基本動作の評価と治療アプローチ
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定価 6,820円(税込) (本体6,200円+税)
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- 2015年3月9日刊行
- ISBN978-4-7583-1499-2
電子版
序文
リハビリテーション医療を担う医療従事者(コメディカルスタッフ)にとって,精巧な機器を駆使して細部にわたる極めて多くのデータを処理・解析するにも治療に携わる際にも,動作学ことにヒトの動作についての基礎的な理解なしには問題を解決しえない。筆者は長年身体運動について興味を抱き,3次元動作解析装置や筋電計等の機器を用いて動作解析を行い,また臨床において治療を続けてきた。研究の場では動作がデータとして収集されるが,その処理・解釈において臨床的観察が必要である。一方,臨床の場ではヒトの基本動作から応用動作に至るまでの身体部位のメカニズムの理解には,鋭い眼による臨床的観察が必要であり,それなしには評価や治療法は決定できない。また,臨床の場は研究の場と異なり,時間的,経済的な制約の下にクライアント(対象者)を評価・治療している。治療に臨む前の評価は,迅速丁寧で明確かつ簡便(simple is best)であることが要求される。
本書は以上のような理由から,臨床の場における基本動作の評価・治療が学べるように配慮されている。全10章構成で,1〜3章では総論として「バイオメカニクス」「姿勢と姿勢制御の基本概念」「基本動作の治療手技の実際」について理解を深め,4〜10章では各論として臥位から立位・歩行に至るまでの各基本動作の基礎知識と治療を解説している。また,本書はWeb動画配信サービスと連動しており,実際の基本動作・治療が動画で確認でき,読者の理解を助けるよう工夫されている。そのため,これから勉強しようとする初学者はもちろんのこと,臨床のセラピストの方々にとってもよい指針となり,参考書となるであろう。
本書を手にとっていただいた読者の皆様に,ご指摘,ご助言をいただければ幸いである。また,ご執筆くださった先生方のご苦労と,完成までお付き合いいただいた阿部篤仁氏はじめメジカルビュー社の皆様のご協力に,深甚の謝意を表す次第である。
2015年3月
武田 功
本書は以上のような理由から,臨床の場における基本動作の評価・治療が学べるように配慮されている。全10章構成で,1〜3章では総論として「バイオメカニクス」「姿勢と姿勢制御の基本概念」「基本動作の治療手技の実際」について理解を深め,4〜10章では各論として臥位から立位・歩行に至るまでの各基本動作の基礎知識と治療を解説している。また,本書はWeb動画配信サービスと連動しており,実際の基本動作・治療が動画で確認でき,読者の理解を助けるよう工夫されている。そのため,これから勉強しようとする初学者はもちろんのこと,臨床のセラピストの方々にとってもよい指針となり,参考書となるであろう。
本書を手にとっていただいた読者の皆様に,ご指摘,ご助言をいただければ幸いである。また,ご執筆くださった先生方のご苦労と,完成までお付き合いいただいた阿部篤仁氏はじめメジカルビュー社の皆様のご協力に,深甚の謝意を表す次第である。
2015年3月
武田 功
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目次
1 バイオメカニクス 金澤佑治
基本肢位
運動面と運動軸
運動の種類
■並進運動と回転運動
ベクトル
■ベクトルの定義・表し方
■ベクトルの合成とは
■ベクトル合成の一般例
■介助場面におけるベクトル合成の応用
■臨床場面におけるベクトル合成と分解
■身体構造におけるベクトル合成
運動におけるつの法則
■運動の第1法則(慣性の法則)
■運動の第2法則(運動方程式)
