リハカルテ活用ハンドブック
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定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
- B5変型判 296ページ 2色,イラスト104点,写真60点
- 2015年3月23日刊行
- ISBN978-4-7583-1497-8
序文
オーダーメイド医療(個別の目的に合致した医療)が推進されている現在,1人の患者に対し多くの職種が関わりあって医療や福祉を提供しており,リハビリの個別性・効果・安全性を高めるためには,専門職間の情報交換が非常に重要である。リハビリは「発症以前の身体機能と生活に復帰する」ことを目的として行われているが,ゴール目標は同じでも,ゴールまでの課題に対する着眼点はそれぞれの専門職によって異なる部分があり,それはときに他職種に理解されにくいこともある。そこで重要なのは,それぞれの患者に関する情報(専門的知識から導き出した患者の評価結果や気づき)と,そこから予測される内容を,「カルテ」を通じて他職種に確実に知らせることである。
本書は他職種との関わりの中心を担う「カルテ」について,患者の個別性と一般的な治療の流れとの両方をふまえ,専門的な情報を正確にわかりやすく伝えていくために,代表的な疾患ごとに記載の特徴・工夫を事例的に解説した。急性期から,回復期,維持期(在宅・訪問)のリハビリにかかわる新人リハスタッフや,臨床実習の学生だけでなく,看護師,薬剤師,また介護職まで参考となるカルテの書き方,読み方を紹介している。本書がより安全で効果的なリハビリの推進につながることを祈念する。
なお,カルテの記載法は,「SOAP法」に準じたものが多いが,リハビリを一丸となって効率的に推進していくためには,主治医と他のメディカルスタッフを含めた全員が,共通した情報の下で治療に当たらなくてはならない。そこで,本書では従来のSOAP法に「重要事項(新たな病変や制限事項)」や「共有しておきたい情報(ゴール目標・介助レベル)」を「Remark(注意点・所見・気づき)」として最初に記載し「R-SOAP法」として解説している。これは便宜上つけた名称だが,もちろん,一般的なSOAP法の書籍としても活用していただけると考える。
2015年3月
南場芳文
本書は他職種との関わりの中心を担う「カルテ」について,患者の個別性と一般的な治療の流れとの両方をふまえ,専門的な情報を正確にわかりやすく伝えていくために,代表的な疾患ごとに記載の特徴・工夫を事例的に解説した。急性期から,回復期,維持期(在宅・訪問)のリハビリにかかわる新人リハスタッフや,臨床実習の学生だけでなく,看護師,薬剤師,また介護職まで参考となるカルテの書き方,読み方を紹介している。本書がより安全で効果的なリハビリの推進につながることを祈念する。
なお,カルテの記載法は,「SOAP法」に準じたものが多いが,リハビリを一丸となって効率的に推進していくためには,主治医と他のメディカルスタッフを含めた全員が,共通した情報の下で治療に当たらなくてはならない。そこで,本書では従来のSOAP法に「重要事項(新たな病変や制限事項)」や「共有しておきたい情報(ゴール目標・介助レベル)」を「Remark(注意点・所見・気づき)」として最初に記載し「R-SOAP法」として解説している。これは便宜上つけた名称だが,もちろん,一般的なSOAP法の書籍としても活用していただけると考える。
2015年3月
南場芳文
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目次
準備編
リハカルテを読む・書くための基礎知識
①入門編:リハカルテの役割
②準備編:リハカルテを書く前に知っておくべき情報
③実践編:リハカルテの書き方・使い方
④応用編:チーム医療におけるさまざまな連携
実践編 整形外科系
橈骨遠位端骨折
疾患のポイント
1 骨折の状態からリハビリ全体をイメージする
2 橈骨遠位端骨折の5つの分類
3 代表的な手術方法
リハビリのポイント
1 それぞれの骨折のリハビリ
カルテの実際 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)
上腕骨近位端骨折
疾患のポイント
1 Neer分類と治療法の選択
リハビリのポイント
1 骨折の状態からリハビリ全体をイメージする
2 保存療法
3 手術療法
