Crosslink 理学療法学テキスト
日常生活活動学
定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
- B5判 384ページ オールカラー,イラスト200点,写真250点
- 2020年2月3日刊行
- ISBN978-4-7583-2009-2
電子版
序文
編集の序
本書は,疾患・障害や病期,理学療法を提供する施設等に関わらず,理学療法の臨床に密接に関連する日常生活活動について,養成校での授業・実習や臨床実習,さらに卒業後の臨床の場でも活用できることを念頭に構成されています。日常の生活を重視した対象者中心の理学療法を実施するためには,日常生活活動の概念や基本的な評価,介入の基本的知識などを修得する必要があります。
日常生活活動に関連する情報は,理学療法評価に必須であり,それらを考慮して目標を設定しプログラムを立案し,そして介入効果の指標として活用されます。対象者の生活を良好な状態へ支援するためには,対象者が日常に必要となる活動や参加の営みを遂行する際に選択する方法や環境の詳細,その際の大変さ,対象者の関わりの程度などの多面的な情報を入手する必要があります。必要な情報や効果的な介入は,疾患・障害や病期等によって重視する要点等が異なるため,それらの特徴を十分に理解した対応が求められます。対象者の状態に適切な動作の指導や環境調整を提供できると,その効果は即時的に得られることが少なくはなく,対象者にとって極めて有意義です。
さらに,日常生活活動に関連する考え方は,臨床だけでなく調査・研究においても重要です。理学療法の介入研究の主要な帰結評価指標としてだけでなく,高齢者を中心とした疾病予防,介護予防の取り組みには日常生活活動に関連する概念を応用する必要があります。
本書は,概念から代表的な疾患・障害における日常生活活動まで取り上げています。その中で,基本動作への介入や生活環境整備の実際,身体活動量などを含んでいることが特徴の一つです。視覚的に理解しやすく紙面を構成しており,臨床等での参考となれば幸いです。
最後に,執筆をご担当頂きました多くの先生方に御礼を申し上げるとともに,長期間にわたって本書の編集にご尽力いただきましたメジカルビュー社編集部の皆様に深く感謝申し上げます。
2019年12月
臼田 滋
本書は,疾患・障害や病期,理学療法を提供する施設等に関わらず,理学療法の臨床に密接に関連する日常生活活動について,養成校での授業・実習や臨床実習,さらに卒業後の臨床の場でも活用できることを念頭に構成されています。日常の生活を重視した対象者中心の理学療法を実施するためには,日常生活活動の概念や基本的な評価,介入の基本的知識などを修得する必要があります。
日常生活活動に関連する情報は,理学療法評価に必須であり,それらを考慮して目標を設定しプログラムを立案し,そして介入効果の指標として活用されます。対象者の生活を良好な状態へ支援するためには,対象者が日常に必要となる活動や参加の営みを遂行する際に選択する方法や環境の詳細,その際の大変さ,対象者の関わりの程度などの多面的な情報を入手する必要があります。必要な情報や効果的な介入は,疾患・障害や病期等によって重視する要点等が異なるため,それらの特徴を十分に理解した対応が求められます。対象者の状態に適切な動作の指導や環境調整を提供できると,その効果は即時的に得られることが少なくはなく,対象者にとって極めて有意義です。
さらに,日常生活活動に関連する考え方は,臨床だけでなく調査・研究においても重要です。理学療法の介入研究の主要な帰結評価指標としてだけでなく,高齢者を中心とした疾病予防,介護予防の取り組みには日常生活活動に関連する概念を応用する必要があります。
本書は,概念から代表的な疾患・障害における日常生活活動まで取り上げています。その中で,基本動作への介入や生活環境整備の実際,身体活動量などを含んでいることが特徴の一つです。視覚的に理解しやすく紙面を構成しており,臨床等での参考となれば幸いです。
最後に,執筆をご担当頂きました多くの先生方に御礼を申し上げるとともに,長期間にわたって本書の編集にご尽力いただきましたメジカルビュー社編集部の皆様に深く感謝申し上げます。
