症例・事例報告から始める
PT・OTのための臨床研究実践法
定価 4,180円(税込) (本体3,800円+税)
- A5判 336ページ 2色,イラスト150点,写真10点
- 2024年3月31日刊行
- ISBN978-4-7583-2089-4
電子版
序文
監修の序
臨床の現場で直面する一人ひとりのケースは,海に浮かぶ無数の島々のようである。各島が独自の形状や特徴を有し,セラピストはその多様性を理解し,各々に最適なアプローチを見出さなければならない。本書は,そうした多様な島々を渡り歩くセラピストたちのための羅針盤となるべく,共同で制作した指南書である。
第1章では,ケースに焦点を当てる重要性を基盤とし,臨床研究に必要な基礎知識を提供する。evidence based medicine(EBM)やevidence-based practice(EBP)は,アカデミックなフレームワークに留まらず,臨床現場での意思決定を支え,ケースに最善のケアを提供するための実践的な道具であるとの理解を深める。第2章では,質の高い情報にアクセスするためのスキルを学ぶ。PubMedやGoogle Scholarの効果的な使い方から,適切な検索語の選択方法に至るまで,情報収集のプロセスを網羅的に初学者にもわかりやすく解説する。第3章では,収集した論文を臨床に活かすための読み方を掘り下げる。特に,英語論文へのアクセス障壁を低減するための実践的ツールを紹介し,情報の海から必要な知見を見極める力を養う。第4章では,ケースカンファレンスの目的と意義,実施方法について解説する。情報共有の場に留まらず,チーム全体でクオリティの高いケアを提供するための知恵を共有し,練り上げる場としてのケースカンファレンスの価値を理解する。第5章では,ケースレポートの作成における目的と手法を詳述する。ここでの「実例」は,現場のセラピストが直面する具体的な課題に対して,科学的視点を取り入れて解決に導いた貴重な記録である。第6章では,ケースレポートと実証研究の相互作用を理解し,両者の循環関係を通じて臨床の質を向上させることを目指す。この章は臨床と研究の間で有意義な循環関係を築くための基石を提供する本書の最大の特徴である。
本書が提供する実例に基づくアプローチは,理論に留まらず,リハビリテーションの現場で直面する具体的な問題解決に直結する。各ケースから洞察を得ることで,セラピストは計画・方針を柔軟かつ精緻に策定できると確信する。本書を手にした皆様が,ここに記された知識を日々の臨床に活かし,ケース一人ひとりに最適な療法を提供できるよう,そしてさらなる研究への道を切り開く一助となることを願っている。セラピストとしての深い洞察力と献身的なケアが,ケースのquality of life(QOL)向上に寄与することは間違いない。本書が,その貴重な旅の指針となりえれば,執筆者一同これ以上の喜びはない。
2024年2月
森岡 周
------------------------------
編集の序
「臨床と研究の橋渡し」─これは本書の中核となる症例・事例報告(ケースレポート)の最たる役割の1つである。臨床疑問の延長に臨床研究があり,臨床研究が立ち返る先は臨床となる。すなわち,臨床と研究は独立するものではなく,症例・事例検討(ケースカンファレンス)やケースレポートを介することで,臨床と研究は同居するものとなる。このため,本書ではケースレポートと研究の連続性をコンセプトとし,ケースレポートから研究,そして研究から再び1例(ケース)に立ち返る「循環型の臨床研究」を実践する方法を解説している。
本書を作成した動機は至ってシンプルであり,セラピストとして未熟かつ研究初学者であった頃,このような指南書があればよかったという思いからである。そのため,日々の臨床で試行錯誤しながらも,1例に対する丁寧な考察や研究により問題解決を図ろうとする,臨床に従事する方にこそ手に取っていただきたい。
私は臨床4年目に訪問リハビリテーションへ異動となり,そこで大きな挫折を経験した。当時,この領域に関する書籍や研修会は限られており,活用できるエビデンスの把握もできていなかった。そのため,少ない介入頻度で何を目的にどうかかわればよいのか,まさに霧のなかでコンパスを失った状態に陥ってしまった。幸い,わずかながら臨床研究の経験があり,大学院にも進学していたため最低限の研究スキルを有していた。そのため,活用できるエビデンスがないか論文を漁り,可能性あるものを日々の臨床で試行錯誤した。そして,1例の特徴や経過について仲間や専門家と議論を重ね,仮説や教訓を磨き上げることで徐々に霧が晴れ,進むべき方向を定めやすくなった。また,このなかでevidence based medicine(根拠に基づく医療)を理解し,ケースレポートから得た仮説を基に,仮説検証を目的とした臨床研究へ展開した。これら一連の過程で得た経験と学びが,本書の土台となっている。
