基礎から“その先”まで
実践! 胎児超音波検査
ーどこを見て,なにを診るのか—
定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- B5判 464ページ 2色(一部カラー),イラスト320点,写真760点
- 2022年2月28日刊行
- ISBN978-4-7583-1999-7
電子版
序文
刊行にあたって
本書は,長年にわたり自ら多くの胎児超音波検査に携わり,また数多くのセミナーや講演で,胎児超音波検査の実践的な方法の普及に努めてこられた辻村久美子氏の,渾身の力を込めた一作である。
かつて白と黒の模様が織りなす「判じ物」に近かった超音波画像は,近年,解像度の著しい向上など関連技術の長足の進歩により「なんでも見えてしまう」画像に変貌を遂げた。しかし誰にでも見えてしまう画像が,実際にはどのような意味をもつのかについては,基本である超音波検査の原理,代表的疾患の所見についての知識などが体系的に得られていないと理解は難しい。本書では,アーチファクトと真の画像の峻別に役立つよう,超音波検査の原理など基礎となる事項から説き起こす。そして各部位別の胎児超音波検査のやり方に進んで行く。そこでは,疾患の超音波所見や鑑別に役立つ情報とともに,実際の検査の現場で起こりそうなピットフォール(落とし穴)に読者が陥らないように導いている。
一読していただければわかるが,本書の記述は決して簡潔ではない。むしろ重要なポイントについては,しつこいぐらい繰り返し形を変えて述べられている。また補足事項も山ほど盛り込まれている。これは初学者にとっては大いに役立つだろう。
だからといって,本書は決して単なる入門書ではない。項目によっては,ささいな点についても「微に入り細に入り」記述され,専門書や文献の理解を容易にし,診断に役立つ工夫がなされている。入門書では物足りず,といって専門書や文献をいきなり手に取るのはハードルが高いと感じている方には,格好の書となるかもしれない。
重要な事項の反復と,細かな点へのこだわり。この二つの大きな特徴が本書の持ち味だろうと私は考えている。「わかったつもりになって流さない」著者の完璧主義ともいえる姿勢と献身的な努力が,この書には詰まっている。「文は人なり」という言葉は,著者に対して最もふさわしいものであろう。
とはいえ人間の書いた書物である。完璧なものはあり得ない。読者の皆様には,自らの検査や診療に本書を役立てていただくと同時に,どうか疑問点などを指摘いただき,本書をより良いものに育てていっていただければ,監修者の一人として望外の喜びである。
2022年1月吉日
東海大学医学部専門診療学系 産婦人科学領域
教授 石本 人士
-----------------------
序 文
このたび『基礎から“その先”まで 実践! 胎児超音波検査どこを見て,なにを診るのか』を出版させていただくことになりました。はじめに,今回の出版に至ったいきさつについて述べさせていただきます。
産科超音波検査を始めたのは,1980年代半ば,神奈川県川崎市にある日本鋼管病院 生理検査室に勤務していた頃でした。当時の検査項目は,胎位の確認・胎児計測・羊水計測くらいのもので,胎児に関しては各検査者がそのときに見ることのできる範囲内で観察していました。日本超音波医学会認定 超音波検査士(産婦人科領域)の資格は取得しましたが,「胎児疾患は相当目立つから,消化器領域の超音波検査に比べたらそんなに難しい検査ではないのでは?」と,当時は今から考えると,とても信じられない意識で検査を考えていました。ところがその後,出生前の検査では,胎児発育も羊水量も正常範囲だったにもかかわらず,出生直後に急変した重症心疾患症例や,口唇口蓋裂,食道閉鎖などの胎児疾患症例を経験して,胎児の検査がとても一筋縄ではいかないことを痛感させられました。それと同時に「胎児期に何度も検査しているのに,どうして見つけられなかったのだろう」と悩み,落ち込むこともしばしばでした。そんななか,神奈川県立こども医療センターで行われた胎児心エコーの勉強会で,新生児科に勤務されていた川瀧元良先生に出会いました。「地元の神奈川に,こんなに熱い気持ちで胎児エコーと向き合っている先生がいるなんて!」と,とても大きな衝撃を受けました。その後,左室瘤,完全大血管転位,動脈管早期収縮などの症例に遭遇するたびに,図々しくも録画したビデオテープを持って,川瀧先生のところに通ってご指導いただきました。
