今知りたい疑問に答えました!
心不全治療に心エコーを生かす
Q&A 115
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定価 6,380円(税込) (本体5,800円+税)
- B5判 256ページ オールカラー,イラスト220点,写真245点
- 2017年3月24日刊行
- ISBN978-4-7583-1436-7
序文
心不全といっても,その病態は非常に複雑で個々の患者さんによりさまざまです。複数の要因が絡み合っている場合もあり,皆さんのなかには病態の把握を苦手だと感じておられる方はいらっしゃると思います。心機能1つをとってみても,患者さんを治療する際には,血行動態の把握のみならず,その異常を引き起こす心室の形態的・機能的な異常や弁膜の異常にも目を向けなければなりません。
最近では,左室駆出率を基準にして心不全の病態を大きく2つに分けて考えるようになっています。確かに,この考え方はシンプルで大まかに理解するには有用ですが,実際に患者さんを診療していると,その概念に当てはまらず治療に難渋する症例がいることも事実です。そういうときには,心エコーを行うのが1番です。直接心臓の形や動きをみて病態を見直し,心臓生理学の基本知識に照らし合わせて血行動態を解釈して治療の軌道を修正していくと,うまく治療できるものです。しかし,若手の先生方から,「どこがポイントなのかわからない」,「解釈のコツは?」といった悩みをよく聞きます。
そのような声から,心エコー分野のトップリーダーの先生方のご協力をいただいて,心不全診療において,心エコー所見をどのように解釈し,診断や治療に活かすのかに焦点を絞り,エッセンスをまとめました。本書が,皆さんの知識の整理に役立ち,今後の診療に生かされることを切に望んでいます。
平成29年2月
筑波大学医学医療系循環器内科准教授
瀬尾由広
公益財団法人心臓血管研究所付属病院循環器内科心不全担当部長
上嶋徳久
最近では,左室駆出率を基準にして心不全の病態を大きく2つに分けて考えるようになっています。確かに,この考え方はシンプルで大まかに理解するには有用ですが,実際に患者さんを診療していると,その概念に当てはまらず治療に難渋する症例がいることも事実です。そういうときには,心エコーを行うのが1番です。直接心臓の形や動きをみて病態を見直し,心臓生理学の基本知識に照らし合わせて血行動態を解釈して治療の軌道を修正していくと,うまく治療できるものです。しかし,若手の先生方から,「どこがポイントなのかわからない」,「解釈のコツは?」といった悩みをよく聞きます。
そのような声から,心エコー分野のトップリーダーの先生方のご協力をいただいて,心不全診療において,心エコー所見をどのように解釈し,診断や治療に活かすのかに焦点を絞り,エッセンスをまとめました。本書が,皆さんの知識の整理に役立ち,今後の診療に生かされることを切に望んでいます。
平成29年2月
筑波大学医学医療系循環器内科准教授
瀬尾由広
公益財団法人心臓血管研究所付属病院循環器内科心不全担当部長
上嶋徳久
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目次
心機能の基本を知ろう
Q1 心筋と左室の収縮について教えてください
Q2 前負荷が増えると心拍出量はどのように変化しますか?
Q3 心拍出量が低下すると,循環血液量やその分布はどのように変化しますか?
Q4 循環平衡について教えてください
Q5 急激に血圧が上昇したら,左室の収縮や心拍出量はどのように変化しますか?
Q6 左室-動脈連関とは何ですか?
Q7 上腕で計測した血圧と中心動脈の血圧は同じですか?
Q8 反射脈波は心不全の発症や進行に関与しますか?
Q9 左室はどのような構造をしていますか?心筋線維はどのように配列していますか?
Q10 左室駆出率は昔から使われる心機能指標ですが,その理由を教えてください
Q11 心筋機能はどのように評価しますか?
Q12 心筋機能を評価することはどのような場面で役に立ちますか?
Q13 心拍出量の推定の仕方を教えてください
Q14 拡張期左室充満のプロセスを教えてください
Q15 僧帽弁血流速波形の成り立ちについて教えてください
Q16 左室の弛緩をどのように評価しますか?
