理学療法学 ゴールド・マスター・テキスト 7
地域理学療法学
定価 4,180円(税込) (本体3,800円+税)
- B5判 208ページ 2色,イラスト130点
- 2009年11月30日刊行
- ISBN978-4-7583-1114-4
序文
理学療法専門分野をすべて網羅したテキスト「ゴールド・マスター・テキスト」が上梓されました。本テキストシリーズは「理学療法評価学」・「運動療法学」・「物理療法学」・「整形外科系理学療法学」・「中枢神経系理学療法学」・「内部障害系理学療法学」・「地域理学療法学」の全7巻から構成されています。
本シリーズの特色は,“臨床知識につながる高度な内容を,レベルを落とさず一読で理解できる内容”にこだわったことにあります。いままでの理学療法の教科書や参考書・テキストは学問的に優れた内容ではありますが,その内容が実際のところ臨床とどのようにリンクされているかがあまりにも不明瞭・不親切な記載が数多くみられます。本シリーズでは,このような不適切なことのないような配慮のもとに編集されました。
「Introduction」では,これを一読するだけで「これから何を学ぶのか」ということを理解できるような内容を全巻それぞれに盛り込んであります。「各論」では“基礎・原理”に続き「よって,どのような治療法・対処法が必要になるのか」ということにストーリー性を持たせた構成で,論理的に理解できる工夫が施されています。執筆者には「どうすれば短期間に効率よく確実に理解できるか」を絶えず念頭に置いての執筆に心がけて頂きました。また勉強の流れを妨げる“唐突な専門用語”は「用語解説」として欄外に示すなどの工夫を加えました。
本書は理学療法学科・専攻の学生を対象にした内容に特化することで,理学療法学科・専攻の教員にも納得できる内容かつ教えやすい編集にこだわりました。このため,効率よく学生に教授することが可能ならしめると確信しています。
本書の不備な点などがあれば,読者諸氏のご教示をお願いします。
2009年7月
首都大学東京 柳澤 健
本シリーズの特色は,“臨床知識につながる高度な内容を,レベルを落とさず一読で理解できる内容”にこだわったことにあります。いままでの理学療法の教科書や参考書・テキストは学問的に優れた内容ではありますが,その内容が実際のところ臨床とどのようにリンクされているかがあまりにも不明瞭・不親切な記載が数多くみられます。本シリーズでは,このような不適切なことのないような配慮のもとに編集されました。
「Introduction」では,これを一読するだけで「これから何を学ぶのか」ということを理解できるような内容を全巻それぞれに盛り込んであります。「各論」では“基礎・原理”に続き「よって,どのような治療法・対処法が必要になるのか」ということにストーリー性を持たせた構成で,論理的に理解できる工夫が施されています。執筆者には「どうすれば短期間に効率よく確実に理解できるか」を絶えず念頭に置いての執筆に心がけて頂きました。また勉強の流れを妨げる“唐突な専門用語”は「用語解説」として欄外に示すなどの工夫を加えました。
本書は理学療法学科・専攻の学生を対象にした内容に特化することで,理学療法学科・専攻の教員にも納得できる内容かつ教えやすい編集にこだわりました。このため,効率よく学生に教授することが可能ならしめると確信しています。
本書の不備な点などがあれば,読者諸氏のご教示をお願いします。
2009年7月
首都大学東京 柳澤 健
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目次
用語アラカルト・MEMO 一覧
0章 introduction池田 誠
1 地域理学療法(学)の考え方
●1 地域とは
●2 地域理学療法
●3 地域と理学療法の関係
●4 医療機関での理学療法と地域での理学療法の違いは?