研究だけを行うのであれば,より効率のよい方法があるかもしれない。実際,近年では研究法に関する優れた書籍も多くある。しかし,臨床と研究をつなぎ循環させていくためには,学術と臨床知に裏づけられた1例の存在が欠かせない。そのため,本書では実例を多く扱っており,特に第5・6章では,学会発表や論文では述べられない臨床的な背景や,課題解決に至ったエピソードも紹介している。つまり,ケースレポートから臨床研究に展開した「実際」を解説する他に類を見ないものとなっている。本書が,臨床に根差した実直な研究を実践する道標として活用されれば,編者として幸甚の極みである。
なお,本書のコンセプトの根底には「研究的態度を臨床に」という言葉がある。これは10年以上も前に,私の恩師であり本書の監修でもある森岡 周先生からいただいたもので,セラピストとしての私を形成する大きな支えとなっている。長い歳月を要してしまったが,本書の発刊をもってわずかながらの恩返しとしたい。
最後に,本書を作業療法の領域にも活用できるようご尽力いただいた共同編集の丁子雄希先生,執筆者の皆様,そして企画構想から長きにわたり伴走してくださったメジカルビュー社の水上 優氏に深く感謝申し上げる。
2024年2月
編者を代表して 石垣智也
臨床の現場で直面する一人ひとりのケースは,海に浮かぶ無数の島々のようである。各島が独自の形状や特徴を有し,セラピストはその多様性を理解し,各々に最適なアプローチを見出さなければならない。本書は,そうした多様な島々を渡り歩くセラピストたちのための羅針盤となるべく,共同で制作した指南書である。
第1章では,ケースに焦点を当てる重要性を基盤とし,臨床研究に必要な基礎知識を提供する。evidence based medicine(EBM)やevidence-based practice(EBP)は,アカデミックなフレームワークに留まらず,臨床現場での意思決定を支え,ケースに最善のケアを提供するための実践的な道具であるとの理解を深める。第2章では,質の高い情報にアクセスするためのスキルを学ぶ。PubMedやGoogle Scholarの効果的な使い方から,適切な検索語の選択方法に至るまで,情報収集のプロセスを網羅的に初学者にもわかりやすく解説する。第3章では,収集した論文を臨床に活かすための読み方を掘り下げる。特に,英語論文へのアクセス障壁を低減するための実践的ツールを紹介し,情報の海から必要な知見を見極める力を養う。第4章では,ケースカンファレンスの目的と意義,実施方法について解説する。情報共有の場に留まらず,チーム全体でクオリティの高いケアを提供するための知恵を共有し,練り上げる場としてのケースカンファレンスの価値を理解する。第5章では,ケースレポートの作成における目的と手法を詳述する。ここでの「実例」は,現場のセラピストが直面する具体的な課題に対して,科学的視点を取り入れて解決に導いた貴重な記録である。第6章では,ケースレポートと実証研究の相互作用を理解し,両者の循環関係を通じて臨床の質を向上させることを目指す。この章は臨床と研究の間で有意義な循環関係を築くための基石を提供する本書の最大の特徴である。
本書が提供する実例に基づくアプローチは,理論に留まらず,リハビリテーションの現場で直面する具体的な問題解決に直結する。各ケースから洞察を得ることで,セラピストは計画・方針を柔軟かつ精緻に策定できると確信する。本書を手にした皆様が,ここに記された知識を日々の臨床に活かし,ケース一人ひとりに最適な療法を提供できるよう,そしてさらなる研究への道を切り開く一助となることを願っている。セラピストとしての深い洞察力と献身的なケアが,ケースのquality of life(QOL)向上に寄与することは間違いない。本書が,その貴重な旅の指針となりえれば,執筆者一同これ以上の喜びはない。
2024年2月
森岡 周
------------------------------
編集の序
「臨床と研究の橋渡し」─これは本書の中核となる症例・事例報告(ケースレポート)の最たる役割の1つである。臨床疑問の延長に臨床研究があり,臨床研究が立ち返る先は臨床となる。すなわち,臨床と研究は独立するものではなく,症例・事例検討(ケースカンファレンス)やケースレポートを介することで,臨床と研究は同居するものとなる。このため,本書ではケースレポートと研究の連続性をコンセプトとし,ケースレポートから研究,そして研究から再び1例(ケース)に立ち返る「循環型の臨床研究」を実践する方法を解説している。
本書を作成した動機は至ってシンプルであり,セラピストとして未熟かつ研究初学者であった頃,このような指南書があればよかったという思いからである。そのため,日々の臨床で試行錯誤しながらも,1例に対する丁寧な考察や研究により問題解決を図ろうとする,臨床に従事する方にこそ手に取っていただきたい。
