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- 言語聴覚士
Crosslink 言語聴覚療法学テキスト
構音障害学
[Web動画付]
![構音障害学[Web動画付]](../database/cover_image/book/X/ISBN978-4-7583-2272-0.jpg)
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定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
- B5判 308ページ オールカラー,イラスト200点,写真80点
- 2025年3月29日刊行
- ISBN978-4-7583-2272-0
序文
言語聴覚士養成教育においては,2024年に「言語聴覚士養成所指導ガイドライン」が改訂され,臨床実習のうち400時間以上は,医療提供施設で行うことが明記されました。また,近年では診療参加型臨床実習(clinical clerkship:CCS)の重要性が注目されており,今後の言語聴覚士の養成においても「患者担当型」から「診療参加型」への移行が進むと予想されます。このような状況下において,養成校の学生には,実習前から幅広い基礎知識を習得し,実践的な技術への理解を深めておくことが求められます。本書では,言語聴覚士を目指す学生を主な対象として,「機能性構音障害」,「器質性構音障害」,「運動障害性構音障害(dysarthria)」について,基礎知識と実践技術を包括的に解説しています。
本書では,各執筆者の先生方に画像,音声データ,動画などの提供をお願いし,読者が視覚的・聴覚的に理解を深められるようにしました。また,臨床実習や実務で確実に役立つ技術を習得できるよう,症例集も収載しています。これにより,学生にとっては臨床現場を具体的にイメージしやすい内容となり,臨床経験を積んだ言語聴覚士にとってもスキル向上を支援する1冊になると考えております。なお,症例集については,学生が理解できるよう,臨床経験を基に修正した架空症例も含まれていることをご承知おきください。
本書は,発声発語障害学に対するアプローチの内容を充実させたいという思いから,「機能性構音障害」「器質性構音障害」「運動障害性構音障害(dysarthria)」に焦点を当て,「構音障害」の領域に特化しました。これらの障害には,「構音」だけでなく,「発声」や「共鳴」などの問題を含むこと,近年発声発語障害に関する分類が変化していることから,書籍のタイトルは最も慎重に検討を重ねた部分です。本書では,学生の混乱を避けるため,国家試験の出題基準で使用されている「構音障害」をタイトルに採用したことをご理解いただけますと幸いです。
本書の内容が,言語聴覚士を志す学生にとって基礎的な学習の指針となり,現場で働く臨床家にとっても臨床技術を高めるツールとなることを期待しています。また,本書が多くの患者のQOL向上に寄与することを願ってやみません。
本書は,養成校の教員だけでなく,臨床現場でご活躍されている先生方にもご執筆いただき,大変充実した内容となりました。刊行にあたり,ご執筆を賜りました先生方,言語聴覚療法の発展を願って動画などを快く提供いただきました患者様やご家族様,動画等の掲載にお力添えいただきました関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。また,不慣れな編集作業に際し,多大なご支援を賜ったメジカルビュー社の皆様に拝謝いたします。
2025年2月
南都智紀
本書では,各執筆者の先生方に画像,音声データ,動画などの提供をお願いし,読者が視覚的・聴覚的に理解を深められるようにしました。また,臨床実習や実務で確実に役立つ技術を習得できるよう,症例集も収載しています。これにより,学生にとっては臨床現場を具体的にイメージしやすい内容となり,臨床経験を積んだ言語聴覚士にとってもスキル向上を支援する1冊になると考えております。なお,症例集については,学生が理解できるよう,臨床経験を基に修正した架空症例も含まれていることをご承知おきください。
本書は,発声発語障害学に対するアプローチの内容を充実させたいという思いから,「機能性構音障害」「器質性構音障害」「運動障害性構音障害(dysarthria)」に焦点を当て,「構音障害」の領域に特化しました。これらの障害には,「構音」だけでなく,「発声」や「共鳴」などの問題を含むこと,近年発声発語障害に関する分類が変化していることから,書籍のタイトルは最も慎重に検討を重ねた部分です。本書では,学生の混乱を避けるため,国家試験の出題基準で使用されている「構音障害」をタイトルに採用したことをご理解いただけますと幸いです。
本書の内容が,言語聴覚士を志す学生にとって基礎的な学習の指針となり,現場で働く臨床家にとっても臨床技術を高めるツールとなることを期待しています。また,本書が多くの患者のQOL向上に寄与することを願ってやみません。
