診療放射線技師
若葉マークのペーシェントケア
- サンプルページ
どなたでもご覧いただけます
定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
- B5判 228ページ 2色(一部カラー),イラスト111点,写真191点
- 2011年7月29日刊行
- ISBN978-4-7583-1139-7
電子版
序文
【監修の序】
このたび,本書「若葉マークのペーシェントケア」が磯辺智範先生を中心とした現場の若手の先生方によって刊行されることに対して,大変うれしく思っております。
診療放射線技師という職種は病院内のメデイカルスタッフの中でも最も患者さんとの接点の多い医療職であり,しっかりした専門知識をもちつつ,患者さんを全人的に捉えたケアに長けていなければならない。特に放射線関係は病棟と違って患者さんが非日常的な機械や環境のなかに1人でポツンと置かれる状況が多く,不安も大きいものと思われる。放射線の大きな機械が目の前に迫ってきたりするとかなりの圧迫感があったり,「動かないで」,「息を止めて」などと指示をされるとかえって緊張をして動いてしまったり,あるいは咳が出てしまったりするようなこともあるであろう。そのような緊張感を除きつつ,きちんとした検査結果を得られるようにすることが診療放射線技師としてのプロフェッショナルの腕の見せどころであろう。
本書はこのような観点から,技術的な基礎やその応用,診療放射線技師として患者さんに接するときの態度,心配りなどを盛り込んだユニークな教科書である。
学生時代はペーシェントケアとはどういうことなのかをなかなか実感できない部分もあるかと思われるが,卒後の実際の医療現場では本書の内容が非常に役立つと思われる。したがって本書は学生にはもちろんのこと,“若葉マーク”の診療放射線技師の方,さらには“若葉マーク”の取れた技師の方の再教育としても有用な教科書であろう。自動車の運転免許のような更新制度は医療職には存在しないが,定期的にこのような教科書を見直すことによって,普段忘れがちな気遣いについても改めて注意を喚起することが大事なことであろう。
近年「チーム医療」,「他職種連携」ということが改めて取り上げられるようになっており,監修者も附属病院のなかでそのような職員全体の教育に取り組んでいるところであるが,本書は診療放射線技師とその他の職種のかかわり合いについてもていねいに解説されており,まさに「チーム医療」の実践には必須の教科書に仕上がっていると感じられる。
今回,監修にあたって本書をすべて読み通すことによって自分自身も大変勉強になり,日常診療のなかであらためて患者さんの「ペーシェントケア」について実践していこうと考えた次第である。そのような意味で本書は「若葉マークからシルバーマークまでのペーシェントケア」といっても過言ではなく,多くの方に広く読まれることを期待している。
2011年7月
筑波大学附属病院副病院長(教育・研究担当)
大学院人間総合科学研究科(脳神経外科学)教授 松村 明
-------------------------
【編集の序】
昨今,画像検査機器や画像検査技術はめざましい発展を遂げ,画像診断は医療において必要不可欠な位置づけとなっている。これら画像検査機器・画像検査技術・画像診断は,コンピュータの世界でいうところのハードウェアにあたる。このハードウェアについては現在注目を集めていることもあり,書籍・雑誌・研修会といった学習環境も整っている。ここでふと思う。コンピュータを実際に使用するには,ハードウェアだけでなくソフトウェアも必要ではないだろうか? 診療放射線技師にとってソフトウェアにあたるものはなんだろう? 答えは−−ポジショニング,造影剤の投与量,撮像パラメータなど決まりきった技術ではなく,「患者の気持ちを考えて,患者が楽な,患者にやさしい」,これらを考慮し,それを実践することではないだろうかと私は考えた。ただ,これらペーシェントケアとよばれるものについては書籍にすることが非常に難しい。なぜなら,これらは道徳的な事柄であり,感覚的なものであり,経験がものをいうからだ。あるとき,臨床経験豊富な中堅クラスの診療放射線技師に「ペーシェントケアってなに?」と聞いてみたことがある。「患者に上手に接することだろ」と答えてくれた。「じゃあ,上手に接するためにはどうしたらいいの?」とたずねてみたが,「まあ,いろいろあるよ」とかわされた。