私は臨床4年目に訪問リハビリテーションへ異動となり,そこで大きな挫折を経験した。当時,この領域に関する書籍や研修会は限られており,活用できるエビデンスの把握もできていなかった。そのため,少ない介入頻度で何を目的にどうかかわればよいのか,まさに霧のなかでコンパスを失った状態に陥ってしまった。幸い,わずかながら臨床研究の経験があり,大学院にも進学していたため最低限の研究スキルを有していた。そのため,活用できるエビデンスがないか論文を漁り,可能性あるものを日々の臨床で試行錯誤した。そして,1例の特徴や経過について仲間や専門家と議論を重ね,仮説や教訓を磨き上げることで徐々に霧が晴れ,進むべき方向を定めやすくなった。また,このなかでevidence based medicine(根拠に基づく医療)を理解し,ケースレポートから得た仮説を基に,仮説検証を目的とした臨床研究へ展開した。これら一連の過程で得た経験と学びが,本書の土台となっている。
研究だけを行うのであれば,より効率のよい方法があるかもしれない。実際,近年では研究法に関する優れた書籍も多くある。しかし,臨床と研究をつなぎ循環させていくためには,学術と臨床知に裏づけられた1例の存在が欠かせない。そのため,本書では実例を多く扱っており,特に第5・6章では,学会発表や論文では述べられない臨床的な背景や,課題解決に至ったエピソードも紹介している。つまり,ケースレポートから臨床研究に展開した「実際」を解説する他に類を見ないものとなっている。本書が,臨床に根差した実直な研究を実践する道標として活用されれば,編者として幸甚の極みである。
なお,本書のコンセプトの根底には「研究的態度を臨床に」という言葉がある。これは10年以上も前に,私の恩師であり本書の監修でもある森岡 周先生からいただいたもので,セラピストとしての私を形成する大きな支えとなっている。長い歳月を要してしまったが,本書の発刊をもってわずかながらの恩返しとしたい。
最後に,本書を作業療法の領域にも活用できるようご尽力いただいた共同編集の丁子雄希先生,執筆者の皆様,そして企画構想から長きにわたり伴走してくださったメジカルビュー社の水上 優氏に深く感謝申し上げる。
2024年2月
編者を代表して 石垣智也
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目次
第1章 EBM/EBP・臨床研究においてケースに着目する重要性を理解する
総論
臨床研究に関する基礎知識 尾川達也・石垣智也
症例と事例の違い
EBM/EBPとは
臨床研究でケースに着目する意義
臨床研究の種類
第2章 論文検索の方法を理解する
Ⅰ総論
論文検索に関する基礎知識 石垣智也
論文検索の目的と臨床疑問の定式化
検索式作成の原則
検索式の基本ルール
優先的に確認すべき論文の種類
Ⅱ実例
❶検索語の選択 石垣智也
シソーラスブラウザを用いた検索語の準備
日本語から英語の検索語を選ぶ方法
検索語の選定プロセス
❷文献入手の方法 石垣智也
論文入手の方法
付録① PubMedでの検索 石垣智也
付録② Google Scholarでの検索 石垣智也
第3章 ケースに生かすための論文の読み方を理解する
Ⅰ総論
論文の読み方に関する基礎知識 丁子雄希
論文を読む目的と意義
論文の批判的評価
Ⅱ実例
英語論文へのハードルを下げるツールの紹介 丁子雄希
文献翻訳ツール
文献検索ツール
付録③ 文献翻訳ツールの使い方 丁子雄希
第4章 ケースカンファレンスの目的と意義,方法を理解する
Ⅰ総論
ケースカンファレンスに関する基礎知識 壹岐伸弥・石垣智也
ケースカンファレンスとは
ケースカンファレンスの役割①:EBPによる臨床スキルの向上(情報活用のトレーニング)
ケースカンファレンスの役割②:学術活動(研究の種)
ケースカンファレンスの役割③:燃え尽き症候群の予防(メンタルヘルス,医療安全)
ケースカンファレンスの役割④:卒後教育(臨床教育による職員育成)
ケースカンファレンスの役割⑤:業務改善(ケースカンファレンスを行える労働環境の整備と組織課題の改善)
効果的なケースカンファレンスのポイント
Ⅱ実例
❶効果的なケースカンファレンス①(PT) 生野公貴
各部門・研究班でのケースカンファレンスの運用
❷効果的なケースカンファレンス②(PT) 奥埜博之
全スタッフが参加するケースカンファレンス
❸効果的なケースカンファレンス③(OT) 丸山 祥
OTとしてのケースカンファレンス運用
第5章 ケースレポートの目的と意義,方法を理解する
Ⅰ総論
❶ケースレポート・ケースシリーズスタディの定義 石垣智也・丁子雄希
研究としてのケースレポートの定義・特徴・役割
複数例を扱うケースシリーズスタディの定義・特徴・役割
ケースレポート(ケースシリーズスタディを含む)とケーススタディの違い
❷ケースレポートのテーマ設定 石垣智也・丁子雄希
よいケースレポートとは
ケースレポートとして報告すべき内容を見出すためには何が必要か
ケースレポートとして報告すべき内容を見出すコツ