1章 地域理学療法学総論池田 誠
1 地域理学療法学の理念・目標・考え方
●1 ノーマライゼーションなどの福祉思想の実現
●2 CBRの概念
●3 リハビリテーションの理念とリハビリテーション医療の目標
●4 障害モデルから生活機能モデルへの転換
●5 在宅ケアとケアマネジメント
●6 閉じこもり予防,生活空間の拡大のための通所理学療法の重要性
●7 生活機能を充実する訪問理学療法の重要性
●8 入所施設の重要性
●9 援助関係の形成要件
●10 エンパワーメントによる当事者主体の援助の必要性
●11 運動行動における健康支援のあり方
●12 生活圏のバリアフリー化とユニバーサルデザイン
●13 人と車いすが安全に移動・移送できるまちづくり空間
2 地域理学療法と地域リハビリテーション
●1 医療機関で行われるリハビリテーション
●2 リハビリテーションと地域理学療法
●3 地域リハビリテーションの必要条件
●4 地域理学療法学の目標,枠組み,および役割
3 地域理学療法の対象となる人々
●1 介護保険法の対象で疾病・障害などをもつ人々
●2 障害者自立支援法の対象で身体障害者(児)となった人々
●3 家族や介護者
●4 介護保険法の非該当者や健康増進法の対象者
4 地域理学療法提供システム
●1 病院から地域へ移行する方法
●2 地域で普通の生活を送る方法
●3 在宅生活を継続する方法
●4 介護予防事業などで社会参加を促進する方法
2章 地域理学療法の方法論池田 誠
1 地域リハビリテーションニーズ
2 ニーズ把握の方法
●1 ICF分類によるニーズ把握
●2 他職種・他施設からの情報
3 家族と関係づくり
●1 家族指導は家族の受入れ状況に応じた指導方法を実施する
●2 訪問による生活環境調査と指導
●3 リハビリテーション実施計画書
4 地域でのチームワークと連携づくり
●1 地域における理学療法士の役割(能力)
●2 連携によるチームワークとその構成職種
●3 連携のとり方
5 カンファレンスの意義と進め方
●1 カンファレンスの意義
●2 専門用語の共有化
●3 カンファレンスの進め方
6 地域理学療法の内容
●1 訪問による方法
●2 通院・通所による方法
●3 施設入所による方法
●4 自主グループ活動を支援する理学療法
●5 個別理学療法技術
●6 集団理学療法技術
7 効果判定の方法
●1 生活している地域の評価
●2 ICFで構成する評価
●3 地域理学療法の手段・方法の評価
●4 理学療法の手段・方法の評価
●5 生活空間の環境の状況の評価
●6 健康づくりで構成する評価
●7 総合的な評価,その他の評価
8 フォローアップの方法
●1 フォローアップの必要性
●2 フォローアップの内容
●3 フォローアップの方法
3章 生活環境学と理学療法丸田和夫
1 生活環境と問題点
はじめに
1 生活環境学とは
2 生活環境学の捉え方
●1 健康状態とは何か?
●2 人にとっての環境とは何か?
●3 理学療法に生活環境学はどうかかわるのか?
●4 環境因子をどのように捉えるのか?
3 症例がもつ問題点の考え方
●1 骨関節系疾患ではどう考える?
●2 中枢神経疾患ではどう考える?
●3 神経筋疾患ではどう考える?
●4 運動発達障害ではどう考える?
●5 内部機能障害ではどう考える?
●6 呼吸器系疾患ではどう考える?
●7 心臓・循環器系疾患ではどう考える?
●8 腎・泌尿器系疾患ではどう考える?
●9 代謝・内分泌器系疾患ではどう考える?
●10 消化器系疾患ではどう考える?
●11 血液・免疫系疾患,他ではどう考える?
●12 その他疾患ではどう考える?
2 プランニングとケアマネジメント
1 福祉用具のプランニング
●1 福祉用具の定義は?
●2 補装具給付はどのような手続きか?
●3 日常生活用具給付の場合は?
●4 日常生活用具の選択と適合方法とは?
2 住宅改造のプランニング
●1 住宅とADLの関係は?
●2 住宅の住まい感とは?
●3 障害形態に応じた住宅改造の方法は?
●4 介護保険法による住宅改修の手続きは?
3 ケアマネジメントの進め方
おわりに
4章 リハビリテーション関連機器日高正巳
1 コミュニケーション機器
●1 コミュニケーション機器とは?
●2 視覚に障害がある場合は?
●3 聴覚に障害がある場合は?
●4 聴覚と視覚の両方に障害がある場合は?
●5 言語能力に障害がある場合は?
●6 進行性疾患のコミュニケーション機器とは?
2 スポーツ・レクリエーション機器
●1 障害者スポーツとは?
●2 レクリエーションとは?
●3 治療的レクリエーションとは?
●4 レクリエーションの企画とは?
●5 レクリエーションの環境づくりとは?
●6 レクリエーションの運営とは?
5章 関連制度日高正巳
1 介護保険制度
●1 介護保険制度とは?
●2 介護保険法改正とは?
●3 介護サービス利用までの流れとは?
2 要介護者に対する介護サービス
●1 入所系サービスとは?
●2 通所系サービスとは?
●3 訪問系サービスとは?
●4 福祉用具の貸与・給付とは?
●5 住宅改修の補助とは?
●6 要支援者に対する介護予防事業とは?