■運動の第3法則(作用反作用の法則)
モーメント
■力のモーメントとは
■身体運動における力のモーメント①
■身体運動における力のモーメント②
■身体運動における力のモーメント③
■小児歩行における力のモーメントの利用
■日常生活動作における力のモーメント
身体重心と支持基底面
■身体重心の移動
■支持基底面とその大きさ
■支持基底面の形
■杖による支持基底面の拡大
■身体動作における支持基底面と重心の関係
■臥位における支持基底面
■四つ這い位における支持基底面
てこ
■第1のてこ
■第2のてこ
■第3のてこ
2 姿勢と姿勢制御の基本概念 奥村 裕
重心と支持基底面
■重心
■支持基底面
神経筋系による姿勢制御
■予測的姿勢制御
■代償的姿勢制御
外乱に対する姿勢制御
■骨盤が側方傾斜したときの姿勢制御:座位
■身体が傾斜したときの姿勢制御:膝立ち位
■側方への保護伸展機能:座位
■後方への保護伸展機能:座位
■前方への保護伸展機能:立位
姿勢制御の戦略
■足関節戦略
■股関節戦略
■ステッピング戦略
3 基本動作の治療手技の実際 前田昭宏,弓岡まみ
基本動作の治療手技を行うための重要ポイント
■姿勢・運動制御システム
■基本動作が障害される原因を考える
■基本動作の構成要素を理解する
基本動作の治療手技:接触,誘導の方法を考える
■患者に触れることが治療の始まり(handson)
■患者の身体の誘導
■言語を使った非接触的治療(handsoff)
基本動作の治療手技の工夫と注意点
■患者の能力に合わせて治療場面を変える
■代償動作に注意する
4 背臥位・側臥位・腹臥位へのアプローチ
背臥位・側臥位・腹臥位の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
背臥位の概要と特徴
側臥位の概要と特徴
腹臥位の概要と特徴
半座位の概要と特徴
ポジショニング
■ポジショニングの概要
■背臥位(仰臥位)のポジショニング
背臥位・側臥位・腹臥位における寝返り,起き上がり,立位,歩行につなげるための治療手技 弓岡光徳,前田昭宏
はじめに
テンタクル活動,ブリッジ活動,ブリッジ?テンタクル活動
背臥位での活動
■寝返り,起き上がりの準備
■背臥位でのブリッジの準備(crooklying:両膝立て背臥位)
■ブリッジ1
■ブリッジ2
側臥位での活動
■歩行のための下肢の振り出しの準備
腹臥位での活動
■腹臥位前腕支持位における頭頸部の抗重力伸展と上肢支持の準備
■端座位での頭頸部挙上と上肢による支持
5 寝返りへのアプローチ
寝返り動作の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
動作の概要
背臥位から側臥位への寝返り動作
■動作観察:頭頸部・上肢からの寝返り動作(左への寝返り)
■動作観察:下肢・骨盤からの寝返り動作(左への寝返り)
■動作観察:片膝または両膝を立てた寝返り動作
側臥位から腹臥位への寝返り動作
運動を阻害する要因と運動を促す要因
■運動を阻害する要因
■運動を促す要因
動作観察と文章化のポイント
■基本事項
■文章化の原則
■動作様式(動作パターン)のまとめ方
■立ち上がり動作の動作観察(左片麻痺患者の一例)
ADL(日常生活活動)
■ADLの概念
■ADLの範囲
■ADL評価法
■ADL評価における実用性
■ADL評価の実際
寝返り動作の治療手技 弓岡光徳,前田昭宏
はじめに
■寝返り動作が障害される原因
■寝返り動作の評価法
■寝返り動作で行う治療の最終目標
寝返りは円形の物体の回転と考えると理解しやすい
■物体の回転
■体幹の形状と寝返り
側臥位までは重心を高くし,重力に抗する体幹の屈筋群を活動させる
背臥位からの寝返り動作中の機能的な支持基底面の増加
寝返り動作における上肢と下肢の活動
寝返り・起き上がり動作における頸の立ち直りパターンと体の立ち直りパターンの理解