診療放射線技師を目指す学生や新人技師向けに作られた,ペーシェントケアについての教科書はこれまでほとんど出版されていない。要するに,学習環境が整っていないということである。前述のごとく,道徳的な事柄であり,感覚的なものであり,経験がものをいうペーシェントケアの世界を書籍にするのは難しい。ただ,これらを学ぶための手助けをする,いや,下支えをする書籍は作成可能ではないだろうか? この思いが,今回の書籍「若葉マークのペーシェントケア」を企画するにあたってのきっかけであった。
本書籍は,道徳である倫理はもちろん,たとえば「こうすれば患者は楽(つらい)」という感覚や経験的な内容に関して,なぜ楽なのか(つらいのか)ということを,ときに力学を取り入れながら理論的に解説している。感覚や経験的な事項を理論的に解説すれば,これまでの実践や失敗で身につけてきた技術を,より効率的に少ない失敗で身に付けることができると考える。また患者からの質問を想定し,各検査の安全性に関する解説や医療統計の項目なども加えた。さらに,臨床現場で必要であるにもかかわらず,診療放射線技師教育ではあまり注目されていない,画像検査に付随するモニタ類や患者の状態を把握するためのバイタルサインなどにも焦点をあてた。各章のなかには,「One Point Advice」や「Coffee Break」,「補足」といった囲み記事も散りばめてあり,学習する際のお役立ち情報として活用できる。
なんといっても本書籍の最大のセールスポイントは「図とその解説」という基本構成にある。これらの内容構成により初学者にとって手に取りやすい,親しみやすい書籍になったと自負している。本書籍が,診療放射線技師を目指す学生ならびに現場経験の少ない新人の診療放射線技師のお役に立てば幸いである。
最後に,本書籍の刊行にあたり,監修の労を賜った筑波大学大学院人間総合科学研究科(脳神経外科) 松村 明 教授に感謝申し上げる。また,長期間にわたり編集にご尽力いただいた渡邊未央氏,伊藤 彩氏をはじめとするメジカルビュー社編集部のスタッフの方々に深甚の謝意を表したい。
2011年7月
筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻 准教授
筑波大学附属病院放射線治療品質管理室 副室長 磯辺智範
このたび,本書「若葉マークのペーシェントケア」が磯辺智範先生を中心とした現場の若手の先生方によって刊行されることに対して,大変うれしく思っております。
診療放射線技師という職種は病院内のメデイカルスタッフの中でも最も患者さんとの接点の多い医療職であり,しっかりした専門知識をもちつつ,患者さんを全人的に捉えたケアに長けていなければならない。特に放射線関係は病棟と違って患者さんが非日常的な機械や環境のなかに1人でポツンと置かれる状況が多く,不安も大きいものと思われる。放射線の大きな機械が目の前に迫ってきたりするとかなりの圧迫感があったり,「動かないで」,「息を止めて」などと指示をされるとかえって緊張をして動いてしまったり,あるいは咳が出てしまったりするようなこともあるであろう。そのような緊張感を除きつつ,きちんとした検査結果を得られるようにすることが診療放射線技師としてのプロフェッショナルの腕の見せどころであろう。
本書はこのような観点から,技術的な基礎やその応用,診療放射線技師として患者さんに接するときの態度,心配りなどを盛り込んだユニークな教科書である。
学生時代はペーシェントケアとはどういうことなのかをなかなか実感できない部分もあるかと思われるが,卒後の実際の医療現場では本書の内容が非常に役立つと思われる。したがって本書は学生にはもちろんのこと,“若葉マーク”の診療放射線技師の方,さらには“若葉マーク”の取れた技師の方の再教育としても有用な教科書であろう。自動車の運転免許のような更新制度は医療職には存在しないが,定期的にこのような教科書を見直すことによって,普段忘れがちな気遣いについても改めて注意を喚起することが大事なことであろう。
