作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト
身体障害作業療法学(第3版)
[Web動画付]
第3版
定価 6,160円(税込) (本体5,600円+税)
- B5判 568ページ オールカラー,イラスト400点,写真500点
- 2022年12月29日刊行
- ISBN978-4-7583-2044-3
電子版
序文
第3版 監修の序
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。
本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12巻となります。
改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し視て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
----------------------------------
第3版 編集の序
今回の改訂で第3版となりました。初版の編集の序では「作業療法とは何かと悩んでいる学生の方が多いかと思います。」と書きましたが,第3版の読者である学生の皆さんはどうでしょうか?
以前よりは養成校でも作業療法についての全体像を示すことができているのか,学生から「作業療法がよくわからない」と聞くことはありませんが,社会的認知という面ではまだまだのようです。
大学で教鞭を執っていますと,最先端の治療技術の情報や作業療法の新しい波も感じます。1990年代に開発された「カナダ作業遂行測定(COPM:Canadian Occupational Performance Measure)」が日本に導入されたことで,作業療法がセラピスト中心から対象者中心へと大きく変わり,COPMの理念が日本作業療法士協会が普及を図っている「生活行為向上マネジメント」の根幹となっています。また,実習でも従来の形態である対象者の評価から治療まで一貫して行うものから,クリニカルクラークシップを用いた作業療法参加型臨床実習へと大きく方向転換しました。作業療法参加型臨床実習では,実習生が実習指導者の行う評価・作業療法プログラムの立案・作業療法の実施を見学し,作業療法士の考えやその技術を理解したうえで実習生がそれを模倣し,理解したことや技術を再確認します。
このような変化に合わせて,本書では本文に関連付けた臨床技術の動画をWeb上で視聴できるようにしました。また,作業療法参加型臨床実習に役立つ情報や,Case Studyとそれに関するQuestionを載せてより臨床的な知識を確認できるようになっています。
最近では,臨床技術の確認のための客観的臨床能力試験(OSCE:Objective Structured Clinical Examination)に関する授業が増え,臨床実習支援システムも導入されてきています。このように日々進歩している教育現場・臨床内容にも対応できるように,本書では教育に携わっている方々や臨床実習を担当してくださっている方々に執筆をお願いしました。読者である学生の皆さんには,学習だけでなく臨床場面でも役立てていただけることを願っています。
2022年11月
文京学院大学
長﨑重信
今回,『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から2回目の改訂を迎え,第3版出版の運びとなりました。
本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」の11巻に新しく「義肢装具学」を加え,全12巻となります。
改訂作業が始まった2020年は作業療法教育の変革の年でもありました。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。
また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。こう書くと何がアクティブ・ラーニングなのかと思われるかもしれませんが,学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し視て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態です。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。今回の遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズも,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2020年12月
文京学院大学
長﨑重信
----------------------------------
第3版 編集の序
今回の改訂で第3版となりました。初版の編集の序では「作業療法とは何かと悩んでいる学生の方が多いかと思います。」と書きましたが,第3版の読者である学生の皆さんはどうでしょうか?
