には,「臨床検査総論」「臨床検査医学総論」「臨床生理学」「臨床化学」「病理組織細胞学」の5科目が掲載されている。
また,これまでの『ブルー/イエロー・ノート』の紙面デザインにおける基本コンセプトや長所は踏襲されている。読者がページを開いた途端,この章で何を学べるのかがわかるように項目ごとに,“Essentials” を付け加えた。誌面は2色刷(一部カラー)とし,本文は短く平易な文章で書かれており,かつ大切な箇所は目立つように太字にしてあり,また写真やイラストを取り入れ,視覚的にも理解できるように工夫している。
本書は,臨床検査技師養成校の講義の予習・復習に使いやすく,役に立つサブノートである。ページによっては空白があるが,読者はそこに関連事項を書き込んでほしい。臨床検査技師国家試験を受験するときに,『ブルー・ノート』『イエロー・ノート』の2冊があれば準備万全となるようなサブノートに仕上げてほしいと願っている。また,就職した後も手元に置いて,常に知識の補給に使ってほしいと願っている。
刊行に当たり,本書の編集にご協力くださったメジカルビュー社の伊藤 彩氏に深く感謝いたします。
2020年12月
文京学院大学
芝 紀代子
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目次
1 章 臨床血液学
形態検査学,病因・生体防御検査学,人体の構造と機能
1 血液の基礎 【福田晃子】
2 血球 【福田晃子】
3 止血機構 【福田晃子】
4 凝固・線溶系 【福田晃子】
5 血球算定に関する検査 【三村邦裕】
6 血液細胞形態・細胞性免疫検査 【三村邦裕】
7 血栓・止血関連検査 【三村邦裕】
8 赤血球系疾患の検査結果の評価 【小池由佳子】
9 白血球系疾患の検査結果の評価 【小池由佳子】
10 造血器腫瘍の検査結果の評価① 【増田亜希子】
11 造血器腫瘍の検査結果の評価② 【堀江良一】
12 血栓・止血系疾患の検査結果の評価 【三村邦裕】
2章 臨床微生物学
医学検査の基礎と疾病との関連
1 分類 【眞野容子】
2 形態,構造および性状 【眞野容子】
3 染色法 【眞野容子】
4 発育と培養 【古谷信彦】
5 遺伝と変異 【古谷信彦】
6 滅菌と消毒 【眞野容子】
7 化学療法 【古谷信彦】
8 感染と発症 【古谷信彦】
病因・生体防御検査学
1 細菌学各論 【岡崎充宏】
2 真菌 【岡崎充宏】
3 ウイルス 【岡崎充宏】
4 プリオン 【岡崎充宏】
5 検査法 【岡崎充宏】
6 微生物検査結果の評価 【岡崎充宏】
3章 臨床免疫学
病因・生体防御検査学
1 生体防御の仕組み 【元藤陽子】
2 抗原抗体反応による分析法 【元藤陽子】
3 免疫と疾患のかかわり 【元藤陽子】
4 免疫検査の基礎知識と技術 【元藤陽子】
5 免疫機能検査 【元藤陽子】
6 輸血の基礎知識 【坊池義浩】
7 輸血検査 【坊池義浩】
8 輸血管理 【坊池義浩】
9 移植免疫と検査 【坊池義浩】
10 母児不適合妊娠 【坊池義浩】
4章 公衆衛生学
保健医療福祉と臨床検査
1 医学概論 【三村邦裕】
2 公衆衛生の意義 【川村 堅】
3 人口統計と健康水準 【川村 堅】
4 疫学 【久保田 亮】
5 環境と健康 【久保田 亮】
6 健康の保持増進 【川村 堅】
7 衛生行政 【川村 堅】
8 国際保健 【川村 堅】
9 関係法規 【川村 堅】
5章 医用工学概論
医療工学・情報科学
1 臨床検査と生体物性 【本間 達】
2 電気・電子工学の基礎 【本間 達】
3 医用工学回路 【本間 達】
4 生体情報の収集 【本間 達】
5 電気的安全対策 【本間 達】
6 情報科学の基礎 【松村 聡】
7 ハードウェア 【松村 聡】
8 ソフトウェア 【松村 聡】