近年「チーム医療」,「他職種連携」ということが改めて取り上げられるようになっており,監修者も附属病院のなかでそのような職員全体の教育に取り組んでいるところであるが,本書は診療放射線技師とその他の職種のかかわり合いについてもていねいに解説されており,まさに「チーム医療」の実践には必須の教科書に仕上がっていると感じられる。
今回,監修にあたって本書をすべて読み通すことによって自分自身も大変勉強になり,日常診療のなかであらためて患者さんの「ペーシェントケア」について実践していこうと考えた次第である。そのような意味で本書は「若葉マークからシルバーマークまでのペーシェントケア」といっても過言ではなく,多くの方に広く読まれることを期待している。
2011年7月
筑波大学附属病院副病院長(教育・研究担当)
大学院人間総合科学研究科(脳神経外科学)教授 松村 明
-------------------------
【編集の序】
昨今,画像検査機器や画像検査技術はめざましい発展を遂げ,画像診断は医療において必要不可欠な位置づけとなっている。これら画像検査機器・画像検査技術・画像診断は,コンピュータの世界でいうところのハードウェアにあたる。このハードウェアについては現在注目を集めていることもあり,書籍・雑誌・研修会といった学習環境も整っている。ここでふと思う。コンピュータを実際に使用するには,ハードウェアだけでなくソフトウェアも必要ではないだろうか? 診療放射線技師にとってソフトウェアにあたるものはなんだろう? 答えは−−ポジショニング,造影剤の投与量,撮像パラメータなど決まりきった技術ではなく,「患者の気持ちを考えて,患者が楽な,患者にやさしい」,これらを考慮し,それを実践することではないだろうかと私は考えた。ただ,これらペーシェントケアとよばれるものについては書籍にすることが非常に難しい。なぜなら,これらは道徳的な事柄であり,感覚的なものであり,経験がものをいうからだ。あるとき,臨床経験豊富な中堅クラスの診療放射線技師に「ペーシェントケアってなに?」と聞いてみたことがある。「患者に上手に接することだろ」と答えてくれた。「じゃあ,上手に接するためにはどうしたらいいの?」とたずねてみたが,「まあ,いろいろあるよ」とかわされた。
診療放射線技師を目指す学生や新人技師向けに作られた,ペーシェントケアについての教科書はこれまでほとんど出版されていない。要するに,学習環境が整っていないということである。前述のごとく,道徳的な事柄であり,感覚的なものであり,経験がものをいうペーシェントケアの世界を書籍にするのは難しい。ただ,これらを学ぶための手助けをする,いや,下支えをする書籍は作成可能ではないだろうか? この思いが,今回の書籍「若葉マークのペーシェントケア」を企画するにあたってのきっかけであった。
本書籍は,道徳である倫理はもちろん,たとえば「こうすれば患者は楽(つらい)」という感覚や経験的な内容に関して,なぜ楽なのか(つらいのか)ということを,ときに力学を取り入れながら理論的に解説している。感覚や経験的な事項を理論的に解説すれば,これまでの実践や失敗で身につけてきた技術を,より効率的に少ない失敗で身に付けることができると考える。また患者からの質問を想定し,各検査の安全性に関する解説や医療統計の項目なども加えた。さらに,臨床現場で必要であるにもかかわらず,診療放射線技師教育ではあまり注目されていない,画像検査に付随するモニタ類や患者の状態を把握するためのバイタルサインなどにも焦点をあてた。各章のなかには,「One Point Advice」や「Coffee Break」,「補足」といった囲み記事も散りばめてあり,学習する際のお役立ち情報として活用できる。
