網膜診療クローズアップ
改訂第2版
定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
- B5変型判 368ページ オールカラー,写真800点
- 2018年3月17日刊行
- ISBN978-4-7583-1634-7
電子版
序文
改訂第2版 序文
『網膜診療クローズアップ』は,網膜疾患にたずさわるすべての医療従事者に向けて,基本となる知識から最新情報を網羅的に解説するように執筆し2013年に上梓しました。その初版からすでに5年が経過しようとしております。
この5年の間,眼底画像検査の進歩は著しく,超広角眼底検査やOCTアンギオグラフィーなども一般的な眼底検査となってきました。また,新たな薬剤,手術について,数多くの臨床試験がなされ,治療に関しても考え方が少し変わってきた疾患もあります。
今回の改訂では,まず検査については最新検査について追加項目を加え詳細に記載しました。さらに疾患の項目では新たな項目を設けて,比較的新しい疾患概念についても述べました。治療方針についても新たなエビデンスをもとにした最新のものに変更しました。いくつかの疾患では診断基準も変わりましたので最新のものに変更してあります。また,眼底疾患の診療で大切な事項の一つは画像検査ですから,画像もおおよそ30%の画像を最新のものに変更し,さらに新しい症例の画像写真を追加しております。画像は初版より,さらに見やすくするために何度も校正を行っております。このため,内容量が初版より10%程度増えております。この改訂版が皆様のお役にたてば幸いです。
最後に,改訂版をまとめるにあたってご協力いただいたSingapore National Eye Centreの諸氏,メジカルビュー社の吉川みゆき様,担当の皆様に感謝いたします。
2018年2月
柳 靖雄
------------------------------
第1版 序文
網膜疾患は眼科医にとって基本であります。しかし,網膜疾患の所見は多種多様であり,眼所見をもとに診療ができるようになるには相応の知識が必要であることも事実です。
例えば,検査器具の開発,改良に伴いさまざまな病態を多面的に捉えることができるようになり,難治疾患など多くの病態が明らかになってまいりました。また網膜疾患の治療では薬物療法の進歩が著しい分野であり,日常診療を行う際に新しい薬物の使い方について最新の正確な知識が欠かせません。一方,外科的治療に関しては硝子体手術の小切開化による手術侵襲の軽減により手術の適応が従来より大幅に拡大してきました。このように網膜疾患の診療には従来よりも多くの知識が必要になっています。
本書は多種多様な疾患について,従来から基本とされるような知識から最近の眼科学会の網膜領域で取り上げられるようなトピックスまで,網羅的に解説することをこころがけました。研修医の先生から一般の眼科医の先生にいたるまで,この1冊で網膜疾患の基本から最新情報までわかっていただけると考えております。また網膜を専門にしている先生方にとっても,知識のブラッシュアップに十分役立つ内容になっています。本書が少しでも網膜疾患の診療技術の向上と,日常診療の一助になれば望外の喜びであります。
最後に,本書をまとめるにあたりご協力いただいた東京大学大学院医学系研究科眼科学教室の諸氏に感謝いたします。
2013年2月
柳 靖雄
『網膜診療クローズアップ』は,網膜疾患にたずさわるすべての医療従事者に向けて,基本となる知識から最新情報を網羅的に解説するように執筆し2013年に上梓しました。その初版からすでに5年が経過しようとしております。
この5年の間,眼底画像検査の進歩は著しく,超広角眼底検査やOCTアンギオグラフィーなども一般的な眼底検査となってきました。また,新たな薬剤,手術について,数多くの臨床試験がなされ,治療に関しても考え方が少し変わってきた疾患もあります。
