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臨床研修
手技・処置ベッドサイド手帖
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どなたでもご覧いただけます
定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
- B6判 248ページ オールカラー,イラスト380点
- 2012年9月10日刊行
- ISBN978-4-7583-1305-6
電子版
序文
医学部を卒業し,医師国家試験に合格して研修医になった途端に戸惑うことの一つが,“医療手技”の実施ではなかろうか。
確かに医学部で医学知識は修得し,採血,皮膚縫合などのごく基本的な処置は,シミュレータや学生同士,あるいは患者さんを対象に修得はしているだろう。それでも,静脈確保,局所麻酔,腰椎穿刺,気管切開など,研修医になってはじめて遭遇する侵襲的な手技や処置は数多い。しかも,患者さんは安全で苦痛が少ないことを期待している。「初めてなので痛くても我慢して下さい」などという言い訳が通用するはずもない。
侵襲的な手技を行う場合には,指導医の指導を受けることになる。だが,実施の前に,準備,方法,起こりうる副作用と対策などを理解しておくことが望まれる。手順を頭の中にたたき込み,イメージトレーニングを行っておれば,たとえはじめてであっても,焦ることなく実施できるだろう。そのためには,その分野のベテランによる経験に基づいた指南書が役立つ。また,指導医がいなくても,ステップを踏めば,それまでのトレーニングの成果を応用して実施できるはずだ。
臨床手技を解説した書物は少なくない。が,イラストを交え,医療の現場でサッと見て瞬時に参考にできるコンパクトなハンドブックは決して多くない。本書は,主として臨床実習や研修医指導で定評のある東京医科歯科大学の医師を中心に,医療手技や処置についての“コツ”をまとめてもらった。手技には諸先輩が長年の経験に基づいて獲得した“コツ”がある。それらは,どうすれば安全でより効率よく実施できるか,試行錯誤の後に自然と身についたものである。その“コツ”を本書で披露してもらうことにした。
本ハンドブックは厚生労働省「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン」に基づき,研修期間中に研修医が修得すべき事項を網羅した。とくに救命救急処置,日常頻繁に行われる可能性の高いものは遍く掲載している。まずは本書に則って手技・処置を行い,それに各自の工夫を取り入れれば,よりスマートに,安全に医療手技・処置が実施できることになろう。
本書を白衣のポケットにしのばせ,病棟や外来で手技・処置を行う際の参考にしていただきたい。
知識,技能,態度ともに習熟した医師を国民は期待している。この期待に沿うよう,研修に励んでいただきたいと願う。
本書の企画,編集には,植竹宏之准教授の深甚なるご協力をいただいた。また,編集者の意図を汲み取って分かりやすく解説していただいた執筆者に敬意を表したい。最後に,本書の発行を全面的に支えてくれたメジカルビュー社編集部石田奈緒美さんに深謝する。
平成24年盛夏
編集者を代表して 奈良信雄
確かに医学部で医学知識は修得し,採血,皮膚縫合などのごく基本的な処置は,シミュレータや学生同士,あるいは患者さんを対象に修得はしているだろう。それでも,静脈確保,局所麻酔,腰椎穿刺,気管切開など,研修医になってはじめて遭遇する侵襲的な手技や処置は数多い。しかも,患者さんは安全で苦痛が少ないことを期待している。「初めてなので痛くても我慢して下さい」などという言い訳が通用するはずもない。
侵襲的な手技を行う場合には,指導医の指導を受けることになる。だが,実施の前に,準備,方法,起こりうる副作用と対策などを理解しておくことが望まれる。手順を頭の中にたたき込み,イメージトレーニングを行っておれば,たとえはじめてであっても,焦ることなく実施できるだろう。そのためには,その分野のベテランによる経験に基づいた指南書が役立つ。また,指導医がいなくても,ステップを踏めば,それまでのトレーニングの成果を応用して実施できるはずだ。
臨床手技を解説した書物は少なくない。が,イラストを交え,医療の現場でサッと見て瞬時に参考にできるコンパクトなハンドブックは決して多くない。本書は,主として臨床実習や研修医指導で定評のある東京医科歯科大学の医師を中心に,医療手技や処置についての“コツ”をまとめてもらった。手技には諸先輩が長年の経験に基づいて獲得した“コツ”がある。それらは,どうすれば安全でより効率よく実施できるか,試行錯誤の後に自然と身についたものである。その“コツ”を本書で披露してもらうことにした。
本ハンドブックは厚生労働省「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン」に基づき,研修期間中に研修医が修得すべき事項を網羅した。とくに救命救急処置,日常頻繁に行われる可能性の高いものは遍く掲載している。まずは本書に則って手技・処置を行い,それに各自の工夫を取り入れれば,よりスマートに,安全に医療手技・処置が実施できることになろう。