■頸の立ち直りパターンを応用して頭頸部をキーポイントとしたコントロール
■体の立ち直りパターンを応用し,肩甲帯または骨盤帯をキーポイントとしたコントロール
寝返りの誘導手技
■頭頸部からの寝返りの誘導
■頭頸部と肩甲帯からの寝返りの誘導
■肩甲帯・上肢からの寝返りの誘導
■上肢からの寝返りの誘導
■骨盤からの寝返りの誘導
■両大腿からの寝返りの誘導
6 起き上がりへのアプローチ
起き上がり動作の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
起き上がり動作の概要
まっすぐの起き上がり:左右対称
(半)側臥位からの起き上がり:左への寝返り
■側臥位からの起き上がりの相
腹臥位からの起き上がり
運動を阻害する要因と運動を促す要因
■運動を阻害する要因
■運動を促す要因
起き上がり動作の治療手技 弓岡光徳,前田昭宏
はじめに
■起き上がり動作が障害される原因
■起き上がり動作の評価法
■起き上がり動作で行う治療の最終目標
端座位への起き上がりの誘導
■頭頸部からの誘導で背臥位から端座位に起き上がる動作:左への起き上がり
■骨盤からの誘導で背臥位から端座位へ起き上がる動作
■肩甲帯と骨盤帯からの誘導で端座位へ起き上がる動作
長座位への起き上がりの誘導
■頭頸部からの誘導で,背臥位から長座位へ対称的に起き上がる動作
■頭頸部からの誘導で,背臥位から長座位へ非対称的に起き上がる動作
■両肩甲帯からの誘導で,背臥位から長座位へ非対称的に起き上がる動作
■両肩甲帯からの誘導で,背臥位から長座位へ対称的に起き上がる動作
■頭頸部・肩甲帯からの誘導で,背臥位から長座位へ非対称的に起き上がる動作
■肩甲帯・上肢から非対称的に誘導して起き上がる動作
■両上肢からの誘導で対称的に起き上がる動作
■一側上肢から体幹回旋を誘導する起き上がり動作
7 座位へのアプローチ
座位の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
座位の概要と特徴
■椅子の各部位の寸法
■座位姿勢の変化
■背もたれの使用・不使用
■丸椅子での座位姿勢
理想的な座位姿勢と安楽な座位姿勢
座位での体幹前傾運動
座位動作の治療手技 弓岡光徳,鈴東伸洋
はじめに
■座位動作が障害される原因
■座位動作の評価法
■座位で行う治療の最終目標
頭頸部からの誘導
■頭頸部からの誘導による体幹の屈曲・伸展
■頭頸部からの誘導による体幹の前傾
■頭頸部からの誘導による体幹の側屈
■頭頸部からの誘導による体幹の側方移動・回旋
■頭頸部からの上肢の動きの誘導
肩甲骨からの誘導
■肩甲骨からの体幹屈曲・伸展の誘導
■肩甲骨からの体幹前傾の誘導
■両肩甲骨からの誘導による体幹側方移動
■両肩甲骨からの誘導による体幹側方移動・回旋
両上肢からの誘導
■両上肢からの体幹屈曲・伸展の誘導
■両上肢からの体幹前傾の誘導
■両上肢からの体幹側方移動の誘導
■両上肢の操作による端座位から長座位への誘導
骨盤からの誘導
■骨盤からの腰椎部の動きの誘導
■骨盤からの誘導による体幹の前傾・後傾
■骨盤からの誘導による体幹側方移動
■骨盤の操作による端座位から長座位への誘導
■骨盤と上肢の操作による端座位から長座位への誘導
下部体幹からの誘導
■下部体幹からの誘導による腰椎屈曲・伸展
両大腿からの誘導
■両大腿からの誘導による腰椎屈曲・伸展
8 立ち上がりへのアプローチ
立ち上がり動作の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
動作の概要
■立ち上がりのパターン
■身体重心と支持基底面
■健常者の立ち上がり動作
立ち上がり動作における運動の広がり
立ち上がり動作の各相
■立ち上がり動作における関節角度の変化
■立ち上がり動作に必要な運動要素:筋活動
運動を阻害する要因と運動を促す要因
■運動を阻害する要因
■運動を促す要因