今回の改訂では,まず検査については最新検査について追加項目を加え詳細に記載しました。さらに疾患の項目では新たな項目を設けて,比較的新しい疾患概念についても述べました。治療方針についても新たなエビデンスをもとにした最新のものに変更しました。いくつかの疾患では診断基準も変わりましたので最新のものに変更してあります。また,眼底疾患の診療で大切な事項の一つは画像検査ですから,画像もおおよそ30%の画像を最新のものに変更し,さらに新しい症例の画像写真を追加しております。画像は初版より,さらに見やすくするために何度も校正を行っております。このため,内容量が初版より10%程度増えております。この改訂版が皆様のお役にたてば幸いです。
最後に,改訂版をまとめるにあたってご協力いただいたSingapore National Eye Centreの諸氏,メジカルビュー社の吉川みゆき様,担当の皆様に感謝いたします。
2018年2月
柳 靖雄
------------------------------
第1版 序文
網膜疾患は眼科医にとって基本であります。しかし,網膜疾患の所見は多種多様であり,眼所見をもとに診療ができるようになるには相応の知識が必要であることも事実です。
例えば,検査器具の開発,改良に伴いさまざまな病態を多面的に捉えることができるようになり,難治疾患など多くの病態が明らかになってまいりました。また網膜疾患の治療では薬物療法の進歩が著しい分野であり,日常診療を行う際に新しい薬物の使い方について最新の正確な知識が欠かせません。一方,外科的治療に関しては硝子体手術の小切開化による手術侵襲の軽減により手術の適応が従来より大幅に拡大してきました。このように網膜疾患の診療には従来よりも多くの知識が必要になっています。
本書は多種多様な疾患について,従来から基本とされるような知識から最近の眼科学会の網膜領域で取り上げられるようなトピックスまで,網羅的に解説することをこころがけました。研修医の先生から一般の眼科医の先生にいたるまで,この1冊で網膜疾患の基本から最新情報までわかっていただけると考えております。また網膜を専門にしている先生方にとっても,知識のブラッシュアップに十分役立つ内容になっています。本書が少しでも網膜疾患の診療技術の向上と,日常診療の一助になれば望外の喜びであります。
最後に,本書をまとめるにあたりご協力いただいた東京大学大学院医学系研究科眼科学教室の諸氏に感謝いたします。
2013年2月
柳 靖雄
全文表示する
閉じる
目次
I 網膜疾患診療の基本
診断のポイント
検査の進め方
II 黄斑疾患
加齢黄斑変性
前駆病変
滲出型加齢黄斑変性/概説
滲出型加齢黄斑変性/典型加齢黄斑変性
滲出型加齢黄斑変性/ポリープ状脈絡膜血管症
滲出型加齢黄斑変性/網膜血管腫状増殖
滲出型加齢黄斑変性/網膜色素上皮剝離
滲出型加齢黄斑変性/特殊な病態 黄斑下血腫
萎縮型加齢黄斑変性
中心性漿液性脈絡網膜症
pachychoroid spectrum diseases
強度近視
強度近視眼底
近視性新生血管黄斑症
近視性黄斑牽引症
近視性黄斑円孔
dome-shaped macula
傾斜乳頭症候群
特発性新生血管黄斑症
網膜色素線条
黄斑部毛細血管拡張症
aneurysmal telangiectasia (Group 1)
parafoveal telangiectasia (Group 2)
occlusive telangiectasia (Group 3)
黄斑円孔
黄斑前膜
偽黄斑円孔と分層黄斑円孔
網膜硝子体牽引症候群
ピット黄斑症候群
focal choroidal excavation
III 網膜血管病変
糖尿病網膜症
糖尿病黄斑浮腫
高血圧眼底
網膜静脈分枝閉塞症
網膜中心静脈閉塞症
乳頭血管炎
網膜中心動脈閉塞症
網膜細動脈瘤
Coats病
Leber多発性粟粒血管症
Eales病
眼虚血症候群
放射線網膜症
IV 網膜周辺部変性症と網膜剝離
網膜周辺部変性症
網膜剝離
V 遺伝性網脈絡膜疾患
網膜色素変性
色素性傍静脈網脈絡膜萎縮症
コロイデレミア
クリスタリン網膜症
