妊娠高血圧症候群の診療指針2021

Best Practice Guide

妊娠高血圧症候群の診療指針2021

■編集 日本妊娠高血圧学会

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • B5判  264ページ  2色(一部カラー)
  • 2021年7月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-2129-7

「妊娠高血圧症候群の診療指針 2015 Best Practice Guide」待望の改訂版がついに登場!

日本妊娠高血圧学会編による「妊娠高血圧症候群の診療指針 2015」の改訂版。学会のガイドライン改定委員会での厳密な審議を経て最新の知見を多く含めた,妊娠高血圧症候群の診療を考えるうえで必携の書籍。
改訂にあたっては,Clinical Questionsの解説とは別に,病態・定義等についての解説を独立させてより詳しく記載しており,必要な情報にアクセスしやすくした。


序文

 2005年に妊娠中毒症の定義・分類を大きく改定し,名称も妊娠高血圧症候群(pregnancy induced hypertension;PIH)と改めた。その目的は,高血圧が母児双方の予後に最も影響を与える重要な臨床症状であることを反映し,かつ病因・病態の解析・研究に資するようなもので,さらに諸外国の診断基準との整合性をとることができる定義・分類を作るためである。
 その定義・分類も10数年を経過して,再び種々の問題を内包するようになった。近年,妊産婦の高齢化に伴い高血圧合併妊娠の頻度が上昇し,妊娠前からの高血圧症の存在を無視できなくなり,この点を定義・分類に反映する必要性が出てきた。また,諸外国ではPIHの名称を次第に使わなくなり,妊娠前からの高血圧症の存在も含めたhypertensive disorders of pregnancy(HDP)という名称を使うようになり,以前にも増して母児双方の予後を反映する臨床的な定義・分類に改定されてきた。このため,再びわが国の定義・分類との整合性がとれなくなり,国際学会での討論や国際的な雑誌への論文投稿において問題を生じるようになってきた。このような状況を受けて,日本妊娠高血圧学会では2018年に上述した問題の解決を目的に再度定義・分類の改定を行った。今回の改定の原則は,あくまでも診断に関する改定で管理・治療法の原則が変わるわけではない。しかし,管理・治療法の一部は必然的に改定の影響を受けることになる。さらに,10数年経過したことにより,新たな考え方や知見が報告されている。この結果,これまで本学会が編集・刊行した『妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン2009』や『妊娠高血圧症候群の診療指針2015』の補足が必要となってきた。本書はそのために,2018年の改定直後から発刊が計画された。中本・渡辺両編集委員長を中心に数多くの編集会議を行い,数回に及ぶコンセンサスミーティングを経て発刊に至った。
 終わりに,中本・渡辺両編集委員長をはじめとした編集委員の先生方の熱意と努力に対し敬意と感謝の念を捧げるとともに,本書上梓に際しご助力を賜ったメジカルビュー社の浅見直博氏・松田史征氏に深い謝意を表する。

令和3年5月
日本妊娠高血圧学会
理事長 関 博之
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目次

Ⅰ 総論
 総論1  2018年の定義改定による新定義・分類6
 総論2  海外の定義・分類との違い
 総論3  高血圧に関する考え方
 総論4  蛋白尿に関する考え方
 総論5  早発型と遅発型の考え方
 総論6  重症の考え方
 総論7  妊娠高血圧腎症の臓器障害について
 総論8  病因について
 総論9  病態(GH,CH,PE,SPE)について
 総論10 妊娠高血圧症候群における胎児発育不全(FGR)の考え方
 総論11 疫学・リスク因子
 総論12 発症予知
 総論13 発症予防

Ⅱ 妊婦の診断と管理
 CQ1 妊婦の高血圧の診断は?
 CQ2 妊婦が高血圧と診断された場合の検査は?
 CQ3 高血圧合併妊娠の管理は?
 CQ4 妊娠高血圧腎症,妊娠高血圧の管理は?
 CQ5 加重型妊娠高血圧腎症の早期発見,診断,管理のポイントは?

Ⅲ 胎児管理
 CQ1 分娩を考慮する所見は?
 CQ2 分娩様式の選択は?
 CQ3 経腟分娩での分娩管理は?
 CQ4 分娩時の麻酔管理は?

Ⅳ 分娩周辺期の管理
 CQ1 分娩を考慮する所見は?
 CQ2 分娩様式の選択は?
 CQ3 経腟分娩での分娩管理は?
 CQ4 分娩時の麻酔管理は?

Ⅴ 分娩後の管理
 CQ1 分娩直後〜産後1週間の管理の注意点は?
 CQ2 分娩後1週間以降の管理の注意点は?
 CQ3 授乳中の降圧薬使用は?
 CQ4 分娩後12週以降に検査異常が残存している場合の注意点は?
 
Ⅵ 高血圧を認めた妊産褥婦に注意すべき症状,症候
 CQ1 痙攣を認めた場合の対応は?
 CQ2 頭痛,視覚障害を認めた場合の対応は?
 CQ3 右季肋部痛もしくは心窩部痛を認めた場合の対応は?
 CQ4 呼吸苦,倦怠感,胸痛を認めた場合の対応は?
 CQ5 尿量減少を認めた場合の対応は?
 CQ6 下腹部痛,性器出血を認めた場合の対応は?
 CQ7 分娩時に血小板減少,凝固異常を認めた場合の対応は?

Ⅶ 長期予後
 CQ1 妊娠を考えている妊娠高血圧症候群既往女性への対応は? 再発予防法は?
 CQ2 母体の長期予後を考えた管理方法は?

Ⅷ 解説
 解説1  血圧測定法
 解説2  尿蛋白測定法
 解説3  妊娠高血圧症候群における胎盤の病理学的特徴
 解説4  妊娠および産褥における心血管系の変化と心機能評価法
 解説5  中枢神経系評価法
 解説6  生活環境,生活習慣と妊娠高血圧症候群
 解説7  高血圧症の基礎的知識
 解説8  妊娠前と妊娠中の降圧療法
 解説9  急性期における降圧療法の実際
 解説10 慢性腎臓病(CKD)患者の周産期管理
 解説11 妊娠関連急性腎障害(AKI)の評価と周産期管理
 解説12 糖代謝異常と妊娠高血圧症候群
 解説13 甲状腺疾患と妊娠高血圧症候群
 解説14 抗リン脂質抗体症候群(APS)と妊娠高血圧症候群
 解説15 子癇
 解説16 妊産婦脳卒中
 解説17 HELLP症候群
 解説18 血栓性微小血管症[TMA(TTP,aHUS)]
 解説19 肺水腫
 解説20 周産期心筋症
 解説21 妊娠高血圧症候群による凝固障害
 解説22 常位胎盤早期剥離
 解説23 深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(DVT/PTE)
 解説24 妊産婦死亡や重篤な後遺障害 −厚生労働省科学研究班 妊産婦死亡検討委員会報告より−
 解説25 子宮胎盤機能不全と子宮内胎児死亡
 解説26 妊娠高血圧症候群における新生児予後と児の長期予後
 解説27 妊娠高血圧症候群に関する最近の研究の動向
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