日本医師会生涯教育シリーズ

リハビリテーション診療update

リハビリテーション診療update

■編集 日本医師会

定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
  • B5判  328ページ  2色(一部カラー)
  • 2023年11月11日刊行
  • ISBN978-4-7583-1789-4

リハビリテーション医学・医療の広がり・変化を理解!

近年,重要性を増すとともに変化し続けるリハビリテーション医学・医療について,さまざまな視点から解説する特集号。通読することで現在のリハビリテーション医学・医療の広がり・変化を理解できる。


序文



 日本医師会では1994年,『日本医師会雑誌』生涯教育シリーズとして『リハビリテーションマニュアル』を刊行した.しかしそれから30年近くを経た現在,リハビリテーション医学・医療の領域は大きく変化している.
 超高齢社会を迎えたわが国において,リハビリテーションへの取り組みが非常に重要であることは言うまでもないが,さらに現在では,リハビリテーションを必要とする疾患は,運動器疾患のほか,わが国の三大死因でもあるがん,心疾患,脳血管疾患をはじめ多岐に渡っている.
 本書『リハビリテーション診療update』では,そうした状況を踏まえ,リハビリテーション医学・医療の基礎,診断・治療のほか,地域社会におけるリハビリテーション,そして今後の展望まで,最新の内容が幅広くまとめられている.診療の場でご活用いただければ幸いである.
 最後に,本書の企画から刊行まで注力いただいた監修・編集の田中 栄先生,磯部光章先生,北川泰久先生,編集の緒方 徹先生,辻 哲也先生,そしてご執筆いただいた先生方に,心より御礼を申し上げる.

2023年10月
公益社団法人 日本医師会会長
松本吉郎

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監修・編集のことば
 「リハビリテーション:rehabilitation」という言葉の起源をたどると,ラテン語でre-(再び)-habilis-(適した,あるいは人間にふさわしい)-ation(状態にする)という意味があり,その理念は「全人間的復権」であるとされている(上田 敏『リハビリテーションの歩み:その源流とこれから』医学書院,2013より).日本のリハビリテーション医学・医療は高木憲次が提唱した肢体不自由児の療育を源流にもち,第二次世界大戦時の戦傷兵に対するリハビリテーションや,戦後高度成長期の労働災害への対応などを経て発展してきた.近年の急速な少子高齢化による疾病構造の複雑化は,リハビリテーション医学・医療を取り巻く環境を大きく変化させ,対象とする疾患や障害は,運動器障害,脳血管障害などの神経疾患,循環器や呼吸器などの内部障害,摂食嚥下障害,小児疾患,がんなど,きわめて幅広い領域に広がっており,それと共にリハビリテーション医学・医療に期待される役割も大きく変わってきた.
 日本リハビリテーション医学会では,2017年度から「障害克服」,「機能回復」,「活動を育む」という3つのキーワードを用いて,リハビリテーション医学・医療の役割を新たな切り口から捉えなおす取り組みを行っており,近年では,ロボットリハビリテーションやニューロリハビリテーション,再生医療など,最新のテクノロジーを利用したリハビリテーション医療が患者の予後改善に応用されている.また,リハビリテーション科が日本専門医機構による新たな専門医システムの中で,基本19領域の1つとして位置付けられたことにより,リハビリテーション科専門研修プログラムが開始され,リハビリテーション科医の育成にも拍車がかかっている.
 本特別号では,このように重要性を増すとともに変化し続けるリハビリテーション医学・医療について,さまざまな視点から執筆いただいた.本特集を通読していただくと,現在のリハビリテーション医学・医療がいかに大きな広がりを持ち,ダイナミックに変化しているのかを理解していただけるであろう.
 本書が読者のリハビリテーションに対する理解を深め,その重要性を認識していただける一助となれば幸いである.

2023年10月
監修・編集者を代表して
田中 栄
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目次