❸ケースレポートのまとめ方 石垣智也・丁子雄希
ケースレポートをまとめるための型の理解
ケースレポートだとわかってもらいやすいタイトルとキーワードの設定
型を意識した要旨を作成する
はじめに:明確な報告目的を設定するためのコツ
症例・事例紹介:患者(対象者)の情報と臨床所見
症例・事例紹介:診断・評価
症例・事例紹介と経過:経過とタイムライン
経過:治療・介入およびフォローアップと結果
症例・事例紹介と経過:記載すべき情報の整理と取捨選択
考察:冒頭で新規性と臨床的有用性のある仮説や教訓を主張する
考察:主張が妥当である理由をケースの情報や関連する文献を用いて説明する
考察:一般化可能性に関する限界点は記載しないが臨床的な限界点への考察は記載する
考察・結論:新規性や稀少性だけを主張せず,臨床的有用性と今後の展望を記載する
考察:玉ねぎ構造での考察の整理と具体例
ケースレポートにおけるPTとOTの違い
付録④ ケースシリーズスタディのまとめ方 石垣智也・丁子雄希
付録⑤ ケースレポートと研究倫理 石垣智也・丁子雄希
Ⅱ実例
❶要介護高齢者の実例(PT) 石垣智也
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
学会抄録の添削例:修正前
学会抄録の添削例:修正後
❷神経疾患(脊髄障害)の実例(PT) 深田 亮
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
❸運動器疾患(慢性腰痛)の実例(PT) 重藤隼人
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
交差的時間差相関分析の結果
考察・結論
❹神経疾患(脳卒中歩行)の実例(PT) 蓮井成仁・水田直道
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
❺身体障害領域(脳卒中)の実例(OT) 丁子雄希
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
OTIPMの導入
経過
考察・結論
学会抄録の添削例:修正前
学会抄録の添削例:修正後
❻精神障害領域(感情調節困難患者)の実例(OT) 織田靖史
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
❼発達障害領域(小児)の実例(OT) 吉田尚樹
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過(複合的CI療法の介入期間)
考察・結論
❽老年期障害領域(訪問リハ)の実例(OT) 佐野裕和
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
第6章 ケースレポートと実証研究の相互作用を理解する
Ⅰ総論
実証研究に関する基礎知識とケースレポートとの循環関係 石垣智也
ケースレポートと実証研究の違い
ケースレポートと実証研究の相互作用
Ⅱ実例①
❶要介護高齢者の実例(PT) 石垣智也
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❷神経疾患(脊髄障害)の実例(PT) 深田 亮
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❸運動器疾患(慢性腰痛)の実例(PT) 重藤隼人
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❹神経疾患(脳卒中歩行)の実例(PT) 水田直道
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❺身体障害領域(脳卒中)の実例(OT) 丁子雄希
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❻精神障害領域(感情調節困難患者)の実例(OT) 織田靖史
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❼発達障害領域(小児)の実例(OT) 吉田尚樹
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❽老年期障害領域(訪問リハ)の実例(OT) 佐野裕和
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
Ⅲ実例②
❶要介護高齢者の実例(PT) 石垣智也
実証研究の限界点や課題に対してケースに立ち戻り仮説生成を行う意義は何か
導入
どのようなケースに基づく検討を行ったのか:研究概要の説明
このケースからの検討で明らかになったこと,見出された仮説とその意義
このケースからの検討に求められる今後の展望
❷神経疾患(脊髄障害)の実例(PT) 深田 亮