Q17 suctionって何ですか?
Q18 左室の硬さは評価できますか?
Q19 E/e′は万能ですか?
Q20 左房の大きさはどのような意味をもちますか?
Q21 左房機能はどのように評価しますか?
Q22 拡張機能のGradeは何に役立ちますか?
Q23 疾患によって特殊な左室拡張機能や左房圧推定法はありますか?
Q24 右室収縮機能はどのように評価すればいいですか?
Q25 右室機能も後負荷に依存しますか?肺動脈圧や肺血管抵抗値は推定できますか?
Q26 中心静脈圧はどのように推定しますか?
心不全の基本を知ろう
Q27 心不全をどうやって診断しますか?
Q28 心不全を,駆出率が保持された心不全(HFpEF)と低下した心不全(HFrEF)に分けて考える意義を教えてください
Q29 HFpEFの原因は拡張障害ですか?
Q30 HFpEFの診断手順を教えてください
Q31 HFpEFにおける心エコーの観察ポイントは何ですか?
Q32 心臓と腎臓は連関していますか?
Q33 心不全においてエコーで腎血流を評価することは有用ですか?
急性心不全
Q34 息切れや呼吸苦を訴えた患者が来たとき,心不全か呼吸不全かを見分ける方法を教えてください
Q35 急性心不全の初期対応を決定する際に,来院時血圧を参考にしますか?
Q36 心不全の初期治療を開始する際に,心エコーで評価するポイントを教えてください
Q37 治療のガイドに用いられるNohria-Stevenson分類について教えてください。判別するコツはありますか?
Q38 急性心不全の治療をモニターするにあたって,どの心エコー所見を参考にしますか?
Q39 急性心不全治療における利尿と血圧との関係について教えてください
Q40 急性増悪したHFpEFの基本的な治療方針を教えてください
Q41 急性増悪したHFrEFの基本的な治療方針を教えてください
Q42 治療中に利尿が得られなくなった場合,どのようなポイントに気をつけて治療を最適化しますか?
Q43 治療中に薬剤抵抗性になった場合,機械的補助を導入するタイミングはいつですか?その効果を含め,教えてください
慢性心不全ー心筋イメージング
Q44 心筋性状を画像化する方法を教えてください
慢性心不全ー左室リモデリング
Q45 左室リモデリングとは何ですか?その機序も教えてください。臨床的にどのような意義をもちますか?
Q46 高血圧が持続すると心臓の形態および機能はどのように変化しますか?
Q47 逆流性疾患や短絡疾患など慢性的な容量負荷がかかると,心臓の形態および機能はどのような変化を起こしますか?
慢性心不全ー予後マーカー
Q48 心不全の予後を予測する心エコー指標は何ですか?
慢性心不全ー心房粗動
Q49 心房細動は心機能にどのような影響を及ぼしますか?
Q50 心不全例において心房細動の発症を予測できますか?
Q51 心房細動のある心不全症例ではどのように心機能を評価したらいいですか?
Q52 うっ血性心不全に合併した心房細動をどのように治療しますか?
Q53 頻脈誘発性心筋症とはどのような病態ですか?またどのように治療すべきですか?
慢性心不全ー心室性不整脈,突然死
Q54 致死性の心室性不整脈や突然死を予測することは可能ですか?
慢性心不全ー治療
Q55 RAS阻害薬とβ遮断薬の,心機能や心不全に対する効果について教えてください
Q56 左脚ブロックは心機能にどのような影響を及ぼしますか? またどう評価すべきですか?
Q57 再同期療法によって期待される治療効果や効果判定の仕方を教えてください。どのような症例に行うと有効ですか?
Q58 HFrEFに合併する機能性僧帽弁閉鎖不全を,どのような点に気を付けて評価すべきですか?臨床的な意義も教えてください
Q59 機能性僧帽弁閉鎖不全に対してどのような治療の選択肢がありますか?
Q60 睡眠時無呼吸症候群は心不全や心機能に対してどのような影響を及ぼしますか? それに対しての治療についても教えてください
Q61 薬剤抵抗性になった重症心不全に対して,どのような治療の選択肢が考えられますか?
