リハ実践テクニック
骨・関節疾患の理学療法
改訂第2版
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定価 5,720円(税込) (本体5,200円+税)
- B5変型判 248ページ オールカラー,イラスト20点,写真630点
- 2010年9月24日刊行
- ISBN978-4-7583-1129-8
電子版
序文
本書は,5年前に既存の専門書の枠を超え,整形外科リハビリテーションにおける各種疾患に対して,最先端の現場では何がなされていて,実際のリハビリテーション手技はどのようにして行うのか,またそれを行うにあたって注意しなければならないことは何なのかを迅速に,かつリアルタイムで知ることに焦点を当てて出版された。そのなかで,頻度の高いものを各部位別に並べ,すぐに対象疾患を調べることができるようにした。その甲斐あって,好評が得られ今日まで至ったことは我々の大きな喜びである。
出版後の2006年4月に診療報酬改定があり,リハビリテーション医療は大きな変革の時代を迎えた。その際の混乱は,リハビリテーション医療の現場だけでなく,社会問題にまで発展したことも記憶に新しい。しかし,そのなかで「運動器リハビリテーション」の項目が新設され,整形外科リハビリテーションは従来の脳卒中を中心としたリハビリテーション医療から,保険上独立を果たした。そのため,整形外科リハビリテーションは,さらに重要性が増した。世界でも類を見ない高齢化が押し寄せているわが国は,骨折,関節疾患,脊椎疾患など運動器疾患の患者数があまりに多く,その対応に苦慮している。いわば,運動器疾患医療は,わが国の医療の将来を左右する重要問題となっている。そのため,日本整形外科学会では「ロコモティブシンドローム」の概念を導入し,政策的・社会的認知も得られ,系統だった予防・治療システムを構築するに至った。
このような社会的背景の推移とともに本書の存在感はいよいよ増してくるものと推察する。それらのニーズに応えるため,『改訂第2版』では写真のフルカラー化,連続動作写真の導入などによる視覚効果の増大を図り,さらに内容も最先端にすべく変更,追加を行った。そのため,より直感的に理解できるようになり,現場における有用性は向上したと自負している。
本書は,医師,理学療法士,作業療法士,看護師,学生など多くの方々に広く活用されているという。今回の改訂は,実践的な部分だけでなく,教育にも十分活用できるように配慮した。本書が,整形外科リハビリテーションにかかわる多くの方々の発展に寄与できれば幸いである。なお,本書の改訂にあたっては,メジカルビュー社の間宮卓治氏に多大なご尽力をいただいた。紙面を借り,深甚なる謝意を表したい。
2010年8月
島田洋一
高橋仁美
出版後の2006年4月に診療報酬改定があり,リハビリテーション医療は大きな変革の時代を迎えた。その際の混乱は,リハビリテーション医療の現場だけでなく,社会問題にまで発展したことも記憶に新しい。しかし,そのなかで「運動器リハビリテーション」の項目が新設され,整形外科リハビリテーションは従来の脳卒中を中心としたリハビリテーション医療から,保険上独立を果たした。そのため,整形外科リハビリテーションは,さらに重要性が増した。世界でも類を見ない高齢化が押し寄せているわが国は,骨折,関節疾患,脊椎疾患など運動器疾患の患者数があまりに多く,その対応に苦慮している。いわば,運動器疾患医療は,わが国の医療の将来を左右する重要問題となっている。そのため,日本整形外科学会では「ロコモティブシンドローム」の概念を導入し,政策的・社会的認知も得られ,系統だった予防・治療システムを構築するに至った。
このような社会的背景の推移とともに本書の存在感はいよいよ増してくるものと推察する。それらのニーズに応えるため,『改訂第2版』では写真のフルカラー化,連続動作写真の導入などによる視覚効果の増大を図り,さらに内容も最先端にすべく変更,追加を行った。そのため,より直感的に理解できるようになり,現場における有用性は向上したと自負している。
本書は,医師,理学療法士,作業療法士,看護師,学生など多くの方々に広く活用されているという。今回の改訂は,実践的な部分だけでなく,教育にも十分活用できるように配慮した。本書が,整形外科リハビリテーションにかかわる多くの方々の発展に寄与できれば幸いである。なお,本書の改訂にあたっては,メジカルビュー社の間宮卓治氏に多大なご尽力をいただいた。紙面を借り,深甚なる謝意を表したい。
2010年8月
島田洋一
高橋仁美
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目次
I. 基本的アプローチ 高橋仁美,島田洋一
●検査・測定・評価
●関節可動域運動
●筋力増強運動
●歩行練習,階段昇降練習,移乗動作
II. 部位別,主要整形外科疾患の理学療法
●肩,上腕 筒井廣明,山口光國,千葉慎一,鈴木貞興,尾崎尚代,嘉陽 拓
1. 反復性肩関節脱臼
2. 動揺性肩関節
3. 回旋筋腱板断裂
4. 上腕二頭筋長頭腱障害(長頭腱腱鞘炎)
