臨床工学技士のための
血液浄化療法フルスペック
定価 5,940円(税込) (本体5,400円+税)
- B5判 328ページ 2色(一部カラー),イラスト120点,写真150点
- 2014年9月22日刊行
- ISBN978-4-7583-1487-9
序文
監修の序
我が国の腎代替療法は,その普及度にしても,その品質にしても,最高水準を誇っている。患者数で見ると,2013年末透析患者数は31万人(人口1万人あたり2,740人)と世界一の患者頻度と,世界第3位(1位:合衆国,2位:中国)の患者数を占めている。その品質に眼を向けると,透析医療の質を測る指標には一長一短があるが,仮に死亡リスクをみると,我が国の死亡リスクを1.00とした場合,合衆国は1.80,欧州は1.27と我が国は合衆国・欧州より明らかに死亡リスクが低い。この成績から,我が国の一般人口の寿命が長いことを差し引いても,優良な透析医療が供給されていることを確認できる。
それを支えているのは国民皆保険制度,行き渡った医療供給体制,透析医療を支える優良な医療機器・医薬品メーカに加えて,諸外国に例をみない,国家検定による臨床工学技士制度に支えられた,優秀な透析技士の存在があげられる。諸外国の透析室を訪れてみればすぐに明らかとなるが,日本以外で透析室を支えているのは,一握りの看護師と,認定制度のないまま,訓練を十分には受けていないコメディカルである。この意味で,臨床工学技士こそが,日本の透析医療の質を担保しているといってよい。
本書は,我が国の透析医療を,高品質で安全なものにさせてくれている臨床工学技士,さらには透析技術認定士,専門臨床工学技士を目指すみなさんの日常的なハンドブックとして,教科書として役立つことを目指して企画された。日本の透析医療の質を担保するのに大切な力となっている,すでに「出来上がった技士」にとっても,日常臨床を振り返れ,その改善の道を探る一助になることを願っている。
本書が益々精緻化する透析医学に携わる,経験を積んだ技士がさらにブラッシュアップするために,そしてこの領域に入ろうとする若い技士の日常で使われ,明日の透析医学の前進に役立つことを確信している。
2014年8月吉日
東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科
秋葉 隆
----------------------------------------------------------------------------------------------------
編集の序
医学と工学を融合した学問領域は医用生体工学,または,生体医工学とよばれるが,これらと類似した領域として医用電子工学,医療工学などがある。これらの学問は様々な医療領域で展開され,生命現象を明らかにするとともに,診断や治療に有効な手段を提供するなど大きな役割を担っている。ご存知のように人工臓器はその基礎となる学問領域が医学と工学の境界領域にあるため,医学と工学の発展が不可欠であり,これまでに多くの企業,大学,研究所あるいは医療施設で研究開発が進められてきた。
なかでも腎臓機能を代替する人工臓器としては人工腎臓が広く知られている。我が国では慢性維持透析療法として広く普及した血液透析は,これまでの経験と学術的な成果から様々な治療法が考案され重篤化する慢性腎不全患者の予後向上に寄与している。この領域では国内でも1970年代に繊維・化学メーカを中心に,セルロース繊維技術を基礎とした中空糸型透析膜の製造を開始。以来,透析治療の普及と発展を支えてきた。その後,ダイアライザ,透析関連治療機器の性能向上に伴い,透析治療の信頼性は飛躍的に高まっていった。