以前よりは養成校でも作業療法についての全体像を示すことができているのか,学生から「作業療法がよくわからない」と聞くことはありませんが,社会的認知という面ではまだまだのようです。
大学で教鞭を執っていますと,最先端の治療技術の情報や作業療法の新しい波も感じます。1990年代に開発された「カナダ作業遂行測定(COPM:Canadian Occupational Performance Measure)」が日本に導入されたことで,作業療法がセラピスト中心から対象者中心へと大きく変わり,COPMの理念が日本作業療法士協会が普及を図っている「生活行為向上マネジメント」の根幹となっています。また,実習でも従来の形態である対象者の評価から治療まで一貫して行うものから,クリニカルクラークシップを用いた作業療法参加型臨床実習へと大きく方向転換しました。作業療法参加型臨床実習では,実習生が実習指導者の行う評価・作業療法プログラムの立案・作業療法の実施を見学し,作業療法士の考えやその技術を理解したうえで実習生がそれを模倣し,理解したことや技術を再確認します。
このような変化に合わせて,本書では本文に関連付けた臨床技術の動画をWeb上で視聴できるようにしました。また,作業療法参加型臨床実習に役立つ情報や,Case Studyとそれに関するQuestionを載せてより臨床的な知識を確認できるようになっています。
最近では,臨床技術の確認のための客観的臨床能力試験(OSCE:Objective Structured Clinical Examination)に関する授業が増え,臨床実習支援システムも導入されてきています。このように日々進歩している教育現場・臨床内容にも対応できるように,本書では教育に携わっている方々や臨床実習を担当してくださっている方々に執筆をお願いしました。読者である学生の皆さんには,学習だけでなく臨床場面でも役立てていただけることを願っています。
2022年11月
文京学院大学
長﨑重信
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目次
0 Introduction
1 身体障害における作業療法 [長﨑重信]
① 身体障害の作業療法
② 作業遂行の障害
③ 作業療法の支援する力
1 治療学概論
1 身体障害作業療法の歴史・理論の変遷 [長﨑重信]
① 作業療法の歴史
② 身体障害作業療法にみられる治療理論
2 評価から治療,そして地域へつなぐ [長﨑重信]
① 作業療法士と対象者の出会い
② 面接は観察の始まり
③ 治療を始める前に
④ 評価から治療そして地域へ
3 身体障害における治療・援助 [田中秀宜]
① 作業療法介入の原理と形態
② 作業遂行の連続性概念と治療理論の関係
③ ROM運動
④ 筋力増強練習
⑤ 協調性練習
⑥ ブルンストローム理論
⑦ ボバースコンセプト
⑧ PNF
⑨ 喀痰吸引
4 作業療法で用いられる支援技術 [長﨑重信]
① 物理的な環境調整への支援
② 社会福祉面からの支援
③ 職業復帰への支援
5 日常生活活動(ADL)の指導 [長﨑重信]
① 治療と練習
② ADLの評価
③ ADLの指導
6 福祉用具と環境改善 [長﨑重信]
① 福祉用具とは
② 福祉用具の提示
③ 住環境の整備
7 地域生活への支援 [長﨑重信]
① 地域生活を支えるためには
② 憲法と生活保護法
③ 介護保険法
Case Study Answer
2 疾患別作業療法(中枢神経系)
1 脳血管障害 [藤田貴昭]
① はじめに
② 脳血管障害とは
③ 脳血管障害の分類
④ 脳卒中の医学的治療
⑤ 脳卒中後の機能障害と能力低下およびその評価
⑥ 脳卒中患者の作業療法
2 頭部外傷(TBI) [幅田智也]
① TBIとは
② TBIの評価
③ 作業療法プログラム
④ TBIの臨床像
Case Study Answer
3 疾患別作業療法(整形外科系)
1 脊髄損傷(頸髄損傷)(SCI) [幅田智也]
① SCIとは
② 機能レベルの理解と活動レベル向上に向けた作業療法
③ ADLの移乗・移動手段(体験を通して理解する)