なんといっても本書籍の最大のセールスポイントは「図とその解説」という基本構成にある。これらの内容構成により初学者にとって手に取りやすい,親しみやすい書籍になったと自負している。本書籍が,診療放射線技師を目指す学生ならびに現場経験の少ない新人の診療放射線技師のお役に立てば幸いである。
最後に,本書籍の刊行にあたり,監修の労を賜った筑波大学大学院人間総合科学研究科(脳神経外科) 松村 明 教授に感謝申し上げる。また,長期間にわたり編集にご尽力いただいた渡邊未央氏,伊藤 彩氏をはじめとするメジカルビュー社編集部のスタッフの方々に深甚の謝意を表したい。
2011年7月
筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻 准教授
筑波大学附属病院放射線治療品質管理室 副室長 磯辺智範
全文表示する
閉じる
目次
1 はじめに
1 医療従事者としての心構え 磯辺智範
2 ペーシェントケアとは 磯辺智範
2 医の倫理
1 医学における2つの倫理 磯辺智範
2 倫理指針 磯辺智範
3 倫理審査委員会 磯辺智範
4 医の倫理に関する提唱 阿久津博義
5 インフォームド・コンセント(IC:Informed Consent) 阿久津博義
●その意味
●法的には
6 脳死 阿久津博義
●脳死とは
●脳死判定
3 保健と医療
1 人口動態 高田健太
●日本の人口の年次推移
●年齢階層別人口(2009年10月現在)
●出生数の変化
●合計特殊出生率
2 死因統計 高田健太
●主な死因による死亡者数
●癌の種類別死亡者数の年次変化1 (男女合計)
●癌の種類別死亡者数の年次変化2 (男性)
●癌の種類別死亡者数の年次変化3 (女性)
3 日本の医療保険制度 高田健太
●特徴
●診療報酬
●国民医療費と対国民所得比の年次推移
●高額療養費制度
4 医療記録とその扱い 高田健太
●診療情報
●電子カルテ
4 コミュニケーション
1 コミュニケーションの基本構造 新井 励
●コミュニケーション(Communication)とは
●コミュニケーション手段
●コミュニケーションの構成要素
2 コミュニケーションの基本技術 新井 励
●「きく」
●「話す」
●「感じ方」の違いを知る
●互いに思いやる
5 患者心理
1 患者心理と医療行為 新井 励
●疾病受容のプロセス
●医療行為
2 悲嘆過程 新井 励
●悲嘆のプロセス
●全人的苦痛
●癌告知
6 身体力学
1 力学で知る介助の極意 佐藤春彦
2 てことモーメント 佐藤春彦
●原理
●実例
3 荷重を支点に近づける 佐藤春彦
4 介助法による腰部の負担の違い 佐藤春彦
●概要
●計算してみよう!−背筋の張力−
●てこのモデルから得られる介助負担の軽減策
7 基本的な接遇・介助テクニック
1 患者の持ち物の取扱い 池田順子
●患者の持ち物の取扱い方法
●患者の安全を考えた物の取扱い
2 患者の移動・移送 池田順子
●移動に介助が必要となる患者の特徴
●移動動作の基本
●車いすの移送の注意点
3 着衣・脱衣の介助 池田順子
●丸首パジャマの着脱衣
●浴衣の着脱衣
8 患者状態の把握
1 バイタルサイン 杉山のどか・高橋英希
●バイタルサインとは
●血圧
●脈拍
●体温
●呼吸
2 意識障害とその評価 阿久津博義
●意識障害とは
●意識レベルの判定
3 知っておきたいモニタ機器 五月女康作
●心電図モニタ
●スワンガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)
●血液ガスモニタ
●パルスオキシメータ
●頭蓋内圧モニタ
●脳波モニタ
9 救急処置
1 救急処置とは 成田沙織
2 救急処置の一般的注意事項 成田沙織
3 実際の救急処置 成田沙織
●意識の確認・応援要請
●呼吸の確認・気道確保
●人工呼吸
●脈拍の確認
●心臓マッサージ・胸骨圧迫
●AED(除細動器:Automated External Defibrillater)の使用
●AEDの使用方法
4 救急医療における画像検査の役割と優先順位 富安恭子
●救急医療において主に取り扱う疾患
●救急医療における画像検査の役割
●外傷診療における画像検査