2019年12月
臼田 滋
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目次
第1章 日常生活活動の概念
【1】 日常生活活動とは 臼田 滋
1 日常生活活動(ADL)の定義
2 国際生活機能分類(ICF)と日常生活活動
3 基本的日常生活活動(BADL)
4 手段的日常生活活動(IADL)
5 日常生活活動と生活の質(QOL)
6 日常生活活動に対する支援
まとめ
第2章 日常生活活動の評価
【1】 日常生活活動評価の概要 山上徹也
1 評価の目的
2 評価方法
まとめ
【2】 代表的な評価指標
1 BI
2 FIM
3 IADL
4 基本動作・バランス
まとめ
第3章 基本動作とセルフケア
【1】 起居動作 篠原智行
1 寝返り
2 起き上がり
3 立ち上がり
4 座位
5 立位
まとめ
【2】 移乗動作 坂本由美
1 移乗動作の注意点
まとめ
【3】 移動動作・歩行
1 はじめに
2 歩行
3 車椅子駆動
4 その他の移動動作(床上移動)
まとめ
【4】 安全な介助方法 上田喜敏
1 人の手による介助のリスク
2 人間工学に基づいた安全な患者介助原則:福祉用具の活用
3 機器利用の方法と患者のearly mobility 支援
まとめ
【5】 セルフケア 原田和宏
1 食事動作から入浴動作まで
まとめ
【6】 手段的日常生活活動
1 家事動作と屋外移動など
まとめ
第4章 生活環境整備
【1】 義肢装具 山路雄彦
1 義肢
2 装具
まとめ
【2】 歩行補助具
1 歩行補助具の種類と特徴
まとめ
【3】 車椅子・座位保持装置 森井和枝
1 自走用車椅子
2 介助用車椅子
3 電動車椅子
4 車椅子クッション
5 車椅子の車載
6 座位保持装置
7 車椅子の処方
まとめ
【4】 日常生活用具・自助具 浅川育世
1 日常生活用具
2 自助具
まとめ
【5】 住宅改修と家庭環境の整備
1 住環境の整備・改修
まとめ
第5章 身体活動量
【1】 理学療法と身体活動 橋立博幸
1 身体活動
まとめ
【2】 身体活動量の測定
1 身体活動量
まとめ
【3】 身体活動の増進
1 身体不活動と身体活動の増進
まとめ
第6章 代表的な疾患・障害における日常生活活動
【1】 片麻痺 篠原智行
1 日常生活活動(ADL)の特徴
2 評価の要点
3 介入内容
まとめ
【2】 脊髄損傷,脊椎・脊髄疾患 樋口大輔
1 脊髄損傷
2 脊椎・脊髄疾患(腰椎疾患)
まとめ
【3】 関節リウマチ 森山英樹
1 疾患の概要
2 日常生活活動(ADL)の特徴
3 評価の要点
4 介入内容
5 実践的練習
まとめ
【4】 変形性関節症(人工関節置換術含む)
1 疾患の概要
2 日常生活活動(ADL)の特徴
3 評価の要点
4 介入内容
5 実践的練習
まとめ
【5】 切断 山路雄彦
1 下肢切断
まとめ
【6】 脳性麻痺児者の日常生活活動 橋口 優
1 疾患の病態と日常生活活動(ADL)
2 脳性麻痺児者におけるADLの評価
3 各ADL 動作の特徴と介入・実践的練習
まとめ
【7】 呼吸器疾患 千木良佑介
1 日常生活活動(ADL)の特徴
2 評価の要点
3 介入内容と実践的練習
まとめ
【8】 循環器疾患
1 日常生活活動(ADL)の特徴
2 評価の要点
3 介入内容と実践的練習
まとめ
【9】 神経筋疾患 上出直人
1 神経筋疾患に対する日常生活活動(ADL)指導の考え方
2 パーキンソン病患者のADL
3 脊髄小脳変性症(SCD)患者のADL
4 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者のADL
5 筋ジストロフィー患者のADL
まとめ
【10】 高次脳機能障害・認知症 田中繁弥
1 高次脳機能障害
2 認知症
まとめ
症例集
片麻痺 篠原智行
変形性関節症 森山英樹
脳性麻痺 橋口 優
呼吸器疾患 千木良佑介
筋萎縮性側索硬化症 浅川孝司,上出直人
【1】 日常生活活動とは 臼田 滋
1 日常生活活動(ADL)の定義