慢性維持透析療法は通常,1回4時間の透析を週3回行う。長期にわたるこの治療法は患者の日常生活を生涯にわたり支える反面,生活範囲を制約するという側面もある。そのため,合併症の予防や日々の透析治療の安全・安心の追求はもちろんのこと,個々の患者の考え方や生活様式にまで配慮した治療法が模索されている。今後もQOL(quality of life)の向上に貢献できる透析治療法の展開はますます求められるであろう。
本書は,主に臨床工学領域における立場から各専門領域の先生に血液浄化の基礎,各種血液浄化法,血液浄化理論,治療機器の構造と機能,患者管理と安全対策について執筆して頂いた。
現在の血液浄化療法を再確認し,日常の治療へ反映するとともに,将来の血液浄化技術の発展に寄与できることを願っている。
2014年8月
東京女子医科大学 臨床工学部
金子岩和
我が国の腎代替療法は,その普及度にしても,その品質にしても,最高水準を誇っている。患者数で見ると,2013年末透析患者数は31万人(人口1万人あたり2,740人)と世界一の患者頻度と,世界第3位(1位:合衆国,2位:中国)の患者数を占めている。その品質に眼を向けると,透析医療の質を測る指標には一長一短があるが,仮に死亡リスクをみると,我が国の死亡リスクを1.00とした場合,合衆国は1.80,欧州は1.27と我が国は合衆国・欧州より明らかに死亡リスクが低い。この成績から,我が国の一般人口の寿命が長いことを差し引いても,優良な透析医療が供給されていることを確認できる。
それを支えているのは国民皆保険制度,行き渡った医療供給体制,透析医療を支える優良な医療機器・医薬品メーカに加えて,諸外国に例をみない,国家検定による臨床工学技士制度に支えられた,優秀な透析技士の存在があげられる。諸外国の透析室を訪れてみればすぐに明らかとなるが,日本以外で透析室を支えているのは,一握りの看護師と,認定制度のないまま,訓練を十分には受けていないコメディカルである。この意味で,臨床工学技士こそが,日本の透析医療の質を担保しているといってよい。
本書は,我が国の透析医療を,高品質で安全なものにさせてくれている臨床工学技士,さらには透析技術認定士,専門臨床工学技士を目指すみなさんの日常的なハンドブックとして,教科書として役立つことを目指して企画された。日本の透析医療の質を担保するのに大切な力となっている,すでに「出来上がった技士」にとっても,日常臨床を振り返れ,その改善の道を探る一助になることを願っている。
本書が益々精緻化する透析医学に携わる,経験を積んだ技士がさらにブラッシュアップするために,そしてこの領域に入ろうとする若い技士の日常で使われ,明日の透析医学の前進に役立つことを確信している。
2014年8月吉日
東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科
秋葉 隆
----------------------------------------------------------------------------------------------------
編集の序
医学と工学を融合した学問領域は医用生体工学,または,生体医工学とよばれるが,これらと類似した領域として医用電子工学,医療工学などがある。これらの学問は様々な医療領域で展開され,生命現象を明らかにするとともに,診断や治療に有効な手段を提供するなど大きな役割を担っている。ご存知のように人工臓器はその基礎となる学問領域が医学と工学の境界領域にあるため,医学と工学の発展が不可欠であり,これまでに多くの企業,大学,研究所あるいは医療施設で研究開発が進められてきた。
なかでも腎臓機能を代替する人工臓器としては人工腎臓が広く知られている。我が国では慢性維持透析療法として広く普及した血液透析は,これまでの経験と学術的な成果から様々な治療法が考案され重篤化する慢性腎不全患者の予後向上に寄与している。この領域では国内でも1970年代に繊維・化学メーカを中心に,セルロース繊維技術を基礎とした中空糸型透析膜の製造を開始。以来,透析治療の普及と発展を支えてきた。その後,ダイアライザ,透析関連治療機器の性能向上に伴い,透析治療の信頼性は飛躍的に高まっていった。
