神経眼科診断クローズアップ
定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
- B5変型判 224ページ オールカラー,イラスト70点,写真400点
- 2014年11月4日刊行
- ISBN978-4-7583-1091-8
序文
神経眼科の分野は難しく敬遠されがちですが,適確な診断が遅れると,重篤な視力障害のみならず生命予後にも直結してくる領域です。緊急性はあるのか,どの程度の緊急性か,神経眼科に紹介すべきか,それとも他科に紹介すべきかで悩む症例も少なくありません。患者をいかに正しいタイミングで正しい専門医に紹介できるかが早期治療の鍵となるため,神経眼科学的情報を適切に精細に把握しておくことが大切であるといえます。
本書の特色として,一般眼科医が神経眼科や他科に紹介すべき症状かどうかを見きわめるための診断のコツを十分にかみくだいた形で展開し,診断と紹介のポイントを中心に日常診療に直接役立つことを目的として構成しています。
主な章の初めには,神経眼科的な症状や所見から「・・・を診たら」と題して,病歴と一般眼科検査から緊急を要する疾患を疑うポイントを取り上げました。
各疾患の「診断のポイント」では,一般眼科医や開業医が,初診時の主訴や問診から,通常の眼科検査所見から神経眼科疾患を疑うポイントは何かをまとめています。「紹介のポイント」では,どのタイミングで紹介するのか,緊急性を要するものはどのような場合か,どこへ紹介するのか,紹介先は神経眼科か脳外科か神経内科か,について記載しています。
最後に,神経眼科疾患の診断になくてはならない様々な検査法について取り上げました。基礎的な事項から最近の話題まで含まれています。緑内障と間違いやすい視野とは,画像検査としてのOCT・laser speckle flowgraphy・MRI,電気生理学的検査としてERGとVEP,近年新たに発見された各種自己抗体も含めたバイオマーカーについて,御専門の先生方にまとめて頂きました。「追加検査のポイント」も疾患ごとの最後に記載しています。紹介を受けた大学病院や総合病院でのすべての眼科医に,そして研修医にも参考となる内容です。
本文は疾患名の単なる羅列にならないように心がけ,囲み記事でコンパクトにまとめると共に,視覚に訴えるように多くの図表を掲載しました。ポイントを押さえて診断をすれば,決して神経眼科は難解ではありません。プレテストが最初にありますので,まずトライしてみて下さい。解答が載っていますが,最初は正答しなくても全く問題はありません。そのコメントの解説に関しては本文中に詳細に記載があります。
本書を通して神経眼科が身近な領域になれば幸いです。
2014年10月
敷島敬悟
本書の特色として,一般眼科医が神経眼科や他科に紹介すべき症状かどうかを見きわめるための診断のコツを十分にかみくだいた形で展開し,診断と紹介のポイントを中心に日常診療に直接役立つことを目的として構成しています。
主な章の初めには,神経眼科的な症状や所見から「・・・を診たら」と題して,病歴と一般眼科検査から緊急を要する疾患を疑うポイントを取り上げました。
各疾患の「診断のポイント」では,一般眼科医や開業医が,初診時の主訴や問診から,通常の眼科検査所見から神経眼科疾患を疑うポイントは何かをまとめています。「紹介のポイント」では,どのタイミングで紹介するのか,緊急性を要するものはどのような場合か,どこへ紹介するのか,紹介先は神経眼科か脳外科か神経内科か,について記載しています。
最後に,神経眼科疾患の診断になくてはならない様々な検査法について取り上げました。基礎的な事項から最近の話題まで含まれています。緑内障と間違いやすい視野とは,画像検査としてのOCT・laser speckle flowgraphy・MRI,電気生理学的検査としてERGとVEP,近年新たに発見された各種自己抗体も含めたバイオマーカーについて,御専門の先生方にまとめて頂きました。「追加検査のポイント」も疾患ごとの最後に記載しています。紹介を受けた大学病院や総合病院でのすべての眼科医に,そして研修医にも参考となる内容です。
