かかりつけ医のための 外科系common disease診療ガイド

かかりつけ医のための 外科系common disease診療ガイド

■編集 白石 憲男
上田 貴威
二宮 繁生

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  304ページ  オールカラー,イラスト50点,写真50点
  • 2021年9月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-1541-8

かかりつけ医として知っておきたい外科系処置の対応を,診断からアフターケアまで網羅

外科系の処置が必要なcommon diseaseについて,かかりつけ医としてどう対応すべきか,ポイントや注意点を1冊で網羅。具体的な症例を提示し,実際の鑑別診断までの流れ,診断がついた後の初期治療,専門医に紹介するタイミング,帰院(退院)した患者のケアまでを,現場の第一線で診療に当たる医師が解説。


序文

 「地域医療で求められている医師は,common diseaseに対応でき,かつ専門性を有した医師である」という言葉をよく耳にする。医師を育成する役割を担う大学では,数年前から臓器別の講座への改組が進められてきた。専門臓器の疾患には詳しいが,他領域については全く知らない医師を育成している危険性がある。そのため,専門医制度においてもサブスペシャリティのあり方が論議されている。臓器別専門医至上主義のわが国において,いわゆる総合的な知識を持ち合わせた医師の必要性が軽んじられているようにも思う。
 このような中,医療現場では不可思議なことが生じている。休日診療において救急隊からの要請に対して「私の専門は循環器なので腹痛は診れない」とか,開放性の外傷に対して当直の内科医から「レントゲン検査の結果,骨折はないので貴院で縫合してもらいたい」など,驚くべき依頼を受ける。このような医療体制の中で迷惑をこうむっているのは患者さんであることを我々は忘れてはならない。
 学問は臓器別に細分化されているが,疾病は全身に影響している。本来,総合的な知識が求められる内科医においても,現在では臓器別に細分化されているものの,専門外の内科的知識の習得も忘れてはならない。また,外科的なcommon diseaseに対する知識も必要である。一方,外科医も,内科系および外科系common diseaseについての知識が求められている。すなわち地域の病院に勤務するすべての内科医や外科医は,commonな疾患の概念・診断・初期治療・専門医に紹介するタイミングなど,幅広い知識が必要である。
 本書 「さてどうする? かかりつけ医のための外科系common disease 診療ガイド」は,地域の現場で活躍している若き内科医や外科医に頻度の高い外科系疾患の診断と治療,さらには,その根拠を理解していただくことを目的にして編集した。専門領域以外の疾患に関する勉強もフレッシュで楽しいものである。地域の医療現場でご活躍の内科医や外科医の先生方に少しでもお役にたてば,大変うれしい。
 最後に,本書の趣旨をご理解いただき,お忙しい中,執筆していただいた先生方に心から感謝申し上げます。また,事務業務を手伝ってくれた秘書の福田裕美さんにも心から感謝いたします。本書の作成にご理解をいただき,本書を出版していただいたメジカルビュー社編集部の吉田富生氏,宮澤進氏,長沢慎吾氏,小澤祥子氏に心から感謝申し上げます。

令和3 年8 月
編者
白石憲男
上田貴威
二宮繁生
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目次

Ⅰ 頭部
 ① 増悪する複視  → 動眼神経圧迫(動脈瘤/腫瘍)を疑った。 さて,どうする?  [日下部隆則]
 ② 頭重感,認知症,歩行障害  → 慢性硬膜下血腫を疑った。 さて,どうする?  [日下部隆則]
Ⅱ 胸部
 ① 左胸部痛と呼吸困難  → 気胸を疑った。 さて,どうする?  [石井稔浩,宮㟢英士]
 ② 突然の胸痛,移動する疼痛  → 胸部大動脈解離を疑った。 さて,どうする?  [宇都宮理恵,宮㟢英士]
 ③ 乳腺の腫瘤  → 乳癌を疑った。 さて,どうする?  [佐川倫子]
Ⅲ 腹部
 ① 体重減少と上腹部違和感  → 胃癌を疑った。 さて,どうする?  [石川浩一]
 ② 上腹部激痛  → 十二指腸潰瘍穿孔を疑った。 さて,どうする?  [森井雄治,木下忠彦]
 ③ 右季肋部痛と発熱  → 急性胆嚢炎を疑った。 さて,どうする?  [二宮繁生]
 ④ 眼球結膜の黄染  → 閉塞性黄疸を疑った。 さて,どうする?  [藤井及三,森本章生]
 ⑤ 右下腹部痛と発熱  → 急性虫垂炎を疑った。 さて,どうする?  [安藤克敏,田島正晃]
 ⑥ 下腹部痛と発熱  → 付属器炎を疑った。 さて,どうする?  [西田正和,楢原久司]
 ⑦ 腰背部痛  → 尿路結石を疑った。 さて,どうする?  [一万田充洋,甲斐成一郎]
 ⑧ 背部痛  → 急性膵炎を疑った。 さて,どうする?  [松本敏文]
 ⑨ 腹部膨満と嘔吐  → 腸閉塞を疑った。 さて,どうする?  [武内 裕]
 ⑩ 鼠径部の膨隆  → 鼠径ヘルニアを疑った。 さて,どうする?  [末松俊洋]
 ⑪ 拍動性腫瘤  → 腹部大動脈瘤を疑った。 さて,どうする?  [田邉三思,荒巻政憲]
 ⑫ 下血  → 出血性大腸憩室症を疑った。 さて,どうする?  [白水章夫]
 ⑬ 便の狭小化  → 大腸癌を疑った。 さて,どうする?  [藤島 紀,板東登志雄]
 ⑭ 肛門部の違和感  → 肛門脱を疑った。 さて,どうする?  [麓 祥一,錦 耕平]
Ⅳ 四肢
 ① 股関節痛と起立不能  → 大腿骨近位部骨折を疑った。 さて,どうする?  [内田和宏]
 ② 右肩痛と挙上不能  → 肩関節脱臼を疑った。 さて,どうする?  [内田和宏]
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