④ ADLのセルフケア
⑤ 自助具や福祉機器
⑥ 高位頸髄損傷者の環境制御とコミュニケーション
⑦ 社会参加:自立生活(IL)と性
2 頸椎症性脊髄症 [阿久澤秀徳]
① 頸椎症性脊髄症とは
② 頸部の構造
③ 頸椎症性脊髄症の特徴
④ 頸椎症性脊髄症の治療
⑤ ADLで避けたい動作
3 手の骨折 [齋藤慶一郎]
① 手の骨折とは
② 骨の修復
③ 骨修復後のハンドリハビリテーション
④ 拘縮
⑤ 浮腫と関節拘縮
⑥ 複合性局所疼痛症候群
⑦ 整形外科的治療・ハンドリハビリテーションの方針の決定因子
⑧ 手の骨折に対するハンドリハビリテーション
⑨ 作業療法士の役割
4 手指屈筋腱損傷 [齋藤慶一郎]
① 手指屈筋腱とその腱損傷とは
② 損傷腱の修復・再建法
③ ROMおよび手指腱機能評価
④ 手指屈筋腱修復に対するハンドリハビリテーション
⑤ 損傷腱の皮下癒着と腱剥離術
⑥ 作業療法士の役割
5 手の末梢神経損傷 [齋藤慶一郎]
① 手の末梢神経とその損傷とは
② 神経損傷度と神経修復方法
③ 末梢神経損傷に対する作業療法評価
④ 末梢神経損傷に対するハンドリハビリテーション
⑤ 末梢神経損傷に対するスプリント療法
⑥ 運動機能再建術とハンドリハビリテーション
⑦ 作業療法士の役割
6 腱板損傷 [齋藤慶一郎]
① 腱板とその損傷とは
② 肩関節運動
③ 腱板損傷の特徴
④ 修復方法
⑤ 腱板損傷に対するリハビリテーション
⑥ 作業療法士の役割
7 切断 [伊藤 伸]
① 切断とは
② 切断部位と義手
③ 制度とリハビリテーション
④ 作業療法
⑤ 義手装着前練習(断端管理)
⑥ 義手使用練習
⑦ フォローアップ(外来など)
8 熱傷 [酒井弘美]
① 熱傷とは
② 皮膚の構造と役割
③ 熱傷の経過
④ 熱傷の重症度
⑤ 熱傷の医学的治療
⑥ 熱傷の障害像
⑦ 熱傷におけるリハビリテーション
⑧ 熱傷における作業療法
⑨ 退院後の生活指導
Case Study Answer
4 疾患別作業療法(内部疾患,膠原病)
1 心疾患 [酒井弘美]
① はじめに
② 虚血性心疾患とは
③ 虚血性心疾患の治療
④ 弁膜症とは
⑤ 心弁膜症の治療
⑥ 心不全とは
⑦ 心不全の症状
⑧ 心不全の治療
⑨ 不整脈とは
⑩心疾患の障害像
⑪心臓リハビリテーションとは
⑫運動の種類と強度
⑬作業療法の役割
⑭作業療法評価
⑮作業療法の実際
⑯ADLで具体的に気を付けること
2 呼吸器疾患 [川邉利子]
① はじめに
② 対象事例
③ 肺の機能と障害
④ 呼吸リハビリテーションに必要な評価・情報収集
⑤ リスク管理
⑥ 包括的呼吸リハビリテーションと作業療法の目的・役割
⑦ 作業療法の評価
⑧ セルフマネジメント教育
⑨ 呼吸器疾患の作業療法
⑩ADL指導・練習の実際
⑪おわりに:呼吸困難を疑似体験してみよう
3 糖尿病(DM) [田中秀宜]
① DMとは
② DMの疫学
③ DMの診断
④ DMの症状と合併症
⑤ DMのリハビリテーション
⑥ DMの作業療法の実践
4 慢性腎臓病(CKD) [宮寺亮輔]
① はじめに
② CKDとは
③ CKDの評価
④ CKDの作業療法の実際
5 関節リウマチ(RA) [幅田智也]
① はじめに
② RAの全体像
③ RAの現状
④ RAの経過
⑤ 知っておく必要のあるリウマチ性疾患
⑥ 臨床的な症状と日常生活に与える影響
⑦ 初回評価面接
⑧ ADLの評価と注意点
⑨ 作業療法治療のポイント
6 多発性筋炎(PM)・皮膚筋炎(DM) [田中勇次郎]
① はじめに
② PM・DMとは
③ PM・DMの診断基準
④ PM・DMの類似疾患
⑤ PM・DMの治療法
⑥ PM・DMの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
Case Study Answer
5 疾患別作業療法(神経・筋疾患)
1 パーキンソン病(PD) [田中勇次郎]
① はじめに
② PDとは
③ PDの診断基準
④ PDの治療
⑤ PD以外のパーキンソン症状をきたす疾患