●7 介護予防ケアプランの作成とは?
●8 介護予防特定高齢者施策とは?
●9 介護予防一般高齢者施策とは?
3 障害者自立支援法
●1 障害者自立支援法とは?
●2 福祉サービス利用までの流れとは?
●3 障害者自立支援法に基づくサービスとは?
●4 障害者自立支援法独自のサービスは?
●5 就労継続支援とは?
●6 補装具の支給とは?
●7 自立支援医療とは?
●8 地域生活支援事業とは?
6章 緊急時の対応日高正巳
1 救急法
●1 緊急事態とは?
●2 救急法とは?
●3 BLSの流れとは?
●4 AED操作の手順とは?
●5 BLSの手順とは?
1 気道確保(呼吸の確認)
2 人工呼吸実施
3 胸骨圧迫による心臓マッサージ
●6 ACLSとは?
●7 止血法とは?
2 救急法以外の緊急対応
●1 転倒した場合の対処法は?
1 安全の確保
2 外傷などのチェック
3 バイタルサインのチェック
●2 その他の急変とは?
●3 トラブルが発生した後の対応とは?
●4 インシデント・アクシデントレポートの作成とは?
0章 introduction池田 誠
1 地域理学療法(学)の考え方
●1 地域とは
●2 地域理学療法
●3 地域と理学療法の関係
●4 医療機関での理学療法と地域での理学療法の違いは?
1章 地域理学療法学総論池田 誠
1 地域理学療法学の理念・目標・考え方
●1 ノーマライゼーションなどの福祉思想の実現
●2 CBRの概念
●3 リハビリテーションの理念とリハビリテーション医療の目標
●4 障害モデルから生活機能モデルへの転換
●5 在宅ケアとケアマネジメント
●6 閉じこもり予防,生活空間の拡大のための通所理学療法の重要性
●7 生活機能を充実する訪問理学療法の重要性
●8 入所施設の重要性
●9 援助関係の形成要件
●10 エンパワーメントによる当事者主体の援助の必要性
●11 運動行動における健康支援のあり方
●12 生活圏のバリアフリー化とユニバーサルデザイン
●13 人と車いすが安全に移動・移送できるまちづくり空間
2 地域理学療法と地域リハビリテーション
●1 医療機関で行われるリハビリテーション
●2 リハビリテーションと地域理学療法
●3 地域リハビリテーションの必要条件
●4 地域理学療法学の目標,枠組み,および役割
3 地域理学療法の対象となる人々
●1 介護保険法の対象で疾病・障害などをもつ人々
●2 障害者自立支援法の対象で身体障害者(児)となった人々
●3 家族や介護者
●4 介護保険法の非該当者や健康増進法の対象者
4 地域理学療法提供システム
●1 病院から地域へ移行する方法
●2 地域で普通の生活を送る方法
●3 在宅生活を継続する方法
●4 介護予防事業などで社会参加を促進する方法
2章 地域理学療法の方法論池田 誠
1 地域リハビリテーションニーズ
2 ニーズ把握の方法
●1 ICF分類によるニーズ把握
●2 他職種・他施設からの情報
3 家族と関係づくり
●1 家族指導は家族の受入れ状況に応じた指導方法を実施する
●2 訪問による生活環境調査と指導
●3 リハビリテーション実施計画書
4 地域でのチームワークと連携づくり
●1 地域における理学療法士の役割(能力)
●2 連携によるチームワークとその構成職種
●3 連携のとり方
5 カンファレンスの意義と進め方
●1 カンファレンスの意義
●2 専門用語の共有化
●3 カンファレンスの進め方
6 地域理学療法の内容
●1 訪問による方法
●2 通院・通所による方法
●3 施設入所による方法
●4 自主グループ活動を支援する理学療法
●5 個別理学療法技術
●6 集団理学療法技術
7 効果判定の方法
●1 生活している地域の評価
●2 ICFで構成する評価
●3 地域理学療法の手段・方法の評価
●4 理学療法の手段・方法の評価
●5 生活空間の環境の状況の評価
●6 健康づくりで構成する評価
●7 総合的な評価,その他の評価
8 フォローアップの方法
●1 フォローアップの必要性
●2 フォローアップの内容
●3 フォローアップの方法
3章 生活環境学と理学療法丸田和夫
1 生活環境と問題点
はじめに
1 生活環境学とは
2 生活環境学の捉え方
●1 健康状態とは何か?
●2 人にとっての環境とは何か?
●3 理学療法に生活環境学はどうかかわるのか?