2003年には川瀧先生と検査技師が中心となって運営する,神奈川胎児エコー勉強会(Kanagawa Fetal Echo Meeting【KFEM】;後に『神奈川胎児エコー研究会』に改名)が発足し,それから約15年間にわたって,本会の活動・運営にかかわらせていただくことになりました。KFEMは2~ 3カ月に1回,神奈川県立こども医療センターの講堂で開催され,毎回,川瀧先生の胎児心エコー講座はもちろんのこと,胎児中枢神経系・泌尿器系・消化器系,超音波の基礎,遺伝関係,血流計測など多岐にわたるテーマについて取り上げて行われました。私自身,胎児に関する多くの最新の知識を学ばせていただく貴重な機会であると同時に,自分と同じように胎児超音波検査にかかわる仲間たちとの交流を深める楽しく有意義な場でもありました(KFEMは2019年に閉会しました)。
また,KFEMの発足と前後して,勤務先が横浜市内の産科クリニック,コシ産婦人科医院に変わり,院長(和泉玲子先生)からの依頼で心臓を含めた胎児スクリーニングを始めました。平行して2004年から約2年間,国立成育医療研究センター特殊診療部に客員研究員として所属し,3D/4D超音波診断装置を用いて胎児超音波検査に携わる機会も与えていただきました。その後,さまざまな胎児疾患や,正常か異常か迷うような境界所見を経験し,そうした経験のなかから,胎児心臓スクリーニングについてまとめたものを,川瀧先生が編集された『胎児心エコーのすべて』(2017年,メジカルビュー社)のなかに書かせていただきました。
2015年の秋には約33年間に及ぶ臨床の仕事を離れ,その後,約2年間,川瀧先生が主催する胎児超音波検査の講習会のお手伝いをして,ほっと一息ついた2018年の春。仕事の資料を整理しているときに,これまでに学んできた胎児超音波検査についてまとめてみたい! という思いがふつふつと湧き上がってきました。検査技師として胎児超音波検査に長年かかわってきた者の目線で,胎児超音波検査のテキストを作ってみたい。産科クリニックに勤務してきた一検査技師が,産科超音波検査の本を書くことなど考えられないことと思いましたが,とにかく書くなら今しかない! と自分に言い聞かせて原稿を書き進めました。幸いなことに,日本鋼管病院勤務時代から三十年来お世話になった和泉俊一郎先生,石本人士先生,そして私が胎児超音波検査に携わる大きなきっかけを与えてくださった川瀧元良先生が監修を引き受けてくださり,足掛け3年余りかけて本書が完成しました。
本書は,これから胎児超音波検査を学ぼうとする初心者の方々や,普段,胎児スクリーニング検査を行っている方々を対象にしています。「必要最低限の解剖を理解すること」「正常所見を理解すること」「代表的な胎児疾患の病態・画像所見を知っておくこと」を目標に,できるだけわかりやすい形で書くことを目指しました。そして日常検査で遭遇する機会が多い境界所見についても,できるだけ記載しました。臨床の現場に置いていただき,少しでも日常検査のなかで役立てていただければこんなに嬉しいことはありません。
本書の作成にあたり,画像提供等,多くの皆様にご協力いただきました。KFEM,日本超音波検査学会をはじめ,さまざまな活動のなかで知り合った臨床検査技師,助産師,看護師,産婦人科医師の皆様のご協力なくしては,本書は完成しませんでした。この場をお借りして,深く御礼申し上げます。また最後になりますが,本書の作成にあたりご尽力いただいた,メジカルビュー社 編集部 工藤亮子氏,浅見直博氏に心より感謝いたします。
2022年1月吉日
辻村 久美子
本書は,長年にわたり自ら多くの胎児超音波検査に携わり,また数多くのセミナーや講演で,胎児超音波検査の実践的な方法の普及に努めてこられた辻村久美子氏の,渾身の力を込めた一作である。
かつて白と黒の模様が織りなす「判じ物」に近かった超音波画像は,近年,解像度の著しい向上など関連技術の長足の進歩により「なんでも見えてしまう」画像に変貌を遂げた。しかし誰にでも見えてしまう画像が,実際にはどのような意味をもつのかについては,基本である超音波検査の原理,代表的疾患の所見についての知識などが体系的に得られていないと理解は難しい。本書では,アーチファクトと真の画像の峻別に役立つよう,超音波検査の原理など基礎となる事項から説き起こす。そして各部位別の胎児超音波検査のやり方に進んで行く。そこでは,疾患の超音波所見や鑑別に役立つ情報とともに,実際の検査の現場で起こりそうなピットフォール(落とし穴)に読者が陥らないように導いている。
