くすりが多すぎる!
ポリファーマシー解消に効く
50のTips
定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
- A5判 208ページ 2色
- 2022年3月25日刊行
- ISBN978-4-7583-2234-8
電子版
序文
「なぜこの患者さんはこんなにもたくさんの薬を飲んでいるのだろう?」
「本当にこれだけの薬が必要なのだろうか?」
このような疑問を抱いたことはないだろうか。
私はこれまで都会や地方、大学病院や市中病院、診療所で、救急や総合診療、訪問診療を行ってきました。いろいろな医療のあり方のなかで、「多剤併用(ポリファーマシー)」という薬が引き起こす問題が、さまざまな場面に存在することに気が付きました。その原因は医療従事者側だけでなく患者さん側にも存在し、問題が複雑に絡み合っていて解決策が見出せないこともあり、問題解決やアプローチの方法を学ぶ術がないことに悩みました。多くの医療従事者が、どこかでかつての私と同じ疑問や苦労を感じながら、日々患者さんに対応しているのだと思います。
私の経験をまとめることで明日に繋がる何かを発見していただけたらと思い、この本を執筆しました。「患者さんとのコミュニケーションから」「いくつもの薬から」「いくつもの症状から」、そして「薬剤師を中心とした多職種連携から」、さまざまな角度からポリファーマシーの解決方法を探りました。医師と薬剤師が同じ症例をどのように捉えているのかわかるよう、10症例を取り上げた「Case File」では「薬剤師の視点」を取り入れ解説しています。
どこから読んでもすぐに臨床現場で使えるTipsを散りばめました。この本でポリファーマシーのすべてが解決するわけではありませんが、医療の現場で同じように悩む仲間に想いが届けばと思います。また、本書を通じてポリファーマシーに取り組んでくれる仲間が増えてくれたらと期待しています。
最後に、この本を作るにあたりご尽力いただいた、メジカルビュー社加賀智子さん、石田奈緒美さん、坂口もも子さんにこの場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2022年2月
池田 迅
「本当にこれだけの薬が必要なのだろうか?」
このような疑問を抱いたことはないだろうか。
私はこれまで都会や地方、大学病院や市中病院、診療所で、救急や総合診療、訪問診療を行ってきました。いろいろな医療のあり方のなかで、「多剤併用(ポリファーマシー)」という薬が引き起こす問題が、さまざまな場面に存在することに気が付きました。その原因は医療従事者側だけでなく患者さん側にも存在し、問題が複雑に絡み合っていて解決策が見出せないこともあり、問題解決やアプローチの方法を学ぶ術がないことに悩みました。多くの医療従事者が、どこかでかつての私と同じ疑問や苦労を感じながら、日々患者さんに対応しているのだと思います。
私の経験をまとめることで明日に繋がる何かを発見していただけたらと思い、この本を執筆しました。「患者さんとのコミュニケーションから」「いくつもの薬から」「いくつもの症状から」、そして「薬剤師を中心とした多職種連携から」、さまざまな角度からポリファーマシーの解決方法を探りました。医師と薬剤師が同じ症例をどのように捉えているのかわかるよう、10症例を取り上げた「Case File」では「薬剤師の視点」を取り入れ解説しています。
どこから読んでもすぐに臨床現場で使えるTipsを散りばめました。この本でポリファーマシーのすべてが解決するわけではありませんが、医療の現場で同じように悩む仲間に想いが届けばと思います。また、本書を通じてポリファーマシーに取り組んでくれる仲間が増えてくれたらと期待しています。
最後に、この本を作るにあたりご尽力いただいた、メジカルビュー社加賀智子さん、石田奈緒美さん、坂口もも子さんにこの場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2022年2月
池田 迅
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目次
Ⅰ コミュニケーションからポリファーマシーを解決する!
1 「ポリファーマシー」の何が問題か?
2 「薬が多いので、減らしましょう」という言葉が引き起こす問題
3 「へらそう薬」が合言葉 患者さん自身にモニタリングしてもらおう
4 減薬には「マナー」がある
5 マルチモビディティを診るために、ガイドラインを活用する
6 生活リズムを聞き出す
7 「習慣化」が患者さんのモチベーションを上げる
8 ポリファーマシーになりやすい患者さんは、 多疾患型? それとも不定愁訴型?
9 患者さんのヘルスリテラシーを確かめよう
10 「高齢者」と一括りにしてはならない
11 治療方針を決定するのは誰? シェアード・デシジョン・メイキングを考える
12 副作用が出ていませんか? 聞き出す工夫
13 いつの間にかいろいろな科を受診している患者さん ~上手く減薬できていると思ったら、他院で薬を貰っていた~
Ⅱ くすりからポリファーマシーを解決する!
1 ポリファーマシー解決の手順
2 薬はどこで減らす? 誰が減らす?
3 ポリファーマシーに関する診療報酬:令和2年(2020年)度からの変更点
4 抗コリン薬が重複していませんか?
5 「抗菌薬(抗生物質)ください」にどう対応するか?
6 合剤にしてみますか?
7 もはや糖尿病を無視できない
8 「年だから仕方がない」って本当? 薬剤による症状ではないかを確認する
9 薬のやめ方、やめることを考えるとき:過活動膀胱治療薬から考える
10 「漢方薬には副作用がない」は嘘
11 抗認知症薬をどう使うか
12 ロキソニン®は痛みに効く万能薬?