カラー口絵
 リハビリテーション医療の流れ  [近藤国嗣]
 リハビリテーションロボット  [大高洋平]
 動作解析  [長谷公隆]
 拡散テンソル法MRI脳画像の応用  [小山哲男,道免和久]
 ウェアラブルデバイスを用いたリハビリテーション  [中山敦子]
 福祉機器  [井上剛伸]
 序  [松本吉郎]
 監修・編集のことば  [田中 栄]
 監修・編集・執筆者紹介
Ⅰ.リハビリテーションの基礎
 リハビリテーション医学・医療総論  [芳賀信彦]
 急性期・回復期・生活期の考え方  [大高洋平]
 解剖・生理(循環・呼吸)  [牧田 茂]
 解剖・生理(神経)  [河村健太郎,下堂薗 恵]
 解剖・生理(運動器)  [小林龍生]
 専門医システム  [緒方直史]
 医療倫理  [藤島一郎]
 リハビリテーションにおける感染対策・医療安全  [石井 暁,菅原英和]
 国際生活機能分類(ICF)  [角田 亘]
Ⅱ.診断・評価
 臨床診断・評価  [辻 哲也]
 ADL・QOL評価  [園田 茂]
 画像診断  [出江紳一,石川博明,大瀧亮二]
 電気生理学的検査  [赤星和人,小林由紀子]
 心肺機能評価  [青柳陽一郎]
 筋・末梢神経の病理検査  [太田怜子,神田 隆]
 バイオメカニクス  [長谷公隆]
 摂食嚥下・栄養評価  [花山耕三]
 高次脳機能評価  [先崎 章]
Ⅲ.治療
 概論  [安保雅博]
 理学療法  [斉藤秀之]
 物理療法  [仲村一郎]
 作業療法  [中村春基,三上直剛]
 言語聴覚療法  [深浦順一]
 痙縮治療  [幸田 剣]
 義肢装具療法  [野坂利也]
 薬物療法  [小瀬英司]
 心理療法  [鈴木麻希,池田 学]
 摂食嚥下訓練・栄養管理  [重松 孝]
 排泄訓練  [難波孝礼,古澤一成]
 転倒予防  [萩野 浩]
 視覚リハビリテーション  [堀 寛爾]
 ニューロリハビリテーション  [川上途行]
 ロボットリハビリテーション  [内山侑紀,岩佐沙弥,道免和久]
 プレハビリテーション  [若林秀隆]
 周術期・ICU  [笠井史人]
Ⅳ.リハビリテーションが必要となる疾患
 脳血管疾患
  脳卒中  [水野勝広]
  頭部外傷  [小野航暉,渡邉 修]
  脳腫瘍  [西川 亮]
  正常圧水頭症  [平田好文]
 認知症・軽度認知障害  [前島伸一郎,大沢愛子]
 運動器疾患
  上肢(凍結肩を例に)  [今井晋二]
  下肢(変形性股関節症を例に)  [池 裕之,稲葉 裕]
  脊椎疾患  [寺井秀富,中村博亮,池淵充彦]
  骨粗鬆症  [宮腰尚久]
  骨軟部腫瘍  [篠田裕介]
 神経筋疾患
  Parkinson病  [植木美乃]
  筋萎縮性側索硬化症  [中馬孝容]
  脊髄小脳変性症・多系統萎縮症  [宮井一郎]
  多発性硬化症  [生駒一憲]
  筋疾患  [原 貴敏]
  ニューロパチー  [羽田康司]
  ポストポリオ症候群  [蜂須賀明子,松嶋康之,佐伯 覚]
  顔面神経麻痺  [原 元彦]
 循環器疾患
  虚血性心疾患  [明石嘉浩]
  心不全  [井澤英夫]
  経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)術後の]
  心臓リハビリテーション治療  [白石裕一,全 完,的場聖明]
  デバイス植え込み後の心臓リハビリテーション  [白石裕一,的場聖明,三上靖夫]
  急性大動脈解離・大動脈瘤  [瀬在 明,新野哲也,関野久邦]
  下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)とリハビリテーション  [杉山拓史,安 隆則]
  補助人工心臓・心臓移植後  [米山将太郎,三浦弘之,渡邉琢也]
  先天性心疾患  [大内秀雄]
 呼吸器疾患
  誤嚥性肺炎  [海老原 覚]
  慢性閉塞性肺疾患  [桂 秀樹,中田潤子]
  間質性肺疾患  [近藤康博]
 悪性腫瘍
  がんのリハビリテーション診療の概要  [辻 哲也]
  周術期  [村岡香織]
  放射線・化学療法中・後  [酒井良忠]
 小児
  正常な発達  [中村純人]
  脳性麻痺  [真野浩志]
  小児の運動器疾患  [岡田慶太]
  移行期リハビリテーション  [小﨑慶介]
 脊髄損傷  [加藤真介]
 精神疾患  [根本隆洋]
 神経発達症(発達障害)  [橋本圭司]
 関節リウマチ  [松下 功]
 腎疾患  [山縣邦弘]
 メタボリックシンドローム  [木庭新治]
 視覚障害  [清水朋美]
 聴覚障害  [石川浩太郎]
 フレイル・サルコペニア・ロコモティブシンドローム(加齢・老年疾患)  [赤坂 憲,樂木宏実]
 吃音など言語障害  [森 浩一]
 褥瘡  [西村行秀]
 切断  [大串 幹]
 外傷  [津田英一]
 慢性疼痛  [松平 浩]
 終末期リハビリテーション(がん・心不全・呼吸不全など)  [宮田知恵子]
 熱傷  [木村雅彦]
Ⅴ.地域生活とリハビリテーション
 パラスポーツ(障がい者スポーツ)  [牛尾 会,三上幸夫]
 両立支援  [佐伯 覚]
 地域包括ケア  [水間正澄]
 医療福祉制度  [西嶋一智]
 在宅医療でのリハビリテーション  [川手信行,正岡智和]
 生活指導  [浜村明徳,矢野浩二,谷 江理]
 支援機器・福祉用具  [阿久根 徹]
Ⅵ.その他・今後の展開
 電動義手  [藤原清香,大西謙吾]
 ブレイン・マシン・インターフェースによる脳卒中片麻痺上肢の機能回復  [牛場潤一]
 Virtual reality(VR)を用いたリハビリテーション治療  [藤原俊之,阿瀬寛幸]
 オンライン診療・遠隔診療  [大田哲生]
 COVID-19時代のリハビリテーション医療  [向野雅彦]
 再生医療とリハビリテーション  [緒方 徹]
 脳損傷者の自動車運転再開支援  [武原 格]
 リハビリテーションにおけるAI  [中山敦子]
 臓器移植とリハビリテーション医療  [上月正博]
 医療経済,DPCデータからみたリハビリテーション医療の評価  [井口はるひ,小西孝明]
 地域のリハビリテーション資源  [福本義弘]
 ウェアラブルデバイス  [酒井朋子]
 災害時のリハビリテーション医療  [栗原正紀]
 宇宙医学とリハビリテーション医学  [山田 深,門馬 博]
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