知識をギュッ!
がん薬物療法のキホンと
マネジメント
困ったときに絶対役立つお守り本
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
- B6判 256ページ オールカラー,イラスト65点
- 2023年12月25日刊行
- ISBN978-4-7583-2238-6
電子版
序文
がん医療はこの10年,20年でものすごい勢いで進化しています。なかでも薬物療法は,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の台頭もあり,最もホットな分野となっています。そのためか,筆者が医療者になった1990年代と比較してもがん医療を専門とする医療者は各段に増えた印象があります。
本書『がん薬物療法のキホンとマネジメント』は看護師や若い医師,がん医療に携わるもしくはこれから目指される方々にぜひとも知ってほしい薬物療法の基本を盛り込みました。意外に知らないことも多いと実感されるものと思います。ぜひとも本書を手元に置いて,困ったときにパッと見ることのできる教科書としてご活用いただければ幸いです。
関西医科大学附属病院呼吸器腫瘍内科 教授
倉田 宝保
---------------------------------
がんに対する薬物療法は,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の開発とともに日々進化しながら多様化してきています。また,外来・在宅での治療が主流になるなかで,患者さんの生活を考慮しつつ,予定された治療を安全に,できるだけ苦痛を最小限に,最後まで継続できるための支援が看護師には望まれています。しかし,実際には日々の業務に追われ,タイムリーにかかわれず,もどかしい思いをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は現在,看護基礎教育に携わっていますが,がん薬物療法看護を体系的に講義・演習で学ぶことは難しく,実習で患者さんを受け持たせていただいても難渋している学生さんが多い印象です。きっと卒業後に自分でいろいろな書籍を手にして,改めて一から学習されるのだろうと思います。
本書は,学生さんやがん薬物療法看護に携わっている方が手にとってわかりやすい,使いやすい書籍を目指しました。第1章では,がん薬物療法を学ぶうえでの基礎知識を,治療前から治療中,治療後の長期にわたるサポートの視点で解説しています。第2章は,多くのがん治療薬を「覚える」のではなく「理解」しながら,それぞれの特徴が学べるように解説しています。そして第3章では,起こりやすい副作用についてメカニズムから最新のマネジメントまでポイントを解説しています。どこから読んでいただいてもわかりやすい工夫と,実践に活用できるレジメンリストも添えました。時間の制約があるなかでもポケットから本書をさっと取り出して,日々のケアに活かしていただければ幸いです。
関西医科大学看護学部/ 看護学研究科 治療看護分野(がん看護学領域)教授
青木 早苗
---------------------------------
2人に1人は生涯のうち一度はがんに罹患し,4~6人に1人はがんで亡くなる時代ですが,近年,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の開発により,がん治療の成績が飛躍的に伸びています。一方,従来の殺細胞性抗がん剤とは異なった特有の毒性を有するものが多く,副作用対策に難渋することも多いです。そのため,副作用を適切にマネジメントすることは,治療強度を維持するうえでも重要であり,多職種でのマネジメントが不可欠です。また,患者自身がセルフケアを継続してモニタリングすることにより,副作用を早期に発見し対応することも重要です。
本書は,がん薬物療法に携わる方にとって役立つことを目的として,がん薬物療法における基礎知識をはじめ,副作用アセスメントや退院後のセルフマネジメントのポイント,がん治療薬の特徴,副作用が発現したときに患者に必要な支援を提供するための知識や技術など,全体像をコンパクトにまとめました。また,臨床現場で困ったときにすぐに答えが見つかるように,各専門家が簡潔に答えてくれています。本書が,がん薬物療法に携わる方々にとって,臨床現場における積極的な患者支援の一助につながれば望外の喜びです。
関西医科大学附属病院薬剤部
藤井 良平
本書『がん薬物療法のキホンとマネジメント』は看護師や若い医師,がん医療に携わるもしくはこれから目指される方々にぜひとも知ってほしい薬物療法の基本を盛り込みました。意外に知らないことも多いと実感されるものと思います。ぜひとも本書を手元に置いて,困ったときにパッと見ることのできる教科書としてご活用いただければ幸いです。