⑥ PDの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
2 ギラン・バレー症候群(GBS) [田中勇次郎]
① はじめに
② GBSとは
③ GBSの診断基準
④ GBSの類似疾患
⑤ GBSの治療法
⑥ GBSの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
3 脊髄小脳変性症(SCD) [田中勇次郎]
① はじめに
② SCDとは
③ SCDの診断基準
④ SCDの治療
⑤ SCD以外の失調症状をきたす疾患
⑥ SCDの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
4 多発性硬化症(MS) [田中勇次郎]
① はじめに
② MSとは
③ MSの診断基準
④ MSの類似疾患
⑤ MSの治療
⑥ MSの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
5 筋萎縮性側索硬化症(ALS) [田中勇次郎]
① はじめに
② ALSとは
③ ALSの診断基準
④ ALSの治療
⑤ ALSの作業療法
⑥ ADL指導
⑦ 在宅療養支援
6 筋ジストロフィー(MD) [田中勇次郎]
① はじめに
② MDとは
③ MDの診断
④ MDの治療法
⑤ MD以外の筋疾患
⑥ MDの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
Case Study Answer
6 ターミナルケア・廃用症候群の作業療法
1 ターミナルケア(終末期医療と作業療法) [安部能成]
① ターミナルケアという言葉の意味
② ターミナルケアの対象となる人
③ がんで死亡する理由
④ がん治療による死亡
⑤ ターミナルケアにおけるリハビリテーション
⑥ 機能回復リハビリテーションの構造
⑦ がん専門病院におけるEoLCとしての医学的リハビリテーション・ニーズ
⑧ EoLCとしての医学的リハビリテーションに対する要望
⑨ EoLCリハビリテーションと機能回復リハビリテーションの相違点
⑩EoLCとしてのリハビリテーションの実際
⑪EoLCリハビリテーションにおける評価の問題点
⑫EoLCリハビリテーションにおける治療・練習
⑬死の受容
⑭ホスピス再考
⑮緩和ケア病棟と在宅ケア支援
⑯ビハーラ
⑰難病
2 廃用症候群 [宮寺亮輔]
① 廃用症候群とは
② 廃用症候群の評価
③ 加齢による諸機能の変化および他疾患の影響
④ 廃用症候群の作業療法
⑤ チームでの介入
Case Study Answer
1 身体障害における作業療法 [長﨑重信]
① 身体障害の作業療法
② 作業遂行の障害
③ 作業療法の支援する力
1 治療学概論
1 身体障害作業療法の歴史・理論の変遷 [長﨑重信]
① 作業療法の歴史
② 身体障害作業療法にみられる治療理論
2 評価から治療,そして地域へつなぐ [長﨑重信]
① 作業療法士と対象者の出会い
② 面接は観察の始まり
③ 治療を始める前に
④ 評価から治療そして地域へ
3 身体障害における治療・援助 [田中秀宜]
① 作業療法介入の原理と形態
② 作業遂行の連続性概念と治療理論の関係
③ ROM運動
④ 筋力増強練習
⑤ 協調性練習
⑥ ブルンストローム理論
⑦ ボバースコンセプト
⑧ PNF
⑨ 喀痰吸引
4 作業療法で用いられる支援技術 [長﨑重信]
① 物理的な環境調整への支援
② 社会福祉面からの支援
③ 職業復帰への支援
5 日常生活活動(ADL)の指導 [長﨑重信]
① 治療と練習
② ADLの評価
③ ADLの指導
6 福祉用具と環境改善 [長﨑重信]
① 福祉用具とは
② 福祉用具の提示
③ 住環境の整備
7 地域生活への支援 [長﨑重信]
① 地域生活を支えるためには
② 憲法と生活保護法
③ 介護保険法
Case Study Answer
2 疾患別作業療法(中枢神経系)
1 脳血管障害 [藤田貴昭]
① はじめに
② 脳血管障害とは
③ 脳血管障害の分類
④ 脳卒中の医学的治療
⑤ 脳卒中後の機能障害と能力低下およびその評価