5. 肩関節周囲炎
6. 投球障害肩(野球肩)
7. 鎖骨・上腕骨骨折
●肘,前腕 白戸力弥,坪田貞子,和田卓郎
1. 上腕骨顆上骨折
2. 肘頭骨折
3. 肘関節側副靱帯損傷
4. 上腕骨外側上顆炎
●手,手指 對馬祥子,大溝昌章,藤 哲
1. 手指屈筋腱損傷
2. 橈骨遠位端骨折
3. 指骨骨折
4. 末梢神経損傷(橈骨神経麻痺,正中神経麻痺,尺骨神経麻痺)
5. 関節リウマチ
●股,大腿 西村久徳,牛島茂樹,松崎香苗,岩佐聖彦,久米慎一郎
1. 変形性股関節症
2. 人工股関節置換術
3. 骨切り術後(キアリ骨盤骨切り術後)
4. 骨盤骨折
5. 大腿骨近位部骨折(術前)
6. 大腿骨近位部骨折(術後)
7. 大腿骨骨幹部骨折
8. 大腿四頭筋断裂
●膝,下腿 朝倉智之,武井健児,長谷川 信,白倉賢二
1. 変形性膝関節症(保存療法)
2. 人工膝関節全置換術後(変形性膝関節症,関節リウマチ)
3. 前十字靱帯損傷(保存療法,再建術後)
4. 半月板損傷
5. 膝蓋骨骨折,脛骨近位端骨折,大腿骨顆部・顆上骨折(観血的整復固定術後)
6. 下腿骨骨折(保存療法,観血的整復固定術後)
●足,足趾 下出好夫,貝谷誠久,小川宗宏,田中康仁
1. 足関節外側靱帯損傷
2. 扁平足
3. 踵骨骨折
4. 中足部骨折
5. アキレス腱断裂
●脊椎 町田正文,星 永剛,鷺池一幸,永井紗弥可,松浦武史,神津宏志,山本達也,太田昌宏,栗原 淳,鎭目琢也,長谷川 淳
1. 頸椎症性疾患
2. 頸肩腕症候群
3. 胸郭出口症候群
4. 脊柱側弯症
5. 脊椎圧迫骨折
6. 急性腰痛症
7. 腰椎椎間板ヘルニア
8. 骨粗鬆症による腰痛症
9. 姿勢性腰痛症
10. 腰椎固定術後の理学療法
11. 脊髄損傷
●検査・測定・評価
●関節可動域運動
●筋力増強運動
●歩行練習,階段昇降練習,移乗動作
II. 部位別,主要整形外科疾患の理学療法
●肩,上腕 筒井廣明,山口光國,千葉慎一,鈴木貞興,尾崎尚代,嘉陽 拓
1. 反復性肩関節脱臼
2. 動揺性肩関節
3. 回旋筋腱板断裂
4. 上腕二頭筋長頭腱障害(長頭腱腱鞘炎)
5. 肩関節周囲炎
6. 投球障害肩(野球肩)
7. 鎖骨・上腕骨骨折
●肘,前腕 白戸力弥,坪田貞子,和田卓郎
1. 上腕骨顆上骨折
2. 肘頭骨折
3. 肘関節側副靱帯損傷
4. 上腕骨外側上顆炎
●手,手指 對馬祥子,大溝昌章,藤 哲
1. 手指屈筋腱損傷
2. 橈骨遠位端骨折
3. 指骨骨折
4. 末梢神経損傷(橈骨神経麻痺,正中神経麻痺,尺骨神経麻痺)
5. 関節リウマチ
●股,大腿 西村久徳,牛島茂樹,松崎香苗,岩佐聖彦,久米慎一郎
1. 変形性股関節症
2. 人工股関節置換術
3. 骨切り術後(キアリ骨盤骨切り術後)
4. 骨盤骨折
5. 大腿骨近位部骨折(術前)
6. 大腿骨近位部骨折(術後)
7. 大腿骨骨幹部骨折
8. 大腿四頭筋断裂
●膝,下腿 朝倉智之,武井健児,長谷川 信,白倉賢二
1. 変形性膝関節症(保存療法)
2. 人工膝関節全置換術後(変形性膝関節症,関節リウマチ)
3. 前十字靱帯損傷(保存療法,再建術後)
4. 半月板損傷
5. 膝蓋骨骨折,脛骨近位端骨折,大腿骨顆部・顆上骨折(観血的整復固定術後)
6. 下腿骨骨折(保存療法,観血的整復固定術後)
●足,足趾 下出好夫,貝谷誠久,小川宗宏,田中康仁
1. 足関節外側靱帯損傷
2. 扁平足
3. 踵骨骨折
4. 中足部骨折
5. アキレス腱断裂
●脊椎 町田正文,星 永剛,鷺池一幸,永井紗弥可,松浦武史,神津宏志,山本達也,太田昌宏,栗原 淳,鎭目琢也,長谷川 淳
1. 頸椎症性疾患
2. 頸肩腕症候群
3. 胸郭出口症候群
4. 脊柱側弯症
5. 脊椎圧迫骨折
6. 急性腰痛症
7. 腰椎椎間板ヘルニア
8. 骨粗鬆症による腰痛症
9. 姿勢性腰痛症
10. 腰椎固定術後の理学療法
11. 脊髄損傷
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骨・関節疾患のリハビリテーション実践テクニックが,オールカラー写真で直感的にわかる実践書
リハビリテーションの現場で実際に用いられている手技を,写真でわかりやすく見せる『リハ実践テクニック』シリーズのひとつとして2005年に刊行された本書であるが,読者のご好評を得てこの度,掲載内容の加筆と紙面のオールカラー化を行い改訂版として刊行することとなった。
整形外科リハビリテーションの現場で必要とされている最も重要なことは,オーダーされた整形外科疾患に対して,最先端の現場では何がなされていて,実際のリハビリテーション手技はどのようにして行うのか,またそれを行うにあたって注意しなくてはならないことは何なのかを,迅速かつリアルタイムに知ることである。
本書はこれらのニーズに答えるものであり,項目は整形外科リハビリテーション対象となる頻度が高い疾患を各部位別に並べ,すぐに対象疾患を引けるようにした。それぞれの手技をオールカラー写真でコマ送り的に解説し,複雑な動作であっても直感的に理解できるようになっている。