9 コンピュータネットワーク 【松村 聡】
10 情報処理システム 【松村 聡】
11 医療情報システム 【松村 聡】
検査総合管理学
1 共通検査機器の原理・構造 【下村弘治】
形態検査学,病因・生体防御検査学,人体の構造と機能
1 血液の基礎 【福田晃子】
2 血球 【福田晃子】
3 止血機構 【福田晃子】
4 凝固・線溶系 【福田晃子】
5 血球算定に関する検査 【三村邦裕】
6 血液細胞形態・細胞性免疫検査 【三村邦裕】
7 血栓・止血関連検査 【三村邦裕】
8 赤血球系疾患の検査結果の評価 【小池由佳子】
9 白血球系疾患の検査結果の評価 【小池由佳子】
10 造血器腫瘍の検査結果の評価① 【増田亜希子】
11 造血器腫瘍の検査結果の評価② 【堀江良一】
12 血栓・止血系疾患の検査結果の評価 【三村邦裕】
2章 臨床微生物学
医学検査の基礎と疾病との関連
1 分類 【眞野容子】
2 形態,構造および性状 【眞野容子】
3 染色法 【眞野容子】
4 発育と培養 【古谷信彦】
5 遺伝と変異 【古谷信彦】
6 滅菌と消毒 【眞野容子】
7 化学療法 【古谷信彦】
8 感染と発症 【古谷信彦】
病因・生体防御検査学
1 細菌学各論 【岡崎充宏】
2 真菌 【岡崎充宏】
3 ウイルス 【岡崎充宏】
4 プリオン 【岡崎充宏】
5 検査法 【岡崎充宏】
6 微生物検査結果の評価 【岡崎充宏】
3章 臨床免疫学
病因・生体防御検査学
1 生体防御の仕組み 【元藤陽子】
2 抗原抗体反応による分析法 【元藤陽子】
3 免疫と疾患のかかわり 【元藤陽子】
4 免疫検査の基礎知識と技術 【元藤陽子】
5 免疫機能検査 【元藤陽子】
6 輸血の基礎知識 【坊池義浩】
7 輸血検査 【坊池義浩】
8 輸血管理 【坊池義浩】
9 移植免疫と検査 【坊池義浩】
10 母児不適合妊娠 【坊池義浩】
4章 公衆衛生学
保健医療福祉と臨床検査
1 医学概論 【三村邦裕】
2 公衆衛生の意義 【川村 堅】
3 人口統計と健康水準 【川村 堅】
4 疫学 【久保田 亮】
5 環境と健康 【久保田 亮】
6 健康の保持増進 【川村 堅】
7 衛生行政 【川村 堅】
8 国際保健 【川村 堅】
9 関係法規 【川村 堅】
5章 医用工学概論
医療工学・情報科学
1 臨床検査と生体物性 【本間 達】
2 電気・電子工学の基礎 【本間 達】
3 医用工学回路 【本間 達】
4 生体情報の収集 【本間 達】
5 電気的安全対策 【本間 達】
6 情報科学の基礎 【松村 聡】
7 ハードウェア 【松村 聡】
8 ソフトウェア 【松村 聡】
9 コンピュータネットワーク 【松村 聡】
10 情報処理システム 【松村 聡】
11 医療情報システム 【松村 聡】
検査総合管理学
1 共通検査機器の原理・構造 【下村弘治】
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令和3年版国家試験出題基準に準拠。自分だけの国試対策ノートを完成させよう!
ご好評いただいた『イエロー・ノート』『ブルー・ノート』が,令和3年版臨床検査技師国家試験出題基準に準拠した国家試験科目別の構成に完全リニューアル。本巻には「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床免疫学」「公衆衛生学」「医用工学概論」の5科目を収載。
各項目の冒頭で要点を「Essentials」としてまとめ,本文は箇条書きで重要箇所は太字にて記載。図表も多く掲載し,また専門用語の解説や略語とフルスペル,補足記事を左欄外に掲載。国試で出題された内容や出題傾向,おさえておくべきポイントなどを「One point Advice」として記載。