カルテの実際 上腕骨外科頸骨折(Neer分類Ⅲ)
大腿骨頸部骨折
疾患のポイント
1 大腿骨近位部の骨折
2 大腿骨頸部骨折の手術方法を決定する分類
3 大腿骨頸部以外の股関節近位部骨折
4 股関節のインピンジメント(FAI)
リハビリのポイント
1 大腿骨頸部骨折の場合
2 転子部・下部骨折
3 急性期のリスク管理のポイント
カルテの実際 大腿骨頸部骨折
腱板損傷(肩関節周囲炎・投球肩)
疾患のポイント
1 診断
2 治療
3 手術療法
リハビリのポイント
1 評価:肩関節における代表的な整形外科的検査と評価法
カルテの実際 腱板損傷(ARCR術後中断裂)
脊柱の疾患(圧迫骨折・ヘルニア)
疾患のポイント
1 胸腰椎圧迫骨折
2 腰椎椎間板ヘルニア
リハビリのポイント
1 神経症状の評価
カルテの実際 脊椎圧迫骨折
関節リウマチ(RA)
疾患のポイント
1 RAの症状
2 RAの進行
3 RAの検査
4 RAの治療薬
リハビリのポイント
1 RA進行度,関節症状の評価
カルテの実際 関節リウマチ(RA)
変形性膝関節症(人工膝関節置換術)
疾患のポイント
1 人工膝関節の2種類の手術法
2 人工膝関節置換術の目的
3 皮膚の切開と膝関節の展開
4 代表的な人工膝関節には2種類+1種類ある
5 早期と長期の2つのリスク管理
6 変形性膝関節症
7 変形性膝関節症の重症度分類
リハビリのポイント
1 超早期リハビリと合併症の予防
2 リハビリは術前から進められている
3 歩行者と歩行器,ソリ付歩行器
カルテの実際 人工膝関節(PS型)
前十字靱帯損傷
疾患のポイント
1 膝関節と前十字靱帯の構造
2 前十字靭帯の再建手術(STG,BTB)
リハビリのポイント
1 ACL断裂のリハビリの評価(整形外科的な検査)
2 ACL再建術後のさまざまなリハビリ
3 リハビリゴールの目標
カルテの実際 前十字靱帯再建術(半腱様筋薄筋腱移植術)
実践編 内部障害・呼吸器系
2型糖尿病
疾患のポイント
1 糖尿病の診断基準と検査値,血糖コントロール目標
2 糖尿病の生化学・理学的検査と合併症
3 治療
4 さまざまな症状とリスク管理
リハビリのポイント
カルテの実際 2型糖尿病
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
疾患のポイント
1 COPDの症状
2 COPDの治療ガイドライン
リハビリのポイント
1 包括的リハビリ
2 理学療法の進め方
3 運動療法時の注意点
カルテの実際 COPD(気腫型)
実践編 中枢神経系
脳出血
疾患のポイント
1 脳出血の画像診断
2 脳出血の治療
3 脳出血患者に対する手術の方法
4 クモ膜下出血の治療
5 正常圧水頭症
リハビリのポイント
1 早期リハビリの進め方
カルテの実際 右皮殻出血(左片麻痺)
カルテの実際 クモ膜下出血
脳卒中(脳梗塞)
疾患のポイント
1 脳梗塞の3つの病型
2 アテローム性脳梗塞
3 心原性脳塞栓
4 ラクナ梗塞
5 その他の脳梗塞
6 脳梗塞の薬物療法
7 低酸素症と経皮的酸素飽和度のみかたと実践
リハビリのポイント
1 早期離床と急性期リスク管理
2 アテローム性脳梗塞の早期リハビリの進め方
3 心原性脳梗塞の早期リハビリの進め方
4 ラクナ梗塞の早期リハビリの進め方
5 脳卒中の予後予測
カルテの実際 アテローム性左脳梗塞(右片麻痺)
付録
トピックス
1 鎮痛剤のいろいろ
2 第1 選択薬となる5つの降圧剤とリスク管理
3 肩関節のポジションと短縮・拘縮の判別
4 end feel
5 CRPS type Ⅰ/type Ⅱ
6 栄養状態から全身状態を予測する
リハカルテを読む・書くための基礎知識
①入門編:リハカルテの役割
②準備編:リハカルテを書く前に知っておくべき情報
③実践編:リハカルテの書き方・使い方
④応用編:チーム医療におけるさまざまな連携
実践編 整形外科系
橈骨遠位端骨折
疾患のポイント
1 骨折の状態からリハビリ全体をイメージする
2 橈骨遠位端骨折の5つの分類
3 代表的な手術方法
リハビリのポイント
1 それぞれの骨折のリハビリ
カルテの実際 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)
上腕骨近位端骨折
疾患のポイント
1 Neer分類と治療法の選択
リハビリのポイント
1 骨折の状態からリハビリ全体をイメージする
2 保存療法
3 手術療法
カルテの実際 上腕骨外科頸骨折(Neer分類Ⅲ)
大腿骨頸部骨折