本書は,養成校の教員だけでなく,臨床現場でご活躍されている先生方にもご執筆いただき,大変充実した内容となりました。刊行にあたり,ご執筆を賜りました先生方,言語聴覚療法の発展を願って動画などを快く提供いただきました患者様やご家族様,動画等の掲載にお力添えいただきました関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。また,不慣れな編集作業に際し,多大なご支援を賜ったメジカルビュー社の皆様に拝謝いたします。
2025年2月
南都智紀
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目次
第 1 章 発話の構造と機能
1 呼吸機能 村上 健
1 呼吸器の構造
2 呼吸器の機能
2 発声機能 村上 健
1 喉頭の構造
2 喉頭の機能
3 鼻咽腔機能と構音機能 南都智紀
1 咽頭と口腔の基本構造
2 発話時の鼻咽腔閉鎖機能
3 構音機能 動画
4 発声発語にかかわる神経基盤 齋藤翔太
1 神経系
2 運動系に関する神経系
3 発声発語器官の支配神経
4 上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の比較
5 音韻と構音の発達 古田功士
1 ヒトが話すために必要なこと
2 日本語で用いる子音や母音
3 日本語の音韻
4 発声発語機能と聴覚の発達
第 2 章 構音障害の概念
1 構音障害の概念と分類 齋藤翔太
1 構音障害の概念
2 構音障害の分類
2 構音障害の臨床における基本的事項 齋藤翔太
1 情報収集
2 一般的な検査 動画
第 3 章 機能性構音障害
1 機能性構音障害の特徴 古田功士
1 機能性構音障害の定義
2 構音と音韻の発達
3 音の誤り
4 発達途上の音の誤り
5 発達途上ではない音の誤り(異常構音)
2 機能性構音障害の評価・診断 宮田恵里
1 発達・心理・社会的側面の検査
2 音韻および構音の検査
3 機能性構音障害の訓練
1 訓練の原則 動画 舘 幸枝
2 情報収集 舘 幸枝
3 誤り音の自覚 動画 舘 幸枝
4 構音操作の訓練 動画 舘 幸枝
5 機能性構音障害の訓練 弓削明子
6 系統的構音訓練 弓削明子
7 構音訓練の実施と家庭学習 弓削明子
8 各音の系統的構音訓練 動画 弓削明子
9 音韻認識を促進する訓練 弓削明子
第 4 章 器質性構音障害
1 小児における器質性構音障害 岩城 忍
1 口腔疾患による構音障害
2 口唇口蓋裂による構音障害
3 先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症
2 口唇口蓋裂に伴う発話特徴 鷲見麻里
1 発語器官の形態と機能の特徴 動画
2 発語の特徴
3 口唇口蓋裂に対する評価・診断 岩城 忍
1 発語器官の検査
2 発語の評価
4 口唇口蓋裂に伴う構音障害に対するアプローチ
1 口唇口蓋裂治療における言語聴覚士の役割 武井良子
2 言語訓練の適応の判断 武井良子
3 鼻咽腔閉鎖機能不全に対する言語訓練 武井良子
4 構音訓練 動画 武井良子
5 外科的治療 手塚征宏
6 補綴的治療 中村祐己
5 口唇口蓋裂患者の社会参 加鷲見麻里
1 長期にわたる治療に伴う問題点
6 頭頸部がんによる器質性構音障害
1 がんの治療 栄元一記
2 がんのリハビリテーション 栄元一記
3 外科的切除後の器質性構音障害 中尾雄太
4 舌・口腔切除 中尾雄太
5 軟口蓋・中咽頭切除 中尾雄太
6 顎切除 中尾雄太
7 頭頸部がんに対する評価・診断 横山友徳
1 発語器官の検査
2 発話の評価
8 頭頸部がんに対するアプローチ 矢野実郎
1 訓練の原則
2 機能訓練 動画
3 発話の訓練 音声
4 補綴的治療
9 頭頸部がん患者の社会参加 横山友徳
1 コミュニケーションの問題や合併症に対する配慮
第 5 章 運動障害性構音障害
1 運動障害性構音障害の定義 田村俊暁
1 dysarthriaの定義
2 dysarthriaの翻訳名称
2 原因疾患と運動障害 田村俊暁
1 錐体路系疾患
2 錐体外路系疾患
3 小脳系疾患
4 下位運動ニューロン障害
5 筋疾患
3 運動障害性構音障害の分類と発話特徴 南都智紀
1 運動障害性構音障害の分類
2 運動障害性構音障害の異常所見と発話特徴 動画 音声
4 運動障害性構音障害の評価・診断 南都智紀
1 発声発語器官の検査 動画
2 発話の検査 音声
3 コミュニケーション能力の検査
5 運動障害性構音障害に対するアプローチ
1 訓練の原則 田中康博
2 発声発語器官に対する訓練 動画 南都智紀
3 発話の訓練 田中康博
4 発話速度の調節法 田中康博
5 AAC(拡大・代替コミュニケーション) 荻野智雄
6 体系的訓練 荻野智雄
6 運動障害性構音障害患者の社会復帰 荻野智雄
1 リハビリテーション医療と社会復帰
2 復職について
3 社会復帰を支える制度
4 言語聴覚士として社会復帰を支援するために
症例集
症例報告書の書き方 南都智紀
機能性構音障害症例① 弓削明子
機能性構音障害症例② 動画 舘 幸枝