⑥ 脳卒中患者の作業療法
2 頭部外傷(TBI) [幅田智也]
① TBIとは
② TBIの評価
③ 作業療法プログラム
④ TBIの臨床像
Case Study Answer
3 疾患別作業療法(整形外科系)
1 脊髄損傷(頸髄損傷)(SCI) [幅田智也]
① SCIとは
② 機能レベルの理解と活動レベル向上に向けた作業療法
③ ADLの移乗・移動手段(体験を通して理解する)
④ ADLのセルフケア
⑤ 自助具や福祉機器
⑥ 高位頸髄損傷者の環境制御とコミュニケーション
⑦ 社会参加:自立生活(IL)と性
2 頸椎症性脊髄症 [阿久澤秀徳]
① 頸椎症性脊髄症とは
② 頸部の構造
③ 頸椎症性脊髄症の特徴
④ 頸椎症性脊髄症の治療
⑤ ADLで避けたい動作
3 手の骨折 [齋藤慶一郎]
① 手の骨折とは
② 骨の修復
③ 骨修復後のハンドリハビリテーション
④ 拘縮
⑤ 浮腫と関節拘縮
⑥ 複合性局所疼痛症候群
⑦ 整形外科的治療・ハンドリハビリテーションの方針の決定因子
⑧ 手の骨折に対するハンドリハビリテーション
⑨ 作業療法士の役割
4 手指屈筋腱損傷 [齋藤慶一郎]
① 手指屈筋腱とその腱損傷とは
② 損傷腱の修復・再建法
③ ROMおよび手指腱機能評価
④ 手指屈筋腱修復に対するハンドリハビリテーション
⑤ 損傷腱の皮下癒着と腱剥離術
⑥ 作業療法士の役割
5 手の末梢神経損傷 [齋藤慶一郎]
① 手の末梢神経とその損傷とは
② 神経損傷度と神経修復方法
③ 末梢神経損傷に対する作業療法評価
④ 末梢神経損傷に対するハンドリハビリテーション
⑤ 末梢神経損傷に対するスプリント療法
⑥ 運動機能再建術とハンドリハビリテーション
⑦ 作業療法士の役割
6 腱板損傷 [齋藤慶一郎]
① 腱板とその損傷とは
② 肩関節運動
③ 腱板損傷の特徴
④ 修復方法
⑤ 腱板損傷に対するリハビリテーション
⑥ 作業療法士の役割
7 切断 [伊藤 伸]
① 切断とは
② 切断部位と義手
③ 制度とリハビリテーション
④ 作業療法
⑤ 義手装着前練習(断端管理)
⑥ 義手使用練習
⑦ フォローアップ(外来など)
8 熱傷 [酒井弘美]
① 熱傷とは
② 皮膚の構造と役割
③ 熱傷の経過
④ 熱傷の重症度
⑤ 熱傷の医学的治療
⑥ 熱傷の障害像
⑦ 熱傷におけるリハビリテーション
⑧ 熱傷における作業療法
⑨ 退院後の生活指導
Case Study Answer
4 疾患別作業療法(内部疾患,膠原病)
1 心疾患 [酒井弘美]
① はじめに
② 虚血性心疾患とは
③ 虚血性心疾患の治療
④ 弁膜症とは
⑤ 心弁膜症の治療
⑥ 心不全とは
⑦ 心不全の症状
⑧ 心不全の治療
⑨ 不整脈とは
⑩心疾患の障害像
⑪心臓リハビリテーションとは
⑫運動の種類と強度
⑬作業療法の役割
⑭作業療法評価
⑮作業療法の実際
⑯ADLで具体的に気を付けること
2 呼吸器疾患 [川邉利子]
① はじめに
② 対象事例
③ 肺の機能と障害
④ 呼吸リハビリテーションに必要な評価・情報収集
⑤ リスク管理
⑥ 包括的呼吸リハビリテーションと作業療法の目的・役割
⑦ 作業療法の評価
⑧ セルフマネジメント教育
⑨ 呼吸器疾患の作業療法
⑩ADL指導・練習の実際
⑪おわりに:呼吸困難を疑似体験してみよう
3 糖尿病(DM) [田中秀宜]
① DMとは
② DMの疫学
③ DMの診断
④ DMの症状と合併症
⑤ DMのリハビリテーション
⑥ DMの作業療法の実践
4 慢性腎臓病(CKD) [宮寺亮輔]
① はじめに
② CKDとは
③ CKDの評価
④ CKDの作業療法の実際
5 関節リウマチ(RA) [幅田智也]
① はじめに
② RAの全体像
③ RAの現状
④ RAの経過
⑤ 知っておく必要のあるリウマチ性疾患
⑥ 臨床的な症状と日常生活に与える影響
⑦ 初回評価面接
⑧ ADLの評価と注意点
⑨ 作業療法治療のポイント
6 多発性筋炎(PM)・皮膚筋炎(DM) [田中勇次郎]
① はじめに
② PM・DMとは
③ PM・DMの診断基準
④ PM・DMの類似疾患
⑤ PM・DMの治療法