関西医科大学附属病院呼吸器腫瘍内科 教授
倉田 宝保
---------------------------------
がんに対する薬物療法は,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の開発とともに日々進化しながら多様化してきています。また,外来・在宅での治療が主流になるなかで,患者さんの生活を考慮しつつ,予定された治療を安全に,できるだけ苦痛を最小限に,最後まで継続できるための支援が看護師には望まれています。しかし,実際には日々の業務に追われ,タイムリーにかかわれず,もどかしい思いをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は現在,看護基礎教育に携わっていますが,がん薬物療法看護を体系的に講義・演習で学ぶことは難しく,実習で患者さんを受け持たせていただいても難渋している学生さんが多い印象です。きっと卒業後に自分でいろいろな書籍を手にして,改めて一から学習されるのだろうと思います。
本書は,学生さんやがん薬物療法看護に携わっている方が手にとってわかりやすい,使いやすい書籍を目指しました。第1章では,がん薬物療法を学ぶうえでの基礎知識を,治療前から治療中,治療後の長期にわたるサポートの視点で解説しています。第2章は,多くのがん治療薬を「覚える」のではなく「理解」しながら,それぞれの特徴が学べるように解説しています。そして第3章では,起こりやすい副作用についてメカニズムから最新のマネジメントまでポイントを解説しています。どこから読んでいただいてもわかりやすい工夫と,実践に活用できるレジメンリストも添えました。時間の制約があるなかでもポケットから本書をさっと取り出して,日々のケアに活かしていただければ幸いです。
関西医科大学看護学部/ 看護学研究科 治療看護分野(がん看護学領域)教授
青木 早苗
---------------------------------
2人に1人は生涯のうち一度はがんに罹患し,4~6人に1人はがんで亡くなる時代ですが,近年,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の開発により,がん治療の成績が飛躍的に伸びています。一方,従来の殺細胞性抗がん剤とは異なった特有の毒性を有するものが多く,副作用対策に難渋することも多いです。そのため,副作用を適切にマネジメントすることは,治療強度を維持するうえでも重要であり,多職種でのマネジメントが不可欠です。また,患者自身がセルフケアを継続してモニタリングすることにより,副作用を早期に発見し対応することも重要です。
本書は,がん薬物療法に携わる方にとって役立つことを目的として,がん薬物療法における基礎知識をはじめ,副作用アセスメントや退院後のセルフマネジメントのポイント,がん治療薬の特徴,副作用が発現したときに患者に必要な支援を提供するための知識や技術など,全体像をコンパクトにまとめました。また,臨床現場で困ったときにすぐに答えが見つかるように,各専門家が簡潔に答えてくれています。本書が,がん薬物療法に携わる方々にとって,臨床現場における積極的な患者支援の一助につながれば望外の喜びです。
関西医科大学附属病院薬剤部
藤井 良平
全文表示する
閉じる
目次
Ⅰ がん薬物療法マネジメント総論
● がん薬物療法の基礎知識 [青木早苗]
● レジメンって何? [青木早苗,高尾鮎美]
● 投与前のアセスメントのポイント [青木早苗,高尾鮎美]
● 投与管理 [松井利江]
● 退院後のセルフマネジメント [松井利江]
Ⅱ がん治療薬の特徴と副作用
● がん治療薬 総論 [石倉 遥,今井雄介]
● 殺細胞性抗がん剤 [石倉 遥,今井雄介]
アルキル化薬
代謝拮抗薬
微小管阻害薬
プラチナ製剤
抗生物質
トポイソメラーゼ阻害薬
● 分子標的薬 [石倉 遥,今井雄介]
抗EGFR抗体薬,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬
抗HER2抗体薬,HER2チロシンキナーゼ阻害薬
抗VEGF抗体薬
マルチキナーゼ阻害薬
BCR/ABL阻害薬
mTOR阻害薬
ALK阻害薬
BRAF阻害薬
NTRK阻害薬
FLT3阻害薬
KRAS阻害薬
プロテアソーム阻害薬
CDK阻害薬
PARP阻害薬
細胞表面抗原に対する抗体薬
● 免疫チェックポイント阻害薬 [冨田詩織]
抗PD-1抗体薬
抗PD-L1抗体薬
抗CTLA-4抗体薬
● ホルモン療法薬 [冨田詩織]
● そのほかの抗がん剤 [冨田詩織]
免疫調節薬
分化誘導薬
Ⅲ 副作用が起きたときにどうする?