虚血性心疾患
Q62 冠動脈の走行と支配領域について教えてください
Q63 虚血評価におけるストレイン計測のポイントを教えてください
Q64 虚血評価における負荷心エコーの役割を教えてください
Q65 急性心筋梗塞の患者が心不全を合併していました。心エコーでみるべきポイントとその後の治療方針について教えてください
Q66 急性心筋梗塞の患者がショック状態になりました。心エコーでみるべきポイントとその後の治療方針について教えてください
Q67 急性心筋梗塞の患者に,収縮期雑音が聴取されました。心エコーでみるべきポイントとその後の治療方針について教えてください
Q68 心エコーで梗塞巣のviabilityはわかりますか?
Q69 心室瘤がある患者にどのように対処しますか?
心筋症
Q70 拡張型心筋症における運動耐容能の規定因子は何ですか?
Q71 拡張型心筋症のなかで,どのような症例が予後不良ですか?
Q72 左室機能が低下している拡張型心筋症で右室機能も評価したほうがいいですか?
Q73 拡張型心筋症で運動負荷をかけると,どのようなことがわかりますか?
Q74 拡張型心筋症に対して,標準的な薬物治療を開始した後の経過観察のポイントを教えてください
Q75 肥大型心筋症と高血圧性心疾患は区別できますか?
Q76 肥大型心筋症のなかで,どのような症例が予後不良ですか?
Q77 左室流出路狭窄とはどういう状態ですか?
Q78 左室流出路狭窄をどのように治療しますか?
Q79 心エコーでどういった所見があると心サルコイドーシスを疑いますか?疑われたら確定診断のために何をすればいいですか?
Q80 心アミロイドーシスに特徴的な心エコー所見を教えてください。そのような所見がみられたら,診断を確定するために何をすればいいですか?
Q81 心Fabry病とはどのような疾患ですか?
Q82 たこつぼ心筋症とはどのような疾患ですか?
Q83 抗がん剤治療を行っている患者の心エコーで,みるべきポイントを教えてください
Q84 急性心筋炎はどのような疾患ですか?心エコーではどのようにみえますか?
僧帽弁弁膜症
Q85 僧帽弁はどのような構造をしていますか?
Q86 僧帽弁閉鎖不全の血行動態を教えてください
Q87 僧帽弁閉鎖不全の重症度はどのように評価しますか?
Q88 僧帽弁閉鎖不全で,心機能を評価する臨床的意義を教えてください
Q89 僧帽弁閉鎖不全の患者に運動負荷をかけると,どのようなことがわかりますか?
Q90 急に僧帽弁閉鎖不全が出現することがありますか?
Q91 僧帽弁閉鎖不全の手術適応について教えてください ・
Q92 僧帽弁狭窄の血行動態を教えてください
Q93 僧帽弁狭窄の重症度はどのように評価しますか?
Q94 僧帽弁狭窄のカテーテル治療について教えてください
大動脈弁弁膜症
Q95 大動脈弁はどのような構造をしていますか?
Q96 大動脈弁狭窄の血行動態を教えてください
Q97 大動脈弁狭窄の重症度はどのように評価しますか? カテーテル検査で確認は必要ですか?
Q98 大動脈弁狭窄で心筋機能を評価する臨床的意義を教えてください
Q99 圧較差が低ければ大動脈弁狭窄は重度ではないといえますか?
Q100 大動脈弁狭窄において,大動脈弁が二尖か三尖かで差はありますか?
Q101 どのような患者が弁置換術の適応になりますか?
Q102 最近カテーテルで大動脈弁狭窄を治療できるようになったそうですが,詳しく教えてください
Q103 大動脈弁閉鎖不全の血行動態を教えてください
Q104 大動脈弁閉鎖不全の重症度はどのように評価しますか?
Q105 大動脈弁閉鎖不全が急に発症することはありますか?
Q106 どのような患者が大動脈弁手術の適応になりますか?