●内因性疾患における画像検査
5 救急撮影における注意点 飯塚芳弘
●脊椎損傷患者
●骨盤骨折
●四肢骨折
6 日本における救急医療体制 川又郁夫
●救急医療体制
●救急救命士
●受診患者のモラル低下
10 感染症とその対策
1 感染の分類と仕組み 鈴木美保
●感染とは
●感染の分類
●病原体侵入後における病原体と宿主の抵抗力の関係
●感染が成立する仕組み
2 感染に対する身体防御反応 鈴木美保
●免疫とは
●自然免疫
●獲得免疫
3 医療関連感染 鈴木美保
●医療関連感染とは
4 感染対策 鈴木美保
●標準予防策
●空気感染予防策
●飛沫感染予防策
●接触感染予防策
●血管造影室などにおける感染対策
●環境や物品の処理
5 感染症患者に対する画像検査時の注意点 安藤浩樹
●画像検査時の感染予防対策
●感染症患者の状態把握
●清潔区域内(Clean Room)での撮影
11 造影剤と副作用
1 概要 只野喜一
●造影剤とは
●X線造影剤とは
●X線造影剤の種類
●造影剤に求められる性質
2 ヨード造影剤の構造と特徴 只野喜一
●水溶性ヨード造影剤の基本構造
●イオン性モノマー型造影剤
●非イオン性モノマー型造影剤
●ダイマー型造影剤
3 ヨード造影剤の体内動態 只野喜一
●静脈に投与された水溶性ヨード造影剤
●動脈に投与された水溶性ヨード造影剤
●静脈に投与された胆道系造影剤
●経口投与された造影剤
4 造影剤の副作用と発生時の対応 原 秀剛
●副作用発現の原因
●造影剤使用の禁忌と原則禁忌
●副作用の種類
●造影剤の副作用発生因子
●副作用の発現時期
●副作用発生時の対応
12 放射線被ばく
1 放射線被ばくの基本概念 藤淵俊王
●放射線被ばくの種類と線量限度
●ALARA(“As Low As Reasonably Achievable”)
●患者の被ばくに関する評価用語
2 放射線被ばくの測定 藤淵俊王
●放射線診療における線量測定の意義
●線量測定(評価)法
●一般撮影の線量測定
●CT検査における線量評価
−CTDI(CT線量指標:Computed Tomography Dose Index)について−
●放射線使用室・従事者の線量測定
3 各種検査における被ばく線量 小原 哲
●患者の不安要素
●医療被ばくの正当化と最適化
●医療被ばくに関するガイドライン
●被ばく低減の目標値としてのガイドライン値(診断参考レベル)
●医療被ばくガイドライン2006
〔日本放射線技師会(JART:Japan Association of Radiological Technologists)〕
13 画像検査におけるペーシェントケア
1 更衣 佐藤英介
●はじめに
●更衣に対する説明
●更衣室
●検査着
2 プライバシーの保護 佐藤英介
●はじめに
●医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン
●画像データ
3 小児および高齢者に対する対応 小船井雅崇
●小児に対する対応
●高齢者に対する対応
4 入院患者に対する対応 安部 真
●膀胱留置カテーテル
●経鼻胃・経鼻腸管チューブ
●ドレーン
●IVH(Intravenous Hyperalimentation)
5 単純X線撮影時の患者さんにやさしいポジショニング 川村義彦
●単純X線撮影のポジショニングとは
●単純X線撮影における患者さんへの応対
●入院患者さんの単純X線撮影での対応
●車いすからの撮影台への移動
●ストレッチャーからの移動
●ポータブル撮影と安全管理
●患者さんにやさしいポジショニングの例
6 患者にやさしい消化管造影検査 鈴木信昭
●はじめに
●検査前の注意点
●検査中の対応
●検査後の注意点
7 泌尿器系造影検査におけるケア 鈴木雅子
●泌尿器系の全体像
●泌尿器系造影検査の分類
●腎盂(尿管)造影検査の手順とケア
ー点滴静注利尿腎盂撮影法(DIP:Drip Infusion Diuretic Pyelography)を例に−
●尿道造影(UG:Urethrography)におけるケア
