スタンダード骨折手術治療
スタンダード骨折手術治療 下肢
定価 19,800円(税込) (本体18,000円+税)
- B5変型判 472ページ オールカラー,イラスト800点,写真1,000点
- 2020年12月31日刊行
- ISBN978-4-7583-1889-1
電子版
序文
本書は,骨折治療の手術テクニックを中心にした参考書で,骨折手術に関わるすべての外科医を対象にしたものです。
骨折した患者さんを,適切に治療するのが私たち整形外科医や整形外傷医の使命です。適切に治療するとは,患者さんの機能障害をできるだけ少なく,そしてできるだけ短期間で社会復帰してもらうという意味です。そのためには,急性期の全身・局所管理,画像検査による骨折の評価,骨折分類,治療法の選択,手術テクニック,リハビリテーション医療,…など,多くの知識と技術が必要です。本書は,この中の「手術テクニック」に的をしぼった参考書です。
・ 取り上げる項目は,できるだけ細かくする。
・ 執筆者は,現在最前線で活躍されている先生を選ぶ。
・ 手術テクニックは,イラスト等で手術手技の流れを追いかける。
・ できるだけ読みやすくする。
という企画・編集方針で臨みました。
一つの骨折に対して複数の手術方法や手技があることは,骨折治療の難しさであるとともに面白さでもあります。ご自身があまりやらない,あるいはやったことがない手技もたくさん書いてあります。中堅以上の先生にとっても面白いと思いますので,通読してみてください。
執筆者は,大先輩から後輩まで,すべて編者の友人・知人で信用のおける腕の立つ外科医です。他にも書いてもらいたかった友人・知人がたくさんいましたが,構成や紙面の都合で断念せざるをえませんでした。皆さんご存知のように,イラストはメジカルビュー社の得意とするところです。わかりやすい美しい図をたくさん入れることができました。読みやすくするために,執筆者の意図を損なわない範囲で,編者がかなり文章を修正いたしました。文章に問題がある場合は,執筆者ではなくすべて私の責任です。
企画の段階から,早いもので3年が経過してしまいました。執筆者や編者の無理難題に耐えてくださいました編集部の矢部涼子さんとイラストレーターに感謝いたします。
2019〜2020年は,新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)による感染症(COVID-19)のパンデミックが起こった年として,永く人類に記憶される年になりました。本書が刊行される頃には,感染が収束して皆さんの笑顔が戻って来ていることをお祈りいたします。
2020年11月19日
帝京大学医学部整形外科学講座教授
帝京大学医学部附属病院外傷センター長
渡部欣忍
骨折した患者さんを,適切に治療するのが私たち整形外科医や整形外傷医の使命です。適切に治療するとは,患者さんの機能障害をできるだけ少なく,そしてできるだけ短期間で社会復帰してもらうという意味です。そのためには,急性期の全身・局所管理,画像検査による骨折の評価,骨折分類,治療法の選択,手術テクニック,リハビリテーション医療,…など,多くの知識と技術が必要です。本書は,この中の「手術テクニック」に的をしぼった参考書です。
・ 取り上げる項目は,できるだけ細かくする。
・ 執筆者は,現在最前線で活躍されている先生を選ぶ。
・ 手術テクニックは,イラスト等で手術手技の流れを追いかける。
・ できるだけ読みやすくする。
という企画・編集方針で臨みました。
一つの骨折に対して複数の手術方法や手技があることは,骨折治療の難しさであるとともに面白さでもあります。ご自身があまりやらない,あるいはやったことがない手技もたくさん書いてあります。中堅以上の先生にとっても面白いと思いますので,通読してみてください。
執筆者は,大先輩から後輩まで,すべて編者の友人・知人で信用のおける腕の立つ外科医です。他にも書いてもらいたかった友人・知人がたくさんいましたが,構成や紙面の都合で断念せざるをえませんでした。皆さんご存知のように,イラストはメジカルビュー社の得意とするところです。わかりやすい美しい図をたくさん入れることができました。読みやすくするために,執筆者の意図を損なわない範囲で,編者がかなり文章を修正いたしました。文章に問題がある場合は,執筆者ではなくすべて私の責任です。
企画の段階から,早いもので3年が経過してしまいました。執筆者や編者の無理難題に耐えてくださいました編集部の矢部涼子さんとイラストレーターに感謝いたします。
2019〜2020年は,新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)による感染症(COVID-19)のパンデミックが起こった年として,永く人類に記憶される年になりました。本書が刊行される頃には,感染が収束して皆さんの笑顔が戻って来ていることをお祈りいたします。