13 その症状、薬物有害事象かも?!
14 薬で認知症になる!? 薬剤性認知機能障害
15 高齢者では薬が効きすぎることもある 通常の半量からの開始を検討しよう
16 「セット指示」がもたらす弊害
17 吸入薬・注射薬 ~高齢者とデバイス~
Ⅲ 症状からポリファーマシーを解決する!
1 排便に関するトラブル(便秘)
2 尿に関するトラブル
3 患者さんの状態に合わせた、尿のトラブルへの処方
4 せん妄と認知症、不穏はどう違う?
5 治療により回復可能な認知機能障害を鑑別する(慢性硬膜下血腫、水頭症、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、老年性うつ病)
6 睡眠薬の減らし方
7 睡眠とポリファーマシー
8 痛み~慢性疼痛とどう付き合うか~
9 非薬物療法…言うは易し、行うは難し~理想と現実の間~
Ⅳ チームでポリファーマシーを解決する!
1 患者さんに本心を語ってもらうには ~コミュニケーションの秘訣~
2 ポリファーマシー解決のための重要な存在! 薬剤師を仲間にしよう
3 お薬手帳を最大限に活かす方法
Ⅴ CASE FILE
1 薬剤性意識障害
2 入院で良くなる糖尿病
3 マルチモビディティ
4 薬をやめることを考える
5 重複投与に注意
6 ポリファーマシーはチームで解決する
7 不定愁訴か本物か
8 漢方薬の使い方
9 処方カスケード①
10 処方カスケード②
1 「ポリファーマシー」の何が問題か?
2 「薬が多いので、減らしましょう」という言葉が引き起こす問題
3 「へらそう薬」が合言葉 患者さん自身にモニタリングしてもらおう
4 減薬には「マナー」がある
5 マルチモビディティを診るために、ガイドラインを活用する
6 生活リズムを聞き出す
7 「習慣化」が患者さんのモチベーションを上げる
8 ポリファーマシーになりやすい患者さんは、 多疾患型? それとも不定愁訴型?
9 患者さんのヘルスリテラシーを確かめよう
10 「高齢者」と一括りにしてはならない
11 治療方針を決定するのは誰? シェアード・デシジョン・メイキングを考える
12 副作用が出ていませんか? 聞き出す工夫
13 いつの間にかいろいろな科を受診している患者さん ~上手く減薬できていると思ったら、他院で薬を貰っていた~
Ⅱ くすりからポリファーマシーを解決する!
1 ポリファーマシー解決の手順
2 薬はどこで減らす? 誰が減らす?
3 ポリファーマシーに関する診療報酬:令和2年(2020年)度からの変更点
4 抗コリン薬が重複していませんか?
5 「抗菌薬(抗生物質)ください」にどう対応するか?
6 合剤にしてみますか?
7 もはや糖尿病を無視できない
8 「年だから仕方がない」って本当? 薬剤による症状ではないかを確認する
9 薬のやめ方、やめることを考えるとき:過活動膀胱治療薬から考える
10 「漢方薬には副作用がない」は嘘
11 抗認知症薬をどう使うか
12 ロキソニン®は痛みに効く万能薬?
13 その症状、薬物有害事象かも?!
14 薬で認知症になる!? 薬剤性認知機能障害
15 高齢者では薬が効きすぎることもある 通常の半量からの開始を検討しよう
16 「セット指示」がもたらす弊害
17 吸入薬・注射薬 ~高齢者とデバイス~
Ⅲ 症状からポリファーマシーを解決する!
1 排便に関するトラブル(便秘)
2 尿に関するトラブル
3 患者さんの状態に合わせた、尿のトラブルへの処方
4 せん妄と認知症、不穏はどう違う?
5 治療により回復可能な認知機能障害を鑑別する(慢性硬膜下血腫、水頭症、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、老年性うつ病)
6 睡眠薬の減らし方
7 睡眠とポリファーマシー
8 痛み~慢性疼痛とどう付き合うか~
9 非薬物療法…言うは易し、行うは難し~理想と現実の間~
Ⅳ チームでポリファーマシーを解決する!
1 患者さんに本心を語ってもらうには ~コミュニケーションの秘訣~
2 ポリファーマシー解決のための重要な存在! 薬剤師を仲間にしよう
3 お薬手帳を最大限に活かす方法
Ⅴ CASE FILE
1 薬剤性意識障害
2 入院で良くなる糖尿病
3 マルチモビディティ
4 薬をやめることを考える
5 重複投与に注意
6 ポリファーマシーはチームで解決する
7 不定愁訴か本物か
8 漢方薬の使い方
9 処方カスケード①
10 処方カスケード②
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患者満足度を保ちつつ,薬を上手に減らすための“コツ”を紹介
ポリファーマシーが内包する問題は複雑である。ただ「薬を減らしましょう」と提案するだけではうまくいかないことが多い。薬に対する患者さんの思いをどう読み解くか。患者さんの習慣に対してどう工夫するか。臨床でよく出会う場面を挙げて,具体的なコミュニケーションのコツを解説。
また,薬剤処方時のコツや,よくある症状から薬剤性を疑うためのコツも解説。
「CASE」では症例を挙げて,薬剤師とともに実際の減薬手順を解説。
さあ,患者さんの満足度を保ちつつ,ポリファーマシーを解消しよう!