8 血管造影検査およびIVRにおける注意点 坂本 肇
●血管撮影室での診療
●IVRの種類と対象症例・疾患
●血管造影検査・IVRでの副作用・合併症
●血管造影検査・IVRにおけるぺーシェントケア
●チーム医療
9 病室・手術室・集中治療室での撮影での注意点 安藤浩樹
●撮影前の準備1
●撮影前の準備2
●撮影から終了までの注意事項
10 患者にやさしいマンモグラフィ 根岸 徹
●マンモグラフィとは
●患者の緊張や不安に対する配慮
11 核医学検査におけるペーシェントケア 飯森隆志
●患者への対応
●患者への確認・説明事項
●「核」の恐怖を取り払う
●核医学検査に対する技師の役割
●検査に必要な処置
●核医学検査における危険因子
●核医学検査における胎児への影響
●核医学検査における小児への影響
●甲状腺内用療法について
12 X線CT検査におけるペーシェントケア 原 秀剛
●CT検査時の患者心理
●CT検査前の諸注意
●CT検査におけるペーシェントケアでの重要項目
●CT検査後の注意
13 MRI検査の安全性 磯辺智範
●概要
●静磁場の力学的作用
●RFパルスによる発熱
●SAR
●傾斜磁場コイルによる騒音
●騒音対策
●MR検査の禁忌および警告対象者
●MR検査室への持ち込み制限
14 放射線治療におけるペーシェントケア
1 放射線治療の流れとRTの役割 志田晃一
●はじめに
●放射線治療の流れとRTの役割
●固定具作成,治療計画CT
●患者位置決め〜位置照合〜治療
2 有害事象とその対応 北田陽子
●放射線治療における有害事象とは
●有害事象の評価方法
●急性期有害事象とそのケア
●放射線皮膚障害
●放射線宿酔(倦怠感)
●頭部の有害事象
●頭頸部の有害事象
●胸部の有害事象
●腹部の有害事象
●骨盤部の有害事象
3 患者からよくある質問とその対応 北田陽子
●はじめに
1 医療従事者としての心構え 磯辺智範
2 ペーシェントケアとは 磯辺智範
2 医の倫理
1 医学における2つの倫理 磯辺智範
2 倫理指針 磯辺智範
3 倫理審査委員会 磯辺智範
4 医の倫理に関する提唱 阿久津博義
5 インフォームド・コンセント(IC:Informed Consent) 阿久津博義
●その意味
●法的には
6 脳死 阿久津博義
●脳死とは
●脳死判定
3 保健と医療
1 人口動態 高田健太
●日本の人口の年次推移
●年齢階層別人口(2009年10月現在)
●出生数の変化
●合計特殊出生率
2 死因統計 高田健太
●主な死因による死亡者数
●癌の種類別死亡者数の年次変化1 (男女合計)
●癌の種類別死亡者数の年次変化2 (男性)
●癌の種類別死亡者数の年次変化3 (女性)
3 日本の医療保険制度 高田健太
●特徴
●診療報酬
●国民医療費と対国民所得比の年次推移
●高額療養費制度
4 医療記録とその扱い 高田健太
●診療情報
●電子カルテ
4 コミュニケーション
1 コミュニケーションの基本構造 新井 励
●コミュニケーション(Communication)とは
●コミュニケーション手段
●コミュニケーションの構成要素
2 コミュニケーションの基本技術 新井 励
●「きく」
●「話す」
●「感じ方」の違いを知る
●互いに思いやる
5 患者心理
1 患者心理と医療行為 新井 励
●疾病受容のプロセス
●医療行為
2 悲嘆過程 新井 励
●悲嘆のプロセス
●全人的苦痛
●癌告知
6 身体力学
1 力学で知る介助の極意 佐藤春彦
2 てことモーメント 佐藤春彦
●原理
●実例
3 荷重を支点に近づける 佐藤春彦
4 介助法による腰部の負担の違い 佐藤春彦
●概要
●計算してみよう!−背筋の張力−
●てこのモデルから得られる介助負担の軽減策
7 基本的な接遇・介助テクニック
1 患者の持ち物の取扱い 池田順子
●患者の持ち物の取扱い方法
●患者の安全を考えた物の取扱い
2 患者の移動・移送 池田順子
●移動に介助が必要となる患者の特徴
●移動動作の基本
●車いすの移送の注意点
3 着衣・脱衣の介助 池田順子
●丸首パジャマの着脱衣
●浴衣の着脱衣
8 患者状態の把握