2020年11月19日
帝京大学医学部整形外科学講座教授
帝京大学医学部附属病院外傷センター長
渡部欣忍
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目次
Ⅰ 大腿骨近位部
大腿骨頚部骨折
①ピン固定 野々宮廣章
②スクリュー固定 正田悦朗
③サイドプレート付きスクリュー固定 鈴木浩之
大腿骨頚部骨折(転位型)
①人工骨頭置換術(前方アプローチ) 中澤明尋,齋藤 泉
②人工骨頭置換術(Direct lateral approach) 中澤明尋,齋藤 泉
③人工骨頭挿入術(後方アプローチ) 小林 誠
大腿骨頚部骨折:人工骨頭置換術における第三世代セメント充填法 松田健太
大腿骨転子部骨折
①髄内釘固定 福田文雄
②Sliding Hip Screw(SHS)固定 塩田直史
③Oblique Locking Hip Screw(OLHS)固定 松下 隆
大腿骨転子部粉砕骨折:人工骨頭置換術 三上 浩
大腿骨転子下骨折:髄内釘固定(Gamma type) 松村福広
非定型大腿骨骨折:(順行性,逆行性)髄内釘固定 白濵正博
非定型大腿骨骨折後の偽関節 渡部欣忍
Ⅱ 大腿骨骨幹部
大腿骨骨幹部骨折
①順行性髄内釘固定 入船秀仁
②逆行性髄内釘固定(Infra-isthmal) 寺田忠司
小児大腿骨骨幹部骨折
①Elastic nail固定 鈴木 卓
②創外固定 加藤成隆
髄内釘固定後の大腿骨骨折後偽関節
①Exchange nailing±Bone graft 新倉隆宏
②Exchange nailing±粉砕術 佐々木 源,渡部欣忍
大腿骨骨折イリザロフ創外固定 野坂光司,宮腰尚久,島田洋一
Ⅲ インプラント周囲
インプラント周囲大腿骨骨折(THA後のステム周囲骨折)
①Vancouver B2,B3 に対する再置換術 伊藤雅之
②Vancouver B1,Cに対するプレート固定 土井 武
インプラント周囲大腿骨骨折後偽関節(THA後のステム周囲骨折) 渡部欣忍
インプラント周囲大腿骨骨折(TKA後のインプラント周囲骨折)
①プレート固定 野田知之
②髄内釘固定 最上敦彦
③再置換術 鈴鹿智章
Ⅳ 膝関節周囲
大腿骨遠位部骨折(顆部骨折を含んだ骨折)
①逆行性髄内釘固定 野々宮廣章
②プレート固定 福田 誠
膝蓋骨骨折
①Tension band wiring(TBW) 高畑智嗣
②HIMAWARI法 圓尾明弘
③骨接合術(下極骨折) 徳永真巳
脛骨顆間隆起骨折
前十字靱帯(anterior cruciate ligament;ACL)脛骨付着部剥離骨折
後十字靱帯(posterior cruciate ligament;PCL)脛骨付着部剥離骨折 大島康史
脛骨プラトー骨折
①プレート固定(従来法) 依光正則
②プレート固定(関節鏡視下法) 徳永真巳
③関節内粉砕骨折(投げ出しBurksアプローチを用いた治療) 徳永真巳
④イリザロフ創外固定 加藤成隆
Ⅴ 脛骨
脛骨骨幹部骨折(関節外近位1/3)
①プレート固定 北田真平
②髄内釘固定(Suprapatellar approach) 野々宮廣章
脛骨骨幹部骨折
①プレート固定(MIPO法を含む) 田口憲士,宮本俊之
②髄内釘固定定(Infrapatellar approach) 内野正隆
③髄内釘固定定(Lateral parapatellar approach) 鈴木雅生,工藤俊哉
脛骨遠位部骨折(関節外遠位1/3)
①髄内釘固定(Suprapatellar approach) 二村謙太郎
②プレート固定(MIPO法を含む) 普久原朝海
脛骨骨折後感染性偽関節
①Masquelet法 内山善康
②Bone transport法 星 亨
Ⅵ 足関節
Pilon骨折
①プレート固定 衣笠清人
②髄内釘固定 最上敦彦
③イリザロフ創外固定によるMATILDA法 野坂光司,宮腰尚久,島田洋一
足関節果部骨折 松井健太郎
Ⅶ 足部
距骨骨折スクリュー固定(+イリザロフ創外固定) 西井幸信
踵骨骨折
①拡大L 衣笠清人
②小切開 黒住健人
③外側横皮切によるピン・プレート固定 原田将太,寺本 司
Lisfranc関節損傷:整復内固定 宮本 亘,安井洋一
中足骨骨折
①Jones骨折,スクリュー固定 原口直樹
②その他の中足骨骨折,髄内ワイヤー,プレート固定など 宇田川和彦
Ⅷ 一時的創外固定
下肢骨折に対する一時的創外固定
①創外固定(ホフマン式,やぐらいらず) 佐伯辰彦,杉本一郎
②創外固定(リング型,牧野牽引) 髙木基行
大腿骨頚部骨折
①ピン固定 野々宮廣章
②スクリュー固定 正田悦朗
③サイドプレート付きスクリュー固定 鈴木浩之
大腿骨頚部骨折(転位型)
①人工骨頭置換術(前方アプローチ) 中澤明尋,齋藤 泉