黄斑ジストロフィ
黄斑ジストロフィ 総論
錐体杆体ジストロフィ
スタルガルト病
先天網膜分離症
卵黄状黄斑ジストロフィ
後天性卵黄状病巣
occult macular dystrophy(三宅病)
先天停止性夜盲
白点状眼底
VI ぶどう膜炎
3大ぶどう膜炎
サルコイドーシス
Behçet病
原田病
網膜色素上皮症
急性帯状潜在性網膜外層症
白点症候群
acute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathy(APMPPE)
multiple evanscent white dot syndrome(MEWDS)
点状脈絡膜内層症(PIC)
地図状脈絡膜炎
VII 網脈絡膜腫瘍
毛細血管腫
網膜毛細血管腫
傍乳頭血管腫
後天性網膜血管腫
脈絡膜骨腫
脈絡膜母斑
脈絡膜血管腫
診断のポイント
検査の進め方
II 黄斑疾患
加齢黄斑変性
前駆病変
滲出型加齢黄斑変性/概説
滲出型加齢黄斑変性/典型加齢黄斑変性
滲出型加齢黄斑変性/ポリープ状脈絡膜血管症
滲出型加齢黄斑変性/網膜血管腫状増殖
滲出型加齢黄斑変性/網膜色素上皮剝離
滲出型加齢黄斑変性/特殊な病態 黄斑下血腫
萎縮型加齢黄斑変性
中心性漿液性脈絡網膜症
pachychoroid spectrum diseases
強度近視
強度近視眼底
近視性新生血管黄斑症
近視性黄斑牽引症
近視性黄斑円孔
dome-shaped macula
傾斜乳頭症候群
特発性新生血管黄斑症
網膜色素線条
黄斑部毛細血管拡張症
aneurysmal telangiectasia (Group 1)
parafoveal telangiectasia (Group 2)
occlusive telangiectasia (Group 3)
黄斑円孔
黄斑前膜
偽黄斑円孔と分層黄斑円孔
網膜硝子体牽引症候群
ピット黄斑症候群
focal choroidal excavation
III 網膜血管病変
糖尿病網膜症
糖尿病黄斑浮腫
高血圧眼底
網膜静脈分枝閉塞症
網膜中心静脈閉塞症
乳頭血管炎
網膜中心動脈閉塞症
網膜細動脈瘤
Coats病
Leber多発性粟粒血管症
Eales病
眼虚血症候群
放射線網膜症
IV 網膜周辺部変性症と網膜剝離
網膜周辺部変性症
網膜剝離
V 遺伝性網脈絡膜疾患
網膜色素変性
色素性傍静脈網脈絡膜萎縮症
コロイデレミア
クリスタリン網膜症
黄斑ジストロフィ
黄斑ジストロフィ 総論
錐体杆体ジストロフィ
スタルガルト病
先天網膜分離症
卵黄状黄斑ジストロフィ
後天性卵黄状病巣
occult macular dystrophy(三宅病)
先天停止性夜盲
白点状眼底
VI ぶどう膜炎
3大ぶどう膜炎
サルコイドーシス
Behçet病
原田病
網膜色素上皮症
急性帯状潜在性網膜外層症
白点症候群
acute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathy(APMPPE)
multiple evanscent white dot syndrome(MEWDS)
点状脈絡膜内層症(PIC)
地図状脈絡膜炎
VII 網脈絡膜腫瘍
毛細血管腫
網膜毛細血管腫
傍乳頭血管腫
後天性網膜血管腫
脈絡膜骨腫
脈絡膜母斑
脈絡膜血管腫
全文表示する
閉じる
網膜疾患の基本から診療技術まで網羅した構成は初版を踏襲し,改訂では最新検査,新たな疾患概念,新たな治療方針を加えアップデート!! さらに診断の要,画像写真を新しい症例に一部刷新!
網膜疾患に携わる医療従事者に向け,基本知識から最新の診療技術にいたるまで網羅的に解説し好評をいただいた初版上梓から5年が経過。本書改訂第2版では,進歩が目覚しかった眼底画像検査,ことに超広角眼底検査所見,OCTアンギオグラフィなど最新画像写真を追加。また,新たな疾患項目,新しい疾患概念をプラスし,新たなエビデンスを基に最新の治療方針を掲載。
患者さんの診療により役立つ内容に刷新している。