Urologic Surgery Next 5
尿路変向・再建術
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定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
- A4判 184ページ オールカラー,イラスト180点,写真50点
- 2019年9月23日刊行
- ISBN978-4-7583-1334-6
電子版
序文
「Urologic Surgery Next」シリーズ
刊行にあたって
近年の泌尿器科手術の進化はめざましい。既に普及しているエンドウロロジー,腹腔鏡手術は,機器の進歩と相まってさらに洗練されてきた。近年,手術支援ロボットの導入により泌尿器科手術はさらに大きく変貌した。前立腺全摘術の多くがロボット支援下に行われ,腎部分切除術や膀胱全摘術にも適応が拡大されてきている。このような背景を踏まえて,現在の泌尿器科手術の実際をまとめた新たな手術シリーズとして「Urologic Surgery Next」シリーズを刊行することとなった。
本シリーズでは,これまで「Urologic Surgery」シリーズ全12巻(2000〜2002年),「新Urologic Surgery」シリーズ全8巻(2009〜2011年)が刊行され,いずれも好評を得てきた。最初のシリーズの刊行は泌尿器腹腔鏡手術の多くが保険収載されていなかった時期であり,第1巻としてエンドウロロジー,第2巻として泌尿器腹腔鏡手術が上梓されている。次の新シリーズは臓器別・疾患別の構成となり,低侵襲手術の普及を反映して,各巻にエンドウロロジー,腹腔鏡手術,開放手術が併記して解説されている。
前シリーズ刊行後の2012年は,ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術が保険収載され,文字通り本邦におけるロボット手術元年となった。その後のロボット手術の普及は急速であり,標準手術の一つとして定着している。腹腔鏡手術においては,泌尿器腹腔鏡技術認定制度の発足後10年以上が経過し,より洗練された標準術式として進化してきた。細径尿管鏡の開発などによりエンドウロロジーもさらに進化を遂げている。今後,手術開発と教育は新たな局面を迎えていると言えよう。
今回,シリーズ3作目として発刊される「Urologic Surgery Next」シリーズでは,最近の手術の進歩を踏まえ,以下の編集方針にて企画された。
1 . Urologic Surgeryシリーズの中でも進化した術式を重点的に解説する。
2 . 主にアプローチ別に構成し,必要な解剖,基本手技,トラブルシューティングなどを充実させる。
3 . 主要な術式では,テーマ・ポイントを絞った手術手技の解説を設ける。
4 . オープンサージャリーを一つの巻にまとめ,到達法,代表的な術式,血管処理,などを詳述する。
5 . これまでのシリーズと同様に,イラストを駆使して視覚的にわかりやすい記述とする。
執筆は第一線で活躍されておられる若手の術者にお願いした。本シリーズが多くの泌尿器外科医の日々の研鑽に役立てられることを願っている。
2018年3月
編集委員 荒井陽一
髙橋 悟
山本新吾
土谷順彦
-------------------------
序文
近年,泌尿器科手術はめざましい進化を続けている。ロボット手術,腹腔鏡手術,エンドウロロジーなど,新しい技術の導入がその牽引役となっている。一方,尿路変向・再建術では比較的古い術式が多い。しかし,可能な限り生理的な状態を追求するという意味では永遠のテーマであり,泌尿器手術の醍醐味の一つでもある。
尿路変向・再建術後は長期の経過観察が必要である。各術式は長い時間の試練にさらされる。1950 年にBricker が開発した回腸導管法は,約70 年を経た現在でもほぼ原法のまま使用されている。驚くべきことである。1980 年代に脚光を浴びた導尿型尿路再建術は,その後の自排尿型新膀胱術に取って代わられた。最近,ロボット支援下に体腔内尿路再建術が試みられるようになった。しかし,手術の基本コンセプトは変わっていない。古くて新しいテーマの所以である。
