OGS NOW basic 4
明日からできる良性腫瘍の手術
[Web動画付]
初心者と指導者のために
定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- A4判 160ページ オールカラー,イラスト100点,写真100点,Web動画21本/76分
- 2020年11月23日刊行
- ISBN978-4-7583-1984-3
序文
OGS NOW basicの刊行にあたって
この度,産婦人科手術書OGS NOW の姉妹編としてOGS NOW basic を刊行することになりました。OGS NOWはわかりやすいイラストを用い,各手術のストラテジー,コツ,ピットフォールなどの項目を設け,従来の手術書の行間に書かれていた内容を解説してもらいました。これは,より安全な術式を効率よくマスターしてほしいとの思いからでた発想であり,2010年から2015年にかけて全24 巻発刊し,今も多くの先生方に愛読していただいております。
今も昔も,多くの産婦人科手術に対するストラテジーには大きな変化はありませんが,この10 年間に腹腔鏡手術やロボット手術が急速に発展し,パワーデバイスや周術期管理なども年々進歩してきています。このような現況を踏まえ,OGS NOW は継続して刊行していきながら,それをさらに補い,主に卒後10 年位までの若い先生を対象とした手術入門書として,up-to-dateな内容を盛り込み,基本的な術式をよりわかりやすく解説する書籍としてOGS NOW basicを発刊することにしました。
本シリーズでは,OGS NOWの編集方針は継承しつつ,次のような編集方針で企画していきます。
1)卒後10年位までの若い先生を主たる対象とする。
2) 難易度の高い手術は「OGS NOW」を参照してもらい,難しいテーマはできるだけ取り扱わない。
3)その手術に必要な解剖知識を記載する。
4)各操作の理解を助けるために必要な短い動画をつける。
4)麻酔や合併症対策も記載する。
多くのup-to-dateな内容を取り入れていくと同時に,鏡視下手術で得られる画像,解剖を掲載しますのでベテランの先生方にも役立てていただけるものと思っています。
手術はScienceを基盤にしたArt です。本シリーズではこのtechnical skillをわかりやすく解説します。また,よい外科医と呼ばれるのにはtechnical skill に加え,non-technical skillを備えておく必要があります。これについてもコラム等で可能な限り伝えていきたいと考えています。
OGS Now 全24 巻とともに,年4冊発刊予定であるOGS NOW basicも手元においていただき,手術前後に必ず該当項目を読んで修練し,手術の達人そしてbest Surgeonを目指してほしいと思います。
2020年3月吉日
編集委員 平松祐司 岡山市立総合医療センター顧問,岡山大学名誉教授
竹田 省 順天堂大学医学部産婦人科学講座特任教授,母子愛育会愛育研究所所長
万代昌紀 京都大学医学研究科婦人科学産科学分野教授
小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学教授
----------------------
序 文
「愚者は経験に学び,賢者は歴史に学ぶ……」ドイツの名宰相オットー・ビスマルクの言葉ですが,熟練の外科医でも,誰もが初めて執刀した初症例があったはずです。“とりあえず1例目を執刀してみて,失敗したら次の症例で改善すればいい”という考えでは,患者さんはたまったものではありません。特に初心者の自分に手術を任せてくださった患者さんには,1 例目からでも失敗のない最善の手術を提供したいものです。そのためには術前に手術の流れを把握し,手技のコツと留意点をしっかり理解して初症例に臨むことが重要です。
本書では,そのような初心者の産婦人科医が“明日からでも” 良性腫瘍手術を執刀できるよう,QR コードで容易に視聴できるショートムービーとともに手技の詳細をわかりやすく示しています。手術の流れに沿って,要所要所で“point” と“pitfall” を示し,必要な解剖や麻酔の知識もこの1冊で習得できるように構成されています。上手な助手は術者が執刀しやすいようにサポートしてくれますが,優秀な助手になることは,上手な術者になる近道です。そのためにも,本書の“ アシスタントの心構え・役割” を身に付けてください。
