循環器診療
レジデント・ザ・ベーシック

改訂第2版

循環器診療レジデント・ザ・ベーシック

■編集 心臓血管研究所付属病院

定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
  • B6変型判  528ページ  2色,解剖等カラーイラスト有,イラスト383点,写真187点
  • 2021年3月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-1974-4

レジデントに必要な知識を1冊で全網羅。循環器専門病院だからこそできた充実の内容!

循環器専門医を目指すレジデントにとって必要な情報を端的,かつわかりやすく解説した書籍。どのようなときにどのような情報が必要かを考え,項立てを実施。カルテにはどのように記載したらいいのか,目の前の患者さんの症状から考えられる疾患はなにか,緊急患者への対応法,検査の目的や基礎知識,疾患別の診断法・治療法,薬剤の使用方法を解説。
「弁膜症のカテーテル治療」と「心不全治療薬」を追加し,また索引も充実してさらに使いやすくなった待望の改訂第2版!


序文

 振り返ってみれば,私のレジデント時代は,循環器領域のハンドブックなどは存在しておらず,自分でサイズの大きな書籍の内容を縮小コピーし手帳などに貼り付け,自分用のハンドブックを作成していました。現在では情報量も私のレジデント時代より格段に多くなってきており,個人でのハンドブック作成は困難であることが容易に想像つきます。
 一方,近年医療を取り巻く環境も厳しくなり,知識不足からくる医療ミスなどに対する眼も厳しさを増す一方です。すべての知識を得て診療に向かうことは到底困難なことであり,人間の記憶は無尽蔵ではないため,時に間違った記憶に置き換わることさえあります。そのようなことがないようにPCやスマートフォンなどで情報を得ても,インターネット上の情報がすべて正しいともいえない現状があります。このため,持ち運びができ,自分の知識の確認などが可能で,正確な情報が記載されているハンドブックはレジデントにとって必須のアイテムと考えられます。
 本書はこのような思いを込め2015年に初版を発行しましたが,電子媒体が席巻する現在においても,このハンドブックタイプの書籍が受け入れられ,増刷を数回するほど発行部数も伸びました。多少なりとも,臨床の現場でお役に立てたのではないかと自負する一方で,次々とガイドラインは更新され,新たな検査法,新しいデバイス,新しい薬剤を含めた新しい治療法なども確立されてきたことから,初版では対応しきれなくなって来ておりました。本来であれば,もう少し早く改訂するべきであったと猛省しておりますが,この時期に改訂できたことによって,最新のガイドラインを収載することができたのも事実であります。本書が初版同様,皆様の診療の一助になれば光栄であるとともに,医療関係者を通じ患者様の治療に貢献できれば幸甚です。

2021年3 月
公益財団法人心臓血管研究所付属病院院長
矢嶋純二
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目次

Ⅰ 必要最小限カルテに記載するべき身体所見

Ⅱ 症状別 疾患に対する対応,考え方 —疾患名を導くための工夫—
 【1】胸痛,背部痛,心窩部痛
 【2】動悸
 【3】呼吸困難
 【4】浮腫
 【5】めまい,失神
 【6】不明熱
 【7】間欠性跛行,安静時下肢疼痛
 【8】突然の下肢もしくは上肢の痛み

Ⅲ 緊急患者への対応
 【1】心肺蘇生法
 【2】初療時処置
 【3】ショック患者への対応

Ⅳ 診断・治療に必要な検査
 【1】心電図
 【2】胸部X線
 【3】心エコー
 【4】足関節上腕血圧比(ABI)
 【5】造影CT(血管疾患)
 【6】冠動脈CT
 【7】核医学検査(核種の説明,虚血評価,心筋viability)
 【8】MRI(大血管評価,末梢血管評価)
 【9】心臓MRI
 【10】Swan-Ganz(SG)カテーテルによる心機能評価
 【11】左心カテーテルによる圧記録と右心カテーテルとの同時圧記録
 【12】左室造影
 【13】冠動脈造影
 【14】電気生理学的検査
 【15】TILT試験

Ⅴ 疾患別 診断法・治療法
 【1】虚血性心疾患
 【2】不整脈
  ①徐脈性不整脈
  ②頻脈性不整脈
  ③心房細動
  ④不整脈原性右室心筋症(ARVC)
  ⑤Brugada症候群
  ⑥カテーテルアブレーション
 【3】植込み型ペースメーカーの適応
 【4】心不全
 【5】心膜心筋疾患
 【6】拡張型心筋症に対する外科治療
 【7】閉塞性肥大型心筋症に対する手術
 【8】経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)
 【9】弁膜症
 【10】弁膜症のカテーテル治療
 【11】弁膜症の外科治療
 【12】大動脈疾患
 【13】Leriche症候群
 【14】末梢血管疾患
  ①末梢動脈疾患(PAD)
  ②Buerger病
  ③腎動脈硬化症
  ④頚動脈硬化症
 【15】肺高血圧症
 【16】急性下肢虚血
 【17】下肢静脈瘤
 【18】先天性心疾患
 【19】心臓リハビリテーション

Ⅵ よく使う薬剤の使用方法
 内服薬
 【1】降圧薬
 【2】硝酸薬およびニコランジル
 【3】抗血小板薬
 【4】抗凝固薬
 【5】抗不整脈薬
 【6】利尿薬
 【7】心不全治療薬
 静注薬
 【8】心不全の静注薬
 【9】虚血性心疾患の静注薬
 【10】抗不整脈薬
 【11】その他

Ⅶ 冠危険因子の管理
 【1】冠動脈疾患の危険因子
 【2】高血圧
 【3】脂質異常症
 【4】糖尿病
 【5】喫煙
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