「Urologic Surgery Next」シリーズでは,泌尿器手術の中でも進化した術式を重点的に解説する構成になっている。「尿路変向・再建術」については,テーマの重要性から,前回のシリーズと同じく独立した巻とした。最初に,腸管利用手術の周術期栄養管理に関する最新のエビデンスを解説した。禁制型尿路変向術では,Mitrofanoff法,Yang-Monti法など,主に小児泌尿器科領域で使用される術式も追加した。尿路ストーマ管理では,泌尿器科医が知っておくべきポイントを解説している。難治性の尿路トラブルは常に泌尿器科医の応用問題である。アプローチ法の一つとして,腹腔鏡支援サルベージ手術を紹介した。 各術式では適宜,「Advanced Technique」でエキスパートの貴重な経験を解説いただいた。また〝してはいけない手技〟,〝トラブルのもとになる手技〟などについては,「DONOT」を設け,経験の浅い術者へのメッセージとした。
執筆は尿路変向・再建術に豊富な経験をもつ中堅・若手の術者にお願いした。多くの泌尿器外科医の日々の臨床に役立てられることを願っている。
2019年8月
荒井陽一
刊行にあたって
近年の泌尿器科手術の進化はめざましい。既に普及しているエンドウロロジー,腹腔鏡手術は,機器の進歩と相まってさらに洗練されてきた。近年,手術支援ロボットの導入により泌尿器科手術はさらに大きく変貌した。前立腺全摘術の多くがロボット支援下に行われ,腎部分切除術や膀胱全摘術にも適応が拡大されてきている。このような背景を踏まえて,現在の泌尿器科手術の実際をまとめた新たな手術シリーズとして「Urologic Surgery Next」シリーズを刊行することとなった。
本シリーズでは,これまで「Urologic Surgery」シリーズ全12巻(2000〜2002年),「新Urologic Surgery」シリーズ全8巻(2009〜2011年)が刊行され,いずれも好評を得てきた。最初のシリーズの刊行は泌尿器腹腔鏡手術の多くが保険収載されていなかった時期であり,第1巻としてエンドウロロジー,第2巻として泌尿器腹腔鏡手術が上梓されている。次の新シリーズは臓器別・疾患別の構成となり,低侵襲手術の普及を反映して,各巻にエンドウロロジー,腹腔鏡手術,開放手術が併記して解説されている。
前シリーズ刊行後の2012年は,ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術が保険収載され,文字通り本邦におけるロボット手術元年となった。その後のロボット手術の普及は急速であり,標準手術の一つとして定着している。腹腔鏡手術においては,泌尿器腹腔鏡技術認定制度の発足後10年以上が経過し,より洗練された標準術式として進化してきた。細径尿管鏡の開発などによりエンドウロロジーもさらに進化を遂げている。今後,手術開発と教育は新たな局面を迎えていると言えよう。
今回,シリーズ3作目として発刊される「Urologic Surgery Next」シリーズでは,最近の手術の進歩を踏まえ,以下の編集方針にて企画された。
1 . Urologic Surgeryシリーズの中でも進化した術式を重点的に解説する。
2 . 主にアプローチ別に構成し,必要な解剖,基本手技,トラブルシューティングなどを充実させる。
3 . 主要な術式では,テーマ・ポイントを絞った手術手技の解説を設ける。
4 . オープンサージャリーを一つの巻にまとめ,到達法,代表的な術式,血管処理,などを詳述する。
5 . これまでのシリーズと同様に,イラストを駆使して視覚的にわかりやすい記述とする。
執筆は第一線で活躍されておられる若手の術者にお願いした。本シリーズが多くの泌尿器外科医の日々の研鑽に役立てられることを願っている。
2018年3月
編集委員 荒井陽一
髙橋 悟
山本新吾
土谷順彦
-------------------------
序文
近年,泌尿器科手術はめざましい進化を続けている。ロボット手術,腹腔鏡手術,エンドウロロジーなど,新しい技術の導入がその牽引役となっている。一方,尿路変向・再建術では比較的古い術式が多い。しかし,可能な限り生理的な状態を追求するという意味では永遠のテーマであり,泌尿器手術の醍醐味の一つでもある。
尿路変向・再建術後は長期の経過観察が必要である。各術式は長い時間の試練にさらされる。1950 年にBricker が開発した回腸導管法は,約70 年を経た現在でもほぼ原法のまま使用されている。驚くべきことである。1980 年代に脚光を浴びた導尿型尿路再建術は,その後の自排尿型新膀胱術に取って代わられた。最近,ロボット支援下に体腔内尿路再建術が試みられるようになった。しかし,手術の基本コンセプトは変わっていない。古くて新しいテーマの所以である。
