スタートラインの整形外科基本手技
［Web動画付］

　この度『ひとりでも確実にできる！スタートラインの整形外科基本手技』を編集させていただきました。外来，入院，手術などで遭遇する基本手技を比較的若い医師に執筆していただきました。
　はじめに基本手技を取り上げております。内訳は，基本手術器具，術野準備，麻酔法（気管挿管），皮膚切開，鉤引き，剥離と切除，血管確保，腱縫着法，筋・筋膜・腱縫合，血管吻合法，神経縫合法，神経移植法，止血法，皮膚縫合であります。整形外科，内科，形成外科，救急集中治療医学の先生にご執筆いただきました。基本的手技をわかりやすく解説していただいております。また，非常に専門領域の高いと思われる部分も平易に，注意点などもお示しいただきました。
　次に検査と一般的な治療を取り上げております。内訳は，関節穿刺・関節注射・関節造影，超音波（エコー），脊髄造影・神経根ブロック・神経根造影，生検法，牽引法，ギプス・シーネ・副子・装具，脱臼への対処法，術前から術後管理までです。主に整形外科の先生にご執筆いただきました。整形外科領域で最も多いプライマリケアであり，日常診療で特に頻用される手技です。その有用性，基本手技，治療効果なども明確にご解説していただいております。
　最後に手術別の基本手技を取り上げております。内訳は，骨折手術の基本，創外固定法，関節鏡の基本を整形外科の先生にご執筆いただきました。骨折のプライマリケアや基本的手技は治療上必須であり，また関節鏡も多くの部位で多用されており，ぜひ本書で学んでいただきたく思います。膝関節の基本手技はほかの関節への応用としても重要であります。
　どの項目をご覧いただいても，全体として，初期治療として身につけなければいけない検査方法・手技が図解付きで詳細に書かれており，読者に裨益することが大きいと思います。
　最後に本書作成にあたりメジカルビュー社編集部の方々に大変お世話になりました。御礼を申し上げまして巻頭言とさせていただきます。

2024年7月
千葉大学大学院医学研究院整形外科学教授
大鳥精司