1 バイタルサイン 杉山のどか・高橋英希
●バイタルサインとは
●血圧
●脈拍
●体温
●呼吸
2 意識障害とその評価 阿久津博義
●意識障害とは
●意識レベルの判定
3 知っておきたいモニタ機器 五月女康作
●心電図モニタ
●スワンガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)
●血液ガスモニタ
●パルスオキシメータ
●頭蓋内圧モニタ
●脳波モニタ
9 救急処置
1 救急処置とは 成田沙織
2 救急処置の一般的注意事項 成田沙織
3 実際の救急処置 成田沙織
●意識の確認・応援要請
●呼吸の確認・気道確保
●人工呼吸
●脈拍の確認
●心臓マッサージ・胸骨圧迫
●AED(除細動器:Automated External Defibrillater)の使用
●AEDの使用方法
4 救急医療における画像検査の役割と優先順位 富安恭子
●救急医療において主に取り扱う疾患
●救急医療における画像検査の役割
●外傷診療における画像検査
●内因性疾患における画像検査
5 救急撮影における注意点 飯塚芳弘
●脊椎損傷患者
●骨盤骨折
●四肢骨折
6 日本における救急医療体制 川又郁夫
●救急医療体制
●救急救命士
●受診患者のモラル低下
10 感染症とその対策
1 感染の分類と仕組み 鈴木美保
●感染とは
●感染の分類
●病原体侵入後における病原体と宿主の抵抗力の関係
●感染が成立する仕組み
2 感染に対する身体防御反応 鈴木美保
●免疫とは
●自然免疫
●獲得免疫
3 医療関連感染 鈴木美保
●医療関連感染とは
4 感染対策 鈴木美保
●標準予防策
●空気感染予防策
●飛沫感染予防策
●接触感染予防策
●血管造影室などにおける感染対策
●環境や物品の処理
5 感染症患者に対する画像検査時の注意点 安藤浩樹
●画像検査時の感染予防対策
●感染症患者の状態把握
●清潔区域内(Clean Room)での撮影
11 造影剤と副作用
1 概要 只野喜一
●造影剤とは
●X線造影剤とは
●X線造影剤の種類
●造影剤に求められる性質
2 ヨード造影剤の構造と特徴 只野喜一
●水溶性ヨード造影剤の基本構造
●イオン性モノマー型造影剤
●非イオン性モノマー型造影剤
●ダイマー型造影剤
3 ヨード造影剤の体内動態 只野喜一
●静脈に投与された水溶性ヨード造影剤
●動脈に投与された水溶性ヨード造影剤
●静脈に投与された胆道系造影剤
●経口投与された造影剤
4 造影剤の副作用と発生時の対応 原 秀剛
●副作用発現の原因
●造影剤使用の禁忌と原則禁忌
●副作用の種類
●造影剤の副作用発生因子
●副作用の発現時期
●副作用発生時の対応
12 放射線被ばく
1 放射線被ばくの基本概念 藤淵俊王
●放射線被ばくの種類と線量限度
●ALARA(“As Low As Reasonably Achievable”)
●患者の被ばくに関する評価用語
2 放射線被ばくの測定 藤淵俊王
●放射線診療における線量測定の意義
●線量測定(評価)法
●一般撮影の線量測定
●CT検査における線量評価
−CTDI(CT線量指標:Computed Tomography Dose Index)について−
●放射線使用室・従事者の線量測定
3 各種検査における被ばく線量 小原 哲
●患者の不安要素
●医療被ばくの正当化と最適化
●医療被ばくに関するガイドライン
●被ばく低減の目標値としてのガイドライン値(診断参考レベル)
●医療被ばくガイドライン2006
〔日本放射線技師会(JART:Japan Association of Radiological Technologists)〕
13 画像検査におけるペーシェントケア
1 更衣 佐藤英介
●はじめに
●更衣に対する説明
●更衣室
●検査着
2 プライバシーの保護 佐藤英介
●はじめに
●医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン
●画像データ
3 小児および高齢者に対する対応 小船井雅崇
●小児に対する対応
●高齢者に対する対応