「Urologic Surgery Next」シリーズでは,泌尿器手術の中でも進化した術式を重点的に解説する構成になっている。「尿路変向・再建術」については,テーマの重要性から,前回のシリーズと同じく独立した巻とした。最初に,腸管利用手術の周術期栄養管理に関する最新のエビデンスを解説した。禁制型尿路変向術では,Mitrofanoff法,Yang-Monti法など,主に小児泌尿器科領域で使用される術式も追加した。尿路ストーマ管理では,泌尿器科医が知っておくべきポイントを解説している。難治性の尿路トラブルは常に泌尿器科医の応用問題である。アプローチ法の一つとして,腹腔鏡支援サルベージ手術を紹介した。 各術式では適宜,「Advanced Technique」でエキスパートの貴重な経験を解説いただいた。また〝してはいけない手技〟,〝トラブルのもとになる手技〟などについては,「DONOT」を設け,経験の浅い術者へのメッセージとした。
執筆は尿路変向・再建術に豊富な経験をもつ中堅・若手の術者にお願いした。多くの泌尿器外科医の日々の臨床に役立てられることを願っている。
2019年8月
荒井陽一
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目次
I 腸管利用手術における術前腸管処理と周術期栄養管理 渡辺和宏,内藤 剛,海野倫明
Ⅱ 失禁型尿路変向術
チューブレス尿管皮膚瘻術 入江慎一郎,田中正利
回腸導管造設術 川村貞文
結腸導管造設術 兼松明弘,松井喜之
Ⅲ 自然排尿型尿路変向術
Hautmann 型代用膀胱再建術 松井喜之,藤元博行
Studer 型代用膀胱再建術 舛森直哉
Reddy 型代用膀胱再建術(Reddy 変法) 古川順也,藤澤正人
Ⅳ 禁制型尿路変向術
腸管利用導尿型尿路変向術-インディアナパウチ・臍ストーマ 寺井章人,曲渕敏博
Mitrofanoff 法導尿路造設術 浅沼 宏
Yang-Monti 法による尿路再建術 坂井清英,城之前 翼,江里口智大,相野谷慶子
Ⅴ 尿路ストーマ管理のポイント 根本良平
Ⅵ 尿管再建・形成術
Psoas hitch 手術 川守田直樹,伊藤明宏
Boari 手術 持田淳一,髙橋 悟
回腸による尿管置換術 齋藤 満,羽渕友則
尿管腎杯吻合術 大山 力
Ⅶ 膀胱拡大術
回腸利用膀胱拡大術 守屋仁彦
Ⅷ 腹腔鏡支援手術
後腹膜鏡下尿管皮膚瘻造設術 寺田直樹,向井尚一郎,賀本敏行,後藤崇之
難治性尿路トラブルに対する,腹腔鏡支援サルベージ尿路再建術 海法康裕
Ⅱ 失禁型尿路変向術
チューブレス尿管皮膚瘻術 入江慎一郎,田中正利
回腸導管造設術 川村貞文
結腸導管造設術 兼松明弘,松井喜之
Ⅲ 自然排尿型尿路変向術
Hautmann 型代用膀胱再建術 松井喜之,藤元博行
Studer 型代用膀胱再建術 舛森直哉
Reddy 型代用膀胱再建術(Reddy 変法) 古川順也,藤澤正人
Ⅳ 禁制型尿路変向術
腸管利用導尿型尿路変向術-インディアナパウチ・臍ストーマ 寺井章人,曲渕敏博
Mitrofanoff 法導尿路造設術 浅沼 宏
Yang-Monti 法による尿路再建術 坂井清英,城之前 翼,江里口智大,相野谷慶子
Ⅴ 尿路ストーマ管理のポイント 根本良平
Ⅵ 尿管再建・形成術
Psoas hitch 手術 川守田直樹,伊藤明宏
Boari 手術 持田淳一,髙橋 悟
回腸による尿管置換術 齋藤 満,羽渕友則
尿管腎杯吻合術 大山 力
Ⅶ 膀胱拡大術
回腸利用膀胱拡大術 守屋仁彦
Ⅷ 腹腔鏡支援手術
後腹膜鏡下尿管皮膚瘻造設術 寺田直樹,向井尚一郎,賀本敏行,後藤崇之
難治性尿路トラブルに対する,腹腔鏡支援サルベージ尿路再建術 海法康裕
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尿路変向・再建術は,泌尿器科医が目指す山頂の一つ。スキルアップを目指す泌尿器科医にも必携の手術書!
膀胱全摘に伴う尿路変向・再建術は,数ある泌尿器科手術のなかでも,一つの到達点である。本書では失禁型尿路変向術,自然排尿型尿路変向術,禁制型尿路変向術,尿路ストーマ管理,尿管再建・形成術,膀胱拡大術,腹腔鏡支援手術を経験豊富なエキスパートが解説。
これから尿路変向・再建術を行う若い泌尿器科医はもちろんのこと,スキルアップを目指す泌尿器科医にも必携の手術書である。