2 国際生活機能分類(ICF)と日常生活活動
3 基本的日常生活活動(BADL)
4 手段的日常生活活動(IADL)
5 日常生活活動と生活の質(QOL)
6 日常生活活動に対する支援
まとめ
第2章 日常生活活動の評価
【1】 日常生活活動評価の概要 山上徹也
1 評価の目的
2 評価方法
まとめ
【2】 代表的な評価指標
1 BI
2 FIM
3 IADL
4 基本動作・バランス
まとめ
第3章 基本動作とセルフケア
【1】 起居動作 篠原智行
1 寝返り
2 起き上がり
3 立ち上がり
4 座位
5 立位
まとめ
【2】 移乗動作 坂本由美
1 移乗動作の注意点
まとめ
【3】 移動動作・歩行
1 はじめに
2 歩行
3 車椅子駆動
4 その他の移動動作(床上移動)
まとめ
【4】 安全な介助方法 上田喜敏
1 人の手による介助のリスク
2 人間工学に基づいた安全な患者介助原則:福祉用具の活用
3 機器利用の方法と患者のearly mobility 支援
まとめ
【5】 セルフケア 原田和宏
1 食事動作から入浴動作まで
まとめ
【6】 手段的日常生活活動
1 家事動作と屋外移動など
まとめ
第4章 生活環境整備
【1】 義肢装具 山路雄彦
1 義肢
2 装具
まとめ
【2】 歩行補助具
1 歩行補助具の種類と特徴
まとめ
【3】 車椅子・座位保持装置 森井和枝
1 自走用車椅子
2 介助用車椅子
3 電動車椅子
4 車椅子クッション
5 車椅子の車載
6 座位保持装置
7 車椅子の処方
まとめ
【4】 日常生活用具・自助具 浅川育世
1 日常生活用具
2 自助具
まとめ
【5】 住宅改修と家庭環境の整備
1 住環境の整備・改修
まとめ
第5章 身体活動量
【1】 理学療法と身体活動 橋立博幸
1 身体活動
まとめ
【2】 身体活動量の測定
1 身体活動量
まとめ
【3】 身体活動の増進
1 身体不活動と身体活動の増進
まとめ
第6章 代表的な疾患・障害における日常生活活動
【1】 片麻痺 篠原智行
1 日常生活活動(ADL)の特徴
2 評価の要点
3 介入内容
まとめ
【2】 脊髄損傷,脊椎・脊髄疾患 樋口大輔
1 脊髄損傷
2 脊椎・脊髄疾患(腰椎疾患)
まとめ
【3】 関節リウマチ 森山英樹
1 疾患の概要
2 日常生活活動(ADL)の特徴
3 評価の要点
4 介入内容
5 実践的練習
まとめ
【4】 変形性関節症(人工関節置換術含む)
1 疾患の概要
2 日常生活活動(ADL)の特徴
3 評価の要点
4 介入内容
5 実践的練習
まとめ
【5】 切断 山路雄彦
1 下肢切断
まとめ
【6】 脳性麻痺児者の日常生活活動 橋口 優
1 疾患の病態と日常生活活動(ADL)
2 脳性麻痺児者におけるADLの評価
3 各ADL 動作の特徴と介入・実践的練習
まとめ
【7】 呼吸器疾患 千木良佑介
1 日常生活活動(ADL)の特徴
2 評価の要点
3 介入内容と実践的練習
まとめ
【8】 循環器疾患
1 日常生活活動(ADL)の特徴
2 評価の要点
3 介入内容と実践的練習
まとめ
【9】 神経筋疾患 上出直人
1 神経筋疾患に対する日常生活活動(ADL)指導の考え方
2 パーキンソン病患者のADL
3 脊髄小脳変性症(SCD)患者のADL
4 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者のADL
5 筋ジストロフィー患者のADL
まとめ
【10】 高次脳機能障害・認知症 田中繁弥
1 高次脳機能障害
2 認知症
まとめ
症例集
片麻痺 篠原智行
変形性関節症 森山英樹
脳性麻痺 橋口 優
呼吸器疾患 千木良佑介
筋萎縮性側索硬化症 浅川孝司,上出直人
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理学療法学専門科目に対応したテキストシリーズ。
第1章では日常生活活動の概念や評価についての基礎知識を解説,第2〜6章では基本動作とヘルスケア,生活環境整備,身体活動量,代表的な疾患・障害における日常生活活動について解説し,基本的な内容から実践的な内容まで,1冊で学べる構成となっている。