左片側性唇顎口蓋裂症例 音声 鷲見麻里
舌がん半側切除症例 南都智紀
舌亜全摘症例 音声 横山友徳
神経変性疾患症例 荻野智雄
脳血管疾患症例① 動画 音声 田村俊暁
脳血管疾患症例② 動画 音声 野村奈央,塚脇ゆうき
パーキンソン病症例 田中康博
1 呼吸機能 村上 健
1 呼吸器の構造
2 呼吸器の機能
2 発声機能 村上 健
1 喉頭の構造
2 喉頭の機能
3 鼻咽腔機能と構音機能 南都智紀
1 咽頭と口腔の基本構造
2 発話時の鼻咽腔閉鎖機能
3 構音機能 動画
4 発声発語にかかわる神経基盤 齋藤翔太
1 神経系
2 運動系に関する神経系
3 発声発語器官の支配神経
4 上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の比較
5 音韻と構音の発達 古田功士
1 ヒトが話すために必要なこと
2 日本語で用いる子音や母音
3 日本語の音韻
4 発声発語機能と聴覚の発達
第 2 章 構音障害の概念
1 構音障害の概念と分類 齋藤翔太
1 構音障害の概念
2 構音障害の分類
2 構音障害の臨床における基本的事項 齋藤翔太
1 情報収集
2 一般的な検査 動画
第 3 章 機能性構音障害
1 機能性構音障害の特徴 古田功士
1 機能性構音障害の定義
2 構音と音韻の発達
3 音の誤り
4 発達途上の音の誤り
5 発達途上ではない音の誤り(異常構音)
2 機能性構音障害の評価・診断 宮田恵里
1 発達・心理・社会的側面の検査
2 音韻および構音の検査
3 機能性構音障害の訓練
1 訓練の原則 動画 舘 幸枝
2 情報収集 舘 幸枝
3 誤り音の自覚 動画 舘 幸枝
4 構音操作の訓練 動画 舘 幸枝
5 機能性構音障害の訓練 弓削明子
6 系統的構音訓練 弓削明子
7 構音訓練の実施と家庭学習 弓削明子
8 各音の系統的構音訓練 動画 弓削明子
9 音韻認識を促進する訓練 弓削明子
第 4 章 器質性構音障害
1 小児における器質性構音障害 岩城 忍
1 口腔疾患による構音障害
2 口唇口蓋裂による構音障害
3 先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症
2 口唇口蓋裂に伴う発話特徴 鷲見麻里
1 発語器官の形態と機能の特徴 動画
2 発語の特徴
3 口唇口蓋裂に対する評価・診断 岩城 忍
1 発語器官の検査
2 発語の評価
4 口唇口蓋裂に伴う構音障害に対するアプローチ
1 口唇口蓋裂治療における言語聴覚士の役割 武井良子
2 言語訓練の適応の判断 武井良子
3 鼻咽腔閉鎖機能不全に対する言語訓練 武井良子
4 構音訓練 動画 武井良子
5 外科的治療 手塚征宏
6 補綴的治療 中村祐己
5 口唇口蓋裂患者の社会参 加鷲見麻里
1 長期にわたる治療に伴う問題点
6 頭頸部がんによる器質性構音障害
1 がんの治療 栄元一記
2 がんのリハビリテーション 栄元一記
3 外科的切除後の器質性構音障害 中尾雄太
4 舌・口腔切除 中尾雄太
5 軟口蓋・中咽頭切除 中尾雄太
6 顎切除 中尾雄太
7 頭頸部がんに対する評価・診断 横山友徳
1 発語器官の検査
2 発話の評価
8 頭頸部がんに対するアプローチ 矢野実郎
1 訓練の原則
2 機能訓練 動画
3 発話の訓練 音声
4 補綴的治療
9 頭頸部がん患者の社会参加 横山友徳
1 コミュニケーションの問題や合併症に対する配慮
第 5 章 運動障害性構音障害
1 運動障害性構音障害の定義 田村俊暁
1 dysarthriaの定義
2 dysarthriaの翻訳名称
2 原因疾患と運動障害 田村俊暁
1 錐体路系疾患
2 錐体外路系疾患
3 小脳系疾患
4 下位運動ニューロン障害
5 筋疾患
3 運動障害性構音障害の分類と発話特徴 南都智紀
1 運動障害性構音障害の分類
2 運動障害性構音障害の異常所見と発話特徴 動画 音声
4 運動障害性構音障害の評価・診断 南都智紀
1 発声発語器官の検査 動画
2 発話の検査 音声
3 コミュニケーション能力の検査
5 運動障害性構音障害に対するアプローチ
1 訓練の原則 田中康博
2 発声発語器官に対する訓練 動画 南都智紀
3 発話の訓練 田中康博
4 発話速度の調節法 田中康博
5 AAC(拡大・代替コミュニケーション) 荻野智雄
6 体系的訓練 荻野智雄
6 運動障害性構音障害患者の社会復帰 荻野智雄
1 リハビリテーション医療と社会復帰
2 復職について
3 社会復帰を支える制度
4 言語聴覚士として社会復帰を支援するために
症例集
症例報告書の書き方 南都智紀
機能性構音障害症例① 弓削明子
機能性構音障害症例② 動画 舘 幸枝
左片側性唇顎口蓋裂症例 音声 鷲見麻里
舌がん半側切除症例 南都智紀
舌亜全摘症例 音声 横山友徳
神経変性疾患症例 荻野智雄
脳血管疾患症例① 動画 音声 田村俊暁
脳血管疾患症例② 動画 音声 野村奈央,塚脇ゆうき
パーキンソン病症例 田中康博
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