一読していただければわかるが,本書の記述は決して簡潔ではない。むしろ重要なポイントについては,しつこいぐらい繰り返し形を変えて述べられている。また補足事項も山ほど盛り込まれている。これは初学者にとっては大いに役立つだろう。
だからといって,本書は決して単なる入門書ではない。項目によっては,ささいな点についても「微に入り細に入り」記述され,専門書や文献の理解を容易にし,診断に役立つ工夫がなされている。入門書では物足りず,といって専門書や文献をいきなり手に取るのはハードルが高いと感じている方には,格好の書となるかもしれない。
重要な事項の反復と,細かな点へのこだわり。この二つの大きな特徴が本書の持ち味だろうと私は考えている。「わかったつもりになって流さない」著者の完璧主義ともいえる姿勢と献身的な努力が,この書には詰まっている。「文は人なり」という言葉は,著者に対して最もふさわしいものであろう。
とはいえ人間の書いた書物である。完璧なものはあり得ない。読者の皆様には,自らの検査や診療に本書を役立てていただくと同時に,どうか疑問点などを指摘いただき,本書をより良いものに育てていっていただければ,監修者の一人として望外の喜びである。
2022年1月吉日
東海大学医学部専門診療学系 産婦人科学領域
教授 石本 人士
-----------------------
序 文
このたび『基礎から“その先”まで 実践! 胎児超音波検査どこを見て,なにを診るのか』を出版させていただくことになりました。はじめに,今回の出版に至ったいきさつについて述べさせていただきます。
産科超音波検査を始めたのは,1980年代半ば,神奈川県川崎市にある日本鋼管病院 生理検査室に勤務していた頃でした。当時の検査項目は,胎位の確認・胎児計測・羊水計測くらいのもので,胎児に関しては各検査者がそのときに見ることのできる範囲内で観察していました。日本超音波医学会認定 超音波検査士(産婦人科領域)の資格は取得しましたが,「胎児疾患は相当目立つから,消化器領域の超音波検査に比べたらそんなに難しい検査ではないのでは?」と,当時は今から考えると,とても信じられない意識で検査を考えていました。ところがその後,出生前の検査では,胎児発育も羊水量も正常範囲だったにもかかわらず,出生直後に急変した重症心疾患症例や,口唇口蓋裂,食道閉鎖などの胎児疾患症例を経験して,胎児の検査がとても一筋縄ではいかないことを痛感させられました。それと同時に「胎児期に何度も検査しているのに,どうして見つけられなかったのだろう」と悩み,落ち込むこともしばしばでした。そんななか,神奈川県立こども医療センターで行われた胎児心エコーの勉強会で,新生児科に勤務されていた川瀧元良先生に出会いました。「地元の神奈川に,こんなに熱い気持ちで胎児エコーと向き合っている先生がいるなんて!」と,とても大きな衝撃を受けました。その後,左室瘤,完全大血管転位,動脈管早期収縮などの症例に遭遇するたびに,図々しくも録画したビデオテープを持って,川瀧先生のところに通ってご指導いただきました。
2003年には川瀧先生と検査技師が中心となって運営する,神奈川胎児エコー勉強会(Kanagawa Fetal Echo Meeting【KFEM】;後に『神奈川胎児エコー研究会』に改名)が発足し,それから約15年間にわたって,本会の活動・運営にかかわらせていただくことになりました。KFEMは2~ 3カ月に1回,神奈川県立こども医療センターの講堂で開催され,毎回,川瀧先生の胎児心エコー講座はもちろんのこと,胎児中枢神経系・泌尿器系・消化器系,超音波の基礎,遺伝関係,血流計測など多岐にわたるテーマについて取り上げて行われました。私自身,胎児に関する多くの最新の知識を学ばせていただく貴重な機会であると同時に,自分と同じように胎児超音波検査にかかわる仲間たちとの交流を深める楽しく有意義な場でもありました(KFEMは2019年に閉会しました)。
また,KFEMの発足と前後して,勤務先が横浜市内の産科クリニック,コシ産婦人科医院に変わり,院長(和泉玲子先生)からの依頼で心臓を含めた胎児スクリーニングを始めました。平行して2004年から約2年間,国立成育医療研究センター特殊診療部に客員研究員として所属し,3D/4D超音波診断装置を用いて胎児超音波検査に携わる機会も与えていただきました。その後,さまざまな胎児疾患や,正常か異常か迷うような境界所見を経験し,そうした経験のなかから,胎児心臓スクリーニングについてまとめたものを,川瀧先生が編集された『胎児心エコーのすべて』(2017年,メジカルビュー社)のなかに書かせていただきました。
