泌尿器科薬物療法
1st VISIT,2nd VISIT
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定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
- A5判 232ページ 2色
- 2011年1月28日刊行
- ISBN978-4-7583-0566-2
序文
この度,全く新しいコンセプトのもとに「泌尿器科薬物治療-1st VISIT, 2nd VISIT-」を刊行することとなった。泌尿器科は外科の一分野に位置づけられる。薬物療法も同様に大きな位置を占めているが,近年,新規薬剤の開発が加速され,重要性が一段と増している。泌尿器科領域の薬物療法の書としては,多くはある疾患に限定したものとして出版されているが,泌尿器科全般にわたって網羅的に解説したものは少ない。
従来の薬物療法の解説書の多くは,診断後の最初の処方と注意事項を中心に解説しているものがほとんどである。しかし実際の臨床では,初回投与で終了することは少なく,再来時の効果判定や薬剤変更などの判断が治療の成否を決めることが多い。初回投与の効果によって診断が確定したり,場合によっては診断そのものが変更されたりすることもある。治療効果をみながら長期的視野で治療を継続していくことも珍しくない。すなわち再来時,再々来時の対応にこそ臨床医の実力が試されるわけで,これら一連の流れにこそ実地臨床の醍醐味がある。
そこで本書では薬物治療の過程を,1st VISIT, 2nd VISIT,3rd VISITで構成し, 各過程での処方例と継続治療のポイント,治療終了の判定等を解説するようにした。1st VISITでは,薬物療法を開始するにあたっての基本方針,代表的処方,患者説明のポイント等を示している。2nd VISITでは,初期処方の効果判定とその後の治療方針,処方の継続,効果不十分時の処方見直し,患者説明の必要性等を解説した。必要に応じて3rd VISITを想定し,薬物療法中止の判断や長期継続治療に関する要点などを解説した。悪性疾患に対する薬物療法では一部,1st LINE (CYCLE),2nd LINE (CYCLE)などとして解説したものもある。実際の臨床時間軸に沿った構成により,本書を利用される諸兄は初回の薬剤投与法だけでなく,その後に起こりうる種々の場面をも想定しながら治療を行うことが出来よう。
本書は第一線の医師の豊富な経験にもとづいて,各治療段階に最も相応しい対処法が具体的かつ詳細に記載している。特に2nd VISIT,3rd VISITには,臨床医の「巧み」のわざとも言えるものが数多く隠れているはずである。本書が広く泌尿器科実臨床で愛用されることを期待したい。特に若い泌尿器科医の必携の書としてお役に立てれば幸いである。
東北大学大学院医学系研究科・泌尿器科学分野
荒井陽一
従来の薬物療法の解説書の多くは,診断後の最初の処方と注意事項を中心に解説しているものがほとんどである。しかし実際の臨床では,初回投与で終了することは少なく,再来時の効果判定や薬剤変更などの判断が治療の成否を決めることが多い。初回投与の効果によって診断が確定したり,場合によっては診断そのものが変更されたりすることもある。治療効果をみながら長期的視野で治療を継続していくことも珍しくない。すなわち再来時,再々来時の対応にこそ臨床医の実力が試されるわけで,これら一連の流れにこそ実地臨床の醍醐味がある。
そこで本書では薬物治療の過程を,1st VISIT, 2nd VISIT,3rd VISITで構成し, 各過程での処方例と継続治療のポイント,治療終了の判定等を解説するようにした。1st VISITでは,薬物療法を開始するにあたっての基本方針,代表的処方,患者説明のポイント等を示している。2nd VISITでは,初期処方の効果判定とその後の治療方針,処方の継続,効果不十分時の処方見直し,患者説明の必要性等を解説した。必要に応じて3rd VISITを想定し,薬物療法中止の判断や長期継続治療に関する要点などを解説した。悪性疾患に対する薬物療法では一部,1st LINE (CYCLE),2nd LINE (CYCLE)などとして解説したものもある。実際の臨床時間軸に沿った構成により,本書を利用される諸兄は初回の薬剤投与法だけでなく,その後に起こりうる種々の場面をも想定しながら治療を行うことが出来よう。
