診療放射線技師
画像診断マスター・ノート
定価 7,150円(税込) (本体6,500円+税)
- B5判 536ページ 1色(一部カラー),イラスト50点,写真800点
- 2005年8月24日刊行
- ISBN978-4-7583-0657-7
序文
監修の序
スクリーニング的なものから手術などを前提とした精密検査に至るまで,日常診療のほとんどの領域において,画像診断技術はかつてないほど大きな役割を担っている。このような状況にあっては,診療放射線技師として,単に各種検査法の技術的な面のみならず,主要な病態についての知識の持ちあわせがなければ診断価値の十分な画像を臨床側に提供することができなくなっている。例えば脳動脈瘤を目的としたMR angiographyの画像を作る際にも,その好発部位や,どのように描出されるかを知っていて,疑わしい所見をみた場合には,ルーチンの画像に加え,その部分に絞った再構成を追加することで動脈瘤の診断をより確実にできるであろう。急速に普及しつつあるMDCTの画像再構成にしてもまた同様である。このようなニーズの高まりは診療放射線技師の国家試験で病変に関する問題が出題されていることからも現実に裏付けられていると言える。既にお定まりの撮影法のみで済まされる時代ではなくなっているのである。
今回の企画はこのような背景をもとに,診療放射線技師養成学校生を主な対象とし,把握しておいて欲しい正常解剖や病態を「脳・頭頸部」,「胸部・心臓・大血管」,「腹部・骨盤部」,「骨軟部・関節(脊椎を含む)」の4領域に分けて画像検査の立場から解説したものであるが,これまでは残念ながら適切な類書が無かったと言わざるをえない。各々の領域では正常解剖や疾患に加え,各種検査の技術的な面にも精通した諸先生に執筆して頂いた。疾患に関する部分では厳選された実際の画像その他の図を多く取り入れた。さらに検査法に関してはその効率的な選択に重きを置いた解説がなされている。この結果,単に国家試験対策用としてではなく,既に診療に携わっている方々の日常業務の手引きとしても十分な内容の質と量を備えた1冊になったものと自負している。また診療放射線技師のみならず看護師など他のコメディカルな職種の方々にも役立てて頂ければ幸いと考えている。
2005年7月
杏林大学放射線科
土屋一洋
スクリーニング的なものから手術などを前提とした精密検査に至るまで,日常診療のほとんどの領域において,画像診断技術はかつてないほど大きな役割を担っている。このような状況にあっては,診療放射線技師として,単に各種検査法の技術的な面のみならず,主要な病態についての知識の持ちあわせがなければ診断価値の十分な画像を臨床側に提供することができなくなっている。例えば脳動脈瘤を目的としたMR angiographyの画像を作る際にも,その好発部位や,どのように描出されるかを知っていて,疑わしい所見をみた場合には,ルーチンの画像に加え,その部分に絞った再構成を追加することで動脈瘤の診断をより確実にできるであろう。急速に普及しつつあるMDCTの画像再構成にしてもまた同様である。このようなニーズの高まりは診療放射線技師の国家試験で病変に関する問題が出題されていることからも現実に裏付けられていると言える。既にお定まりの撮影法のみで済まされる時代ではなくなっているのである。
今回の企画はこのような背景をもとに,診療放射線技師養成学校生を主な対象とし,把握しておいて欲しい正常解剖や病態を「脳・頭頸部」,「胸部・心臓・大血管」,「腹部・骨盤部」,「骨軟部・関節(脊椎を含む)」の4領域に分けて画像検査の立場から解説したものであるが,これまでは残念ながら適切な類書が無かったと言わざるをえない。各々の領域では正常解剖や疾患に加え,各種検査の技術的な面にも精通した諸先生に執筆して頂いた。疾患に関する部分では厳選された実際の画像その他の図を多く取り入れた。さらに検査法に関してはその効率的な選択に重きを置いた解説がなされている。この結果,単に国家試験対策用としてではなく,既に診療に携わっている方々の日常業務の手引きとしても十分な内容の質と量を備えた1冊になったものと自負している。また診療放射線技師のみならず看護師など他のコメディカルな職種の方々にも役立てて頂ければ幸いと考えている。