2015年の秋には約33年間に及ぶ臨床の仕事を離れ,その後,約2年間,川瀧先生が主催する胎児超音波検査の講習会のお手伝いをして,ほっと一息ついた2018年の春。仕事の資料を整理しているときに,これまでに学んできた胎児超音波検査についてまとめてみたい! という思いがふつふつと湧き上がってきました。検査技師として胎児超音波検査に長年かかわってきた者の目線で,胎児超音波検査のテキストを作ってみたい。産科クリニックに勤務してきた一検査技師が,産科超音波検査の本を書くことなど考えられないことと思いましたが,とにかく書くなら今しかない! と自分に言い聞かせて原稿を書き進めました。幸いなことに,日本鋼管病院勤務時代から三十年来お世話になった和泉俊一郎先生,石本人士先生,そして私が胎児超音波検査に携わる大きなきっかけを与えてくださった川瀧元良先生が監修を引き受けてくださり,足掛け3年余りかけて本書が完成しました。
本書は,これから胎児超音波検査を学ぼうとする初心者の方々や,普段,胎児スクリーニング検査を行っている方々を対象にしています。「必要最低限の解剖を理解すること」「正常所見を理解すること」「代表的な胎児疾患の病態・画像所見を知っておくこと」を目標に,できるだけわかりやすい形で書くことを目指しました。そして日常検査で遭遇する機会が多い境界所見についても,できるだけ記載しました。臨床の現場に置いていただき,少しでも日常検査のなかで役立てていただければこんなに嬉しいことはありません。
本書の作成にあたり,画像提供等,多くの皆様にご協力いただきました。KFEM,日本超音波検査学会をはじめ,さまざまな活動のなかで知り合った臨床検査技師,助産師,看護師,産婦人科医師の皆様のご協力なくしては,本書は完成しませんでした。この場をお借りして,深く御礼申し上げます。また最後になりますが,本書の作成にあたりご尽力いただいた,メジカルビュー社 編集部 工藤亮子氏,浅見直博氏に心より感謝いたします。
2022年1月吉日
辻村 久美子
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目次
Ⅰ章 超音波とは何か - B モード法を理解する-
1.超音波とは何か
「人の耳に聞こえないほど高い音」
音とは振動である
音の性質:周波数,周期,波長
超音波がもつ3 つの特性
2.超音波診断法とは
超音波断層画像が得られるまで
いろいろなプローブを使って実際の超音波画像を見てみよう
3.超音波の特性と超音波画像:アーチファクト
アーチファクトとは
多重反射
音響陰影
音速の差によるアーチファクト
屈折によるアーチファクト
4.超音波検査の安全性
超音波の安全性の指標:TI,MI
超音波の安全性に関する各学会の見解
5.超音波検査の利点と欠点
Ⅱ章 超音波画像を見る前に知っておきたいこと
1.検査を始める前に
超音波検査室の環境を整える
経腹プローブの走査法
超音波画像の表示法
最低限,知っておきたい装置のスイッチやつまみ
2.胎児の見方
胎位・胎向の確認
胎児の基本3 断面
胎児の左右を判別する
3.産科超音波検査時に留意すべきこと
妊婦への配慮
検査報告書と画像保存
Ⅲ章 胎児計測
1.児頭大横径(BPD)の計測
BPD 計測断面と計測部位
BPD 計測断面の描出法
BPD 計測における注意点
BPD 以外の頭部計測項目
2.腹部周囲長(AC)の計測
AC 計測断面と計測部位
AC 計測断面の描出法
AC 計測における注意点
3.大腿骨長(FL)の計測
FL 計測断面と計測部位
FL 計測断面の描出法
FL 計測における注意点
4.胎児の推定体重について
胎児体重推定式
算出されたEFWの評価方法
Ⅳ章 羊水計測
1.羊水とは
羊水の働き
羊水の産生と吸収
2.羊水計測法
最大羊水深度
羊水ポケット
羊水インデックス(AFI)
羊水計測における注意ポイント
3.羊水量の異常
羊水過多
羊水過少
羊水量と胎児の発育
4.日常検査で迷う所見
amniotic sheets
羊水中の細顆粒状エコー
Ⅴ章 胎 盤
1.胎盤とは?