本書は第一線の医師の豊富な経験にもとづいて,各治療段階に最も相応しい対処法が具体的かつ詳細に記載している。特に2nd VISIT,3rd VISITには,臨床医の「巧み」のわざとも言えるものが数多く隠れているはずである。本書が広く泌尿器科実臨床で愛用されることを期待したい。特に若い泌尿器科医の必携の書としてお役に立てれば幸いである。
東北大学大学院医学系研究科・泌尿器科学分野
荒井陽一
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目次
I 感染・炎症性疾患
急性腎盂腎炎
尿路性器結核
膀胱炎
急性膀胱炎
急性出血性膀胱炎(小児)
間質性膀胱炎
前立腺炎
急性細菌性前立腺炎
慢性細菌性前立腺炎
慢性非細菌性前立腺炎
尿道・外陰部の感染・炎症性疾患
淋菌性尿道炎
非淋菌性尿道炎:クラミジア尿道炎
トリコモナス尿道炎
尿路・陰部カンジダ症
亀頭包皮炎
尖圭コンジローマ
ケジラミ症(陰虱症)
性器ヘルペス
精巣・精巣上体炎
ムンプス精巣炎
精巣上体炎
II 前立腺肥大症
III 尿失禁・排尿障害
腹圧性尿失禁
過活動膀胱
神経因性膀胱による排尿障害
夜間頻尿
IV 尿管結石
仙痛発作対策と結石自排促進
シスチン結石
尿酸結石
V 性機能障害・男性不妊症
Erectil Dysfunction
ペイロニー病
陰茎持続勃起症
血精液症
VI 泌尿器科内分泌疾患
クッシング症候群に対する術後補助療法
男性更年期障害(LOH症候群)
続発性性腺機能低下症
VII 腫瘍
副腎癌
腎癌
免疫療法
分子標的薬療法
膀胱癌に対する膀注療法
前立腺癌に対するアンドロゲン除去療法
VIII 慢性腎不全
IX その他の疾患
腎尿細管性アシドーシス
腎梗塞・腎静脈血栓
低カルシウム血症
高カリウム血症
高カルシウム血症
高尿酸血症
付録:薬効別薬剤一覧
索引
急性腎盂腎炎
尿路性器結核
膀胱炎
急性膀胱炎
急性出血性膀胱炎(小児)
間質性膀胱炎
前立腺炎
急性細菌性前立腺炎
慢性細菌性前立腺炎
慢性非細菌性前立腺炎
尿道・外陰部の感染・炎症性疾患
淋菌性尿道炎
非淋菌性尿道炎:クラミジア尿道炎
トリコモナス尿道炎
尿路・陰部カンジダ症
亀頭包皮炎
尖圭コンジローマ
ケジラミ症(陰虱症)
性器ヘルペス
精巣・精巣上体炎
ムンプス精巣炎
精巣上体炎
II 前立腺肥大症
III 尿失禁・排尿障害
腹圧性尿失禁
過活動膀胱
神経因性膀胱による排尿障害
夜間頻尿
IV 尿管結石
仙痛発作対策と結石自排促進
シスチン結石
尿酸結石
V 性機能障害・男性不妊症
Erectil Dysfunction
ペイロニー病
陰茎持続勃起症
血精液症
VI 泌尿器科内分泌疾患
クッシング症候群に対する術後補助療法
男性更年期障害(LOH症候群)
続発性性腺機能低下症
VII 腫瘍
副腎癌
腎癌
免疫療法
分子標的薬療法
膀胱癌に対する膀注療法
前立腺癌に対するアンドロゲン除去療法
VIII 慢性腎不全
IX その他の疾患
腎尿細管性アシドーシス
腎梗塞・腎静脈血栓
低カルシウム血症
高カリウム血症
高カルシウム血症
高尿酸血症
付録:薬効別薬剤一覧
索引
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1st VISIT, 2nd VISIT, ステップ別泌尿器科薬物療法の要点
泌尿器科薬物治療の多くは,薬剤の効果をみながら治療終了,あるいは治療継続を判断して進めていく。本書では治療の全過程を1st VISIT,2nd VISIT,3rd VISITの3つに分け,1st VISITでは治療開始時の基本方針,代表的処方,2nd VISITでは初期処方の効果の判定とその後の治療をどのように継続していくか,3rd VISITでは薬物療法中止の判断や長期的視野に立った治療方針などについて解説している。日常診療で実際に患者に対した際の説明に役立つよう,各ステップで「患者説明のポイント」を記載。処方の解説に留まらず,泌尿器科薬物療法の全過程を解説した泌尿器科医必携の書籍である。