慢性維持透析療法は通常,1回4時間の透析を週3回行う。長期にわたるこの治療法は患者の日常生活を生涯にわたり支える反面,生活範囲を制約するという側面もある。そのため,合併症の予防や日々の透析治療の安全・安心の追求はもちろんのこと,個々の患者の考え方や生活様式にまで配慮した治療法が模索されている。今後もQOL(quality of life)の向上に貢献できる透析治療法の展開はますます求められるであろう。
本書は,主に臨床工学領域における立場から各専門領域の先生に血液浄化の基礎,各種血液浄化法,血液浄化理論,治療機器の構造と機能,患者管理と安全対策について執筆して頂いた。
現在の血液浄化療法を再確認し,日常の治療へ反映するとともに,将来の血液浄化技術の発展に寄与できることを願っている。
2014年8月
東京女子医科大学 臨床工学部
金子岩和
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目次
Ⅰ Introduction
1 血液浄化療の概要
血液浄化療の概要
透析療法の変遷
アフェレシス療法
血液浄化の普及とQOL(quality of life)
Ⅱ 血液浄化法
1 血液透析(HD)
HDの位置付け
HDの原理(拡散と濾過)
HDの特徴
HDの標準的な治療条件と適応
透析用監視装置の構成と特徴
透析液流量・除水制御機構
2 血液透析(HD)の実際【実践編】
透析装置および周辺機器の確認
準備の前の心得
ダイアライザ,回路の準備
血液透析の準備
安全装置の装着
プライミング
透析開始
返血操作
透析中の点滴・注射などの安全確保
3 血液濾過(HF)
HFとは
HFの歴史
HFの原理
HFの特徴
HF治療の実際
HFの適応
4 血液透析濾過(HDF)
HDFの位置付け
原理(拡散と濾過)
特徴
前希釈と後希釈法の溶質除去特性の特徴について
HDFの標準的な治療条件と適応
(オフライン)HDF装置の構成と特徴
血液透析濾過用補充液
5 オンラインHDF
はじめに
原理・方法
特徴
適応
ヘモダイアフィルタの仕様
オンラインHDF装置の仕様
オンラインHDF施行時に求められる透析液の水質
おわりに
6 オンラインHDFの実際【実践編】
はじめに
業務の流れ
治療条件の設定
オンラインHDF施行上の注意点
オンラインHDFの新たな可能性
おわりに
7 持続的血液浄化(CBP)
CBPとは
CBPで用いられる原理
8 直接血液吸着(DHP)
DHPとは
活性炭吸着
β2-MG吸着
ET吸着
9 直接血液吸着(DHP)の実際【実践編】
活性炭吸着
β2-ミクログロブリン(MG)吸着
エンドトキシン(ET)吸着
10 血漿吸着(PA)
PAとは
血漿吸着器の種類
治療条件
11 血漿交換(PE),二重濾過血漿交換(DFPP)
PEの原理,特徴,基本的な治療条件
DFPPの原理,特徴,基本的な治療条件
PE,DFPPでのトラブル対応
まとめ
12 白血球系細胞除去療法(LRT)
LRTの分類と保険適応
LRTの体外循環回路構成
各吸着カラムの特徴
使用の実際
13 腹膜透析(PD)
PDとは
PDの原理(浸透と拡散)
PDの特徴
腹膜透析の基本的な治療条件
14 腹膜透析(PD)の実際【実践編】
実際の生活
バッグ交換
機械による接続
APD(組み立て)
カテーテルケア
15 ドライウェイトの評価と決め方
はじめに
体液量について
ドライウェイト(DW)
透析患者における体内水分の動き
体液量増減時の臨床症状と身体所見
体液量評価のための検査法
透析間体重増加と除水速度
Ⅲ 血液浄化関連機器
1 血液浄化器
血液透析器(ダイアライザ)