立ち上がり動作の治療手技 弓岡光徳,鈴東伸洋
立ち上がりのための下肢の準備
■膝関節伸展位での足関節背屈・膝関節屈曲位での足関節底屈(下腿三頭筋の保持)
■膝関節屈曲位での足関節背屈・底屈(下腿三頭筋の保持)
■セラピストの体幹を用いた膝関節の屈曲・伸展
■膝関節伸展位での足関節背屈・膝関節屈曲位での足関節底屈(ハムストリングスの保持)
両肩甲骨からの誘導による立ち上がり
両上肢からの誘導による立ち上がり
■上肢の回旋による体幹屈曲・伸展の誘導
■上肢の回旋による立ち上がりの誘導
一側上肢からの誘導による立ち上がり
下部体幹からの誘導による立ち上がり
一側上肢と下部体幹からの誘導による立ち上がり
骨盤からの誘導による立ち上がり
両大腿からの誘導による立ち上がり
■両大腿からの体幹の前傾・後傾の誘導
■両大腿からの誘導による立ち上がり
9 立位へのアプローチ
立位の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
立位の概要と特徴
立位姿勢のバリエーション(多様性)
立位の姿勢制御
立位動作の治療手技 弓岡光徳,鈴東伸洋
はじめに
立位で膝関節を屈曲させる動作:スクワット
立位での骨盤の側方移動
立位での股関節回旋
■骨盤から操作する股関節回旋
■下肢を固定して骨盤を操作する股関節回旋
立位ステップ姿勢での股関節の伸展と回旋
■立位ステップ姿勢での股関節の伸展
■立位ステップ姿勢での股関節の回旋
両上肢支持での左右対称な立位から後方へのステップ
■両上肢支持での左右対称な立位への誘導
■立位での足関節内反と足趾屈曲の治療
■後方へのステップ
プローンスタンディングでの治療
■プローンスタンディングへの誘導
■立位と座位で麻痺側肩甲骨・肩関節が後方に引かれた状態の片麻痺患者の治療
■上肢の外転や前方挙上が不十分な場合の治療
■肩甲骨内転と肩関節水平外転による上部体幹の伸展促進
■骨盤後傾による腰背部の伸張
■一側骨盤の前方回旋・後傾による同側膝関節の屈曲
■プローンスタンディング姿勢から立位に戻す誘導
10 歩行へのアプローチ
歩行の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
歩行周期
立脚期と遊脚期の各相
歩行の測定項目
歩行周期各相の伝統的な定義
正常歩行における下肢・体幹の役割
■重心の上下移動
■足部のロッカー機能
■歩行時のエネルギー消費の抑制
正常歩行における下肢の関節運動と機能
■足関節の関節運動と機能
■膝関節の関節運動と機能
■股関節の関節運動と機能
正常歩行における骨盤の運動
正常歩行における上肢の運動
正常歩行における床反力
歩行の誘導 弓岡光徳,鈴東伸洋
肩甲帯からの歩行の誘導
上肢からの歩行の誘導
■一側上肢からの前方歩行の誘導
■上肢からの側方ステップの誘導
下部体幹からの前方歩行の誘導
骨盤からの前方ステップの誘導
下部体幹と大腿部からの前方・後方ステップの誘導
■下部体幹と大腿部からの前方ステップの誘導
■下部体幹と大腿部からの後方ステップの誘導
大腿部からの前方・後方ステップの誘導
■大腿部からの前方ステップの誘導
■大腿部からの後方ステップの誘導
■下腿からの前方歩行の誘導
基本肢位
運動面と運動軸
運動の種類
■並進運動と回転運動
ベクトル
■ベクトルの定義・表し方
■ベクトルの合成とは
■ベクトル合成の一般例
■介助場面におけるベクトル合成の応用
■臨床場面におけるベクトル合成と分解
■身体構造におけるベクトル合成
運動におけるつの法則
■運動の第1法則(慣性の法則)
■運動の第2法則(運動方程式)
■運動の第3法則(作用反作用の法則)
モーメント
■力のモーメントとは
■身体運動における力のモーメント①
■身体運動における力のモーメント②
■身体運動における力のモーメント③
■小児歩行における力のモーメントの利用
■日常生活動作における力のモーメント