Q107 大動脈弁輪拡張症はどのような病気ですか?手術適応も教えてください
Q108 三尖弁閉鎖不全はどのように評価しますか?治療方法を教えてください
右心系
Q109 右室の形態・機能的特徴について教えてください。また,心エコーでの評価の方法についても教えてください
Q110 不整脈源性右室心筋症の心エコー所見を教えてください
Q111 肺動脈血栓塞栓症のみるべきポイントを教えてください
Q112 肺高血圧のみるべきポイントを教えてください
Q113 先天性心疾患にみられる右心不全について教えてください
心膜疾患
Q114 心タンポナーデはどのような疾患ですか?診断方法,対処方法とあわせて教えてください
Q115 収縮性心膜炎はどのような疾患ですか?診断方法とあわせて教えてください
Q1 心筋と左室の収縮について教えてください
Q2 前負荷が増えると心拍出量はどのように変化しますか?
Q3 心拍出量が低下すると,循環血液量やその分布はどのように変化しますか?
Q4 循環平衡について教えてください
Q5 急激に血圧が上昇したら,左室の収縮や心拍出量はどのように変化しますか?
Q6 左室-動脈連関とは何ですか?
Q7 上腕で計測した血圧と中心動脈の血圧は同じですか?
Q8 反射脈波は心不全の発症や進行に関与しますか?
Q9 左室はどのような構造をしていますか?心筋線維はどのように配列していますか?
Q10 左室駆出率は昔から使われる心機能指標ですが,その理由を教えてください
Q11 心筋機能はどのように評価しますか?
Q12 心筋機能を評価することはどのような場面で役に立ちますか?
Q13 心拍出量の推定の仕方を教えてください
Q14 拡張期左室充満のプロセスを教えてください
Q15 僧帽弁血流速波形の成り立ちについて教えてください
Q16 左室の弛緩をどのように評価しますか?
Q17 suctionって何ですか?
Q18 左室の硬さは評価できますか?
Q19 E/e′は万能ですか?
Q20 左房の大きさはどのような意味をもちますか?
Q21 左房機能はどのように評価しますか?
Q22 拡張機能のGradeは何に役立ちますか?
Q23 疾患によって特殊な左室拡張機能や左房圧推定法はありますか?
Q24 右室収縮機能はどのように評価すればいいですか?
Q25 右室機能も後負荷に依存しますか?肺動脈圧や肺血管抵抗値は推定できますか?
Q26 中心静脈圧はどのように推定しますか?
心不全の基本を知ろう
Q27 心不全をどうやって診断しますか?
Q28 心不全を,駆出率が保持された心不全(HFpEF)と低下した心不全(HFrEF)に分けて考える意義を教えてください
Q29 HFpEFの原因は拡張障害ですか?
Q30 HFpEFの診断手順を教えてください
Q31 HFpEFにおける心エコーの観察ポイントは何ですか?
Q32 心臓と腎臓は連関していますか?
Q33 心不全においてエコーで腎血流を評価することは有用ですか?
急性心不全
Q34 息切れや呼吸苦を訴えた患者が来たとき,心不全か呼吸不全かを見分ける方法を教えてください
Q35 急性心不全の初期対応を決定する際に,来院時血圧を参考にしますか?
Q36 心不全の初期治療を開始する際に,心エコーで評価するポイントを教えてください
Q37 治療のガイドに用いられるNohria-Stevenson分類について教えてください。判別するコツはありますか?
Q38 急性心不全の治療をモニターするにあたって,どの心エコー所見を参考にしますか?
Q39 急性心不全治療における利尿と血圧との関係について教えてください
Q40 急性増悪したHFpEFの基本的な治療方針を教えてください
Q41 急性増悪したHFrEFの基本的な治療方針を教えてください
Q42 治療中に利尿が得られなくなった場合,どのようなポイントに気をつけて治療を最適化しますか?
Q43 治療中に薬剤抵抗性になった場合,機械的補助を導入するタイミングはいつですか?その効果を含め,教えてください
慢性心不全ー心筋イメージング
Q44 心筋性状を画像化する方法を教えてください
慢性心不全ー左室リモデリング
Q45 左室リモデリングとは何ですか?その機序も教えてください。臨床的にどのような意義をもちますか?
