Crosslink 理学療法学テキスト
小児理学療法学
定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
- B5判 488ページ オールカラー,イラスト400点,写真150点
- 2020年9月28日刊行
- ISBN978-4-7583-2007-8
序文
編集の序
この度,『Crosslink 理学療法学テキスト 小児理学療法学』が多くの皆様のご支援により発刊の運びとなりました。すでに複数の小児理学療法学のテキストがあるなかで,私たち編集者は,2つの新しいチャレンジに取り組みました。それは,臨床現場で活用できる内容を多く含むことと今までにないテキストの構成です。
既存の小児理学療法学のテキストに比べ本テキストは,国家試験合格後の臨床現場でも引き続き使用していただけるように,臨床での実践に活用できる内容を豊富に含んでいます。これは「Crosslink 理学療法学テキストシリーズ」の編集方針でもあります。他の分野に比べて特に小児分野の場合,学生時代には対象となる障害のある子どもたちの臨床像の理解が難しいことが多いため,卒後臨床業務のなかで子どもたちの治療を行うときに,もう一度このテキストを見て業務に役立てていただきたいと思っています。このように本テキストは国家試験対策に必要な知識以上の内容も多く含んでいるため,学生の方は本テキストのすべての内容を在学中に理解する必要はなく,科目担当の先生が選択された項目を理解していただければと思っています。
もう1 つのチャレンジは,既存のテキストが基本的に疾患別の構成であったのに対して,本テキストは①子どもの治療の枠組みを示し,②機能と活動ごとの発達・評価・介入の説明を行ったうえで,③疾患の特徴と特有の評価・介入を紹介する構成にしました。このように小児理学療法の基盤となる枠組みと機能・活動別の知識をもったうえで,各疾患に特有の評価や介入方法を学ぶことで,子どもにかかわる理学療法士が共通の基盤をもつことができると考えたからです。
各章の執筆者の先生方は,学術的な知識に加え豊富な臨床経験をもたれており,学生向けだけでなく,臨床家の方にも必要な知識と豊富なアイデアを提供していただける医療専門家の皆様です。執筆者の先生方のおかげで,学生や臨床家の先生方に有効に使っていただける素晴らしい小児理学療法学のテキストを新たにつくることができたと自負しています。また,このテキストの発刊ができましたのは,私たち編集者の思いを受け取り形にまとめてくださった株式会社メジカルビュー社の編集部の皆様のおかげです。この場を借りて,執筆者の先生方と編集部の皆様に深くお礼申し上げます。
最後に,このテキストが障害のある子どもたちとご家族へのよりよいサービス提供に貢献できることを心から祈願しております。
2020年8月
藪中良彦
木元 稔
坂本 仁
この度,『Crosslink 理学療法学テキスト 小児理学療法学』が多くの皆様のご支援により発刊の運びとなりました。すでに複数の小児理学療法学のテキストがあるなかで,私たち編集者は,2つの新しいチャレンジに取り組みました。それは,臨床現場で活用できる内容を多く含むことと今までにないテキストの構成です。
既存の小児理学療法学のテキストに比べ本テキストは,国家試験合格後の臨床現場でも引き続き使用していただけるように,臨床での実践に活用できる内容を豊富に含んでいます。これは「Crosslink 理学療法学テキストシリーズ」の編集方針でもあります。他の分野に比べて特に小児分野の場合,学生時代には対象となる障害のある子どもたちの臨床像の理解が難しいことが多いため,卒後臨床業務のなかで子どもたちの治療を行うときに,もう一度このテキストを見て業務に役立てていただきたいと思っています。このように本テキストは国家試験対策に必要な知識以上の内容も多く含んでいるため,学生の方は本テキストのすべての内容を在学中に理解する必要はなく,科目担当の先生が選択された項目を理解していただければと思っています。
もう1 つのチャレンジは,既存のテキストが基本的に疾患別の構成であったのに対して,本テキストは①子どもの治療の枠組みを示し,②機能と活動ごとの発達・評価・介入の説明を行ったうえで,③疾患の特徴と特有の評価・介入を紹介する構成にしました。このように小児理学療法の基盤となる枠組みと機能・活動別の知識をもったうえで,各疾患に特有の評価や介入方法を学ぶことで,子どもにかかわる理学療法士が共通の基盤をもつことができると考えたからです。
各章の執筆者の先生方は,学術的な知識に加え豊富な臨床経験をもたれており,学生向けだけでなく,臨床家の方にも必要な知識と豊富なアイデアを提供していただける医療専門家の皆様です。執筆者の先生方のおかげで,学生や臨床家の先生方に有効に使っていただける素晴らしい小児理学療法学のテキストを新たにつくることができたと自負しています。また,このテキストの発刊ができましたのは,私たち編集者の思いを受け取り形にまとめてくださった株式会社メジカルビュー社の編集部の皆様のおかげです。この場を借りて,執筆者の先生方と編集部の皆様に深くお礼申し上げます。
最後に,このテキストが障害のある子どもたちとご家族へのよりよいサービス提供に貢献できることを心から祈願しております。
2020年8月
藪中良彦
木元 稔
坂本 仁
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目次
第 1 章 小児理学療法概論
【1】 小児理学療法のパラダイムシフト 藪中良彦
1 小児理学療法の特徴
2 小児理学療法のパラダイムシフト
3 子どもと家族の生活や思いの把握
4 家族との協業による目標設定
5 代償的発達アプローチと提案アプローチ
6 フィットネス
まとめ
【2】運動学習の原則 藪中良彦,高塩純一
1 運動学習の理論やアプローチ
まとめ
【3】小児理学療法の評価 藪中良彦
1 評価の方法と進め方
まとめ
【4】小児理学療法アプローチの枠組み 藪中良彦
1 臨床における枠組みの活用
まとめ
第 2 章 子どもの発達と評価・介入
【1】全般的発達 杉浦さやか
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【2】筋・骨関節系 木元 稔,坂本 仁
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【3】神経系 浅野大喜,藪中良彦,豊野美幸
1 中枢神経の発生
2 脳の発達
3 周産期における脳損傷の特徴
4 評価
5 介入
まとめ
【4】呼吸・循環器系 横山美佐子
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【5】姿勢と粗大運動 藪中良彦
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【6】歩行 木元 稔,坂本 仁