血液透析濾過器(ヘモダイアフィルタ)
血液濾過器(ヘモフィルタ)
血漿分離器
血漿成分分画器
吸着剤
2 血液浄化器の性能評価の実際【実践編】
臨床中にとるデータとその評価法
CL
SC
3 水処理装置
水処理装置とは
透析用水の水質基準
水処理装置の基本構成と原理
水処理装置の水質維持のための工夫
配管
水処理装置の洗浄消毒
透析機器の洗浄消毒
透析装置用ETRF
細菌検査法
4 清浄化に関する管理の実際【実践編】
工程管理とバリデーション
透析液水質管理の実際
5 粉末透析液製剤溶解装置
機能
溶解
保守管理
6 透析液供給装置
透析液の供給方法
透析液の混合方法
機能・装備
構成
7 個人用透析装置
セントラル〜個人用透析装置方式の違い
個人用透析装置の基本構成
透析液希釈方式
透析液供給方式
NxStageについて
8 患者監視装置
患者監視装置とは
血液系の安全機能と構成
透析液系の安全機能と構成
透析液・除水制御装置(閉鎖式容量制御方式)
自動化(補助)機能
その他の機能
9 透析液を用いた自動プライミング装置
使用目的
原理
装置概要
機能分類
各装置の特徴
適切なプライミング法
プライミングの流れ
10 多用途血液処理用装置
血液浄化装置の名称および概要
各種装置の概要と特徴
最後に
11 モニタ類
周辺機器位置付け
透析装置に設置が義務付けられている安全監視装置
気泡検出器
漏血検出器
透析液濃度計
透析液温度計
圧力計(静脈圧,透析液圧)
各種循環血液量モニタ
身体水分分析装置(MFBIA法)
実血液流量測定装置
12 透析支援システム
透析支援システム
透析支援システムの原理
透析支援システムの必要性
透析支援システムの構成
透析治療の流れ
透析支援システムの主な機能
電子カルテなどへの接続
透析支援システムで特徴的な透析装置および関連装置のコントロール
通信共通プロトコル
透析医療の臨床情報交換フォーマット(HeMX)
電子カルテ
医療情報の標準化
標準的な用語セット・コードセット・国際的な標準規格
透析支援システム導入時の検討
導入後の問題点
非常時の対応と対策
非常電源に関すること
透析支援システムの危機管理
透析支援システムの今後
Ⅳ 透析液・補充液
1 透析液
透析液の役割
剤形
種類
透析液の組成
濃度管理
2 補充液
補充液はどのように使うか
補充液の組成の違いは
補充液製剤の種類と使用方法は
持続療法として使用する際の問題点
まとめ
3 透析液関連検査機器(透析液濃度分析装置・生菌測定装置)
透析液濃度分析装置(電解質測定装置・血液ガス分析装置)
生菌測定装置
4 透析液・補充液の選択の実際【実践編】
透析液選択
透析液作成の実際
透析液組成変更
補充液
補充液の準備
補充液の調整
Ⅴ 抗凝固薬
1 ヘパリン
特徴
プロタミン
凝固時間測定法
ヘパリン起因性血小板減少症
使用方法
ヘパリンの長所と短所
2 低分子ヘパリン
特徴
各種低分子ヘパリン
凝固時間測定法
使用方法
低分子ヘパリンの長所と短所
3 ナファモスタットメシル酸塩
特徴
凝固時間測定法
使用方法
NMの長所と短所
4 アルガトロバン
特徴
凝固時間測定法
使用方法
アルガトロバンの長所と短所
Ⅵ 患者管理
1 透析で頻用する薬剤(作用と副作用)
透析患者への薬物治療の注意
NSAIDsとアセトアミノフェン
鉄剤とESA
高カリウム血症治療薬
2 患者の病態と看護
(透析治療における)医療スタッフの役割
透析患者の特徴
病態と看護
3 透析中のショックとその対処
なぜ血圧低下が重要か
血圧低下の原因
血圧低下の対策
Ⅶ 安全対策
1 透析室の事故対策
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)
スイスチーズモデル(事故発生の解説モデル)
インシデントの把握
インシデントのレベル分類
安全対策の基本
