腹腔鏡下消化器外科手術 標準手技シリーズ 2

下部消化管

下部消化管

■編集 坂井 義治

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  168ページ  オールカラー,イラスト200点,写真50点
  • 2015年3月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-1162-5

イラストでみる,腹腔鏡下消化器手術の決定版

イラストで腹腔鏡下消化器外科手術の基本を学べるシリーズ,部位別全4冊。
侵襲が少なく,消化器外科手術で主流となっている腹腔鏡下手術は,開腹手術とは視野も手技も異なり,安全かつ確実な手術のために,術者には一定の技術が求められる。本巻では,下部消化管の腹腔鏡下手術を取り上げ,術前管理から術後管理まで一連の手術の流れに沿って,助手が行うべき手技も含めて,手術場面ごとにポイントを解説。
「標準的手技」や「基本手技」をしっかり押さえて,安全かつ確実な腹腔鏡下手術を行うための手術書の決定版!

■シリーズ編集主幹
北野正剛


序文

 日本内視鏡外科学会2013年アンケート結果によると,結腸癌・直腸癌ともに腹腔鏡手術の割合は約58%と報告されています。また,2011年から2013年のNCDデータを用いた 「全国消化器外科領域腹腔鏡手術の現状に関する緊急調査結果」が2015年1月に公表されました。それによると低位前方切除術の腹腔鏡手術割合は2013年下半期には約60%に,右半結腸切除術では約45%に達しています。一方,腹腔鏡手術の普及に伴う死亡リスクは増加していません。つまり,腹腔鏡手術が安全に普及していることが伺えます。またJCOG 0404の長期成績も2015年1月にASCO-GIで発表され,StageⅡ/Ⅲ結腸癌の術後5年全生存率は開腹手術・腹腔鏡手術ともに90%を超えるすばらしい成績で,有意差はありませんでした。癌の根治性の点からも腹腔鏡手術が結腸癌に対する選択肢になりうることが示されたと言えます。
 今後,下部消化管疾患に対する腹腔鏡手術の割合はますます増加し,側方郭清など難易度の高い手術にも広く適用されことが予想されます。そこで本書は,すでに標準手術として確立したと思われる術式ばかりでなく,発展途上にあるもののいずれ標準手術になると考えられる術式を選択し,その分野で指導的・先駆的な活躍をされている先生に,術式の詳細な解説をお願い致しました。腹腔鏡手術は光学機器とエネルギーデバイスなど操作機器の開発・進歩とともに発展しています。今日の 「標準手術」 が明日には 「標準手術」 でないかもしれません。しかし,今日の 「標準手術」 を習得せずして明日の 「標準手術」 を極めることは無理でしょう。これは腹腔鏡手術だけに限ったことではありません。どこかでしっかりとした基礎固めが必要です。
 本書が,腹腔鏡手術習得をめざしている外科医ばかりでなく,すでに腹腔鏡手術の十分な経験を持ちながら今一度 「標準」 的な手技を復習したい,あるいはより難易度の高い手術を習得したいと思われる消化器外科医の一助になれば幸いです。

2015年3月
編集 坂井 義治
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目次

Ⅰ 良性疾患
 虫垂切除術(平塚孝宏,猪股雅史,北野正剛)
 大腸全摘術(大塚幸喜,外舘幸敏,佐々木 章)
 直腸脱(中村 寧,辻 順行,山田一隆)

Ⅱ 悪性疾患
結腸癌
 結腸右半切除術(山口茂樹,石井利昌,田代 浄)
 横行結腸切除術(竹政伊知朗,土岐祐一郎,森 正樹)
 左結腸切除術(永仮邦彦,福永正氣,吉川征一郞,東 大輔)
 腹腔鏡下S状結腸切除術(小倉直人,渡邊昌彦)
直腸癌
 腹腔鏡下直腸前方切除術(戸田重夫,黒柳洋弥)
 ISR(長谷川 傑,和田聡朗,坂井義治)
 腹会陰式直腸切断術(塩見明生,絹笠祐介)
 側方郭清(小西 毅,福長洋介,上野雅資)
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