身体重心と支持基底面
■身体重心の移動
■支持基底面とその大きさ
■支持基底面の形
■杖による支持基底面の拡大
■身体動作における支持基底面と重心の関係
■臥位における支持基底面
■四つ這い位における支持基底面
てこ
■第1のてこ
■第2のてこ
■第3のてこ
2 姿勢と姿勢制御の基本概念 奥村 裕
重心と支持基底面
■重心
■支持基底面
神経筋系による姿勢制御
■予測的姿勢制御
■代償的姿勢制御
外乱に対する姿勢制御
■骨盤が側方傾斜したときの姿勢制御:座位
■身体が傾斜したときの姿勢制御:膝立ち位
■側方への保護伸展機能:座位
■後方への保護伸展機能:座位
■前方への保護伸展機能:立位
姿勢制御の戦略
■足関節戦略
■股関節戦略
■ステッピング戦略
3 基本動作の治療手技の実際 前田昭宏,弓岡まみ
基本動作の治療手技を行うための重要ポイント
■姿勢・運動制御システム
■基本動作が障害される原因を考える
■基本動作の構成要素を理解する
基本動作の治療手技:接触,誘導の方法を考える
■患者に触れることが治療の始まり(handson)
■患者の身体の誘導
■言語を使った非接触的治療(handsoff)
基本動作の治療手技の工夫と注意点
■患者の能力に合わせて治療場面を変える
■代償動作に注意する
4 背臥位・側臥位・腹臥位へのアプローチ
背臥位・側臥位・腹臥位の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
背臥位の概要と特徴
側臥位の概要と特徴
腹臥位の概要と特徴
半座位の概要と特徴
ポジショニング
■ポジショニングの概要
■背臥位(仰臥位)のポジショニング
背臥位・側臥位・腹臥位における寝返り,起き上がり,立位,歩行につなげるための治療手技 弓岡光徳,前田昭宏
はじめに
テンタクル活動,ブリッジ活動,ブリッジ?テンタクル活動
背臥位での活動
■寝返り,起き上がりの準備
■背臥位でのブリッジの準備(crooklying:両膝立て背臥位)
■ブリッジ1
■ブリッジ2
側臥位での活動
■歩行のための下肢の振り出しの準備
腹臥位での活動
■腹臥位前腕支持位における頭頸部の抗重力伸展と上肢支持の準備
■端座位での頭頸部挙上と上肢による支持
5 寝返りへのアプローチ
寝返り動作の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
動作の概要
背臥位から側臥位への寝返り動作
■動作観察:頭頸部・上肢からの寝返り動作(左への寝返り)
■動作観察:下肢・骨盤からの寝返り動作(左への寝返り)
■動作観察:片膝または両膝を立てた寝返り動作
側臥位から腹臥位への寝返り動作
運動を阻害する要因と運動を促す要因
■運動を阻害する要因
■運動を促す要因
動作観察と文章化のポイント
■基本事項
■文章化の原則
■動作様式(動作パターン)のまとめ方
■立ち上がり動作の動作観察(左片麻痺患者の一例)
ADL(日常生活活動)
■ADLの概念
■ADLの範囲
■ADL評価法
■ADL評価における実用性
■ADL評価の実際
寝返り動作の治療手技 弓岡光徳,前田昭宏
はじめに
■寝返り動作が障害される原因
■寝返り動作の評価法
■寝返り動作で行う治療の最終目標
寝返りは円形の物体の回転と考えると理解しやすい
■物体の回転
■体幹の形状と寝返り
側臥位までは重心を高くし,重力に抗する体幹の屈筋群を活動させる
背臥位からの寝返り動作中の機能的な支持基底面の増加
寝返り動作における上肢と下肢の活動
寝返り・起き上がり動作における頸の立ち直りパターンと体の立ち直りパターンの理解
■頸の立ち直りパターンを応用して頭頸部をキーポイントとしたコントロール
■体の立ち直りパターンを応用し,肩甲帯または骨盤帯をキーポイントとしたコントロール
寝返りの誘導手技
■頭頸部からの寝返りの誘導
■頭頸部と肩甲帯からの寝返りの誘導
■肩甲帯・上肢からの寝返りの誘導