実証研究の限界点や課題に対してケースに立ち戻り仮説生成を行う意義は何か
導入
どのようなケースに基づく検討を行ったのか:研究概要の説明
このケースからの検討で明らかになったこと,見出された仮説とその意義
このケースからの検討に求められる今後の展望
❸身体障害領域(脳卒中)の実例(OT) 丁子雄希
実証研究の限界点や課題に対してケースに立ち戻り仮説生成を行う意義は何か
導入
どのようなケースに基づく検討を行ったのか:研究概要の説明
このケースからの検討で明らかになったこと,見出された仮説とその意義
このケースからの検討に求められる今後の展望
総論
臨床研究に関する基礎知識 尾川達也・石垣智也
症例と事例の違い
EBM/EBPとは
臨床研究でケースに着目する意義
臨床研究の種類
第2章 論文検索の方法を理解する
Ⅰ総論
論文検索に関する基礎知識 石垣智也
論文検索の目的と臨床疑問の定式化
検索式作成の原則
検索式の基本ルール
優先的に確認すべき論文の種類
Ⅱ実例
❶検索語の選択 石垣智也
シソーラスブラウザを用いた検索語の準備
日本語から英語の検索語を選ぶ方法
検索語の選定プロセス
❷文献入手の方法 石垣智也
論文入手の方法
付録① PubMedでの検索 石垣智也
付録② Google Scholarでの検索 石垣智也
第3章 ケースに生かすための論文の読み方を理解する
Ⅰ総論
論文の読み方に関する基礎知識 丁子雄希
論文を読む目的と意義
論文の批判的評価
Ⅱ実例
英語論文へのハードルを下げるツールの紹介 丁子雄希
文献翻訳ツール
文献検索ツール
付録③ 文献翻訳ツールの使い方 丁子雄希
第4章 ケースカンファレンスの目的と意義,方法を理解する
Ⅰ総論
ケースカンファレンスに関する基礎知識 壹岐伸弥・石垣智也
ケースカンファレンスとは
ケースカンファレンスの役割①:EBPによる臨床スキルの向上(情報活用のトレーニング)
ケースカンファレンスの役割②:学術活動(研究の種)
ケースカンファレンスの役割③:燃え尽き症候群の予防(メンタルヘルス,医療安全)
ケースカンファレンスの役割④:卒後教育(臨床教育による職員育成)
ケースカンファレンスの役割⑤:業務改善(ケースカンファレンスを行える労働環境の整備と組織課題の改善)
効果的なケースカンファレンスのポイント
Ⅱ実例
❶効果的なケースカンファレンス①(PT) 生野公貴
各部門・研究班でのケースカンファレンスの運用
❷効果的なケースカンファレンス②(PT) 奥埜博之
全スタッフが参加するケースカンファレンス
❸効果的なケースカンファレンス③(OT) 丸山 祥
OTとしてのケースカンファレンス運用
第5章 ケースレポートの目的と意義,方法を理解する
Ⅰ総論
❶ケースレポート・ケースシリーズスタディの定義 石垣智也・丁子雄希
研究としてのケースレポートの定義・特徴・役割
複数例を扱うケースシリーズスタディの定義・特徴・役割
ケースレポート(ケースシリーズスタディを含む)とケーススタディの違い
❷ケースレポートのテーマ設定 石垣智也・丁子雄希
よいケースレポートとは
ケースレポートとして報告すべき内容を見出すためには何が必要か
ケースレポートとして報告すべき内容を見出すコツ
❸ケースレポートのまとめ方 石垣智也・丁子雄希
ケースレポートをまとめるための型の理解
ケースレポートだとわかってもらいやすいタイトルとキーワードの設定
型を意識した要旨を作成する
はじめに:明確な報告目的を設定するためのコツ
症例・事例紹介:患者(対象者)の情報と臨床所見
症例・事例紹介:診断・評価
症例・事例紹介と経過:経過とタイムライン
経過:治療・介入およびフォローアップと結果
症例・事例紹介と経過:記載すべき情報の整理と取捨選択
考察:冒頭で新規性と臨床的有用性のある仮説や教訓を主張する
考察:主張が妥当である理由をケースの情報や関連する文献を用いて説明する
考察:一般化可能性に関する限界点は記載しないが臨床的な限界点への考察は記載する
考察・結論:新規性や稀少性だけを主張せず,臨床的有用性と今後の展望を記載する
考察:玉ねぎ構造での考察の整理と具体例
ケースレポートにおけるPTとOTの違い
付録④ ケースシリーズスタディのまとめ方 石垣智也・丁子雄希
付録⑤ ケースレポートと研究倫理 石垣智也・丁子雄希
Ⅱ実例
❶要介護高齢者の実例(PT) 石垣智也
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
学会抄録の添削例:修正前
学会抄録の添削例:修正後
❷神経疾患(脊髄障害)の実例(PT) 深田 亮
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
❸運動器疾患(慢性腰痛)の実例(PT) 重藤隼人
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