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【7】目と手・上肢機能 藪中良彦,須貝京子
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【8】日常生活活動と遊び 藪中良彦,須貝京子
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
第 3 章 疾患・対象児別アプローチ
【1】低出生体重児・ハイリスク児 儀間裕貴,藤本智久
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【2】脳性麻痺 藪中良彦
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【3】重症心身障害 高塩純一
1 重症心身障害とは
2 病態
3 超重症児と準超重症児
4 発達的特徴
5 動く重症児・者と強度行動障害
6 支援方法についての考え方
7 生活支援についての考え方
まとめ
【4】小児整形疾患
【4-1】二分脊椎症 糸数昌史
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【4-2】ペルテス病 西部寿人
1 病態
2 発達的特徴や臨床症状
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【4-3】骨形成不全症 井上和広
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【4-4】軟骨無形成症 井上和広
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【5】 筋ジストロフィー 三浦利彦
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【6】 ダウン症候群を中心とした精神運動発達遅滞 多田智美
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【7】 発達障害藪 中良彦,早島禎幸
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【8】 地域学校での理学療法 粕山達也
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
症例集
低出生体重児・ハイリスク児 藤本智久
脳性麻痺児 東 周平
重症心身障害児① 高塩純一
重症心身障害児② 高塩純一
二分脊椎症 糸数昌史
筋ジストロフィー 三浦利彦
ダウン症候群多 田智美
【1】 小児理学療法のパラダイムシフト 藪中良彦
1 小児理学療法の特徴
2 小児理学療法のパラダイムシフト
3 子どもと家族の生活や思いの把握
4 家族との協業による目標設定
5 代償的発達アプローチと提案アプローチ
6 フィットネス
まとめ
【2】運動学習の原則 藪中良彦,高塩純一
1 運動学習の理論やアプローチ
まとめ
【3】小児理学療法の評価 藪中良彦
1 評価の方法と進め方
まとめ
【4】小児理学療法アプローチの枠組み 藪中良彦
1 臨床における枠組みの活用
まとめ
第 2 章 子どもの発達と評価・介入
【1】全般的発達 杉浦さやか
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【2】筋・骨関節系 木元 稔,坂本 仁
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【3】神経系 浅野大喜,藪中良彦,豊野美幸
1 中枢神経の発生
2 脳の発達
3 周産期における脳損傷の特徴
4 評価
5 介入
まとめ
【4】呼吸・循環器系 横山美佐子
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【5】姿勢と粗大運動 藪中良彦
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【6】歩行 木元 稔,坂本 仁
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【7】目と手・上肢機能 藪中良彦,須貝京子
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
【8】日常生活活動と遊び 藪中良彦,須貝京子
1 発達
2 評価
3 介入
まとめ
第 3 章 疾患・対象児別アプローチ
【1】低出生体重児・ハイリスク児 儀間裕貴,藤本智久
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【2】脳性麻痺 藪中良彦
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【3】重症心身障害 高塩純一
1 重症心身障害とは
2 病態
3 超重症児と準超重症児
4 発達的特徴
5 動く重症児・者と強度行動障害
6 支援方法についての考え方
7 生活支援についての考え方
まとめ
【4】小児整形疾患
【4-1】二分脊椎症 糸数昌史
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【4-2】ペルテス病 西部寿人
1 病態
2 発達的特徴や臨床症状
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【4-3】骨形成不全症 井上和広
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【4-4】軟骨無形成症 井上和広
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【5】 筋ジストロフィー 三浦利彦
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【6】 ダウン症候群を中心とした精神運動発達遅滞 多田智美
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【7】 発達障害藪 中良彦,早島禎幸
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
【8】 地域学校での理学療法 粕山達也
1 病態
2 発達的特徴
3 医療的ケア
4 特有の評価
5 特有の治療原則と介入方法・工夫
まとめ
症例集
低出生体重児・ハイリスク児 藤本智久
脳性麻痺児 東 周平
重症心身障害児① 高塩純一
重症心身障害児② 高塩純一
二分脊椎症 糸数昌史
筋ジストロフィー 三浦利彦
ダウン症候群多 田智美
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