● 骨髄抑制 ①易感染,発熱性好中球減少症 [佐久間博子]
● 骨髄抑制 ②貧血 [佐久間博子]
● 骨髄抑制 ③出血傾向 [佐久間博子]
● 心臓・循環機能障害 [伊藤直美]
● 間質性肺炎 [高橋真由美]
● 肝機能障害 [石川みはる]
● 腎臓・膀胱機能障害 [塙 典子]
● 過敏症(アレルギー,インフュージョンリアクション) [淺野耕太]
● 悪心・嘔吐 [藤田雅代]
● 口腔粘膜炎 [高尾鮎美]
● 下痢・便秘 [畠山明子]
● 皮膚障害 [畠山明子]
● 脱毛 [山野下祐子]
● 末梢神経障害 [飯田郁実]
● 味覚障害 [飯田郁実]
● 性機能障害 [松井利江]
● ホットフラッシュ [松井利江]
● 倦怠感 [丸田章子]
付録
本書に登場するがん治療薬の一般名・商品名対応表
がん腫別主要レジメンリスト [藤井良平]
● がん薬物療法の基礎知識 [青木早苗]
● レジメンって何? [青木早苗,高尾鮎美]
● 投与前のアセスメントのポイント [青木早苗,高尾鮎美]
● 投与管理 [松井利江]
● 退院後のセルフマネジメント [松井利江]
Ⅱ がん治療薬の特徴と副作用
● がん治療薬 総論 [石倉 遥,今井雄介]
● 殺細胞性抗がん剤 [石倉 遥,今井雄介]
アルキル化薬
代謝拮抗薬
微小管阻害薬
プラチナ製剤
抗生物質
トポイソメラーゼ阻害薬
● 分子標的薬 [石倉 遥,今井雄介]
抗EGFR抗体薬,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬
抗HER2抗体薬,HER2チロシンキナーゼ阻害薬
抗VEGF抗体薬
マルチキナーゼ阻害薬
BCR/ABL阻害薬
mTOR阻害薬
ALK阻害薬
BRAF阻害薬
NTRK阻害薬
FLT3阻害薬
KRAS阻害薬
プロテアソーム阻害薬
CDK阻害薬
PARP阻害薬
細胞表面抗原に対する抗体薬
● 免疫チェックポイント阻害薬 [冨田詩織]
抗PD-1抗体薬
抗PD-L1抗体薬
抗CTLA-4抗体薬
● ホルモン療法薬 [冨田詩織]
● そのほかの抗がん剤 [冨田詩織]
免疫調節薬
分化誘導薬
Ⅲ 副作用が起きたときにどうする?
● 骨髄抑制 ①易感染,発熱性好中球減少症 [佐久間博子]
● 骨髄抑制 ②貧血 [佐久間博子]
● 骨髄抑制 ③出血傾向 [佐久間博子]
● 心臓・循環機能障害 [伊藤直美]
● 間質性肺炎 [高橋真由美]
● 肝機能障害 [石川みはる]
● 腎臓・膀胱機能障害 [塙 典子]
● 過敏症(アレルギー,インフュージョンリアクション) [淺野耕太]
● 悪心・嘔吐 [藤田雅代]
● 口腔粘膜炎 [高尾鮎美]
● 下痢・便秘 [畠山明子]
● 皮膚障害 [畠山明子]
● 脱毛 [山野下祐子]
● 末梢神経障害 [飯田郁実]
● 味覚障害 [飯田郁実]
● 性機能障害 [松井利江]
● ホットフラッシュ [松井利江]
● 倦怠感 [丸田章子]
付録
本書に登場するがん治療薬の一般名・商品名対応表
がん腫別主要レジメンリスト [藤井良平]
全文表示する
閉じる
“がん薬物療法の担当になった! 何を知っておけばいい?”にまるっと答えます
がん薬物療法の現場に初心者マークで出るあなたに,腫瘍内科医・がん薬物療法認定看護師・がん薬物療法専門薬剤師が協力して,ぴったりの一冊を作りました! 本書を相棒にすれば,絶対知っておきたいこと,大事なことをざっくりと押さえて学べます。
薬剤の特徴や起こりやすい副作用などがパッと現場でひらめくようになるまで,これ1冊でまるっとサポート。理解しやすいイメージイラストや図解も豊富。
「早調べレジメンリスト」もついています。