本書を白衣のポケットにしのばせ,病棟や外来で手技・処置を行う際の参考にしていただきたい。
知識,技能,態度ともに習熟した医師を国民は期待している。この期待に沿うよう,研修に励んでいただきたいと願う。
本書の企画,編集には,植竹宏之准教授の深甚なるご協力をいただいた。また,編集者の意図を汲み取って分かりやすく解説していただいた執筆者に敬意を表したい。最後に,本書の発行を全面的に支えてくれたメジカルビュー社編集部石田奈緒美さんに深謝する。
平成24年盛夏
編集者を代表して 奈良信雄
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目次
蘇生・救急処置
○救急医療
二次救命処置 吉川和秀
一次救命処置 榎本真也
○気道確保
頭部後屈あご先挙上,下顎挙上 世良俊樹
エアウェイ 世良俊樹
気管挿管 世良俊樹
外科的気道確保 遠藤彰
輪状甲状間膜穿刺 宮川赳平
気道異物の解除 三倉直
○人工呼吸
口対口人工呼吸 根波朝陽
バッグバルブマスク 高山渉
補助換気 中本礼良
輪状軟骨圧迫法(セリック法) 三島有華
心マッサージ 吉川和秀
除細動 榎本真也
輸血 宮川赳平
外傷に対する処置
圧迫止血法 豊岡正裕,杉原健一
鼻出血に対する止血法 本田圭司,喜多村健
○包帯法
包帯固定 高橋誠
創傷部の被覆・保護 高橋誠
圧迫固定 高橋誠
絆創膏固定(テーピング) 高橋誠
局所麻酔法 豊岡正裕,杉原健一
創部消毒とガーゼ交換 松山貴俊,杉原健一
切開排膿 松山貴俊,杉原健一
○皮膚縫合法
縫合の基本 岡崎聡,植竹宏之
部位による縫合の要点 岡崎聡,植竹宏之
○軽度および開放性外傷の処置
軽度外傷(擦過傷など) 王耀東,大川淳
脱臼の整復 王耀東,大川淳
アイシング(冷罨法) 柳下和慶
応急固定 柳下和慶
シーネ固定 柳下和慶
ギプス固定 柳下和慶
装具固定 柳下和慶
開放性外傷(応急処置)
筋膜より浅い場合 王耀東,大川淳
筋膜・筋の損傷のある場合 王耀東,大川淳
骨折を伴う場合 王耀東,大川淳
○感染制御
消毒・滅菌 伴大輔,田中真二
手術室での清潔保持 中村典明,有井滋樹
外来,病棟での留意点 中村典明,有井滋樹
抗菌薬の使い方 工藤篤,有井滋樹
○外来における外科処置
熱傷処置 西澤綾
毛包炎,癤,癰,丹毒,蜂窩織炎の処置 西澤綾
爪囲炎,瘭疽の処置 西澤綾
皮下腫瘤の診断と摘出術 西澤綾
注射法,採血法
皮内・皮下・筋肉注射 入江工,有井滋樹
点滴,静脈確保 落合高徳,有井滋樹
中心静脈確保 藍原有弘,有井滋樹
静脈穿刺 松山貴俊,杉原健一
動脈穿刺 岡崎聡,植竹宏之
その他
腰椎穿刺 槇田浩史
胸腔穿刺 東海林裕,河野辰幸
腹腔穿刺 東海林裕,河野辰幸
骨髄穿刺 村上直己
導尿法 木島敏樹,木原和徳
ドレーン・チューブ類の管理 東海林裕,河野辰幸
胃管の挿入と管理 東海林裕,河野辰幸
付録/ACLSのアルゴリズム
○救急医療
二次救命処置 吉川和秀
一次救命処置 榎本真也
○気道確保
頭部後屈あご先挙上,下顎挙上 世良俊樹
エアウェイ 世良俊樹
気管挿管 世良俊樹
外科的気道確保 遠藤彰
輪状甲状間膜穿刺 宮川赳平
気道異物の解除 三倉直
○人工呼吸
口対口人工呼吸 根波朝陽
バッグバルブマスク 高山渉
補助換気 中本礼良
輪状軟骨圧迫法(セリック法) 三島有華
心マッサージ 吉川和秀
除細動 榎本真也
輸血 宮川赳平
外傷に対する処置
圧迫止血法 豊岡正裕,杉原健一
鼻出血に対する止血法 本田圭司,喜多村健
○包帯法
包帯固定 高橋誠
創傷部の被覆・保護 高橋誠
圧迫固定 高橋誠
絆創膏固定(テーピング) 高橋誠
局所麻酔法 豊岡正裕,杉原健一
創部消毒とガーゼ交換 松山貴俊,杉原健一
切開排膿 松山貴俊,杉原健一
○皮膚縫合法
縫合の基本 岡崎聡,植竹宏之
部位による縫合の要点 岡崎聡,植竹宏之
○軽度および開放性外傷の処置
軽度外傷(擦過傷など) 王耀東,大川淳
脱臼の整復 王耀東,大川淳
アイシング(冷罨法) 柳下和慶
応急固定 柳下和慶
シーネ固定 柳下和慶
ギプス固定 柳下和慶
装具固定 柳下和慶
開放性外傷(応急処置)
筋膜より浅い場合 王耀東,大川淳
筋膜・筋の損傷のある場合 王耀東,大川淳
骨折を伴う場合 王耀東,大川淳
○感染制御
消毒・滅菌 伴大輔,田中真二
手術室での清潔保持 中村典明,有井滋樹
外来,病棟での留意点 中村典明,有井滋樹
抗菌薬の使い方 工藤篤,有井滋樹
○外来における外科処置
熱傷処置 西澤綾
毛包炎,癤,癰,丹毒,蜂窩織炎の処置 西澤綾
爪囲炎,瘭疽の処置 西澤綾
皮下腫瘤の診断と摘出術 西澤綾
注射法,採血法
皮内・皮下・筋肉注射 入江工,有井滋樹
点滴,静脈確保 落合高徳,有井滋樹
中心静脈確保 藍原有弘,有井滋樹
静脈穿刺 松山貴俊,杉原健一
動脈穿刺 岡崎聡,植竹宏之
その他
腰椎穿刺 槇田浩史
胸腔穿刺 東海林裕,河野辰幸
腹腔穿刺 東海林裕,河野辰幸
骨髄穿刺 村上直己
導尿法 木島敏樹,木原和徳
ドレーン・チューブ類の管理 東海林裕,河野辰幸
胃管の挿入と管理 東海林裕,河野辰幸
付録/ACLSのアルゴリズム
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