医療事故に対する分析の考え方
医療事故分析法
再発防止対策
未然防止対策
安全文化の醸成
2 災害時とその対応
透析治療の特殊性
災害の定義と対策・対応の基本事項
自助
共助・公助
1 血液浄化療の概要
血液浄化療の概要
透析療法の変遷
アフェレシス療法
血液浄化の普及とQOL(quality of life)
Ⅱ 血液浄化法
1 血液透析(HD)
HDの位置付け
HDの原理(拡散と濾過)
HDの特徴
HDの標準的な治療条件と適応
透析用監視装置の構成と特徴
透析液流量・除水制御機構
2 血液透析(HD)の実際【実践編】
透析装置および周辺機器の確認
準備の前の心得
ダイアライザ,回路の準備
血液透析の準備
安全装置の装着
プライミング
透析開始
返血操作
透析中の点滴・注射などの安全確保
3 血液濾過(HF)
HFとは
HFの歴史
HFの原理
HFの特徴
HF治療の実際
HFの適応
4 血液透析濾過(HDF)
HDFの位置付け
原理(拡散と濾過)
特徴
前希釈と後希釈法の溶質除去特性の特徴について
HDFの標準的な治療条件と適応
(オフライン)HDF装置の構成と特徴
血液透析濾過用補充液
5 オンラインHDF
はじめに
原理・方法
特徴
適応
ヘモダイアフィルタの仕様
オンラインHDF装置の仕様
オンラインHDF施行時に求められる透析液の水質
おわりに
6 オンラインHDFの実際【実践編】
はじめに
業務の流れ
治療条件の設定
オンラインHDF施行上の注意点
オンラインHDFの新たな可能性
おわりに
7 持続的血液浄化(CBP)
CBPとは
CBPで用いられる原理
8 直接血液吸着(DHP)
DHPとは
活性炭吸着
β2-MG吸着
ET吸着
9 直接血液吸着(DHP)の実際【実践編】
活性炭吸着
β2-ミクログロブリン(MG)吸着
エンドトキシン(ET)吸着
10 血漿吸着(PA)
PAとは
血漿吸着器の種類
治療条件
11 血漿交換(PE),二重濾過血漿交換(DFPP)
PEの原理,特徴,基本的な治療条件
DFPPの原理,特徴,基本的な治療条件
PE,DFPPでのトラブル対応
まとめ
12 白血球系細胞除去療法(LRT)
LRTの分類と保険適応
LRTの体外循環回路構成
各吸着カラムの特徴
使用の実際
13 腹膜透析(PD)
PDとは
PDの原理(浸透と拡散)
PDの特徴
腹膜透析の基本的な治療条件
14 腹膜透析(PD)の実際【実践編】
実際の生活
バッグ交換
機械による接続
APD(組み立て)
カテーテルケア
15 ドライウェイトの評価と決め方
はじめに
体液量について
ドライウェイト(DW)
透析患者における体内水分の動き
体液量増減時の臨床症状と身体所見
体液量評価のための検査法
透析間体重増加と除水速度
Ⅲ 血液浄化関連機器
1 血液浄化器
血液透析器(ダイアライザ)
血液透析濾過器(ヘモダイアフィルタ)
血液濾過器(ヘモフィルタ)
血漿分離器
血漿成分分画器
吸着剤
2 血液浄化器の性能評価の実際【実践編】
臨床中にとるデータとその評価法
CL
SC
3 水処理装置
水処理装置とは
透析用水の水質基準
水処理装置の基本構成と原理
水処理装置の水質維持のための工夫
配管
水処理装置の洗浄消毒
透析機器の洗浄消毒
透析装置用ETRF
細菌検査法
4 清浄化に関する管理の実際【実践編】
工程管理とバリデーション
透析液水質管理の実際
5 粉末透析液製剤溶解装置
機能
溶解
保守管理
6 透析液供給装置
透析液の供給方法
透析液の混合方法
機能・装備
構成
7 個人用透析装置
セントラル〜個人用透析装置方式の違い
個人用透析装置の基本構成
透析液希釈方式
透析液供給方式
NxStageについて
8 患者監視装置
患者監視装置とは
血液系の安全機能と構成
透析液系の安全機能と構成
透析液・除水制御装置(閉鎖式容量制御方式)
自動化(補助)機能