●4 環境因子をどのように捉えるのか?
3 症例がもつ問題点の考え方
●1 骨関節系疾患ではどう考える?
●2 中枢神経疾患ではどう考える?
●3 神経筋疾患ではどう考える?
●4 運動発達障害ではどう考える?
●5 内部機能障害ではどう考える?
●6 呼吸器系疾患ではどう考える?
●7 心臓・循環器系疾患ではどう考える?
●8 腎・泌尿器系疾患ではどう考える?
●9 代謝・内分泌器系疾患ではどう考える?
●10 消化器系疾患ではどう考える?
●11 血液・免疫系疾患,他ではどう考える?
●12 その他疾患ではどう考える?
2 プランニングとケアマネジメント
1 福祉用具のプランニング
●1 福祉用具の定義は?
●2 補装具給付はどのような手続きか?
●3 日常生活用具給付の場合は?
●4 日常生活用具の選択と適合方法とは?
2 住宅改造のプランニング
●1 住宅とADLの関係は?
●2 住宅の住まい感とは?
●3 障害形態に応じた住宅改造の方法は?
●4 介護保険法による住宅改修の手続きは?
3 ケアマネジメントの進め方
おわりに
4章 リハビリテーション関連機器日高正巳
1 コミュニケーション機器
●1 コミュニケーション機器とは?
●2 視覚に障害がある場合は?
●3 聴覚に障害がある場合は?
●4 聴覚と視覚の両方に障害がある場合は?
●5 言語能力に障害がある場合は?
●6 進行性疾患のコミュニケーション機器とは?
2 スポーツ・レクリエーション機器
●1 障害者スポーツとは?
●2 レクリエーションとは?
●3 治療的レクリエーションとは?
●4 レクリエーションの企画とは?
●5 レクリエーションの環境づくりとは?
●6 レクリエーションの運営とは?
5章 関連制度日高正巳
1 介護保険制度
●1 介護保険制度とは?
●2 介護保険法改正とは?
●3 介護サービス利用までの流れとは?
2 要介護者に対する介護サービス
●1 入所系サービスとは?
●2 通所系サービスとは?
●3 訪問系サービスとは?
●4 福祉用具の貸与・給付とは?
●5 住宅改修の補助とは?
●6 要支援者に対する介護予防事業とは?
●7 介護予防ケアプランの作成とは?
●8 介護予防特定高齢者施策とは?
●9 介護予防一般高齢者施策とは?
3 障害者自立支援法
●1 障害者自立支援法とは?
●2 福祉サービス利用までの流れとは?
●3 障害者自立支援法に基づくサービスとは?
●4 障害者自立支援法独自のサービスは?
●5 就労継続支援とは?
●6 補装具の支給とは?
●7 自立支援医療とは?
●8 地域生活支援事業とは?
6章 緊急時の対応日高正巳
1 救急法
●1 緊急事態とは?
●2 救急法とは?
●3 BLSの流れとは?
●4 AED操作の手順とは?
●5 BLSの手順とは?
1 気道確保(呼吸の確認)
2 人工呼吸実施
3 胸骨圧迫による心臓マッサージ
●6 ACLSとは?
●7 止血法とは?
2 救急法以外の緊急対応
●1 転倒した場合の対処法は?
1 安全の確保
2 外傷などのチェック
3 バイタルサインのチェック
●2 その他の急変とは?
●3 トラブルが発生した後の対応とは?
●4 インシデント・アクシデントレポートの作成とは?
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ゼロから学ぶあなたにも! 読みやすい文章,豊富なイラストで,講義にも独学にも最適なテキスト!
本シリーズは,理学療法について知識のない学生の方々でもわかりやすいように,読みやすく解説した理学療法学専門分野のテキストである。「7 地域理学療法学」では,地域理学療法学とは何か,に始まり,医療施設内だけに留まらない理学療法士のありかたについて,適宜,症例や身近なエピソードも盛り込んである。講義で使うだけでなく,ひとりでも学びやすいようイラストを多く配置し,囲み記事や図表を多用して理解しやすくした。「Introduction」や「全体の流れ図」を設けて,地域という実際の場における理学療法の考え方が把握しやすいようにしてある。また,随所に実際の臨床の場での例をあげた「Case・Study」,用語説明・補足説明の「用語アラカルト」や「MEMO」,日常生活に基づく「エピソード」などを入れることにより,理解の促進を図っている。
ぜひ,イラストとともに読み進めて,臨床・応用にも役立つような理学療法の知識を身につけて欲しい!