胎盤の発生
胎盤の構造
胎盤の機能
2.胎盤の正常超音波所見
胎盤形態のGrade 分類(Grannum のGrade分類)
3.胎盤の観察方法
胎盤観察の注意ポイント
子宮筋層の局所的な肥厚所見について
4.胎盤のどこを見るか:観察項目
胎盤の位置をみる:胎盤の位置異常はないか
胎盤の大きさをみる:胎盤肥厚はないか
胎盤内部をみる:胎盤内に腫瘤性病変はないか
画縁胎盤(circummarginate placenta)
5.知っておきたい胎盤異常
前置胎盤
常位胎盤早期剝離
癒着胎盤
Ⅵ章 臍 帯
1.臍帯とは?
臍帯の構造
臍帯の安全機構
臍帯の異常
2.臍帯のどこを,どのように観察するか
臍帯-胎盤付着位置の観察
臍帯血管の観察
臍帯捻転の観察
3.臍帯の異常
臍帯-胎盤付着位置の異常
臍帯血管の異常
臍帯捻転の異常
臍帯巻絡
Ⅶ章 胎児スクリーニング① 脳
1.胎児の脳を見る前に知っておきたいこと
発生初期
妊娠初期
妊娠中期~後期
2.3 つの基本横断面から脳の解剖を理解する
視床レベルの横断面(BPD 計測断面)
側脳室レベルの横断面
小脳レベルの横断面
3.胎児脳の観察の実際
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
4.日常検査でしばしば遭遇する境界所見
軽度側脳室拡大所見
後頭蓋窩でしばしば確認される所見
脈絡叢嚢胞(CPC)
5.知っておきたい中枢神経系疾患:脊髄髄膜瘤
脊髄髄膜瘤について知っておきたいこと
胎児超音波所見
Ⅷ章 胎児スクリーニング② 顔 面
1.胎児顔面スクリーニングが必要な3 つの理由
2.胎児顔面の基本観察断面
矢状断面
冠状断面
横断面
3.胎児顔面スクリーニング検査の実際
胎児顔面観察の特殊性
2 D エコー法による胎児顔面検査法
3 D/ 4 D エコー法による胎児顔面検査法
4.口唇口蓋裂
口唇口蓋裂について知っておきたいこと
分 類
胎児超音波所見
Ⅸ章 胎児スクリーニング③ 胸 部
1.胸部の解剖
2.胎児胸部観察の実際
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
観察の注意点
3.知っておきたい胎児胸部疾患
胸 水
先天性嚢胞性肺疾患
横隔膜ヘルニア(CDH)
Ⅹ章 胎児スクリーニング④ 心 臓
1.胎児心臓スクリーニングが大切な理由
2.胎児心臓スクリーニングPart1.Basic 編
大まかな解剖を理解しよう
胎児心臓スクリーニングの基本手順と各観察断面の正常所見/ 観察ポイント
3.胎児の心臓を適切な画像で観察するために
装置の観点から
走査技術の観点から
胎児心臓スクリーニングにおけるカラードプラの活用
4.胎児心臓スクリーニングPart2.Step up 編
[Step up] 腹部横断面
[Step up] 4 Chamber View(4CV)
[Step up] 左室流出路(LVOT)断面
[Step up] Three-Vessel View(3VV)
[Step up] Three Vessels and Trachea View(3VTV)
[Step up] 矢状断面
ⅩⅠ章 胎児スクリーニング⑤ 腹 部
1.腹部の解剖
2.胎児腹部観察の実際
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
3.腹部臓器に着目する
消化器系臓器
泌尿器系臓器
4.知っておきたい胎児腹部疾患
消化管閉鎖
腹壁異常
泌尿器系疾患
生殖器系の異常
ⅩⅡ章 胎児スクリーニング⑥ 脊柱・四肢
1.脊柱のスクリーニング
脊柱の解剖
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目/ 正常所見と異常所見の対比