■上肢からの寝返りの誘導
■骨盤からの寝返りの誘導
■両大腿からの寝返りの誘導
6 起き上がりへのアプローチ
起き上がり動作の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
起き上がり動作の概要
まっすぐの起き上がり:左右対称
(半)側臥位からの起き上がり:左への寝返り
■側臥位からの起き上がりの相
腹臥位からの起き上がり
運動を阻害する要因と運動を促す要因
■運動を阻害する要因
■運動を促す要因
起き上がり動作の治療手技 弓岡光徳,前田昭宏
はじめに
■起き上がり動作が障害される原因
■起き上がり動作の評価法
■起き上がり動作で行う治療の最終目標
端座位への起き上がりの誘導
■頭頸部からの誘導で背臥位から端座位に起き上がる動作:左への起き上がり
■骨盤からの誘導で背臥位から端座位へ起き上がる動作
■肩甲帯と骨盤帯からの誘導で端座位へ起き上がる動作
長座位への起き上がりの誘導
■頭頸部からの誘導で,背臥位から長座位へ対称的に起き上がる動作
■頭頸部からの誘導で,背臥位から長座位へ非対称的に起き上がる動作
■両肩甲帯からの誘導で,背臥位から長座位へ非対称的に起き上がる動作
■両肩甲帯からの誘導で,背臥位から長座位へ対称的に起き上がる動作
■頭頸部・肩甲帯からの誘導で,背臥位から長座位へ非対称的に起き上がる動作
■肩甲帯・上肢から非対称的に誘導して起き上がる動作
■両上肢からの誘導で対称的に起き上がる動作
■一側上肢から体幹回旋を誘導する起き上がり動作
7 座位へのアプローチ
座位の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
座位の概要と特徴
■椅子の各部位の寸法
■座位姿勢の変化
■背もたれの使用・不使用
■丸椅子での座位姿勢
理想的な座位姿勢と安楽な座位姿勢
座位での体幹前傾運動
座位動作の治療手技 弓岡光徳,鈴東伸洋
はじめに
■座位動作が障害される原因
■座位動作の評価法
■座位で行う治療の最終目標
頭頸部からの誘導
■頭頸部からの誘導による体幹の屈曲・伸展
■頭頸部からの誘導による体幹の前傾
■頭頸部からの誘導による体幹の側屈
■頭頸部からの誘導による体幹の側方移動・回旋
■頭頸部からの上肢の動きの誘導
肩甲骨からの誘導
■肩甲骨からの体幹屈曲・伸展の誘導
■肩甲骨からの体幹前傾の誘導
■両肩甲骨からの誘導による体幹側方移動
■両肩甲骨からの誘導による体幹側方移動・回旋
両上肢からの誘導
■両上肢からの体幹屈曲・伸展の誘導
■両上肢からの体幹前傾の誘導
■両上肢からの体幹側方移動の誘導
■両上肢の操作による端座位から長座位への誘導
骨盤からの誘導
■骨盤からの腰椎部の動きの誘導
■骨盤からの誘導による体幹の前傾・後傾
■骨盤からの誘導による体幹側方移動
■骨盤の操作による端座位から長座位への誘導
■骨盤と上肢の操作による端座位から長座位への誘導
下部体幹からの誘導
■下部体幹からの誘導による腰椎屈曲・伸展
両大腿からの誘導
■両大腿からの誘導による腰椎屈曲・伸展
8 立ち上がりへのアプローチ
立ち上がり動作の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
動作の概要
■立ち上がりのパターン
■身体重心と支持基底面
■健常者の立ち上がり動作
立ち上がり動作における運動の広がり
立ち上がり動作の各相
■立ち上がり動作における関節角度の変化
■立ち上がり動作に必要な運動要素:筋活動
運動を阻害する要因と運動を促す要因
■運動を阻害する要因
■運動を促す要因
立ち上がり動作の治療手技 弓岡光徳,鈴東伸洋
立ち上がりのための下肢の準備
■膝関節伸展位での足関節背屈・膝関節屈曲位での足関節底屈(下腿三頭筋の保持)
■膝関節屈曲位での足関節背屈・底屈(下腿三頭筋の保持)
■セラピストの体幹を用いた膝関節の屈曲・伸展