Q46 高血圧が持続すると心臓の形態および機能はどのように変化しますか?
Q47 逆流性疾患や短絡疾患など慢性的な容量負荷がかかると,心臓の形態および機能はどのような変化を起こしますか?
慢性心不全ー予後マーカー
Q48 心不全の予後を予測する心エコー指標は何ですか?
慢性心不全ー心房粗動
Q49 心房細動は心機能にどのような影響を及ぼしますか?
Q50 心不全例において心房細動の発症を予測できますか?
Q51 心房細動のある心不全症例ではどのように心機能を評価したらいいですか?
Q52 うっ血性心不全に合併した心房細動をどのように治療しますか?
Q53 頻脈誘発性心筋症とはどのような病態ですか?またどのように治療すべきですか?
慢性心不全ー心室性不整脈,突然死
Q54 致死性の心室性不整脈や突然死を予測することは可能ですか?
慢性心不全ー治療
Q55 RAS阻害薬とβ遮断薬の,心機能や心不全に対する効果について教えてください
Q56 左脚ブロックは心機能にどのような影響を及ぼしますか? またどう評価すべきですか?
Q57 再同期療法によって期待される治療効果や効果判定の仕方を教えてください。どのような症例に行うと有効ですか?
Q58 HFrEFに合併する機能性僧帽弁閉鎖不全を,どのような点に気を付けて評価すべきですか?臨床的な意義も教えてください
Q59 機能性僧帽弁閉鎖不全に対してどのような治療の選択肢がありますか?
Q60 睡眠時無呼吸症候群は心不全や心機能に対してどのような影響を及ぼしますか? それに対しての治療についても教えてください
Q61 薬剤抵抗性になった重症心不全に対して,どのような治療の選択肢が考えられますか?
虚血性心疾患
Q62 冠動脈の走行と支配領域について教えてください
Q63 虚血評価におけるストレイン計測のポイントを教えてください
Q64 虚血評価における負荷心エコーの役割を教えてください
Q65 急性心筋梗塞の患者が心不全を合併していました。心エコーでみるべきポイントとその後の治療方針について教えてください
Q66 急性心筋梗塞の患者がショック状態になりました。心エコーでみるべきポイントとその後の治療方針について教えてください
Q67 急性心筋梗塞の患者に,収縮期雑音が聴取されました。心エコーでみるべきポイントとその後の治療方針について教えてください
Q68 心エコーで梗塞巣のviabilityはわかりますか?
Q69 心室瘤がある患者にどのように対処しますか?
心筋症
Q70 拡張型心筋症における運動耐容能の規定因子は何ですか?
Q71 拡張型心筋症のなかで,どのような症例が予後不良ですか?
Q72 左室機能が低下している拡張型心筋症で右室機能も評価したほうがいいですか?
Q73 拡張型心筋症で運動負荷をかけると,どのようなことがわかりますか?
Q74 拡張型心筋症に対して,標準的な薬物治療を開始した後の経過観察のポイントを教えてください
Q75 肥大型心筋症と高血圧性心疾患は区別できますか?
Q76 肥大型心筋症のなかで,どのような症例が予後不良ですか?
Q77 左室流出路狭窄とはどういう状態ですか?
Q78 左室流出路狭窄をどのように治療しますか?
Q79 心エコーでどういった所見があると心サルコイドーシスを疑いますか?疑われたら確定診断のために何をすればいいですか?
Q80 心アミロイドーシスに特徴的な心エコー所見を教えてください。そのような所見がみられたら,診断を確定するために何をすればいいですか?
Q81 心Fabry病とはどのような疾患ですか?
Q82 たこつぼ心筋症とはどのような疾患ですか?
Q83 抗がん剤治療を行っている患者の心エコーで,みるべきポイントを教えてください
Q84 急性心筋炎はどのような疾患ですか?心エコーではどのようにみえますか?
僧帽弁弁膜症
Q85 僧帽弁はどのような構造をしていますか?