本書は,術者を育成する際に指導者が留意すべき点についても記載しています。指導者の皆さんには,自分より短期間で自分を超える技量の術者を育てることを喜びにしていただきたい。それが叶えば,産婦人科術者全体の技量が底上げされ,患者さんに大きな恩恵をもたらすでしょう。そのためには,本書を参考に術中の各場面で“point” と“pitfall” について解説し,特に開腹術では視覚のみならず触覚も使った指導をしてください。今後,腹腔鏡やロボット手術がますます増えてくるなかで,例数が減っていく開腹術をいかに有効に術者育成に利用するかが大事になります。開腹術を通して深部の解剖を知ったうえで,それより浅い術野で腹腔鏡やロボットなどのminimally invasive surgery を行うことが執刀の安全につながるからです。
代表的な良性腫瘍手術の基本的事項について記載した本巻が理解できたら,ぜひ既刊のOGS NOW で,対応する術式の章もお読みください。それこそが,あなたが上手な術者やよい指導者になる早道だと思います。
2020年10月
小林裕明
この度,産婦人科手術書OGS NOW の姉妹編としてOGS NOW basic を刊行することになりました。OGS NOWはわかりやすいイラストを用い,各手術のストラテジー,コツ,ピットフォールなどの項目を設け,従来の手術書の行間に書かれていた内容を解説してもらいました。これは,より安全な術式を効率よくマスターしてほしいとの思いからでた発想であり,2010年から2015年にかけて全24 巻発刊し,今も多くの先生方に愛読していただいております。
今も昔も,多くの産婦人科手術に対するストラテジーには大きな変化はありませんが,この10 年間に腹腔鏡手術やロボット手術が急速に発展し,パワーデバイスや周術期管理なども年々進歩してきています。このような現況を踏まえ,OGS NOW は継続して刊行していきながら,それをさらに補い,主に卒後10 年位までの若い先生を対象とした手術入門書として,up-to-dateな内容を盛り込み,基本的な術式をよりわかりやすく解説する書籍としてOGS NOW basicを発刊することにしました。
本シリーズでは,OGS NOWの編集方針は継承しつつ,次のような編集方針で企画していきます。
1)卒後10年位までの若い先生を主たる対象とする。
2) 難易度の高い手術は「OGS NOW」を参照してもらい,難しいテーマはできるだけ取り扱わない。
3)その手術に必要な解剖知識を記載する。
4)各操作の理解を助けるために必要な短い動画をつける。
4)麻酔や合併症対策も記載する。
多くのup-to-dateな内容を取り入れていくと同時に,鏡視下手術で得られる画像,解剖を掲載しますのでベテランの先生方にも役立てていただけるものと思っています。
手術はScienceを基盤にしたArt です。本シリーズではこのtechnical skillをわかりやすく解説します。また,よい外科医と呼ばれるのにはtechnical skill に加え,non-technical skillを備えておく必要があります。これについてもコラム等で可能な限り伝えていきたいと考えています。
OGS Now 全24 巻とともに,年4冊発刊予定であるOGS NOW basicも手元においていただき,手術前後に必ず該当項目を読んで修練し,手術の達人そしてbest Surgeonを目指してほしいと思います。
2020年3月吉日
編集委員 平松祐司 岡山市立総合医療センター顧問,岡山大学名誉教授
竹田 省 順天堂大学医学部産婦人科学講座特任教授,母子愛育会愛育研究所所長
万代昌紀 京都大学医学研究科婦人科学産科学分野教授
小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学教授
----------------------
序 文
「愚者は経験に学び,賢者は歴史に学ぶ……」ドイツの名宰相オットー・ビスマルクの言葉ですが,熟練の外科医でも,誰もが初めて執刀した初症例があったはずです。“とりあえず1例目を執刀してみて,失敗したら次の症例で改善すればいい”という考えでは,患者さんはたまったものではありません。特に初心者の自分に手術を任せてくださった患者さんには,1 例目からでも失敗のない最善の手術を提供したいものです。そのためには術前に手術の流れを把握し,手技のコツと留意点をしっかり理解して初症例に臨むことが重要です。