■膝関節伸展位での足関節背屈・膝関節屈曲位での足関節底屈(ハムストリングスの保持)
両肩甲骨からの誘導による立ち上がり
両上肢からの誘導による立ち上がり
■上肢の回旋による体幹屈曲・伸展の誘導
■上肢の回旋による立ち上がりの誘導
一側上肢からの誘導による立ち上がり
下部体幹からの誘導による立ち上がり
一側上肢と下部体幹からの誘導による立ち上がり
骨盤からの誘導による立ち上がり
両大腿からの誘導による立ち上がり
■両大腿からの体幹の前傾・後傾の誘導
■両大腿からの誘導による立ち上がり
9 立位へのアプローチ
立位の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
立位の概要と特徴
立位姿勢のバリエーション(多様性)
立位の姿勢制御
立位動作の治療手技 弓岡光徳,鈴東伸洋
はじめに
立位で膝関節を屈曲させる動作:スクワット
立位での骨盤の側方移動
立位での股関節回旋
■骨盤から操作する股関節回旋
■下肢を固定して骨盤を操作する股関節回旋
立位ステップ姿勢での股関節の伸展と回旋
■立位ステップ姿勢での股関節の伸展
■立位ステップ姿勢での股関節の回旋
両上肢支持での左右対称な立位から後方へのステップ
■両上肢支持での左右対称な立位への誘導
■立位での足関節内反と足趾屈曲の治療
■後方へのステップ
プローンスタンディングでの治療
■プローンスタンディングへの誘導
■立位と座位で麻痺側肩甲骨・肩関節が後方に引かれた状態の片麻痺患者の治療
■上肢の外転や前方挙上が不十分な場合の治療
■肩甲骨内転と肩関節水平外転による上部体幹の伸展促進
■骨盤後傾による腰背部の伸張
■一側骨盤の前方回旋・後傾による同側膝関節の屈曲
■プローンスタンディング姿勢から立位に戻す誘導
10 歩行へのアプローチ
歩行の基礎知識 廣瀬浩昭
はじめに
歩行周期
立脚期と遊脚期の各相
歩行の測定項目
歩行周期各相の伝統的な定義
正常歩行における下肢・体幹の役割
■重心の上下移動
■足部のロッカー機能
■歩行時のエネルギー消費の抑制
正常歩行における下肢の関節運動と機能
■足関節の関節運動と機能
■膝関節の関節運動と機能
■股関節の関節運動と機能
正常歩行における骨盤の運動
正常歩行における上肢の運動
正常歩行における床反力
歩行の誘導 弓岡光徳,鈴東伸洋
肩甲帯からの歩行の誘導
上肢からの歩行の誘導
■一側上肢からの前方歩行の誘導
■上肢からの側方ステップの誘導
下部体幹からの前方歩行の誘導
骨盤からの前方ステップの誘導
下部体幹と大腿部からの前方・後方ステップの誘導
■下部体幹と大腿部からの前方ステップの誘導
■下部体幹と大腿部からの後方ステップの誘導
大腿部からの前方・後方ステップの誘導
■大腿部からの前方ステップの誘導
■大腿部からの後方ステップの誘導
■下腿からの前方歩行の誘導
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動画配信サービスと連動! 実際の動作,治療法が動画でわかる!
理学療法士の役割は,基本動作障害の原因を追求してそれを改善すること,もしくは機能障害があっても自立したADLを行う方法を患者に提案・指導することである。その介入の手がかりになるのが,観察的動作分析(評価)である。本書は,この観察的動作分析を身につけられるように,臥位,寝返り,起き上がり,座位,立ち上がり,立位,歩行といった基本動作について,「身体のどこを見ればよいのか」から「どこをどのように治療すればよいのか」までを紹介した書籍である。
基本動作の基礎知識,異常動作の解説,さらには基本動作の改善に必要なハンドリング(徒手的な動作誘導)を解説している。さらに,ストリーミング動画配信をしており,紙面掲載の二次元コードを携帯端末で撮影すると,実際の動作,治療法をスマートフォン等で視聴することができる。
本書で得た知識を,ぜひ臨床現場で活かしてほしい。