本文は疾患名の単なる羅列にならないように心がけ,囲み記事でコンパクトにまとめると共に,視覚に訴えるように多くの図表を掲載しました。ポイントを押さえて診断をすれば,決して神経眼科は難解ではありません。プレテストが最初にありますので,まずトライしてみて下さい。解答が載っていますが,最初は正答しなくても全く問題はありません。そのコメントの解説に関しては本文中に詳細に記載があります。
本書を通して神経眼科が身近な領域になれば幸いです。
2014年10月
敷島敬悟
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目次
プレテスト
Ⅰ 乳頭腫脹を診たら
緊急を要する乳頭腫脹-病歴と一般眼科検査から疑う
視神経炎
抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎
小児視神経炎
自己免疫性視神経炎
視神経網膜炎
前部虚血性視神経症
うっ血乳頭
Leber遺伝性視神経症
Ⅱ 原因不明の視神経萎縮を診たら
先天異常
優性遺伝性視神経萎縮
Ⅲ 原因不明の視力低下を診たら
圧迫性視神経症
中毒性・栄養障害性視神経症
視神経疾患と間違いやすい網膜疾患
非器質的視機能障害
Ⅳ 眼球運動障害を診たら
緊急を要する眼球運動障害-病歴と一般眼科検査から疑う
成人の眼球運動障害
小児の眼球運動障害
甲状腺眼症
特発性外眼筋炎
重症筋無力症
複合神経麻痺
眼振
Ⅴ 瞳孔異常を診たら
緊急を要する瞳孔異常-病歴と一般眼科検査から疑う
瞳孔不同
RAPDのみかた
Ⅵ 眼瞼の運動障害を診たら
眼瞼下垂
眼瞼けいれん
眼瞼後退
Ⅶ 神経眼科におけるその他の主訴
一過性視力低下
羞明・光視症
頭痛
Ⅷ 神経眼科における検査
視野—緑内障と間違えやすい視野異常
OCT
laser speckle flowgraphy
ERG
VEP
MRI
バイオマーカー
Ⅰ 乳頭腫脹を診たら
緊急を要する乳頭腫脹-病歴と一般眼科検査から疑う
視神経炎
抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎
小児視神経炎
自己免疫性視神経炎
視神経網膜炎
前部虚血性視神経症
うっ血乳頭
Leber遺伝性視神経症
Ⅱ 原因不明の視神経萎縮を診たら
先天異常
優性遺伝性視神経萎縮
Ⅲ 原因不明の視力低下を診たら
圧迫性視神経症
中毒性・栄養障害性視神経症
視神経疾患と間違いやすい網膜疾患
非器質的視機能障害
Ⅳ 眼球運動障害を診たら
緊急を要する眼球運動障害-病歴と一般眼科検査から疑う
成人の眼球運動障害
小児の眼球運動障害
甲状腺眼症
特発性外眼筋炎
重症筋無力症
複合神経麻痺
眼振
Ⅴ 瞳孔異常を診たら
緊急を要する瞳孔異常-病歴と一般眼科検査から疑う
瞳孔不同
RAPDのみかた
Ⅵ 眼瞼の運動障害を診たら
眼瞼下垂
眼瞼けいれん
眼瞼後退
Ⅶ 神経眼科におけるその他の主訴
一過性視力低下
羞明・光視症
頭痛
Ⅷ 神経眼科における検査
視野—緑内障と間違えやすい視野異常
OCT
laser speckle flowgraphy
ERG
VEP
MRI
バイオマーカー
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神経眼科疾患の緊急性,紹介のタイミングを正しく判断し,早期治療につなげるためのコツがわかる!
難解で敬遠されがちな「神経眼科」。早期治療のためには,疾患の緊急性,正しい紹介先の判断が大変重要となる。
本書では,神経眼科疾患が疑われる所見や症状について,一般眼科医が神経眼科や他科に紹介すべきかどうかを見きわめるための診断と紹介のポイントを中心に,日常診療に即役立たせることができる内容となっている。