本書では,そのような初心者の産婦人科医が“明日からでも” 良性腫瘍手術を執刀できるよう,QR コードで容易に視聴できるショートムービーとともに手技の詳細をわかりやすく示しています。手術の流れに沿って,要所要所で“point” と“pitfall” を示し,必要な解剖や麻酔の知識もこの1冊で習得できるように構成されています。上手な助手は術者が執刀しやすいようにサポートしてくれますが,優秀な助手になることは,上手な術者になる近道です。そのためにも,本書の“ アシスタントの心構え・役割” を身に付けてください。
本書は,術者を育成する際に指導者が留意すべき点についても記載しています。指導者の皆さんには,自分より短期間で自分を超える技量の術者を育てることを喜びにしていただきたい。それが叶えば,産婦人科術者全体の技量が底上げされ,患者さんに大きな恩恵をもたらすでしょう。そのためには,本書を参考に術中の各場面で“point” と“pitfall” について解説し,特に開腹術では視覚のみならず触覚も使った指導をしてください。今後,腹腔鏡やロボット手術がますます増えてくるなかで,例数が減っていく開腹術をいかに有効に術者育成に利用するかが大事になります。開腹術を通して深部の解剖を知ったうえで,それより浅い術野で腹腔鏡やロボットなどのminimally invasive surgery を行うことが執刀の安全につながるからです。
代表的な良性腫瘍手術の基本的事項について記載した本巻が理解できたら,ぜひ既刊のOGS NOW で,対応する術式の章もお読みください。それこそが,あなたが上手な術者やよい指導者になる早道だと思います。
2020年10月
小林裕明
全文表示する
閉じる
目次
良性腫瘍手術に対する骨盤解剖の理解と心構え 小林裕明
良性疾患の各手術に必要な麻酔法
(1)開腹術 五代幸平 ほか
(2)腹腔鏡・ロボット手術 五代幸平 ほか
付属器摘出術
(1)開腹 百枝幹雄
(2)腹腔鏡 出浦伊万里
卵巣囊腫切除(核出)術
(1)開腹 百枝幹雄
(2)腹腔鏡 出浦伊万里
単純子宮全摘術
(1) 腹式子宮全摘術(筋膜外子宮全摘術,筋膜内子宮全摘術逆行性子宮全摘術) 平松祐司
(2)腟式子宮全摘術 中田真木
(3)ロボット手術 小林裕明
子宮筋腫核出術
(1) 開腹 平松祐司
(2)腹腔鏡 北出真理 ほか
(3)子宮鏡(TCR) 平池 修 ほか
異所性妊娠(卵管切除術,卵管線状切開術) 梁 善光
ノンテクニカルスキルを学ぶ手術とチームSTEPPS 平松祐司
良性疾患の各手術に必要な麻酔法
(1)開腹術 五代幸平 ほか
(2)腹腔鏡・ロボット手術 五代幸平 ほか
付属器摘出術
(1)開腹 百枝幹雄
(2)腹腔鏡 出浦伊万里
卵巣囊腫切除(核出)術
(1)開腹 百枝幹雄
(2)腹腔鏡 出浦伊万里
単純子宮全摘術
(1) 腹式子宮全摘術(筋膜外子宮全摘術,筋膜内子宮全摘術逆行性子宮全摘術) 平松祐司
(2)腟式子宮全摘術 中田真木
(3)ロボット手術 小林裕明
子宮筋腫核出術
(1) 開腹 平松祐司
(2)腹腔鏡 北出真理 ほか
(3)子宮鏡(TCR) 平池 修 ほか
異所性妊娠(卵管切除術,卵管線状切開術) 梁 善光
ノンテクニカルスキルを学ぶ手術とチームSTEPPS 平松祐司
全文表示する
閉じる
初心者が執刀する際の留意点や手術手技のコツを術式別に解説!
若手産婦人科医を対象に「基本的に身につけなければならない手技」を解説し,“十分な理解に基づく手術”をマスターできる実践的シリーズ。緻密で美しいイラストにより読むだけで手術をシミュレートできるビジュアル重視の紙面に加え,スマートフォン等でアクセスできる本文とリンクした動画をストリーミング配信。解説は簡潔かつ初心者フレンドリーで,今さら聞けないような事柄についても丁寧に記載し,助手などの補助的な立場の手術参加者にもより役立つ作りとしている。
第4巻では,良性腫瘍の手術を行うために必要な骨盤解剖,麻酔の選択から,初心者が執刀する際の留意点や手術手技のコツを開腹/腹腔鏡/ロボット等の術式別に解説。