2.四肢のスクリーニング
四肢骨の解剖と正常所見
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
四肢の異常所見
ⅩⅢ章 妊娠初期の超音波検査
1.女性生殖器の解剖
2.妊娠初期の経腹超音波検査の実際
妊娠初期の超音波検査
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
3.妊娠初期の超音波所見:正常妊娠
妊娠初期の正常超音波所見
胎児心拍数の変化
妊娠初期の子宮断面像を理解しよう
生理的臍帯ヘルニア
4.異常妊娠
異所性妊娠(子宮外妊娠:ectopic pregnancy)
稽留流産(missed abortion)
胞状奇胎
双胎妊娠
胎児形態異常
母体合併症
ⅩⅣ章 産科血流検査
1.ドプラ法について
ドプラとは何か
カラー/ パワードプラの使い方
パルスドプラの使い方
2.産科血流検査
臍帯動脈(Umb A)
中大脳動脈(MCA)
ⅩⅤ 巻末資料
1.産科領域で知っておきたいこと
妊娠週数と発生週数(胎齢)
妊娠期間の数え方
妊娠歴の表記法
2.各部位の正常値
10 mm ルール(妊娠中期以降)
羊水量,胎盤
胎児各部位の正常値
3.産科超音波検査報告書例
例1:コシ産婦人科医院
例2:堀病院
1.超音波とは何か
「人の耳に聞こえないほど高い音」
音とは振動である
音の性質:周波数,周期,波長
超音波がもつ3 つの特性
2.超音波診断法とは
超音波断層画像が得られるまで
いろいろなプローブを使って実際の超音波画像を見てみよう
3.超音波の特性と超音波画像:アーチファクト
アーチファクトとは
多重反射
音響陰影
音速の差によるアーチファクト
屈折によるアーチファクト
4.超音波検査の安全性
超音波の安全性の指標:TI,MI
超音波の安全性に関する各学会の見解
5.超音波検査の利点と欠点
Ⅱ章 超音波画像を見る前に知っておきたいこと
1.検査を始める前に
超音波検査室の環境を整える
経腹プローブの走査法
超音波画像の表示法
最低限,知っておきたい装置のスイッチやつまみ
2.胎児の見方
胎位・胎向の確認
胎児の基本3 断面
胎児の左右を判別する
3.産科超音波検査時に留意すべきこと
妊婦への配慮
検査報告書と画像保存
Ⅲ章 胎児計測
1.児頭大横径(BPD)の計測
BPD 計測断面と計測部位
BPD 計測断面の描出法
BPD 計測における注意点
BPD 以外の頭部計測項目
2.腹部周囲長(AC)の計測
AC 計測断面と計測部位
AC 計測断面の描出法
AC 計測における注意点
3.大腿骨長(FL)の計測
FL 計測断面と計測部位
FL 計測断面の描出法
FL 計測における注意点
4.胎児の推定体重について
胎児体重推定式
算出されたEFWの評価方法
Ⅳ章 羊水計測
1.羊水とは
羊水の働き
羊水の産生と吸収
2.羊水計測法
最大羊水深度
羊水ポケット
羊水インデックス(AFI)
羊水計測における注意ポイント
3.羊水量の異常
羊水過多
羊水過少
羊水量と胎児の発育
4.日常検査で迷う所見
amniotic sheets
羊水中の細顆粒状エコー
Ⅴ章 胎 盤
1.胎盤とは?
胎盤の発生
胎盤の構造
胎盤の機能
2.胎盤の正常超音波所見
胎盤形態のGrade 分類(Grannum のGrade分類)
3.胎盤の観察方法
胎盤観察の注意ポイント
子宮筋層の局所的な肥厚所見について
4.胎盤のどこを見るか:観察項目
胎盤の位置をみる:胎盤の位置異常はないか
胎盤の大きさをみる:胎盤肥厚はないか
胎盤内部をみる:胎盤内に腫瘤性病変はないか
画縁胎盤(circummarginate placenta)
5.知っておきたい胎盤異常
前置胎盤
常位胎盤早期剝離
癒着胎盤
Ⅵ章 臍 帯
1.臍帯とは?