②人工骨頭置換術(Direct lateral approach) 中澤明尋,齋藤 泉
③人工骨頭挿入術(後方アプローチ) 小林 誠
大腿骨頚部骨折:人工骨頭置換術における第三世代セメント充填法 松田健太
大腿骨転子部骨折
①髄内釘固定 福田文雄
②Sliding Hip Screw(SHS)固定 塩田直史
③Oblique Locking Hip Screw(OLHS)固定 松下 隆
大腿骨転子部粉砕骨折:人工骨頭置換術 三上 浩
大腿骨転子下骨折:髄内釘固定(Gamma type) 松村福広
非定型大腿骨骨折:(順行性,逆行性)髄内釘固定 白濵正博
非定型大腿骨骨折後の偽関節 渡部欣忍
Ⅱ 大腿骨骨幹部
大腿骨骨幹部骨折
①順行性髄内釘固定 入船秀仁
②逆行性髄内釘固定(Infra-isthmal) 寺田忠司
小児大腿骨骨幹部骨折
①Elastic nail固定 鈴木 卓
②創外固定 加藤成隆
髄内釘固定後の大腿骨骨折後偽関節
①Exchange nailing±Bone graft 新倉隆宏
②Exchange nailing±粉砕術 佐々木 源,渡部欣忍
大腿骨骨折イリザロフ創外固定 野坂光司,宮腰尚久,島田洋一
Ⅲ インプラント周囲
インプラント周囲大腿骨骨折(THA後のステム周囲骨折)
①Vancouver B2,B3 に対する再置換術 伊藤雅之
②Vancouver B1,Cに対するプレート固定 土井 武
インプラント周囲大腿骨骨折後偽関節(THA後のステム周囲骨折) 渡部欣忍
インプラント周囲大腿骨骨折(TKA後のインプラント周囲骨折)
①プレート固定 野田知之
②髄内釘固定 最上敦彦
③再置換術 鈴鹿智章
Ⅳ 膝関節周囲
大腿骨遠位部骨折(顆部骨折を含んだ骨折)
①逆行性髄内釘固定 野々宮廣章
②プレート固定 福田 誠
膝蓋骨骨折
①Tension band wiring(TBW) 高畑智嗣
②HIMAWARI法 圓尾明弘
③骨接合術(下極骨折) 徳永真巳
脛骨顆間隆起骨折
前十字靱帯(anterior cruciate ligament;ACL)脛骨付着部剥離骨折
後十字靱帯(posterior cruciate ligament;PCL)脛骨付着部剥離骨折 大島康史
脛骨プラトー骨折
①プレート固定(従来法) 依光正則
②プレート固定(関節鏡視下法) 徳永真巳
③関節内粉砕骨折(投げ出しBurksアプローチを用いた治療) 徳永真巳
④イリザロフ創外固定 加藤成隆
Ⅴ 脛骨
脛骨骨幹部骨折(関節外近位1/3)
①プレート固定 北田真平
②髄内釘固定(Suprapatellar approach) 野々宮廣章
脛骨骨幹部骨折
①プレート固定(MIPO法を含む) 田口憲士,宮本俊之
②髄内釘固定定(Infrapatellar approach) 内野正隆
③髄内釘固定定(Lateral parapatellar approach) 鈴木雅生,工藤俊哉
脛骨遠位部骨折(関節外遠位1/3)
①髄内釘固定(Suprapatellar approach) 二村謙太郎
②プレート固定(MIPO法を含む) 普久原朝海
脛骨骨折後感染性偽関節
①Masquelet法 内山善康
②Bone transport法 星 亨
Ⅵ 足関節
Pilon骨折
①プレート固定 衣笠清人
②髄内釘固定 最上敦彦
③イリザロフ創外固定によるMATILDA法 野坂光司,宮腰尚久,島田洋一
足関節果部骨折 松井健太郎
Ⅶ 足部
距骨骨折スクリュー固定(+イリザロフ創外固定) 西井幸信
踵骨骨折
①拡大L 衣笠清人
②小切開 黒住健人
③外側横皮切によるピン・プレート固定 原田将太,寺本 司
Lisfranc関節損傷:整復内固定 宮本 亘,安井洋一
中足骨骨折
①Jones骨折,スクリュー固定 原口直樹
②その他の中足骨骨折,髄内ワイヤー,プレート固定など 宇田川和彦
Ⅷ 一時的創外固定
下肢骨折に対する一時的創外固定
①創外固定(ホフマン式,やぐらいらず) 佐伯辰彦,杉本一郎
②創外固定(リング型,牧野牽引) 髙木基行
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ほとんどすべての骨折に対応できる内容を網羅した決定版!
インプラント(プレート,スクリュー,髄内釘など),アプローチ法(前方,後方など),骨折の状態(関節内骨折,関節外骨折,単純骨折,粉砕骨折)など,現在日本で起こりうるすべての骨折に対応できる内容を網羅した手術治療の決定版。
さらに骨折手術後の偽関節に対する手術や近年増加傾向にあるインプラント周辺骨折,創外固定治療の項目も収載し,また日本では少ないものの良好な成績が最近報告された大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術におけるセメント充填法の項目も追加。