その他の機能
9 透析液を用いた自動プライミング装置
使用目的
原理
装置概要
機能分類
各装置の特徴
適切なプライミング法
プライミングの流れ
10 多用途血液処理用装置
血液浄化装置の名称および概要
各種装置の概要と特徴
最後に
11 モニタ類
周辺機器位置付け
透析装置に設置が義務付けられている安全監視装置
気泡検出器
漏血検出器
透析液濃度計
透析液温度計
圧力計(静脈圧,透析液圧)
各種循環血液量モニタ
身体水分分析装置(MFBIA法)
実血液流量測定装置
12 透析支援システム
透析支援システム
透析支援システムの原理
透析支援システムの必要性
透析支援システムの構成
透析治療の流れ
透析支援システムの主な機能
電子カルテなどへの接続
透析支援システムで特徴的な透析装置および関連装置のコントロール
通信共通プロトコル
透析医療の臨床情報交換フォーマット(HeMX)
電子カルテ
医療情報の標準化
標準的な用語セット・コードセット・国際的な標準規格
透析支援システム導入時の検討
導入後の問題点
非常時の対応と対策
非常電源に関すること
透析支援システムの危機管理
透析支援システムの今後
Ⅳ 透析液・補充液
1 透析液
透析液の役割
剤形
種類
透析液の組成
濃度管理
2 補充液
補充液はどのように使うか
補充液の組成の違いは
補充液製剤の種類と使用方法は
持続療法として使用する際の問題点
まとめ
3 透析液関連検査機器(透析液濃度分析装置・生菌測定装置)
透析液濃度分析装置(電解質測定装置・血液ガス分析装置)
生菌測定装置
4 透析液・補充液の選択の実際【実践編】
透析液選択
透析液作成の実際
透析液組成変更
補充液
補充液の準備
補充液の調整
Ⅴ 抗凝固薬
1 ヘパリン
特徴
プロタミン
凝固時間測定法
ヘパリン起因性血小板減少症
使用方法
ヘパリンの長所と短所
2 低分子ヘパリン
特徴
各種低分子ヘパリン
凝固時間測定法
使用方法
低分子ヘパリンの長所と短所
3 ナファモスタットメシル酸塩
特徴
凝固時間測定法
使用方法
NMの長所と短所
4 アルガトロバン
特徴
凝固時間測定法
使用方法
アルガトロバンの長所と短所
Ⅵ 患者管理
1 透析で頻用する薬剤(作用と副作用)
透析患者への薬物治療の注意
NSAIDsとアセトアミノフェン
鉄剤とESA
高カリウム血症治療薬
2 患者の病態と看護
(透析治療における)医療スタッフの役割
透析患者の特徴
病態と看護
3 透析中のショックとその対処
なぜ血圧低下が重要か
血圧低下の原因
血圧低下の対策
Ⅶ 安全対策
1 透析室の事故対策
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)
スイスチーズモデル(事故発生の解説モデル)
インシデントの把握
インシデントのレベル分類
安全対策の基本
医療事故に対する分析の考え方
医療事故分析法
再発防止対策
未然防止対策
安全文化の醸成
2 災害時とその対応
透析治療の特殊性
災害の定義と対策・対応の基本事項
自助
共助・公助
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臨床工学技士が行う血液浄化療法について,基礎から応用まで徹底解説!
本書は臨床工学技士(CE)に向けた「血液浄化療法」の解説書である。
第1〜2章では,血液透析法,血液濾過法,血液吸着法など各治療法についてそれぞれの特徴や原理,治療条件などを掲載。なかでも重要な治療法については,臨床の場における実際の流れを,図表を多く用いてわかりやすく解説している。3章以降では,水処理装置や透析液供給装置,抗凝固薬など,関連する装置や薬剤について記載。
多くのCEが携わる血液浄化業務について,操作・保守管理法からトラブル対応など,臨床上の注意点まで含めて必要な知識をトータルに解説した1冊である。