Q86 僧帽弁閉鎖不全の血行動態を教えてください
Q87 僧帽弁閉鎖不全の重症度はどのように評価しますか?
Q88 僧帽弁閉鎖不全で,心機能を評価する臨床的意義を教えてください
Q89 僧帽弁閉鎖不全の患者に運動負荷をかけると,どのようなことがわかりますか?
Q90 急に僧帽弁閉鎖不全が出現することがありますか?
Q91 僧帽弁閉鎖不全の手術適応について教えてください ・
Q92 僧帽弁狭窄の血行動態を教えてください
Q93 僧帽弁狭窄の重症度はどのように評価しますか?
Q94 僧帽弁狭窄のカテーテル治療について教えてください
大動脈弁弁膜症
Q95 大動脈弁はどのような構造をしていますか?
Q96 大動脈弁狭窄の血行動態を教えてください
Q97 大動脈弁狭窄の重症度はどのように評価しますか? カテーテル検査で確認は必要ですか?
Q98 大動脈弁狭窄で心筋機能を評価する臨床的意義を教えてください
Q99 圧較差が低ければ大動脈弁狭窄は重度ではないといえますか?
Q100 大動脈弁狭窄において,大動脈弁が二尖か三尖かで差はありますか?
Q101 どのような患者が弁置換術の適応になりますか?
Q102 最近カテーテルで大動脈弁狭窄を治療できるようになったそうですが,詳しく教えてください
Q103 大動脈弁閉鎖不全の血行動態を教えてください
Q104 大動脈弁閉鎖不全の重症度はどのように評価しますか?
Q105 大動脈弁閉鎖不全が急に発症することはありますか?
Q106 どのような患者が大動脈弁手術の適応になりますか?
Q107 大動脈弁輪拡張症はどのような病気ですか?手術適応も教えてください
Q108 三尖弁閉鎖不全はどのように評価しますか?治療方法を教えてください
右心系
Q109 右室の形態・機能的特徴について教えてください。また,心エコーでの評価の方法についても教えてください
Q110 不整脈源性右室心筋症の心エコー所見を教えてください
Q111 肺動脈血栓塞栓症のみるべきポイントを教えてください
Q112 肺高血圧のみるべきポイントを教えてください
Q113 先天性心疾患にみられる右心不全について教えてください
心膜疾患
Q114 心タンポナーデはどのような疾患ですか?診断方法,対処方法とあわせて教えてください
Q115 収縮性心膜炎はどのような疾患ですか?診断方法とあわせて教えてください
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若手ドクターの悩み,疑問をすべて解決! 今日から役立つ心不全治療をレベルアップする方法を教えます!
心不全は循環器疾患の中で最大の難関であり,数多くの課題をはらんでいる。患者数は増加の一途を辿り,予後不良な患者が多いことも問題となっている。
治療を困難にさせている原因は病態の複雑さである。循環動態のみならず,交感神経系や内分泌系の亢進など様々な要素が織りなして病態を形成している。その核となる心臓の機能一つにおいても難解である。心臓は,その折々の様々な負荷に対して適応と破綻を繰り返して今の状態に至っている。それを紐解くには病歴や様々な診断ツールから得られた情報から解読するしかない。
心エコーは,心不全の診断や治療のモニタリングに必要不可欠な診断ツールである。現在,心腔の形態や機能のみならず心筋の機能や心腔内の流れや圧力を評価できるようになり,臨床に役立てられる機会も増えている。しかし,心エコーからもたらされる情報を正確に理解し,治療に生かすことが苦手と感じる若手医師は実は多い。レポートには画像や数値が記載されているが,どのような意味を持っているのかがわからず,治療が右往左往してしまう場面をよく見かける。それは心機能に関して,これまで系統立って教育を受ける機会が少なく,また,詳説した書籍がないことに起因する。
そこで本書は,心機能をどのように評価し心不全の治療に役立てるのか,心エコーをどのように目の前の患者の治療に落とし込むのかがわかるよう,若手医師の疑問に答える形でやさしく解説されている。