臍帯の構造
臍帯の安全機構
臍帯の異常
2.臍帯のどこを,どのように観察するか
臍帯-胎盤付着位置の観察
臍帯血管の観察
臍帯捻転の観察
3.臍帯の異常
臍帯-胎盤付着位置の異常
臍帯血管の異常
臍帯捻転の異常
臍帯巻絡
Ⅶ章 胎児スクリーニング① 脳
1.胎児の脳を見る前に知っておきたいこと
発生初期
妊娠初期
妊娠中期~後期
2.3 つの基本横断面から脳の解剖を理解する
視床レベルの横断面(BPD 計測断面)
側脳室レベルの横断面
小脳レベルの横断面
3.胎児脳の観察の実際
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
4.日常検査でしばしば遭遇する境界所見
軽度側脳室拡大所見
後頭蓋窩でしばしば確認される所見
脈絡叢嚢胞(CPC)
5.知っておきたい中枢神経系疾患:脊髄髄膜瘤
脊髄髄膜瘤について知っておきたいこと
胎児超音波所見
Ⅷ章 胎児スクリーニング② 顔 面
1.胎児顔面スクリーニングが必要な3 つの理由
2.胎児顔面の基本観察断面
矢状断面
冠状断面
横断面
3.胎児顔面スクリーニング検査の実際
胎児顔面観察の特殊性
2 D エコー法による胎児顔面検査法
3 D/ 4 D エコー法による胎児顔面検査法
4.口唇口蓋裂
口唇口蓋裂について知っておきたいこと
分 類
胎児超音波所見
Ⅸ章 胎児スクリーニング③ 胸 部
1.胸部の解剖
2.胎児胸部観察の実際
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
観察の注意点
3.知っておきたい胎児胸部疾患
胸 水
先天性嚢胞性肺疾患
横隔膜ヘルニア(CDH)
Ⅹ章 胎児スクリーニング④ 心 臓
1.胎児心臓スクリーニングが大切な理由
2.胎児心臓スクリーニングPart1.Basic 編
大まかな解剖を理解しよう
胎児心臓スクリーニングの基本手順と各観察断面の正常所見/ 観察ポイント
3.胎児の心臓を適切な画像で観察するために
装置の観点から
走査技術の観点から
胎児心臓スクリーニングにおけるカラードプラの活用
4.胎児心臓スクリーニングPart2.Step up 編
[Step up] 腹部横断面
[Step up] 4 Chamber View(4CV)
[Step up] 左室流出路(LVOT)断面
[Step up] Three-Vessel View(3VV)
[Step up] Three Vessels and Trachea View(3VTV)
[Step up] 矢状断面
ⅩⅠ章 胎児スクリーニング⑤ 腹 部
1.腹部の解剖
2.胎児腹部観察の実際
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
3.腹部臓器に着目する
消化器系臓器
泌尿器系臓器
4.知っておきたい胎児腹部疾患
消化管閉鎖
腹壁異常
泌尿器系疾患
生殖器系の異常
ⅩⅡ章 胎児スクリーニング⑥ 脊柱・四肢
1.脊柱のスクリーニング
脊柱の解剖
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目/ 正常所見と異常所見の対比
2.四肢のスクリーニング
四肢骨の解剖と正常所見
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
四肢の異常所見
ⅩⅢ章 妊娠初期の超音波検査
1.女性生殖器の解剖
2.妊娠初期の経腹超音波検査の実際
妊娠初期の超音波検査
どのように見るか:観察方法
どこを見るか:観察項目
3.妊娠初期の超音波所見:正常妊娠
妊娠初期の正常超音波所見
胎児心拍数の変化
妊娠初期の子宮断面像を理解しよう
生理的臍帯ヘルニア
4.異常妊娠
異所性妊娠(子宮外妊娠:ectopic pregnancy)
稽留流産(missed abortion)
胞状奇胎
双胎妊娠
胎児形態異常
母体合併症
ⅩⅣ章 産科血流検査
1.ドプラ法について
ドプラとは何か
カラー/ パワードプラの使い方
パルスドプラの使い方
2.産科血流検査
臍帯動脈(Umb A)
中大脳動脈(MCA)
ⅩⅤ 巻末資料
1.産科領域で知っておきたいこと
妊娠週数と発生週数(胎齢)
妊娠期間の数え方
妊娠歴の表記法
2.各部位の正常値
10 mm ルール(妊娠中期以降)
羊水量,胎盤
胎児各部位の正常値
3.産科超音波検査報告書例
例1:コシ産婦人科医院
例2:堀病院
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