交差的時間差相関分析の結果
考察・結論
❹神経疾患(脳卒中歩行)の実例(PT) 蓮井成仁・水田直道
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
❺身体障害領域(脳卒中)の実例(OT) 丁子雄希
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
OTIPMの導入
経過
考察・結論
学会抄録の添削例:修正前
学会抄録の添削例:修正後
❻精神障害領域(感情調節困難患者)の実例(OT) 織田靖史
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
❼発達障害領域(小児)の実例(OT) 吉田尚樹
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過(複合的CI療法の介入期間)
考察・結論
❽老年期障害領域(訪問リハ)の実例(OT) 佐野裕和
導入
はじめに・目的
症例・事例紹介
経過
考察・結論
第6章 ケースレポートと実証研究の相互作用を理解する
Ⅰ総論
実証研究に関する基礎知識とケースレポートとの循環関係 石垣智也
ケースレポートと実証研究の違い
ケースレポートと実証研究の相互作用
Ⅱ実例①
❶要介護高齢者の実例(PT) 石垣智也
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❷神経疾患(脊髄障害)の実例(PT) 深田 亮
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❸運動器疾患(慢性腰痛)の実例(PT) 重藤隼人
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❹神経疾患(脳卒中歩行)の実例(PT) 水田直道
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❺身体障害領域(脳卒中)の実例(OT) 丁子雄希
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❻精神障害領域(感情調節困難患者)の実例(OT) 織田靖史
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❼発達障害領域(小児)の実例(OT) 吉田尚樹
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
❽老年期障害領域(訪問リハ)の実例(OT) 佐野裕和
ケースレポートと実証研究のつながり
導入
どのような実証研究を行ったのか:研究概要の説明
実証研究で明らかになったことと臨床的意義
実証研究の限界点と展望
Ⅲ実例②
❶要介護高齢者の実例(PT) 石垣智也
実証研究の限界点や課題に対してケースに立ち戻り仮説生成を行う意義は何か
導入
どのようなケースに基づく検討を行ったのか:研究概要の説明
このケースからの検討で明らかになったこと,見出された仮説とその意義
このケースからの検討に求められる今後の展望
❷神経疾患(脊髄障害)の実例(PT) 深田 亮
実証研究の限界点や課題に対してケースに立ち戻り仮説生成を行う意義は何か
導入
どのようなケースに基づく検討を行ったのか:研究概要の説明
このケースからの検討で明らかになったこと,見出された仮説とその意義
このケースからの検討に求められる今後の展望
❸身体障害領域(脳卒中)の実例(OT) 丁子雄希
実証研究の限界点や課題に対してケースに立ち戻り仮説生成を行う意義は何か
導入
どのようなケースに基づく検討を行ったのか:研究概要の説明
このケースからの検討で明らかになったこと,見出された仮説とその意義
このケースからの検討に求められる今後の展望
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日々の臨床疑問からどのように仮説を生成し検証するのか? リハビリテーションの質の向上につながる臨床研究を実例やエピソードに基づいて解説した実践書!
臨床研究を実施する際に生じる数々の悩みに対処し,学会発表・論文化というゴールに向かうためのポイントを解説。研究の入り口となる症例・事例検討(ケースカンファレンス)や症例・事例報告(ケースレポート)の進め方・考え方に加えて,得られた仮説から実証研究に発展させていき,さらに症例・事例へと立ち返り,新たな仮説を得るという循環を通じてリハビリテーションの質の向上につなげていくプロセスを実体験に基づいた実例を挙げながら提示する。
理学療法・作業療法の専門領域における研究をイメージしやすいように,各著者が実践した幅広い領域の研究を具体的に示し,その際に苦労したエピソードや独自の工夫なども多数紹介。読者が臨床研究を身近に感じ,自ら臨床研究を実践できる指針となる書籍。