2005年7月
杏林大学放射線科
土屋一洋
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目次
1 頭部・頭頸部
●頭部
【正常編】
【疾患編】
・脳血管障害
・脳腫瘍
・変性・炎症・脱髄
・頭部外傷
・先天奇形
●頭頸部
【正常編】
【疾患編】
・頭蓋底
・鼻部
・眼窩部
・耳部
・咽頭
・顎骨
・耳下腺
・喉頭
・甲状腺
・副甲状腺
・顔面外傷
・頸部軟部組織
2 胸部・心臓・大血管
● 胸部
【正常編】
【疾患編】
・呼吸器感染症
・肺癌
・肺良性腫瘤
・縦隔腫瘍
・胸膜・胸壁病変
・びまん性肺疾患
・職業性肺疾患
・その他
●心臓・大血管
【正常編】
【疾患編】
・胸部大動脈瘤
・大動脈解離
・動脈管開存
・高安病
・血管輪
・大動脈縮窄
・左心不全
・肺塞栓症
・肺動静脈瘻
・虚血性心疾患
・弁膜症
・川崎病
・心室中隔欠損
・心房中隔欠損
・Fallot四徴症
3 腹部・骨盤部
【正常編】
【疾患編】
・食道
・胃
・腸
・肝臓
・胆道
・膵臓
・副腎
・腎,尿路
・女性性器
・腹部外傷・血管
・超音波検査:正常編
・超音波検査:疾患編
4 骨軟部・脊椎・関節
●骨軟部
・骨
・軟部
・骨髄炎
・系統疾患
●脊椎
【正常編】
【疾患編】
・脊椎症
・炎症
・骨折
・脊髄病変
・先天奇形
・脊髄腫瘍
●関節
・肩関節
・肘関節
・手・手関節
・股関節
・膝関節
・足・足関節
●頭部
【正常編】
【疾患編】
・脳血管障害
・脳腫瘍
・変性・炎症・脱髄
・頭部外傷
・先天奇形
●頭頸部
【正常編】
【疾患編】
・頭蓋底
・鼻部
・眼窩部
・耳部
・咽頭
・顎骨
・耳下腺
・喉頭
・甲状腺
・副甲状腺
・顔面外傷
・頸部軟部組織
2 胸部・心臓・大血管
● 胸部
【正常編】
【疾患編】
・呼吸器感染症
・肺癌
・肺良性腫瘤
・縦隔腫瘍
・胸膜・胸壁病変
・びまん性肺疾患
・職業性肺疾患
・その他
●心臓・大血管
【正常編】
【疾患編】
・胸部大動脈瘤
・大動脈解離
・動脈管開存
・高安病
・血管輪
・大動脈縮窄
・左心不全
・肺塞栓症
・肺動静脈瘻
・虚血性心疾患
・弁膜症
・川崎病
・心室中隔欠損
・心房中隔欠損
・Fallot四徴症
3 腹部・骨盤部
【正常編】
【疾患編】
・食道
・胃
・腸
・肝臓
・胆道
・膵臓
・副腎
・腎,尿路
・女性性器
・腹部外傷・血管
・超音波検査:正常編
・超音波検査:疾患編
4 骨軟部・脊椎・関節
●骨軟部
・骨
・軟部
・骨髄炎
・系統疾患
●脊椎
【正常編】
【疾患編】
・脊椎症
・炎症
・骨折
・脊髄病変
・先天奇形
・脊髄腫瘍
●関節
・肩関節
・肘関節
・手・手関節
・股関節
・膝関節
・足・足関節
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診療放射線技師養成校の学生さんが備えておかなければならない「画像診断の必須知識」が身につくマスター・ノート
医師の求める診断価値の高い画像を獲得する技術が診療放射線技師に求められる昨今,診療放射線技師向けの教育は,単に画像検査技術の知識のみを習得するだけでは通用しないところにきている。疾患や主要な病態,そしてある程度の診断までが臨床の場において診療放射線技師に必要とされる時代が確実に到来している。
本書は,部位ごとに最低限把握しておかなければいけない「正常画像解剖」や「病変」について徹底的にポイントのみを箇条書きスタイルで記述した,診断技術や所見のポイントを学ぶために最適な診療放射線技師養成校の学生向けのサブテキストである。