⑥ PM・DMの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
Case Study Answer
5 疾患別作業療法(神経・筋疾患)
1 パーキンソン病(PD) [田中勇次郎]
① はじめに
② PDとは
③ PDの診断基準
④ PDの治療
⑤ PD以外のパーキンソン症状をきたす疾患
⑥ PDの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
2 ギラン・バレー症候群(GBS) [田中勇次郎]
① はじめに
② GBSとは
③ GBSの診断基準
④ GBSの類似疾患
⑤ GBSの治療法
⑥ GBSの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
3 脊髄小脳変性症(SCD) [田中勇次郎]
① はじめに
② SCDとは
③ SCDの診断基準
④ SCDの治療
⑤ SCD以外の失調症状をきたす疾患
⑥ SCDの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
4 多発性硬化症(MS) [田中勇次郎]
① はじめに
② MSとは
③ MSの診断基準
④ MSの類似疾患
⑤ MSの治療
⑥ MSの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
5 筋萎縮性側索硬化症(ALS) [田中勇次郎]
① はじめに
② ALSとは
③ ALSの診断基準
④ ALSの治療
⑤ ALSの作業療法
⑥ ADL指導
⑦ 在宅療養支援
6 筋ジストロフィー(MD) [田中勇次郎]
① はじめに
② MDとは
③ MDの診断
④ MDの治療法
⑤ MD以外の筋疾患
⑥ MDの作業療法
⑦ ADL指導
⑧ 在宅療養支援
Case Study Answer
6 ターミナルケア・廃用症候群の作業療法
1 ターミナルケア(終末期医療と作業療法) [安部能成]
① ターミナルケアという言葉の意味
② ターミナルケアの対象となる人
③ がんで死亡する理由
④ がん治療による死亡
⑤ ターミナルケアにおけるリハビリテーション
⑥ 機能回復リハビリテーションの構造
⑦ がん専門病院におけるEoLCとしての医学的リハビリテーション・ニーズ
⑧ EoLCとしての医学的リハビリテーションに対する要望
⑨ EoLCリハビリテーションと機能回復リハビリテーションの相違点
⑩EoLCとしてのリハビリテーションの実際
⑪EoLCリハビリテーションにおける評価の問題点
⑫EoLCリハビリテーションにおける治療・練習
⑬死の受容
⑭ホスピス再考
⑮緩和ケア病棟と在宅ケア支援
⑯ビハーラ
⑰難病
2 廃用症候群 [宮寺亮輔]
① 廃用症候群とは
② 廃用症候群の評価
③ 加齢による諸機能の変化および他疾患の影響
④ 廃用症候群の作業療法
⑤ チームでの介入
Case Study Answer
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能動学習や新しい実習形式への対応,試験対策を充実させたフルカラー紙面の第3版!
作業療法学専門分野の講義用テキスト・シリーズが5年ぶりの改訂。第3版では,これからの学生に役立つ内容を意識し,能動学習の手助けとなる課題の提示,新しい実習形式である「作業療法参加型臨床実習」への対策となるような解説を追加し,また国家試験対策を充実させ,さらに巻末付録として症例集も追加した。
本巻では,対象となる疾患の基礎から実践的な治療アプローチまで解説。脳血管障害や脊髄損傷などの各疾患から終末期医療まで,臨床を念頭に置いた構成立てとしている。養成校での座学,臨床実習はもちろん,作業療法士として医療現場でいかに活躍の場を広げ,信頼を得られるかというところまで踏み込み解説した,欲張りな講義用テキスト。
改訂にあたっては,チーム医療として運動療法や生活習慣の改善など多岐にわたって作業療法士がかかわるようになった「糖尿病」「腎臓病」の項目を設け,また新カリキュラムの「喀痰吸引」についても新たに解説を追加。