4 入院患者に対する対応 安部 真
●膀胱留置カテーテル
●経鼻胃・経鼻腸管チューブ
●ドレーン
●IVH(Intravenous Hyperalimentation)
5 単純X線撮影時の患者さんにやさしいポジショニング 川村義彦
●単純X線撮影のポジショニングとは
●単純X線撮影における患者さんへの応対
●入院患者さんの単純X線撮影での対応
●車いすからの撮影台への移動
●ストレッチャーからの移動
●ポータブル撮影と安全管理
●患者さんにやさしいポジショニングの例
6 患者にやさしい消化管造影検査 鈴木信昭
●はじめに
●検査前の注意点
●検査中の対応
●検査後の注意点
7 泌尿器系造影検査におけるケア 鈴木雅子
●泌尿器系の全体像
●泌尿器系造影検査の分類
●腎盂(尿管)造影検査の手順とケア
ー点滴静注利尿腎盂撮影法(DIP:Drip Infusion Diuretic Pyelography)を例に−
●尿道造影(UG:Urethrography)におけるケア
8 血管造影検査およびIVRにおける注意点 坂本 肇
●血管撮影室での診療
●IVRの種類と対象症例・疾患
●血管造影検査・IVRでの副作用・合併症
●血管造影検査・IVRにおけるぺーシェントケア
●チーム医療
9 病室・手術室・集中治療室での撮影での注意点 安藤浩樹
●撮影前の準備1
●撮影前の準備2
●撮影から終了までの注意事項
10 患者にやさしいマンモグラフィ 根岸 徹
●マンモグラフィとは
●患者の緊張や不安に対する配慮
11 核医学検査におけるペーシェントケア 飯森隆志
●患者への対応
●患者への確認・説明事項
●「核」の恐怖を取り払う
●核医学検査に対する技師の役割
●検査に必要な処置
●核医学検査における危険因子
●核医学検査における胎児への影響
●核医学検査における小児への影響
●甲状腺内用療法について
12 X線CT検査におけるペーシェントケア 原 秀剛
●CT検査時の患者心理
●CT検査前の諸注意
●CT検査におけるペーシェントケアでの重要項目
●CT検査後の注意
13 MRI検査の安全性 磯辺智範
●概要
●静磁場の力学的作用
●RFパルスによる発熱
●SAR
●傾斜磁場コイルによる騒音
●騒音対策
●MR検査の禁忌および警告対象者
●MR検査室への持ち込み制限
14 放射線治療におけるペーシェントケア
1 放射線治療の流れとRTの役割 志田晃一
●はじめに
●放射線治療の流れとRTの役割
●固定具作成,治療計画CT
●患者位置決め〜位置照合〜治療
2 有害事象とその対応 北田陽子
●放射線治療における有害事象とは
●有害事象の評価方法
●急性期有害事象とそのケア
●放射線皮膚障害
●放射線宿酔(倦怠感)
●頭部の有害事象
●頭頸部の有害事象
●胸部の有害事象
●腹部の有害事象
●骨盤部の有害事象
3 患者からよくある質問とその対応 北田陽子
●はじめに
全文表示する
閉じる
豊富な写真とイラストで基礎から学べる,診療放射線技師のための「ペーシェントケア」がここにある!
本書は,診療放射線技師として必要な「ペーシェントケア(接遇)」を解説したテキストである。
医療現場における患者への基本マナーや患者へ検査を行ううえでの態度,すなわちペーシェントケアは,医療従事者にとって重要な事柄であり,多くの診療放射線技師養成校では接遇の講義が必修科目である。そこで,日本の現状に即した診療放射線技師向けのペーシェントケアの書籍として誕生したのが本書である。実際に臨床の場で活躍している診療放射線技師,さらに看護師・臨床心理士なども執筆陣に加え,臨床の場に出ても困らないよう,ペーシェントケアについてあらゆる視点からていねいにわかりやすくまとめた。
患者の移送や撮影時の対応方法,検査時の患者の心理状態まで具体的な接遇例を,豊富なイラストと写真でわかりやすく解説。また各項目の重要なポイントをまとめた「One Point Advice」,理解を深める「コラム」,そして執筆者の経験談やちょっとしたこぼれ話が満載の「Coffee Break」など,現場に出る前に最低限押さえておきたいポイントが充実!