疾患のポイント
1 大腿骨近位部の骨折
2 大腿骨頸部骨折の手術方法を決定する分類
3 大腿骨頸部以外の股関節近位部骨折
4 股関節のインピンジメント(FAI)
リハビリのポイント
1 大腿骨頸部骨折の場合
2 転子部・下部骨折
3 急性期のリスク管理のポイント
カルテの実際 大腿骨頸部骨折
腱板損傷(肩関節周囲炎・投球肩)
疾患のポイント
1 診断
2 治療
3 手術療法
リハビリのポイント
1 評価:肩関節における代表的な整形外科的検査と評価法
カルテの実際 腱板損傷(ARCR術後中断裂)
脊柱の疾患(圧迫骨折・ヘルニア)
疾患のポイント
1 胸腰椎圧迫骨折
2 腰椎椎間板ヘルニア
リハビリのポイント
1 神経症状の評価
カルテの実際 脊椎圧迫骨折
関節リウマチ(RA)
疾患のポイント
1 RAの症状
2 RAの進行
3 RAの検査
4 RAの治療薬
リハビリのポイント
1 RA進行度,関節症状の評価
カルテの実際 関節リウマチ(RA)
変形性膝関節症(人工膝関節置換術)
疾患のポイント
1 人工膝関節の2種類の手術法
2 人工膝関節置換術の目的
3 皮膚の切開と膝関節の展開
4 代表的な人工膝関節には2種類+1種類ある
5 早期と長期の2つのリスク管理
6 変形性膝関節症
7 変形性膝関節症の重症度分類
リハビリのポイント
1 超早期リハビリと合併症の予防
2 リハビリは術前から進められている
3 歩行者と歩行器,ソリ付歩行器
カルテの実際 人工膝関節(PS型)
前十字靱帯損傷
疾患のポイント
1 膝関節と前十字靱帯の構造
2 前十字靭帯の再建手術(STG,BTB)
リハビリのポイント
1 ACL断裂のリハビリの評価(整形外科的な検査)
2 ACL再建術後のさまざまなリハビリ
3 リハビリゴールの目標
カルテの実際 前十字靱帯再建術(半腱様筋薄筋腱移植術)
実践編 内部障害・呼吸器系
2型糖尿病
疾患のポイント
1 糖尿病の診断基準と検査値,血糖コントロール目標
2 糖尿病の生化学・理学的検査と合併症
3 治療
4 さまざまな症状とリスク管理
リハビリのポイント
カルテの実際 2型糖尿病
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
疾患のポイント
1 COPDの症状
2 COPDの治療ガイドライン
リハビリのポイント
1 包括的リハビリ
2 理学療法の進め方
3 運動療法時の注意点
カルテの実際 COPD(気腫型)
実践編 中枢神経系
脳出血
疾患のポイント
1 脳出血の画像診断
2 脳出血の治療
3 脳出血患者に対する手術の方法
4 クモ膜下出血の治療
5 正常圧水頭症
リハビリのポイント
1 早期リハビリの進め方
カルテの実際 右皮殻出血(左片麻痺)
カルテの実際 クモ膜下出血
脳卒中(脳梗塞)
疾患のポイント
1 脳梗塞の3つの病型
2 アテローム性脳梗塞
3 心原性脳塞栓
4 ラクナ梗塞
5 その他の脳梗塞
6 脳梗塞の薬物療法
7 低酸素症と経皮的酸素飽和度のみかたと実践
リハビリのポイント
1 早期離床と急性期リスク管理
2 アテローム性脳梗塞の早期リハビリの進め方
3 心原性脳梗塞の早期リハビリの進め方
4 ラクナ梗塞の早期リハビリの進め方
5 脳卒中の予後予測
カルテの実際 アテローム性左脳梗塞(右片麻痺)
付録
トピックス
1 鎮痛剤のいろいろ
2 第1 選択薬となる5つの降圧剤とリスク管理
3 肩関節のポジションと短縮・拘縮の判別
4 end feel
5 CRPS type Ⅰ/type Ⅱ
6 栄養状態から全身状態を予測する
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リハカルテはこう書く・読む・活かす! カルテを通して疾患別リハビリの流れと治療のポイントがよくわかる!
学生からチーム医療の一員を担う若手リハスタッフを対象に,リハスタッフが接する機会の多い整形外科系,中枢神経系,内部障害系の疾患について,リハカルテを「読む」「書く」,そしてカルテから得た情報をリハに「活かす」ための知識についてまとめた書籍。
カルテの一般的文法であるSOAPをベースとして,SOAPの読み書き,臨床で用いられる専門用語について丁寧に解説。リハカルテを通じて,実際の症例の急性期(入院)から回復期(退院)までの一連の流れを押さえながら,評価を行うタイミング,患者との接し方,他職種との連携についても学ぶことができる。
今日からすぐに使える,リハカルテ活用書。